米国議会図書館蔵『源氏物語』 鈴虫 ---------------------------------------------------------------------------------- 記号の説明 1.くの字点は/\で表す。 2.和歌は「」で括る。 3.散らし書き和歌の末尾に#を付ける。 4.判読できない文字は■で表す。 本文の修正 1.翻字本文を修正した場合には、修正履歴を末尾に示す。 ---------------------------------------------------------------------------------- すゝむし (1オ) 夏のころはちすの花のさかりに入道のひめ宮の御ちふつ たうとものあらはれ出給へるくやうせさせ給此たひはおとゝの君の 御心さしにて御ねんすたうのくともこまかにとゝのへさせ給へるをやか てしつらはせ給はたのさまなとなつかしく心ことなるからにしきなと えらひぬはせ給へりむらさきのうへそいそきせさせ給ける花つく えのおほひなとみなしめそめなれとなつかしうきよらなるにほひをそめ つけられたる心はへめなれぬさま也よるのみきちやうのかたひらをよおもて なからあけわたしてうしろのかたに法花のまんたらかけたてまつり しろかねの花かめにたかくこと/\しきはなのえたをたてまつりみやう かうにはからの百ふのくんえかうをたき給へりあみた仏けうしのほさつ (1ウ) をの/\ひやくたんしてつくりたてまつりたるこまかにうつくしけ也あかのくは れいのきはやかにちいさくてあをきしろきむらさきはちすをとゝのへ てかえうのほうをあはせたるみやうかうをたきにほはしたるおりにあひて いとなつかし経は六道の衆生のために六部かゝせ給みつからの御ち経は 院そ御てつからかゝせ給へる是をたに此世のけちえんにてかたみにみちひき かはし給ふへき心をくわんもんにもつくらせ給へりさてはあみた経からのかみ にはもろくてあさ夕の御てならしにいかゝとおほしてかんやの人めしてことに おほせ給ていと心ことにきよらにすかせ給へるに此春のころをひより御心とゝ めていそきかゝせ給へるかひありてはしを見給人々めもかゝやきてなんけ かけたるかねのすち/\よりもすみつきのうへにかゝやくさまなとはいとめつらかに (2オ) なんありけるちくへうしは此さまなといへはさらなりかし是はことにちんのけそく のつくへにすへて仏の御おなしちやうたいのうへにかさられ給へりたう かさりはてゝかうしまうのほり行幸の人々まいりつとひ給へは院  もあなたに出給とて宮のおはしますにしのひさしにのそき給へれは せはきこゝちするかりの御しつらひに心せくあつけなるまてこと/\ しくさうそきたる女房五六十人はかりつとひたり北のひさしの すのこまてわらはへなとはさまよふ火とりあまたしてけふたき まてあふきちらせはさしより給て空にたつはいつこのけふりと思ひ わかれぬこそよけれふしのみねよりもけにくゆり出るはほいなき わさ也またかうえんのおりには大かたのなりをもとゝめてのとかに物の心 (2ウ) をも聞わくへき心さしこそことなれはゝかりなききぬの音なひ人の けはひしめりてなんよかるへきとれいの物ふかゝらぬわか人とものようゐ をもをしへ給宮は人気にをされ給ていとゝちいさくおかしけにて よりふし給へりわか君らうかはしからんいたきかくしたてまつれなとのた まひて北のみさうしもとりはなちてみすかけたりそなたに人々はいれ しつめ給て宮にも物の心しり給ふへきしたかたをきこえ給いとあはれに 見ゆおましをゆつりきこえ給へる仏のしつらひを見やり給にもさま/\に あはれ也かゝる御いとなみをもろともにいそかん物とは思よらさりしことなり よし後の世にたにかの花の中のやとりにへたてなくとをおほせとてうち なきたまひぬ (3オ)     「はちす葉をおなしうてなと契りをきて露のわかるゝ けふそかなしき」と御すゝりにさしぬらしてかうそめなる御あふきに つけ給へり宮     「へたてなくはちすのやとを契りても君はこゝろや すましとすらん」とかき給へれはいふかひなくもおほしくたくかなとうち わらひなからなをあはれとものおもほしたる御気しき也れいのみこ たちなんともいとあまたまいり給へり御かた/\より我も/\といと見出給へる ほうもちのありさま心々にところせきまてみゆ七そうのほうふくなと すへて大かたの事ともはみなむらさきのうへそせさせ給へるあやのよそ ひにてけさのぬいめまても見しる人は世になへてのさまならすとめて (3ウ) けりとやむつかしうこまかなる事ともかなかうしのいとたうとく ことの心申てこの世にすくれて給へるさかへをいとひはなれ給てなか き世々にたゆましき御契りを法花経にむすひとゝめ給たうとく ふかきさまをあらはしてたゝいまの世にさへもすくれよたけきさきの事 いとゝ心していひつゝけたるいとたうとけれはみな人々しほれ給 是はたゝいとしのひて御ねんすたうのはしめはかりにとおもほし たることなれと内にも山のみかともきこしめしてみな御つかひ ともあり御す経とも七そうのふせなといとゝところせきまてにはかに なんことひろこりける院にまうけせさせ給へる事ともゝそくとおもほ しゝかともよのつねならさりけるをいかめしき事とものましてくは (4オ) はりけれは夕の寺にをきところなけなるまてところせきいきほ ひになん僧ともはかへりけるいましも心くるしく御思そひてはかりも なくかしつきたてまつり給山のみかとは此御そふむの宮にいまはす みはなれ給なんもつゐの事にてめやすかりぬへくおもほしきこえ給へと よそ/\にてはおほつかなかるへし明暮見たてまつりきこえうけた まはる事をこたらんにほいたかひぬへしけにありはてぬ世のこなた いくはくなるましけれとなをいける世のかきりの心さしをたにうしなひ はてしときこえ給つゝかの宮をもいとこまかにきよらにつくらせ給てみ ふの物とも国々のみさうみまきなとのはか/\しきさまの物はたて まつるまゝにみなかの三条の宮のみくらともにおさめさせ給またも (4ウ) たてそへさせ給てさま/\の御たから物とも院の御そふんにも かすもなくたまはり給へるなとあなたさまのはみなかの宮には恋わたし こまかにいかめしくしをかせ給明くれの御かしつきそこらの女房の事とも をかみしものはくゝみはをしなへてなを御あつかひにてなんいそきつかうま つらせ給ける秋ころ西のわた殿のまへ中のへいのひんかしのきはをしなへ てのにつくらせ給へりあかのたななとしてそのかたのしつらひにしなさせ給へると いとなまめきたり御てしにしたかひきこえたるあまともの御めのとふる人 ともはさる物にてわかきさかりの人ともゝ心さたまりさるかたにて世をつくしつ へきかきりをしりてなんなさせ給けるさるきほひには我も/\ときしろひけ れとおとゝの君きこしめしてあるましき事也心さたまらぬ人のすこしも (5オ) ましりぬれはかたへの人々くるしくあは/\しききこえ出くるわさなりと いさめ給て十よ人はかりそかたちことにてはさふらふ此野に虫ともはなた せ給て風すゝしくなりゆく夕暮にわたり給つゝ虫のねを聞給やうにて なを思はなれぬさまをきこえなやまし給へはあるましきことにこそはあなれ とひとへにおもほしとりていとむつかしき物に思きこえ給へり人めにこそかはる ともなくもてなし給しか内々にはうきをし給気しきしるくこよなくかはりにし 御心をいかて見えたてまつらしの御心にておほくは思なり給にし御世のそむき なれはいまはともてはなれて心やすきになをかやうになときこえ給ふそ くるしうて人はなれたらん御すまゐもかなとおもほしなれとおよすけて えさしもしゐ申たまはす十五夜の月のまたかけかくしたる夕暮のほとに (5ウ) 仏の御まへに宮はおはしましてすこしはしちかくなかめ給つゝ御をこなひ し給わかきあま君たち二三人花たてまつるとてならす暁のをと水の けはひなと聞ゆさまかはりたるいとなみにそゝきあへるもいとあはれなるに れいのわたり給て虫のねいとしけくみたるゝ夕かなとて我もしのひて 打すんし給あみたのたいすいとたうとくほの/\聞ゆけにこえ/\き こえたるなかにすゝむしのふり出たる程花やかにおかし秋の虫のこえいつれ となき中に松むしなんすくれたるとて中宮のいとはるけき野辺を わけてわさとたつねとりつゝはなたせ給にしるくなきつたふるこそすく なき虫にやあらんいとまれにほのめくねなとけにこそことなるこゝろに まかせて人きかぬおく山とをき野中なとにはこえ/\おしまさなるを (6オ) いとへたて心ある虫になんありけるすゝむしはいと心やすく いまめいたるこそらうたけれなとのたまへは宮     「大かたの秋をはうしとしりにしをふりすてかたき すゝむしのこえ」としのひやかにのたまふいとなまめきてあてに おほとか也いかにとかいてや思のほかなる御ことにこそとて     「こゝろもて草のやとりをいとへともなを鈴虫の こえそふりせぬ」なときこえ給きんの御ことめしてめつらしくひき 給宮の御すゝひきをこたり給ふて御ことになを心いれ給へり月さし 出ていと花やか也程もあはれなるに空を打なかめて大かたのよの さま/\につけてはかなくうつりかはるありさまもおほしつゝけら (6ウ) れてれいよりもあはれなるねにかきならし給こよひはれい の御あそひやあらんとをしはかりて兵部卿の宮わたり給へり大将 の君殿上人のさるへきなとくしてまいり給へれはこなたになん おはしますと御ことのねをたつねてやかてまいり給へりいとつれ/\にて わさとのあそひとはなくともひさしくたえにたる物のねなとのきか まほしかりつるひとりことをいとよくたつね給けるとて宮もこなたに おまししきていれたてまつり給内の御まへにこよひは月のえんあるへ かりけるにはかにとまりてさう/\しかりつるを此院に人々まいり給と 聞つたへてこれかれかんたちめなともあまたまいり給へり虫のねのさ ためをし給て御ことのこえ/\かきあはせていとおもしろき程に月見 (7オ) るよいのいつとても物あはれならぬおりはなき中にこよひのあらたなる 月の色にはけにわか世のほかまてこそよろつ思なかさるれこ権大 納言のなにのおり/\にもなきにつけていとしのはるゝ事おほくおほやけ わたくし物のにほひうせたるこゝちするかな花鳥の色にもねにも 思わきまへいふかひあるかたのいとうるさかりし物をなとのたまひ出てみ つからかきあはせ給御ことのねにも袖ぬらし給つみすのうちにもみゝとゝ めてや聞給ふらんとかたつかたの御こゝちにはおもほしなからかゝる御あそひの 程にはまつなん恋しく内なとにもおもほし出けるこよひはすゝむしの えんにてあかしてんとおもほしのたまう御かはらけふたわたりはかりまいる ほとに冷泉院よりせうそこありおまへのえんにはかにとまりぬるを (7ウ) くちおしかりて左大弁式部のたいふまた人々ひきゐてさるへきかきり まいりたれは大将なとは六条院にさふらひ給ときこしめしてなりけり     「雲のうへをかけはなれたるすみかにもものわすれせぬ 秋の夜の月」おなしくいときこえ給へりなにはかりところせき身のよそひに もあらすなからいまはのとやかにおはしますにまいりなるゝ事もおさ/\なきを ほいなきことにおもほしあまりておとろかさせ給へるかたしけなしとてにはかなる やうなれとまいりたまはんとす     「月影はおなし雲ゐに見えなからわか屋とからの 時そかはれる」ことなる事なかめれとたゝむかしいまの御ありさまのおほしつゝ けられけるととなめり御つかひにさかつき給てろくいとになし人々御くるま (8オ) ともしたいのまゝにひきなをしこせんの人々たちこみて しつかなりつる御あそひまきれていてたまひぬ院の御くるまに 宮たてまつり大将さえもんのかみとうさいしやうなとおはしける かきりみなまいりたまうなをしにていとかろらかなる御よそ ひともなれはしたかさねはかりたてまつりくはへて月やゝ さしあかりやゝふけたる空のおもしろきにわかき人々ふえ なとはかなくふかせたまひなとしてしのひたる御まいり のさまなりうるはしかるへきおりふしなとはところせく よたけききしきをつくしてかた見に御らむせられたまふ またいにしへのたゝ人さまにおもほしかへりてこよひは (8ウ) かる/\しきさまにふとかくまいりたまへれはいた くおとろきまちよろこひきこえたまうねひとゝのひ たまへる御かたちいよ/\ことものならすいみしきさかりの 御世を御こゝろとおもほしすてゝしつかなる御ありさまにて あはれすくなからすそのよのうたともからのもやまとのも こゝろはへふかくおもしろくなんれいのことたらぬかたはし はまねふもかたわらいたくてなんあけかたにふみなと かうして人々まかてたまう六条院は中宮の御かた にまいりたまひて御ものかたりなときこえたまう いまはかくしつかなる御すまゐにこゝろやすくしは/\も (9オ) まいりぬへくはへるとなにとはなけれとすくるよはひに そへてわすれかたきむかしの御ものかたりなともうけたま はりきこえさせまほしうおもふたまうるをなにゝもつかぬ 身のありさまにてさすかにうゐ/\しくところせくもはへり てなんわれよりのちの人々にかた/\につけてをくれ ゆくこゝちし侍るもいとつれなき世のこゝろほそさの とめかたくおほえ侍れはよはなれたるすまゐにも とやう/\おもふたまへたちにたるをのこりの人々なとの ものはかなからんたゝよはしさなとさま/\にきこえさせ つけしこゝろたかへすおもほしとゝめてものせさせた (9ウ) まへなとまめやかなる事ともきこえたまふれいのなをいと わかうおほとかなる御気はひにてこゝのへのへたてふかう 侍りしとしころよりもおほつかなさのまさるやうにおもふ たまへらるゝありさまをいとおもひのほかにむつかしうて みな人のそむきゆく世をいとはしくおもひなることも 侍りなからえそのこゝろのうちをきこえさせうけた まはらねはなにこともまつたのもしきかけにはきこえ させならひ侍りていふせく侍るときこえたまうけに おほやけさまにてはかきりあるおりふしの御すまゐも (10オ) いとよくまちいてきこえさせしをいまはなにことに つけてかは御こゝろにまかせさせたまう御うつろひもはへ らむさためなき世といひなからもさしていとはしき ことなき人のさはやかにそむきはなるゝもありかたう こゝろやすかるへきほとにつけてたにをのつからお もひかゝつらふほたしのみはへめるをなとてかその 人まねにきほふ御たうしんはかへりてひか/\しくをし はかりきこえさする人もこそはへれけになかき代の やみをおもひやるにはかりそめのこの世のいさゝかなる (10ウ) 人のもときはかりなとにおもひはゝからむもいとおさな かるへきことなれとさなんはへりける御くらゐをきはめよ ろつのことこの世にあかぬことなき御身なれといまひき かへしすこしも世のうちかたふきぬへからんことはおほし よらてなんよかるへきたうときみちをこゝろさし御こゝろ ひとつをすまさせたまふともをんなの御身はなにことも いとところせきなんいとおしく侍るときこえたまふをふかく もくみはかりたまはぬなめりかしとつらくおもひきこえ たまうこみやすんところの御身のくるしうなりたまへらん (11オ) ありさまいかなるけふりのなかにまよひたまふらむ なきかけにても人にうとまれたてまつりた まふ御なのりなとのいてきたりけるをを のつから人のくちさかなくてつたへきこし めしけむのちいとかなしくいみしくもなへての 世いとはしくおもほしなりかりにてもかののたまひ けむありさまなとのくはしくきゝたまはまほ しきをまほにはえうちいてとひきゝたまはて たゝなき人の御ありさまのつみかるからぬさまに (11ウ) ほのきくことの侍りしをさるしるしあらはなら てもをしはかりつへきことに侍りけれと をくれしほとのあはれはかりをわすれぬこと にてものゝあなたはおもふたまへもやらさりける ほとのものはかなきをいかてよくいひきかせんひとの すゝめをもきゝはへりてみつからたにかのほのをさま し侍りにしかなとやう/\つもるになんおもひしら るゝこともありけるなとかすめつゝのたまうけにさも おほしぬへきことゝあはれにおもほしてそのほの (12オ) ほなんたれものかるましき事としりなからあさ露の かゝるほとをえおもふたまへすてぬなんもくれんか ほとけにちかきこひしりのみにてたちまちに すくひけむためしにしもえつかせたまはさらん ものからたまのかんさしすてさせたまはんもこの 世にはうらみのこるやうなるわさなりややう/\ さる御こゝろさしをしめたまひてかの御けふり はるくへきことをせさせたまへしかおもふたまふる こゝろはありなからものさはかしきやうにしつかなる (12ウ) ほいもなきありさまにあけくらし侍りつゝみつ からのつとめにそへていましつかにとおもふたまへ 侍るもけにこそこゝろおさなきことにはへれ なと世のはかなくなへていとひすてまほしきことを かたみにきこえかはしたまへとなをやつしにくき 御身のありさまともなりよへはたゝうちしのひて かやすかりし御ありきけさはあらはれたまひてかん たちめなともまいりたまへるかきりはみな御をく りにつかうまつりたまふ東宮の女御の御ありさま (13オ) のならひなくいつきすへたてまつりたまへるかい/\ しきも大将のまたいと人にことなる御ありさまをもいつ れとなくやむことなくおもひきこえたまうになを このれせいゐんをおもひきこえたまふ御こゝろ さしはすくれてふかくあはれにそおもひきこ えたまはんもつねにゆかしくおもひきこえた まひしに御たいめんのまれにいふせくのみおもほさ れけるにいそかされたまふてかくこゝろやすき さまにもおもほしなりにけるになん中宮そ (13ウ) 中々いまはまかてたまふ事もいとまれになり たまひてたゝ人のなかのやうにならひおはし ますにいまめかしく中々むかしよりもはなやかに 御あそひをもしたまふなに事にも御こゝろやれる 御ありさまなからたゝかのみやすところの御あり さまをおほしやりつゝ御をこなひの御こゝろの すゝみにたるをひとのゆるしきこえたまふ ましきことなれはくとくのことをたてゝおもほ しいとなみいとこゝろふかく世の中をおも (14オ) ほしとれるさまにのみなりまさりたまう 六条のゐんもろこゝろにいそきたまひて 御八かうなとをこなはせたまふとそ ---------------------------------------------------------------------------------- 底本:Japanese Rare Book Collection (Library of Congress) LC Control No.2008427768 翻字担当者:淺川槙子、小木曽智信、太田幸代 更新履歴: 2012年3月5日公開 2014年1月21日更新 ---------------------------------------------------------------------------------- 修正箇所(2014年1月21日修正) 丁・行 誤 → 正 (3ウ)9 まうけさせ → まうけせさせ (9オ)6 つねなき → つれなき (9ウ)3 侍にし → 侍りし (11ウ)1 侍にしを → 侍りしを (13ウ)7 すゝみたる → すゝみにたる