＜出典＞１３２　　　国定読本　１期３－２
＜Ｐ－０００＞
もくろく。　　＃
第一　　京［キョー］都［ト］市［シ］。………一　　第十二　　新［しん］年［ねん］のいはひ。………四十九　＃
第二　　織［おり］物［もの］。………四　　第十三　　商［しょー］業［ぎょー］。………五十二　＃
第三　　稻［いね］かり。………十一　　第十四　　銅［あかがね］と鐵［てつ］。（一）………五十八　＃
第四　　鎌［カマ］倉［クラ］。………十六　　第十五　　銅と鐵［てつ］。（二）………六十三　＃
第五　　元［げん］寇［こー］。………二十一　　第十六　　兎［ウサギ］。………六十七　＃
第六　　石［セキ］炭［タン］ト石［セキ］油［ユ］。………二十四　　第十七　　草木ノカケクラベ。………六十九　＃
第七　　ろーそくの話。………二十七　　第十八　　明治二十七八年戰［せん］役［えき］。（一）………七十三　＃
第八　　大［オホ］坂［サカ］市。………三十五　　第十九　　明治二十七八年戰［せん］役［えき］。（二）………七十七　＃
第九　　豐［トヨ］臣［トミ］秀［ヒデ］吉［ヨシ］。（一）………三十九　　第二十　　臺［タイ］灣［ワン］。………八十一　＃
第十　　豐［トヨ］臣［トミ］秀［ヒデ］吉［ヨシ］。（二）………四十三　　第二十一　　北［きた］白［しら］川［かはの］宮［みや］。………八十五　＃
第十一　　としのくれ。………四十六　　第二十二　　砂［サ］糖［トー］ト塩［シホ］。………八十八　＃
＜Ｐ－００１＞
第一　　京［キョー］都［ト］市［シ］。　　＃
京［キョー］都［ト］市［シ］ハ、桓［カン］武［ム］天［テン］皇［ノー］ノ時カラ、今［キン］上［ジョー］天［テン］皇［ノー］陛［ヘイ］下［カ］＃
ノ東［トー］京［キョー］市［シ］ニオウツリニナッタ＃
時マデ、一千年アマリノ間、天＃
皇ガ、ヒキツヅイテ、オイデニ＃
ナッタトコロデアル。＃
京［キョー］都［ト］市ニハ、天皇ノオイデニ＃
ナッタ皇［コー］居［キョ］ヲハジメトシテ、フ＃
＜Ｐ－００２＞
ルイ社［ヤシロ］ヤ、大キナ寺ガ、タクサン、＃
アッテ、イツモ、見［ケン］物［ブツ］人［ニン］ノタエルコ＃
トガナイ。社デハ、平［ヘイ］安［アン］神［ジン］宮［グー］、賀［カ］茂［モ］＃
神［ジン］社［ジャ］、八［ヤ］坂［サカ］神［ジン］社［ジャ］、北［キタ］野［ノ］神［ジン］社［ジャ］、豐［ホー］國［コク］神［ジン］＃
社［ジャ］ナドガ名高ク、＃
寺デハ、清［キヨ］水［ミヅ］寺［デラ］、知［チ］恩［オン］院［イン］、西［ニシ］本［ホン］＃
願［ガン］寺［ジ］、東［ヒガシ］本［ホン］願［ガン］寺［ジ］、金［キン］閣［カク］寺［ジ］、銀［ギン］閣［カク］＃
寺［ジ］ナドガ名高イ。＃
＜Ｐ－００３＞
マタ、京［キョー］都［ト］市ノ近クニハ、タイソー、ケシキノ＃
ヨイトコロガアル。ソレハ嵐［アラシ］山［ヤマ］ト高［タカ］雄［ヲ］トデ＃
アッテ、嵐［アラシ］山［ヤマ］ハ、櫻［サクラ］デ、名高ク、高［タカ］雄［ヲ］ハ、モミヂデ、名＃
高イ。＃
コノ京［キョー］都［ト］市デ、西［ニシ］陣［ジン］織［オリ］ヤ友［ユー］禅［ゼン］染［ゾメ］ヤ清［キヨ］水［ミヅ］燒［ヤキ］ナ＃
ドガデキル。＃
○京［キョー］都［ト］市ノ近クニハ、ケシキノヨイトコロガアル。　　＃
　京［キョー］都［ト］市ノ近クニハ、ケシキノヨキトコロ○アリ。　　＃
＜Ｐ－００４＞
○嵐［アラシ］山［ヤマ］ハ、櫻［サクラ］デ、名高ク、高［タカ］雄［ヲ］ハ、モミヂデ、名高イ。　　＃
　嵐［アラシ］山［ヤマ］ハ、櫻［サクラ］ニテ、名高ク、高［タカ］雄［ヲ］ハ、モミヂニテ、名高シ。　　＃
第二　　織［おり］物［もの］。　　＃
織物には、絹［きぬ］織［おり］、木［も］綿［めん］織［おり］、麻［あさ］織［おり］、毛織など、いろい＃
ろ、ございます。＃
絹織といふのは、生［き］糸［いと］や練［ねり］糸［いと］で、織ったものの＃
ことで、よい着［き］物［もの］や羽織や帶［おび］は、たいてい、こ＃
の絹織で、こしらへます。絹織には、羽［は］二［ぶた］重［へ］、縮［ちり］＃
＜Ｐ－００５＞
緬［めん］、つむぎ、かいき、しゅす、はかた、しゅちんなど、い＃
ろいろ、ございます。＃
また、木［も］綿［めん］織［おり］といふのは、きわたの實［み］の中に＃
ある綿からとった木［も］綿［めん］＃
糸［いと］で、織ったもののこと＃
で、みなさんの、ふだん、＃
着てをる着物や羽織は、たいてい、この木［も］綿［めん］＃
織［おり］で、こしらへたものでございます。これに＃
＜Ｐ－００６＞
も、まをか、ふたこ、かすり、ちぢみ、かなきん、め＃
んふらんねるなど、いろ＃
いろ、ございます。＃
つぎに、麻織といふのは＃
大［あ］麻［さ］の皮［かは］からとった糸や、からむしの皮［かは］から＃
とった糸で、織ったもののこと＃
でございます。大［あ］麻［さ］からとっ＃
た糸で、織ったものでは、かや＃
＜Ｐ－００７＞
などをこしらへ、からむしからとった糸で、織っ＃
たものでは、かたびらなどをこしらへます。＃
そして、これには、奈［な］良［ら］晒［ざらし］、越［えち］後［ご］縮［ちぢみ］、越［えち］後［ご］上［じょー］布［ふ］な＃
ど、いろいろ、ございます。＃
それから、また、ふらんねる、ら＃
しゃ、めりんすなどのよーに、ひ＃
つじの毛で、織ったものもござ＃
います。これが毛織といふもののことでご＃
＜Ｐ－００８＞
ざいます。＃
○めりんすは毛織物である。　　＃
　めりんすは毛織物なり。　　＃
○めんふらんねるは木［も］綿［めん］物［もの］であって、ふらんねるは毛織＃
物である。　　＃
　めんふらんねるは木［も］綿［めん］物［もの］にして、ふらんねるは毛織＃
物なり。　　＃
わたくしは、すこし、よーじが＃
ございまして、こんど、京都へ、＃
＜Ｐ－００９＞
いってきたいとおもってをりま＃
すが、なにか、御用はございま＃
せんか。わたくしで、できるこ＃
となら、どんな御用でも、たし＃
てまゐります。どうぞ、ごえん＃
りょなく、おっしゃってください。＃
十月二十五日　　　　青木一郎　　＃
梅田春吉樣　　＃
＜Ｐ－０１０＞
お手紙をくださいまして、あ＃
りがたうございます。さぞ、ご＃
めいわくなことだらうとは＃
おもひますが、どうぞ、しろち＃
りめんを、一匹［ぴき］、かってきていた＃
だきたうございます。ねだん＃
は、二十圓までのもので、よろ＃
しうございます。その代金は、＃
＜Ｐ－０１１＞
このつかひにもたせてあげ＃
ましたから、おうけとりくだ＃
さい。＃
十月二十六日　　　　梅田春吉　　＃
青木一郎樣　　＃
第三　　稻［いね］かり。　　＃
ある日、太郎は、おとうさんと、町はづれの田＃
のそばを通った。田には、もう、稻がみのって、きい＃
＜Ｐ－０１２＞
ろくなってゐた。そして、あっちでも、こっちでも、い＃
そがしさうに、それをかってゐた。＃
太郎は、しばらく、めづらしさうに、見てゐた＃
が、やがて、「おとうさん。あの人た＃
ちは、稻をかって、どうするのです＃
か。」とたづねた。おとうさんは「稻＃
をかって、それから、米をとるので＃
す。」とこたへた。＃
＜Ｐ－０１３＞
太郎は、また、「おとうさん。稻をかって、それから、＃
どうして、米をとるのですか。」とたづねた。お＃
とうさんは、「それは、なかなか、てかずをかけ＃
て、とるのです。」といって、次のよーに、話した。＃
「まづ、あの人たちのよーにして、稻をかって、＃
それを、日に、かわかします。そして、その稻＃
がかわいた時に、いねこきといふもので、＃
そのみをこきおとします。このみをもみ＃
＜Ｐ－０１４＞
といひます。＃
それから、このもみを、すりうす＃
といふもので、ひいて、もみがら＃
をとると、米になります。しかし、＃
すりうすで、ひいたばかりでは、＃
まだ、米に、もみがらがまじってゐ＃
たり、ぬかがついてゐたりしま＃
すから、また、とーみといふもの＃
＜Ｐ－０１５＞
で、あふったり、うすで、ついたりします。さう＃
すると、はじめて、わたくしどものたべる＃
米になるのです。」＃
太郎は、この時から、「米をとるには、たいそー、＃
てかずのかかるものだ。」といふことを知った。＃
そして、「米は、ひとつぶでも、そまつにしては＃
ならんものだ。」とおもった。＃
＜Ｐ－０１６＞
○田のそばを通った。　　＃
　田のそばを通りたり。　　＃
　田のそばを通れり。　　＃
○稻のかわいたときに、そのみを、いねこきといふもの＃
で、こきおとす。　　＃
　稻のかわきたるときに、そのみを、いねこきといふも＃
のにて、こきおとす。　　＃
　稻のかわけるときに、そのみを、いねこきといふもの＃
にて、こきおとす。　　＃
第四　　鎌［カマ］倉［クラ］。　　＃
＜Ｐ－０１７＞
フルイ社ヤ、寺ガアッテ、名高イノハ、京［キョー］都［ト］市ト＃
奈［ナ］良［ラ］市トデアル。京［キョー］都［ト］市ト奈［ナ］良［ラ］市トノヨー＃
ニ、フルクハナイガ、社ヤ寺ガアリ、奈［ナ］良［ラ］市ノ＃
ヨーニ、大［ダイ］佛［ブツ］モアッテ、名高イノハ、鎌［カマ］倉［クラ］デアル。」＃
鎌［カマ］倉［クラ］ハ、三方トモ、山ニトリマカレテヲッテ、一＃
方ハ、海ニ、ツヅイテヲル。アマリ、ヒロイトコ＃
ロデハナイガ、ムカシ、源［ミナモトノ］頼［ヨリ］朝［トモ］トイフ大［タイ］將［ショー］ガ＃
ヲッテカラ、二百五十年ホドノ間ハ、ズイブン、＃
＜Ｐ－０１８＞
ニギヤカデアッタ。源［ミナモトノ］頼［ヨリ］朝［トモ］ハ、今カラ、七百年ホ＃
ド前ノ人デ、源［ミナモトノ］義［ヨシ］經［ツネ］ノ兄デアル。＃
コノコロ、平［タヒラノ］清［キヨ］盛［モリ］トイフ人ナドガアッテ、タイ＃
ソー、ワガママヲシテヲッタノデ、オカミデモ、＃
タイソー、コマッテヰラッシャッタ。ソコデ、頼［ヨリ］朝［トモ］ハイ＃
クサヲオコシタ。ソシテ、弟ノ義［ヨシ］經［ツネ］ナドニセ＃
メサセテ、トートー、平［ヘイ］氏［シ］ヲホロボシテシマッ＃
タ。頼［ヨリ］朝［トモ］ハ、コノコロカラ、日本中ノ武［ブ］士［シ］ノカ＃
＜Ｐ－０１９＞
シラトナッタ。＃
頼［ヨリ］朝［トモ］ガ死ンデカラ、マモナク、ソノアトハ、タ＃
エタガ、北［ホー］條［ジョー］氏［シ］ガ、ヒキツヅイテ、コ＃
ノ鎌［カマ］倉［クラ］ニ、ヲッタ。コノ北［ホー］條［ジョー］氏［シ］ノ、＃
時［トキ］宗［ムネ］トイフ人ノ時ニ、元［ゲン］トイ＃
フ國カラ、ワガ國ニ、セメテキ＃
タ。元［ゲン］寇［コー］トイッテ、名高イノハ、コ＃
ノコトヲイフノデアル。＃
＜Ｐ－０２０＞
鎌［カマ］倉［クラ］ハ、今ハ、サビシイトコロニナッテヲルガ、＃
アソビニ、行ク人ガ、タクサン、アル。ココノ鶴［ツルガ］＃
岡［ヲカ］八［ハチ］幡［マン］宮［グー］ト建［ケン］長［チョー］寺［ジ］トハ、タイソー、名高イ。マ＃
タ、海バタハ、タイソー、ケシキガヨイ。大［ダイ］佛［ブツ］ハ、＃
コノ海バタノ近クニ、アル。＃
○鎌［カマ］倉［クラ］ハ、二百五十年ホドノ間ハ、ニギヤカデアッタ。　　＃
　鎌［カマ］倉［クラ］ハ、二百五十年ホドノ間ハ、ニギヤカナリキ。　　＃
○鎌［カマ］倉［クラ］ハ、ムカシハ、ニギヤカデアッタガ、今ハ、サビシイ＃
トコロニナッテヲル。　　＃
＜Ｐ－０２１＞
　鎌［カマ］倉［クラ］ハ、ムカシハ、ニギヤカナリシガ、今ハ、サビシキト＃
コロニナリタリ。　　＃
　鎌［カマ］倉［クラ］ハ、ムカシハ、ニギヤカナリシカドモ、今ハ、サビシ＃
キトコロニナリタリ。　　＃
○鎌［カマ］倉［クラ］ハ、今ハ、サビシイトコロニナッテヲルガ、アソビニ、＃
行ク人ガ、タクサン、アル。　　＃
　鎌［カマ］倉［クラ］ハ、今ハ、サビシキトコロニナリタレドモ、アソビ＃
ニ、行ク人○オホシ。　　＃
第五　　元［げん］寇［こー］。　　＃
今からむかし、六百年、　　＃
＜Ｐ－０２２＞
ころは弘［こー］安［あん］四年の夏、　　＃
元［げん］の國から、わが國に、　　＃
よせたるてきは十餘［よ］萬。」　　＃
わが日本の武［ぶ］士［し］は、みな、　　＃
「おのれ、にっくき、元［げん］軍［ぐん］め。　　＃
日本男子のうで見よ。」と、　　＃
すすんで、てきをやぶりたり。」　　＃
このとき、大風ふきあれて、　　＃
＜Ｐ－０２３＞
なみは、山より、まだ、高く、　　＃
てっかん、四千、くつがえり、　　＃
こはれて、海にしづみたり。」　　＃
あー。元［げん］軍［ぐん］の十餘［よ］萬、　　＃
にげたるものは、わづかにて、　　＃
あとは、のこらず、わが國の　　＃
海にしづみてしまひたり。」　　＃
＜Ｐ－０２４＞
○海にしづんでしまった。　　＃
　海にしづみてしまひたり。　　＃
第六　　石［セキ］炭［タン］ト石［セキ］油［ユ］。　　＃
石［セキ］炭［タン］ハ、オホムカシニ、ハエテヲッ＃
タ木ガ、土ノ中ニ、ウヅマッテ、デキ＃
タモノデアル。＃
石［セキ］炭［タン］ハ、色ガ黒クテ、炭ニニテヲ＃
ルガ、炭ヨリモ、タイソー、カタク＃
＜Ｐ－０２５＞
テ、火ノ力ガ、ズット、ツヨイ。ソレダカラ、ジョーキ＃
ヲコシラヘテ、汽車ヤ汽船ヤ、工［コー］場［バ］ノ重イ機［キ］＃
械［カイ］ナドヲ動カスニハ、コノ石炭ヲタクノガ、＃
イチバン、ヨイ。＃
汽車ヤ汽船ヤ工［コー］場［バ］ナドノエントツカラ、デ＃
ル、黒イケムリハ、タイテイ、石炭ノケムリデ＃
アル。＃
シアハセニモ、石炭ハ、ワガ國カラ、タクサン、＃
＜Ｐ－０２６＞
出ルカラ、外國ヘモ、賣リ出ス。＃
石［セキ］油［ユ］モ、ヤッパリ、土ノ中ニ、アルモノデアル。ハ＃
ジメハ、色ガコクテ、ドロドロシ＃
テヲルガ、イロイロ、テカズヲカ＃
ケルト、スキトホッタ油ニナル。ラ＃
ンプニツカフノハコノ油デア＃
ル。＃
石油ハ、ワガ國カラモ、出ルガ、ソレダケデハ、＃
＜Ｐ－０２７＞
タランカラ、外國カラモ、買ヒ入レル。＃
○石炭ハ、ワガ國カラ、タクサン、出ルカラ、外國ヘモ、賣リ＃
出ス。　　＃
　石炭ハ、ワガ國ヨリ、オホク、出ヅレバ、外國ヘモ、賣リ出＃
ス。　　＃
○石油ハ、ハジメハ、色ガツイテヲルガ、テカズヲカケル＃
ト、スキトホッタ油ニナル。　　＃
　石油ハ、ハジメハ、色○ツキタレドモ、テカズヲカクレ＃
バ、スキトホリタル油ニナル。　　＃
第七　　ろーそくの話。　　＃
＜Ｐ－０２８＞
わたくしは、今は、ろーそくになってをります＃
が、もとは、はぜの木のみ＃
でございました。そのと＃
きに、人にとられて、ろー＃
といふものにせられ、それから、こんなに、ほ＃
そながくて、しんのあるものにせられまし＃
た。＃
わたくしどもは、夜になると、しんに、火をと＃
＜Ｐ－０２９＞
もされて、あかりになります。このあかりに＃
なるのが、わたくしどものやくめでござい＃
ます。＃
わたくしどものできん前には、松の木がた＃
かれて、あかりになってをりました。また、海ば＃
たでは、魚の油なども、ともされて、あかりに＃
なってをりました。しかし、この松の木や魚の＃
油は、不［ふ］便［べん］であったり、くらかったりして、人がこ＃
＜Ｐ－０３０＞
まってをりました。＃
そこへ、種［たね］油［あぶら］といふものができました。つづ＃
いて、わたくしどももできました。種［たね］油［あぶら］は、あ＃
んどんの中で、ともされ、わたくし＃
どもは、しょくだいの上や、ちょーちん＃
の中で、ともされて、「ちょーほーなも＃
のができた。」といはれてをりまし＃
た。そして、あかりといへば、この種［たね］＃
＜Ｐ－０３１＞
油［あぶら］とわたくしどもとで、もちきって＃
をりました。＃
そのうちに、石油といふものもく＃
みだされ、それをともす、らんぷと＃
いふものも、外國から、わたってきま＃
した。石油を、このらんぷで、ともし＃
ますと、種［たね］油［あぶら］やわたくしどもをと＃
もしたよりは、ずっと、あかるうござ＃
＜Ｐ－０３２＞
います。＃
そこへ、また、瓦［が］斯［す］燈［とー］といふものができてき＃
ました。つづいて、また、電［でん］氣［き］燈［とー］といふものも＃
できてきました。瓦［が］斯［す］燈［とー］は、石炭をむしやき＃
にして、瓦［が］斯［す］といふものをとって、それをとも＃
したものでございます。また、電［でん］氣［き］燈［とー］は、いろ＃
いろのしかけをして、電［でん］氣［き］といふものをお＃
こして、それで、あかりを出すものでござい＃
＜Ｐ－０３３＞
ます。この電［でん］氣［き］燈［とー］は、瓦［が］斯［す］燈［とー］よりも、ずっと、あか＃
るうございます。＃
かういふ、あかるいものが、だんだん、できて＃
きましたので、わたくしどもや種［たね］油［あぶら］は、あま＃
り、つかはれんよーになりました。しかし、も＃
ちあるきのできるのは、らんぷとわたくし＃
どもとだけでございますから、わたくしど＃
もは、まだ、ちょーちんの中に、ともされて、みち＃
＜Ｐ－０３４＞
をあるく人のあんないをします。＃
○今は、松の木をたいて、あかりにはせん。　　＃
　今は、松の木をたきて、あかりにはせず。　　＃
○人が、あまり、種［たね］油［あぶら］をつかはんよーになった。　　＃
　人が、あまり、種［たね］油［あぶら］をつかはざるよーになりたり。　　＃
　人が、あまり、種［たね］油［あぶら］をつかはぬよーになれり。　　＃
○電［でん］氣［き］燈［とー］などは、もちはこびができんから、わたくしど＃
もは、まだ、人につかはれる。　　＃
　電［でん］氣［き］燈［とー］などは、もちはこび○できざれば、わたくしど＃
もは、なほ、人につかはる。　　＃
＜Ｐ－０３５＞
　電［でん］氣［き］燈［とー］などは、もちはこび○できねば、わたくしども＃
は、なほ、人につかはる。　　＃
第八　　大［オホ］坂［サカ］市。　　＃
ワガ日本ニ、三ツノ、大キナ都［ト］會［カイ］ガアル。一ツ＃
ハ東［トー］京［キョー］市デ、一ツハ京［キョー］都［ト］市、イマ一ツハ大［オホ］坂［サカ］＃
市デアル。＃
大［オホ］坂［サカ］市ハ、大［オホ］坂［サカ］灣［ワン］トイフ入海ノフチニ、アッテ、＃
京［キョー］都［ト］市カラハ、十里ホド、西南ニ、アル。京［キョー］都［ト］市＃
＜Ｐ－０３６＞
カラ、汽車ニノッテ行クト、一時間バカリデ、着＃
ク。＃
大［オホ］坂［サカ］市ノ中ニハ、大キナ堀ガ、イクスヂモ、通ッ＃
テヲル。ソレダカラ、舟デ、品物ヲハコブニハ、＃
タイソー、便利デアル。＃
大［オホ］坂［サカ］市ハ、商［ショー］業［ギョー］ノ、タイソー、サカンナトコロ＃
デアル。外國カラ、品物ヲ、タクサン、買ヒ入レ＃
モスルシ、マタ、ワガ國ノ品物ヲ、タクサン、賣＃
＜Ｐ－０３７＞
リ出シモスル。＃
マタ、工［コー］業［ギョー］モ、タイソー、サカンナトコロデ、木［モ］＃
綿［メン］糸ヲコシラヘル工［コー］場［バ］ヤ、マッチナドヲコシ＃
ラヘル工［コー］場［バ］ガ、タクサン、アル。ソ＃
シテ、ソノ工［コー］場［バ］ノエントツカラ＃
ハ、イツモ、石炭ノケムリガ出テ＃
ヲル。＃
大［オホ］坂［サカ］市ニハ、昔、仁［ニン］徳［トク］天［テン］皇［ノー］ノオイ＃
＜Ｐ－０３８＞
デニナッタコトガアル。マタ、今カラ、三百年ホ＃
ド前ニ、豐［トヨ］臣［トミ］秀［ヒデ］吉［ヨシ］トイフ人ガ、ココニ、城［シロ］ヲキ＃
ヅイタ。コノ城［シロ］ハ、今モ、ノコッテヲル。＃
○大［オホ］坂［サカ］市ノ中ニハ、大キナ堀ガ、イクスヂモ、通ッテヲル。ソ＃
レダカラ、舟デ、品物ヲハコブニハ、タイソー、便利デア＃
ル。　　＃
　大［オホ］坂［サカ］市ノ中ニハ、大イナル堀○、イクスヂモ、通レリ。サ＃
レバ、舟ニテ、品物ヲハコブニハ、ハナハダ、便利ナリ。　　＃
＜Ｐ－０３９＞
○大［オホ］坂［サカ］市デ、外國カラ、買ヒ入レル品物ハ、米ガ、イチバン、＃
オホイ。　　＃
　大［オホ］坂［サカ］市ニテ、外國ヨリ、買ヒ入ルル品物ハ、米○、モットモ、＃
オホシ。　　＃
第九　　豐［トヨ］臣［トミ］秀［ヒデ］吉［ヨシ］。　（一）　　＃
北［ホー］條［ジョー］氏［シ］ノアトニ、足［アシ］利［カガ］氏［シ］ガオコッタ。コノ足［アシ］利［カガ］＃
氏［シ］ハ、ナガイ間、武［ブ］士［シ］ノカシラトナッテヲッタガ、＃
ソノウチニ、アチラニモ、コチラニモ、ツヨイ＃
武［ブ］士［シ］ガデテキテ、センソーヲシアッタ。ソレデ、＃
＜Ｐ－０４０＞
日本中ガ、タイソー、サワガシカッタ。コノ、ツヨ＃
イ武［ブ］士［シ］ノ中ニ、織［オ］田［ダ］信［ノブ］長［ナガ］トイフ人ガアッタ。豐［トヨ］＃
臣［トミ］秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハコノ信［ノブ］長［ナガ］ノケライデアッタ。＃
秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ尾［ヲ］張［ハリ］ノ國ノ人デ、タイソー、カシコク＃
テ、ドキョーノ大キナ人デアッタ。ソレデ、ハジメ＃
ニハ、信［ノブ］長［ナガ］ノゾーリトリヲシテヲッタガ、ヨク、＃
キヲツケテ、ホーコーシタノデ、ダンダン、ヒ＃
キアゲラレテ、マモナク、一方ノ大［タイ］將［ショー］ニナッタ。」＃
＜Ｐ－０４１＞
秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、金ノヒョータンヲウ＃
マジルシニシテ、千ナリヒョ＃
ータント名ヲツケテヰタ。＃
コレハ、センソーニカッタタ＃
ビニ、ヒョータンヲ、一ツヅツ、＃
フヤシテ、千ニシヨウト、コ＃
コロガケタカラデアル。＃
秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、センソーガジョーズデ、イツデモ、テキ＃
＜Ｐ－０４２＞
ヲヤブッタ。ソレデ、千ナリヒョータンノウマジ＃
ルシヲ見ルト、テキハ、オソレテ、ニゲタトイ＃
フコトデアル。＃
○秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、金ノヒョータンヲウマジルシニシテ、千ナリヒョ＃
ータント名ヲツケテヰタ。コレハ、センソーニカッタタ＃
ビニ、一ツヅツ、フヤシテ、千ニシヨウト、ココロガケタ＃
カラデアル。　　＃
　秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、金ノヒョータンヲウマジルシニシテ、千ナリヒョ＃
ータント名ヲツケタリ。コレ○、センソーニカチタル＃
＜Ｐ－０４３＞
タビニ、一ツヅツ、フヤシテ、千ニセント、ココロガケタ＃
レバナリ。　　＃
第十　　豐［トヨ］臣［トミ］秀［ヒデ］吉［ヨシ］。　（二）　　＃
秀［ヒデ］吉［ヨシ］ガ、信［ノブ］長［ナガ］ニイヒツケラレテ、ヨソデ、セン＃
ソーヲシテヲルトキノコトデアッタ、明［アケ］智［チ］光［ミツ］＃
秀［ヒデ］トイフモノガ、京［キョー］都［ト］デ、信［ノブ］長［ナガ］ヲコロシタ。秀［ヒデ］＃
吉［ヨシ］ハ、コレヲキイテ、スグ、テキト、ナカナホリ＃
ヲシテ、カヘッテキタ。ソシテ、ヒトイクサデ、光［ミツ］＃
＜Ｐ－０４４＞
秀［ヒデ］ヲコロシテ、信［ノブ］長［ナガ］ノカタキヲウッタ。＃
コレカラ、秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、タイソー、人ニタットバレタ。＃
ソレデ、ナカニハ、秀［ヒデ］吉［ヨシ］ヲソネンデ、イクサヲ＃
シカケタモノモアッタ。秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、コレヲ、ミンナ、＃
ホロボシテシマッタ。ソシテ、トートー、日本中＃
ヲオダヤカニシタ。＃
ソコデ、ソノ時ノ天皇ハ、秀［ヒデ］吉［ヨシ］ヲ、イチバン、ヨ＃
イヤクニナサレテ、豐［トヨ］臣［トミ］トイフ氏［ウヂ］ヲモクダ＃
＜Ｐ－０４５＞
サレタ。＃
ソノノチ、秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ「支［シ］那［ナ］トイフ國ヲモウタウ。」＃
トオモッテ、ヘイタイヲ、タクサン、ヤッテ、マヅ、朝［チョー］＃
鮮［セン］トイフ國ヲセメサセタ。ヘイタイハ、ナン＃
ノクモナク、朝［チョー］鮮［セン］ノミヤコニセメイッタ。スル＃
ト、支［シ］那［ナ］モヘイタイヲ、タクサン、出シテ、朝［チョー］鮮［セン］＃
ヲ助ケタ。ワガ國ノヘイタイハ、マタ、ソノ支［シ］＃
那［ナ］ノヘイタイヲモヤブッタ。シカシ、ヲシイコ＃
＜Ｐ－０４６＞
トニハ、センソーノスマンウチニ、秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ、病＃
氣ニカカッテ、死ンデシマッタ。＃
京［キョー］都［ト］ノ豐［ホー］國［コク］神［ジン］社［ジャ］ハコノ秀［ヒデ］吉［ヨシ］ヲマツッタノデ＃
アル。＃
○秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ支［シ］那［ナ］ヲモウタウトオモッテ、ヘイタイヲ、タクサ＃
ン、ヤッテ、マヅ、朝［チョー］鮮［セン］ヲセメサセタ。　　＃
　秀［ヒデ］吉［ヨシ］ハ支［シ］那［ナ］ヲモウタントオモヒテ、ヘイタイヲ、オホ＃
ク、ヤリテ、マヅ、朝［チョー］鮮［セン］ヲセメシメタリ。　　＃
第十一　　としのくれ。　　＃
＜Ｐ－０４７＞
「花がさいた。」と　　いふうちに、　　＃
いつか、野山が　　青くなり、　　＃
「あつい。あつい。」と　　いふうちに、　　＃
いつか、木のはが　　あかくなる。」　　＃
はちり、しもふり、　　雪ふりて、　　＃
白くなりたり、　　山のみね。　　＃
あー。今月は　　十二月。　　＃
あー。もう、けふは　　二十日すぎ。」　　＃
＜Ｐ－０４８＞
十日たたぬに、　　としもとり、　　＃
花が、また、さく　　四月には、　　＃
四年生にも、　　ぼくは、なる。　　＃
なまけることが　　できはせん。」　　＃
ことしは、すこし、　　休んだが、　　＃
もう、來年は、　　休まんぞ。　　＃
雨がふっても、　　さむくても、　　＃
休みはせんぞ。　　せい出すぞ。」　　＃
＜Ｐ－０４９＞
○あしたは、雪がふるだらう。　　＃
　あすは、雪○ふるならん。　　＃
　あすは、雪○ふるなるべし。　　＃
○雪がふっても、學校を休むな。　　＃
　雪○ふるとも、學校を休むべからず。　　＃
第十二　　新［しん］年［ねん］のいはひ。　　＃
文太郎は、一月一日の朝、早く、おきて、妹とと＃
もに、父と母とに、＃
「おとうさん。新年おめでたうございます。＃
＜Ｐ－０５０＞
おかあさん。新年おめでたうございます。」＃
といひて、新年の祝［いはひ］をのべたり。＃
父も、母も「おめでたう。」といひたり。＃
そのあとにて、文太郎は、うちじゅーのものと＃
ともに、ぞーにをたべて、學校の祝の式［しき］に、行＃
きたり。＃
文太郎が、學校より、かへりしとき、母は、文太＃
郎に、＃
＜Ｐ－０５１＞
「をぢさんのところ＃
へ、お祝のはがきを＃
おだしなさい。」＃
といひたり。＃
文太郎は、父より、はが＃
きをもらひて、上のよ＃
ーに、書きて、郵［ゆー］便［びん］箱［ばこ］に＃
入れたり。＃
＜Ｐ－０５２＞
それより、文太郎は妹をつれて、おもてに、出＃
でて、遊びたり。＃
○文太郎は、いつも、朝、早く、おきる。文太郎のおきるとき＃
には、妹もおきる。おきると、二人で、父と母とに、あいさ＃
つする。　　＃
　文太郎は、いつも、朝、早く、おく。文太郎のおくるときに＃
は、妹もおく。おくれば、二人にて、父と母とに、あいさつ＃
す。　　＃
第十三　　商［しょー］業［ぎょー］。　　＃
＜Ｐ－０５３＞
太郎の兄は、ある呉［ご］服［ふく］屋［や］に、商［しょー］業［ぎょー］のしかたの＃
見習に、いってゐます。この兄が、一月のなかご＃
ろ、主人から、ひまをもらって、かへってきました。＃
太郎は、たいそー、よろこんで、いろいろのこ＃
とをたづねました。兄は、いちいち、ていねい＃
に、いってきかせました。＃
「にいさん。商業といふのはどんなことを＃
するのですか。」＃
＜Ｐ－０５４＞
「商業といふのは品物を賣ったり、買ったりす＃
ることなどをいふのです。」＃
「それでは、にいさんのいってゐらっしゃるよー＃
な呉［ご］服［ふく］屋も、商業をしてゐるのですね。」＃
「さうです。呉［ご］服［ふく］屋も、米屋も、石油屋も、材木＃
屋も、みんな、商業をしてゐるのです。」＃
「その呉［ご］服［ふく］屋や米屋などは、じぶんで、織物＃
を織ったり、稻を作［つく］ったりするのですか。」＃
＜Ｐ－０５５＞
「いーえ。たいてい、呉［ご］服［ふく］屋は呉［ご］服［ふく］問［どひ］屋［や］から、＃
米屋は米［こめ］問［どひ］屋［や］から、買ひ入れるのです。呉［ご］＃
服［ふく］問［どひ］屋［や］といふのは、西［にし］陣［じん］のよーな、織物の＃
できるところから、たくさん、織物を買ひ＃
あつめて、それを、ほーぼーの呉［ご］服［ふく］屋に、賣＃
る店をいふのです。また、米［こめ］問［どひ］屋［や］といふの＃
は、ゐなかのよーな、米のできるところか＃
ら、たくさん、米を買ひあつめて、それを、ほ＃
＜Ｐ－０５６＞
ーぼーの米屋に、賣る店をいふのです。こ＃
んな、問［とひ］屋［や］は、石油屋にも、材木屋にも、みん＃
な、あります。」＃
「あー。わかりました。それでは、呉［ご］服［ふく］問［どひ］屋［や］は、＃
織物のできるところから、買ひあつめて、＃
呉［ご］服［ふく］屋に、賣り、米［こめ］問［どひ］屋［や］は、米のできるとこ＃
ろから、買ひあつめて、米屋に、賣るのです＃
ね。また、呉［ご］服［ふく］屋は、呉［ご］服［ふく］問［どひ］屋［や］から、買ひ入れ、＃
＜Ｐ－０５７＞
米屋は、米［こめ］問［どひ］屋［や］から、買ひ入れて、人に、賣る＃
のですね。」＃
「さうです。そして、呉［ご］服［ふく］問［どひ］屋［や］や米［こめ］問［どひ］屋［や］など＃
が、呉［ご］服［ふく］屋や米屋などに、賣るのを卸［おろし］賣［うり］と＃
いひ、呉［ご］服［ふく］屋や米屋などが、人に、賣るのを＃
小賣といひます。」＃
「にいさん。商業をすると、ぜにがまうかり＃
ますか。」＃
＜Ｐ－０５８＞
「商業をしても、正直にせんと、人が買ってく＃
れませんから、錢がまうかりません。しか＃
し、正直にさへすれば、人が、たくさん、買って＃
くれますから、錢がまうかります。」　　＃
第十四　　銅［あかがね］と鐵［てつ］。　（一）　　＃
あるばん、金［かな］物［もの］屋の店で、銅［あかがね］のなかまと、鐵［てつ］の＃
なかまとがあつまって、「銅［あかがね］と鐵［てつ］とは、どちらが、＃
人のやくにたつか。」といふことについて、い＃
＜Ｐ－０５９＞
ひあひをした。＃
しかし、いつまで、いひあっても、ただ、さわがし＃
いばかりで、なかなか、まけかちがつかなん＃
だ。それで、りょーほーから、一［ひと］人［り］づつ、出て、いふ＃
ことになった。＃
銅のなかまからは、銅のかなだらひが出る＃
ことになり、鐵［てつ］のなかまからは、てつびんが＃
出ることになった。＃
＜Ｐ－０６０＞
まづ、銅のかなだら＃
ひが出て、次のよー＃
に、いった。＃
「かねには、金、銀、銅、＃
鐵［てつ］、しんちゅーなど、＃
いろいろ、あるが、＃
なかでも、いちば＃
ん、人のやくにた＃
＜Ｐ－０６１＞
つものは銅だ。＃
金と銀とは、美しくて、貨［か］幣［へい］をこしらへる＃
にも、時［と］計［けい］やゆびわや、そのほかのかざり＃
ものをこしらへるにも、つかはれるが、ど＃
ちらのかねも、たくさん、なくて、ねだんも＃
たかい。＃
それだのに、銅は、金や銀よりも、たくさん＃
あって、ねだんもやすい。そして、やっぱり、貨［か］幣［へい］＃
＜Ｐ－０６２＞
をこしらへるにも、つかはれ、また、はりが＃
ねや、やかんや、わたくしのよーなかなだ＃
らひなどをこしらへるにも、つかはれる。」＃
して見れば、銅ほど人のやくにたつもの＃
は、ほかには、あるまい。鐵［てつ］のよーな、貨［か］幣［へい］を＃
こしらへるにも、つかはれず、じきに、さび＃
て、赤くなるものとは、くらべものにはな＃
らん。」＃
＜Ｐ－０６３＞
かなだらひが、かう、いってしまふと、銅のなか＃
まは、みんな、「さうだ。さうだ。」といって、手をうった。　　＃
第十五　　銅と鐵［てつ］。　（二）　　＃
こんどは、てつびんが出て、次のよーに、いった。＃
「なるほど、銅は、たくさん、あって、ねだんもや＃
すい。また、ずいぶん、人のやくにもたつ。し＃
かし、鐵は、銅よりも、もっと、たくさん、あって、ね＃
だんも、もっと、やすい。そして、ごとくをこし＃
＜Ｐ－０６４＞
らへるにも、つかはれ、なべや、かまや、わた＃
くしのよーなてつびんなどをこしらへ＃
るにも、つかはれる。また、そのほか、くぎ、こ＃
がたな、ほーちょー、すき、くはなどから、れー＃
る、きかんしゃ、刀、銃［じゅー］、大砲、軍［ぐん］艦［かん］などまで、みん＃
な、鐵がなくてはできん。＃
して見れば、鐵は、貨［か］幣［へい］をこしらへるにこ＃
そ、つかはれんが、人のやくにたつことは、＃
＜Ｐ－０６５＞
銅よりも、ずっと、おほいではないか。＃
また、鐵は、じきに、さびて、赤くなるといふ＃
が、銅も、じきに、青いものを出すではない＃
か。あれが、やっぱり、さびるのだ。鐵のよーに、＃
さびるだけならよいが、銅がさびて、青い＃
ものを出したのは、たいそー、どくになる＃
のだ。それで、かなだらひなども、しんちゅー＃
で、こしらへられるよーになってきたでは＃
＜Ｐ－０６６＞
ないか。＃
そして、銅は、人につかはれてゐても、どく＃
なものを出すが、鐵は、人につかはれてさ＃
へゐれば、いつも、光ってゐる。鐵のさびるの＃
は、人がつかはんからだ。」＃
てつびんが、かう、いってしまふと、鐵のなかま＃
は、みんな、「さうだ。さうだ。」といって、手をうった。」＃
銅のなかまも、きいてみれば、もっともなので、＃
＜Ｐ－０６７＞
みんな、だまってゐた。　　＃
第十六　　兎［ウサギ］。　　＃
コノヱヲ見ヨ。コレハ兎［ウサギ］ノヱナリ。耳ハ、ハナ＃
ハダ、長クシテ、ウハクチビルハ、二ツニ、ワレ＃
タリ。マタ、前足ハ短クシテ、後［アト］足［アシ］＃
ハ長シ。＃
兎［ウサギ］ニハ、野［ノ］兎［ウサギ］トカヒ兎［ウサギ］トアリ。野［ノ］＃
兎［ウサギ］ハ、イツモ、山、マタハ、野原ニス＃
＜Ｐ－０６８＞
ミテ、木ノ芽［メ］ナドヲ食ヒ、マタ、豆［マメ］、麥ナドノ作［サク］＃
物［モツ］ヲモアラス。カヒ兎［ウサギ］ハ、人ノ家ニカハレテ、＃
ツネニ、草、野［ヤ］菜［サイ］、穀［コク］物［モツ］ナドヲ食フ。＃
野［ノ］兎［ウサギ］ノ毛色ハ枯［カレ］葉［ハ］ノ色ニニタリ。サレド、雪＃
ノフルトコロニスムモノハ、冬ハ、白ク、カハ＃
ル。カヒ兎［ウサギ］ノ毛色ハサマザマニシテ、冬モ、カ＃
ハルコトナシ。＃
兎［ウサギ］ノ肉ハ味ヨク、毛ハ、筆ノ毛トスルニ、ヨロ＃
＜Ｐ－０６９＞
シ。　　＃
第十七　　草木ノカケクラベ。　　＃
アル日、草木ガ、ミンナ、ヨッテ、カケクラベヲシ＃
タ。ソレハ、ナカナカ、タイソーナカケクラベ＃
デ、高イ山ノフモトカラ、チョージョーマデ、ハシッ＃
テイカウトイフノデアッタ。＃
ハジメニ、木ノナカマハ、ミンナ、カウ、イッテヰ＃
タ。「草ハ、トテモ、カツコトハデキマイ。カツモ＃
＜Ｐ－０７０＞
ノハ、ワレワレ、木ノナカマデ、ナカマノ中デ＃
モ、桧［ヒノキ］ハ木ノ王［オー］樣［サマ］ダカラ、桧［ヒノキ］ガカツダラウ。」ト＃
イッテヰタ。＃
トコロガ、ダンダン、ノボッテ行クト、ダンダン、＃
寒クナッテキテ、桧［ヒノキ］ハ、モウ、ノボルコトガデキ＃
ンヨーニナッタ。スルト、ブナノ木ヤ松ノ木ナ＃
ドガオヒコシタ。草モオヒコシタ。＃
マタ、ダンダン、ノボッテ行クト、マタ、ダンダン、＃
＜Ｐ－０７１＞
寒クナッテキテ、ブナノ木モ、モウ、ノボルコト＃
ガデキンヨーニナッタ。草ニモ、ホカノ木ニモ、＃
モウ、ノボルコトガデキンヨーニナッタモノ＃
ガ、タクサン、アッタ。＃
ケレドモ、松ノ木ハ「ジブンハ寒イノガスキ＃
ダ。」トイッテ、オヒコシタ。ソノウチニ、松ノ木モ＃
ノボルコトガデキンヨーニナッタ。ソシテ、松＃
ノ木ハ「モウ、アンマリ、寒クテ、ジブンハノボ＃
＜Ｐ－０７２＞
ルコトガデキン。シカシ、ココマデ、來ルコト＃
ノデキルモノハ、ジブンヨリホカニハ、アル＃
マイ。」トイッテヰタ。トコロガ、アル草ナドハ、松＃
ノ木ヲオヒコシテ、ノボッテ行ッタ。松ノ木ハ、草＃
ノ中ニ、ジブンヨリ、モット、強イモノガアルノ＃
ニ、オドロイタ。＃
サテ、草ハ、ダンダン、ノボッテ行ッタガ、ソレハ、ソ＃
レハ、寒クテ、サキノ見エンホド、雪ガアルヨ＃
＜Ｐ－０７３＞
ーニナッタノデ、ドノ草モ、チョージョーマデハ、ノ＃
ボルコトガデキナンダ。＃
コノトキ、草ヲオヒコシテ、トートー、チョージョ＃
ーニ着イタモノガアッタ。ソレハ、アマリ、人ノ＃
キヅカン苔［コケ］デアッタ。　　＃
第十八　　明治二十七八年戰［せん］役［えき］。　（一）　　＃
外國の中で、いちばん、わが國に近いのは、韓［かん］＃
國［こく］と清［しん］國［こく］とであります。わが國は、昔から、こ＃
＜Ｐ－０７４＞
の、二つの國と、なかよく、つきあってきました。＃
ところが、明治二十七年、韓［かん］國［こく］に、そーどーの＃
おこった時に、清［しん］國［こく］は、わが國との約束にそむ＃
いて、ことわりなしに、へいたいを韓［かん］國［こく］にお＃
くりました。そして、そのうへに、韓［かん］國［こく］の豐［ほー］島［とー］＃
沖［おき］といふところで、清［しん］國［こく］の軍［ぐん］艦［かん］はわが國の＃
軍［ぐん］艦［かん］に大砲をうちかけました。＃
そのとき、わが國の軍［ぐん］艦［かん］は、くもなく、てきの＃
＜Ｐ－０７５＞
軍［ぐん］艦［かん］をうちやぶりましたが、あんまり、清［しん］國［こく］＃
が無［ぶ］礼［れい］だといふので、とーとー、わが國は、た＃
くさんのへいたいを出して、清［しん］國［こく］をあひて＃
に、せんそーすることになりました。＃
これよりまへに、わが陸軍は、わが國が、韓［かん］國［こく］＃
から、「清［しん］國［こく］の陸軍をうちしりぞけてもらひ＃
たい。」と、たのまれたので、韓［かん］國［こく］の成［せい］歡［かん］といふ＃
ところで、清［しん］國［こく］の陸軍をうちやぶりました＃
＜Ｐ－０７６＞
が、そこで、つづいて、平［へい］壤［じょー］といふところでも、＃
さんざんに、うちやぶりまし＃
た。そして、だんだんと、清［しん］國［こく］に＃
せめ入りました。＃
あの黄［こー］海［かい］の戰［たたかひ］のあったのは、こ＃
の平［へい］壤［じょー］の戰［たたかひ］のあった二日あと＃
のことであります。清［しん］國［こく］の海＃
軍は、黄［こー］海［かい］の戰［たたかひ］に、やぶれての＃
＜Ｐ－０７７＞
ちは、威［い］海［かい］衞［えい］といふところににげこんでゐ＃
ました。　　＃
第十九　　明治二十七八年戰［せん］役［えき］。　（二）　　＃
このころ、わが國は、また、べつに、陸軍を出し＃
て、清［しん］國［こく］の旅［りょ］順［じゅん］口［こー］といふところをせめまし＃
た。この旅［りょ］順［じゅん］口［こー］は、守ることはらくで、せめる＃
ことは、たいそー、むづかしいところであり＃
ましたが、わが陸軍は、たった、一日で、そこをせ＃
＜Ｐ－０７８＞
めおとしてしまひました。てきのいきほひ＃
は、これから、にはかに、よわりました。＃
わが海軍は「ここだ。」とおもって、わが陸軍といっ＃
しょに、てきの海軍のにげこんでゐる威［い］海［かい］衞［えい］＃
をせめました。そして、そこの砲［ほー］臺［だい］をせめお＃
としたり、軍［ぐん］艦［かん］をうちしづめたりしました。＃
てきの海軍は、みんな、こーさんしてしまひ＃
ました。わが陸軍は、すすんで、清［しん］國［こく］の都［みやこ］の北［ぺ］＃
＜Ｐ－０７９＞
京［きん］をせめようとしました。＃
清［しん］國［こく］は、たいそー、おそれて、使をわが國によ＃
こして、「なかなほりをしてくれ。」と申しこみ＃
ました。わが國は、たくさんの金と、臺［たい］灣［わん］とい＃
ふ、大きな島［しま］などとをとって、なかなほりをし＃
ました。＃
このせんそーのあったのは、明治二十七年か＃
ら、二十八年にかけてのことでありますか＃
＜Ｐ－０８０＞
ら、これを明治二十七八年戰［せん］役［えき］といひます。」＃
その後、明治三十三年にも、清［しん］國［こく］のうちの北＃
の方に、そーどーのおこったことがあります。＃
これを明治三十三年清［しん］國［こく］事［じ］變［へん］といひます。＃
この清［しん］國［こく］事［じ］變［へん］は、わが陸軍と、外國の陸軍と＃
が、いっしょになって、しづめましたが、その時にも、＃
わがへいたいが、いちばん、よく、はたらいて、＃
また、いちばん、きりつがたってをりました。＃
＜Ｐ－０８１＞
わが國のひょーばんは、この明治二十七八年＃
戰［せん］役［えき］と明治三十三年清［しん］國［こく］事［じ］變［へん］とで、世［せ］界［かい］中［じゅー］＃
に、高まるよーになったのであります。　　＃
第二十　　臺［タイ］灣［ワン］。　　＃
臺［タイ］灣［ワン］ハ、ワガ國ノウチニテ、モットモ、西南ニア＃
ル島［シマ］ニシテ、ハナハダ、暑キトコロナリ。＃
臺［タイ］灣［ワン］ハ、カク、暑キウヘニ、土地、マタ、コエタレ＃
バ、稻、早ク、ミノル。サレバ、一年ニ、二度［ド］、マタハ、＃
＜Ｐ－０８２＞
三度［ド］、取［トリ］入［イレ］ヲナス。＃
臺［タイ］灣［ワン］ハ、米ノホカ、ショーノー、石炭、砂［サ］糖［トー］、茶ナド＃
ヲモ、オホク、出ス。ナカニモ、砂［サ］糖［トー］ハ、モットモ、名＃
高シ。＃
臺［タイ］灣［ワン］ハ、モト、清［シン］國［コク］ノ島ナリシガ、明治二十八＃
年ヨリ、ワガ國ノモノトナリタルナリ。＃
臺［タイ］灣［ワン］ニハ、新［ニヒ］高［タカ］山［ヤマ］トイフ山アリ。コノ山ハ、ワ＃
ガ國ノ山ノ中ニテ、モットモ、高キ山ナリ。＃
＜Ｐ－０８３＞
マタ、臺［タイ］灣［ワン］ニハ、臺［タイ］灣［ワン］神［ジン］社［ジャ］トイフ社アリ。コノ＃
社ニハ、モトノ北［キタ］白［シラ］川［カハノ］宮［ミヤ］ヲモマツレリ。＃
さきごろ、臺［たい］灣［わん］に、いってゐるを＃
ぢのところから、むかふの寫［しゃ］＃
眞［しん］を、たくさん、おくってよこし＃
ました。そのなかには、新［にひ］高［たか］山［やま］、＃
臺［たい］灣［わん］神［じん］社［じゃ］などをうつしたも＃
のや、そのほか、まだ、見たこと＃
＜Ｐ－０８４＞
もないものが、何枚も、ありま＃
す。そのうちに、あそびにきて、＃
ごらんなさいませんか。＃
三月一日　　　　野口勇作　　＃
田島新藏樣　　＃
お手紙をくださいまして、あ＃
りがたうございます。さっそく、＃
父に、話しましたら、それはめ＃
＜Ｐー０８５＞
づらしいものだ。ぜひ、見せて＃
いただけと申しました。この＃
次のにちよーびにまゐりま＃
す。どうぞ、見せてください。＃
三月三日　　　　田島新藏　　＃
野口勇作樣　　＃
第二十一　　北［きた］白［しら］川［かはの］宮［みや］。　　＃
明治の二十八年に、　　＃
＜Ｐ－０８６＞
臺［たい］灣［わん］島［とー］におこりたる　　＃
わるものどもを　　＃
しづめんと、　　＃
北［きた］白［しら］川［かはの］宮［みや］殿［でん］下［か］、　　＃
多くの軍人ひきつれて、　　＃
勇んで、おいでなされたり。」　　＃
ちょーど、六月、七月の　　＃
暑さきびしき、そのうへに、　　＃
＜Ｐ－０８７＞
水はすくなく、食たらず、　　＃
山はけはしく、道わるし。　　＃
いくさにつよき軍人も、　　＃
このなんぎには、よわりたり。」　　＃
宮［みや］は、なんぎをいとはれず、　　＃
軍人どもをはげまして、　　＃
すすんで、せめて、わるものを、　　＃
おほかた、おしずめなされしに、　　＃
＜Ｐ－０８８＞
ふと、御病氣にかかられて、　　＃
をしや、おかくれなされたり。」　　＃
第二十二　　砂［サ］糖［トー］ト塩［シホ］。　　＃
食物ノ味ヲツクルニ、入用ナルモノ、二ツ、ア＃
リ。一ツハ砂［サ］糖［トー］ニシテ、一ツハ塩［シホ］ナリ。＃
砂［サ］糖［トー］ハ、タイテイ、サトーキビヨリ、製［セイ］ス。サト＃
ーキビ＃
ハ、トー＃
＜Ｐ－０８９＞
モロコシニニタルモノニシテ、暑キトコロ＃
ニ、ヨク、ソダツモノナリ。ソノクキニハ、アマ＃
キ汁多シ。ワレラノ用フル砂［サ］糖［トー］ハ、ソノ汁ヲ＃
トリテ、カマニテ、ニツメタルモノナリ。＃
砂［サ］糖［トー］ハ、ワガ國ヨリモ、出ヅレドモ、ソレノミ＃
ニテハ、タラザレバ、多クハ、外國ヨリ、買ヒ入＃
ル。＃
塩［シホ］ハ、タイテイ、海ノ水ヨリ、製［セイ］ス。海ノ水ヨリ、＃
＜Ｐ－０９０＞
製［セイ］スルニハ、マヅ、田ニニタルモノヲツクリ＃
テ、砂ヲシキ、コレニ海ノ水ヲカクルナリ。カ＃
クテ、日ニサラセバ、塩［シホ］カタマリ＃
テ、砂ニツク。ワレラノ用フル塩［シホ］＃
ハ、コレヲ、海ノ水ニテ、トカシ、カ＃
マニテ、ニツメタルモノナリ。＃
塩［シホ］ハ、ワガ國ヨリ、多ク、出ヅレバ、＃
外國ヨリ、買ヒ入ルルコトスクナシ。　　＃

をはり。　　＃
