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北海道調査データベース
富良野遠景
札幌遠景
国立国語研究所は1958~60年に 「方言の共通語化」に注目した言語調査の一つとして, 北海道に移住した1世~3世を対象に調査を実施し, 「北海道共通語化」(地方共通語化)の成立を明らかにしました。
さらに,1986~87年に2回目の調査を行い, 地域社会のことばの使い方が,社会構造の特性の違いによって, どのように変化するかを明らかにしました。
本ページでは,富良野市・札幌市における経年調査の結果を 「北海道調査データベース」として公開します。
北海道調査データベースは
クリエイティブ・コモンズ表示4.0国際ライセンス
の下に提供されています。
北海道調査データベース ver.0.5 (暫定公開版)
富良野市における第1回調査(1959年)と第2回調査(1986年)のうち、 パネル調査の対象となった106名の回答について、 第1・2回調査の共通項目のデータを公開します。
北海道調査データベースver.0.5(2022年3月15日暫定公開版)
北海道調査とは
北海道は全国の各地からの移住によって形成された地域社会です。 「地方共通語(ここでは「北海道共通語」)」化と「全国共通語」化のメカニズムや, 両者の関係について解明するために,1958~60年に調査を実施しました。
調査結果から,北海道に移住した1世の出身地の方言の影響は,2世では残っていましたが, 第3世ではほとんどなくなり,「北海道共通語」が形成されることが分かりました。
一方で,「全国共通語」に近づく傾向もあったため, 1959年に富良野町(現:富良野市)で調査を実施しました。 さらに1986~87年には,同じ内容で2回目の調査をしました。 2回目は,農村部の富良野市(1986年)だけでなく,都市部の札幌市(1987年)でも実施しました。
調査地点のインフォーマントはランダムサンプリングによって選んでいます。 富良野市の調査では,1959年に調査を受けた人に対しても再度調査をしており, 同一個人の回答の変化を見ることができます。
北海道調査では,富良野調査・札幌調査以外にも,以下のさまざまな調査を実施しました。 調査の詳細は下記の刊行物を参照してください。
第1次調査(1958~60年)
1世・2世・3世調査,3世調査,
富良野調査
,吉野・浦臼・豊頃調査,高校調査,吟味調査
第2次調査(1986~87年)
富良野調査
,
札幌調査
,高校調査,3世代同居家族へのアクセント事例調査,札幌市在住の単身移入者調査
主な刊行物
下記リンクより,刊行物のPDFファイルをダウンロードすることができます。
国立国語研究所(1997)『北海道における共通語化と言語生活の実態(中間報告)』
国立国語研究所(1990)『北海道における共通語使用意識―富良野・札幌言語調査から―』(報告101)
国立国語研究所(1965)『共通語化の過程―北海道における親子三代のことば―』(報告27)