＜出典＞４２１　　　国定読本　４期２－１
＜Ｐ－０００＞
もくろく　　＃
一　　春　が　來た………一　　十三　　牛若丸………四十一　＃
二　　なはとび………四　　十四　　とんぼ………四十六　＃
三　　うさぎ………六　　十五　　一寸ボフシ………四十八　＃
四　　とび………八　　十六　　かち〳〵山………六十一　＃
五　　しりとり………十　　十七　　ねずみ　の　ちゑ………六十九　＃
六　　ひよこ………十三　　十八　　キンギョ………七十二　＃
七　　かんがへもの………十五　　十九　　花火………七十五　＃
八　　とけい………十八　　二十　　金　の　をの………七十八　＃
九　　うち　の　子ねこ………二十二　　二十一　　自動車………九十二　＃
十　　蛙………二十四　　二十二　　長い　道………百　＃
十一　　國びき………三十　　二十三　　むしば………百二　＃
十二　　サヽ舟………三十六　　二十四　　浦島太郎………百七　＃
＜Ｐ－００１＞
　一　　春　が　來た　　＃
春　が　來た、　　＃
春　が　來た、　　＃
どこ　に　來た。　　＃
山　に　來た、　　＃
さと　に　來た、　　＃
の　にも　來た。　　＃
＜Ｐ－００２＞
花　が　さく、　　＃
花　が　さく、　　＃
どこ　に　さく。　　＃
山　に　さく、　　＃
さと　に　さく、　　＃
の　にも　さく。　　＃
＜Ｐ－００３＞
とり　が　なく、　　＃
とり　が　なく、　　＃
どこ　で　なく。　　＃
山　で　なく、　　＃
さと　で　なく、　　＃
の　でも　なく。　　＃
＜Ｐ－００４＞
　二　　なはとび　　＃
一だん、二だん、　　＃
なは　とんだ、とんだ。　　＃
三だん　とんだ、　　＃
四だん　も　とんだ。　　＃
＜Ｐ－００５＞
五だん　の　なは　も、　　＃
つづいて　とんだ。　　＃
六だん、七だん、　　＃
八だん　とんだ。　　＃
九だん、十だん、　　＃
なは　とんだ、とんだ。　　＃
＜Ｐ－００６＞
　三　　うさぎ　　＃
白い、　　＃
かはいい　　＃
うさぎさん。　　＃
お耳　が　　＃
長い、　　＃
目　が　　＃
＜Ｐ－００７＞
赤い。　　＃
おには　に　　＃
出す　と、　　＃
よろこんで、　　＃
ぴょん　ぴょん　　＃
はねます、　　＃
をどります。　　＃
＜Ｐ－００８＞
　四　　とび　　＃
とび　が　なく、　　＃
春　の　空。　　＃
まるい、大きい　　＃
わ　を　かいて、　　＃
ぴいひょろ、ぴいひょろ、　　＃
ぴいひょろろ。　　＃
＜Ｐ－００９＞
森　の　上　でも、　　＃
ないて　ゐる。　　＃
まち　の　上　でも、　　＃
ないて　ゐる。　　＃
ぴいひょろ、ぴいひょろ、　　＃
ぴいひょろろ。　　＃
＜Ｐ－０１０＞
　五　　しりとり　　＃
太郎「ゆき子さん　から　はじめて　＃
ください。」＃
ゆき子「では、いひます　よ。＃
すずめ。」＃
花子「めだか。」＃
太郎「かや。」＃
＜Ｐ－０１１＞
ゆき子「山。」＃
花子「ま　です　ね。」＃
ゆき子「さう　です。山　です　から。」＃
花子「まないた。」＃
太郎「たぬき。」＃
ゆき子「きしゃ。」＃
花子「しゃつ。」＃
太郎「つくゑ。」＃
＜Ｐ－０１２＞
ゆき子「ゑはがき。」＃
花子「きっぷ。」＃
太郎「ぷ　です　か。」＃
花子「さう　です。」＃
太郎「ぷ　は　こまる　な。」＃
ゆき子「早く、早く。」＃
花子「早く、早く。早く　つづけない　と、太郎＃
さん　の　まけ　です　よ。」　　＃
＜Ｐ－０１３＞
　六　　ひよこ　　＃
おとうさん　が、＃
「太郎、ひよこ　が　かへった　よ。」＃
と　おっしゃいました。＃
ぼく　が　見　に　いく　と、ひよこ　が、お＃
やどり　の　むね　の　所　から、小さな　あ＃
たま　を　出して、ぴよ、ぴよ、と　ないて　＃
＜Ｐ－０１４＞
ゐます。はね　の　下　にも、＃
二三ば　ゐる　やう　です。＃
ひよこ　が　なく　と、＃
おやどり　は、はなし　＃
でも　する　やう　に、＃
こ、こ、こ、こ、と　いひます。＃
ぼく　は、ひよこ　が　かはいくて　＃
たまりません。　　＃
＜Ｐ－０１５＞
　七　　かんがへもの　　＃
「この　はこ　の　中　に、おもしろい　人　＃
が　ゐます。あてて　ごらん　なさい。」＃
「その　はこ　を　かして　ください。」＃
「はい。」＃
「ふって　も　よう　ございます　か。」＃
「はい。」＃
＜Ｐ－０１６＞
「大そう　かるう　ございます　ね。この　人　＃
は、どんな　いろ　の　きもの　を　きて　＃
ゐます　か。」＃
「赤い　きもの　を　＃
きて　ゐます。」＃
「それ　では、をんな　＃
でせう。」＃
「いいえ。」＃
＜Ｐ－０１７＞
「それ　では、をとこの子　です　か。」＃
「いいえ。としより　です。」＃
「どうも　こまりました。どんな　かほ　を　＃
して　ゐます　か。」＃
「かほぢゅう　ひげだらけ　です。」＃
「それ　では、手　も　あし　も　ない　でせう。」＃
「はい。」＃
「わかりました。だるまさん　です。」　　＃
＜Ｐ－０１８＞
　八　　とけい　　＃
ぼく　の　うち　に、大きな　ぼんぼんどけい　＃
が　あります。あさ　から　ばん　まで、「かっ＃
ちん、かっちん。」と　うごいて　ゐます。＃
まいあさ、ぼく　が　目　を　さます　ころ、＃
「ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、ぼん、ぼん。」＃
と、六つ　なります。學校　へ　いく　時　や、＃
＜Ｐ－０１９＞
かへった　時　に、　ぼく　は　きっと　とけい　＃
を　見ます。おかあさん　も、ときどき　ごら＃
ん　に　なって、＃
「そろそろ、ごはん　の　したく　を　しませ＃
う。」＃
など　と　おっしゃいます。＃
きのふ、ぼく　が　學校　から　かへって　來＃
て、見る　と、とけい　が　ありません。おか＃
＜Ｐ－０２０＞
あさん　に　きく　と、＃
「ぐあひ　が　わるく　なった　から、とけい＃
や　へ　なほし　に　やった　の　です。」＃
と　おっしゃいました。「かっちん、かっちん。」＃
と　いふ　音　が　きこえない　ので、なん　＃
と　なく　さびしい　き　が　しました。＃
けさ、ごはん　の　時　に、＃
「もう　七時　か　な。」＃
＜Ｐ－０２１＞
と　いっ＃
て、に＃
いさん　が　とけい　を　＃
見よう　と　した　ので、＃
ぼく　が　わらひ出しま＃
す　と、みんな　が　大＃
わらひ　を　しました。＃
けれども、學校　に　い＃
＜Ｐ－０２２＞
く　時、ぼく　も、つい　とけい　を　見よう　＃
と　しました　ので、そば　に　おいで　に　＃
なった　おかあさん　が、おわらひ　に　なり＃
ました。　　＃
　九　　うち　の　子ねこ　　＃
うち　の　子ねこ　は、　　＃
かはいい　子ねこ。　　＃
＜Ｐ－０２３＞
くび　の　小すず　を　　＃
ちりちり　ならし、　　＃
すそ　に　からまり、　　＃
たもと　に　すがる。　　＃
うち　の　子ねこ　は、　　＃
かはいい　子ねこ。　　＃
くび　の　小すず　を　　＃
＜Ｐ－０２４＞
ちりちり　ならし、　　＃
まり　と　じゃれて　は、　　＃
えん　から　おちる。　　＃
　十　　蛙　　＃
蛙　の　子ども　が、川ばた　で　あそんで　＃
ゐました。＃
そこ　へ　牛　が　來て、水　を　のみました。＃
＜Ｐ－０２５＞
子蛙　は、びっくり　し＃
て、にげ出しました。＃
子蛙　は、あわてて　う＃
ち　へ　かへりました。＃
さうして、おとうさん蛙　＃
と　おかあさん蛙　に、＃
「大きい、大きい　ばけ＃
もの　が、水　を　のみ　に　來ました　よ。」＃
＜Ｐ－０２６＞
と　いひました。＃
きんじょ　に　ゐた　大蛙　が、それ　を　き＃
いて、＃
「その　大きな　ばけもの　は、わたし　くら＃
ゐ　も　あった　か　ね。」＃
と　ききました。＃
子蛙　は、＃
「どうして　どうして。今　まで　見た　こと　＃
＜Ｐ－０２７＞
も　ない　ほど　大きい　の　です。」＃
と　こたへました。＃
大きい　の　が　じまん　の　大蛙　は、うん＃
と　いき　を　吸ひこんで、おなか　を　ふく＃
らませて、＃
「そんなら、この　くらゐ　も　あった　か　ね。」＃
と　いひました。子蛙　は　くび　を　ふって、＃
「とても　そんな　もの　では　ありません。」＃
＜Ｐ－０２８＞
と　いひました。＃
「では、この　くらゐ　か　ね。」＃
と　いって、大蛙　は、一そう　おなか　を　ふ＃
くらませました。＃
子蛙　は、＃
「をぢさん、およし　なさい。いくら　おなか　＃
を　ふくらませて　も、かなひません　よ。」＃
と　いひました。＃
＜Ｐ－０２９＞
しかし、大蛙　は、こん＃
ど　こそ　と、一生けん＃
めい　に　なって、いき　＃
を　吸ひこみました。お＃
なか　は、まるで　ふう＃
せん玉　の　やう　に　＃
ふくれました。＃
すると、「ぽん。」と　大きい　音　が　して、大＃
＜Ｐ－０３０＞
蛙　の　おなか　が、やぶれて　しまひました。　　＃
　十一　　國びき　　＃
大むかし　の　こと　です。＃
神さま　が、どうかして　この　國　を　もっと　＃
ひろく　したい　と、おかんがへ　に　なりま＃
した。國　を　ひろく　する　には、どこ　か　＃
の　あまった　土地　を　もって　來て、つぎあ＃
＜Ｐ－０３１＞
はせたら　よからう　と、おかんがへ　に　な＃
りました。＃
神さま　は、うみ　の　上　を、ずっと　お見＃
わたし　に　なりました。すると、東　の　方　＃
の　とほい　國　に、あまった　土地　の　ある　＃
の　が　見えました。＃
そこで、神さま　は、その　國　に、太い、太＃
い　つな　を　かけて、ありったけ　の　力　を　＃
＜Ｐ－０３２＞
出して、おひき　に　なり＃
ました。＃
「こっち　へ　來い、＃
えんやら　や。＃
こっち　へ　來い、＃
えんやら　や。」＃
と、かけごゑ　いさましく　＃
おひき　に　なります　と、＃
＜Ｐ－０３３＞
その　土地　が　ちぎれて、＃
うごき出しました。さうし＃
て、大きな　舟　の　やう　＃
に、うみ　の　上　を、ぐんぐん　と　こっち　＃
へ　やって　來ました。＃
神さま　は、その　土地　を　この　國　に　＃
つぎあはせて、國　を　ひろく　なさいました。＃
しかし、まだ　せまい　と　おかんがへ　に　＃
＜Ｐ－０３４＞
なりました。＃
そこで、また　うみ　の　上　を　お見わたし　＃
に　なりました。こんど　は、西　の　方　の　＃
とほい　國　に、やはり　あまった　土地　の　＃
ある　の　が　見えました。＃
神さま　は、その　土地　にも　つな　を　か＃
けて、＃
「こっち　へ　來い、＃
＜Ｐ－０３５＞
えんやら　や。＃
こっち　へ　來い、＃
えんやら　や。」＃
と、力　一ぱい　おひき　に　なりました。こ＃
れ　も、大きな　舟　の　やう　に　うごいて、＃
こっち　へ　やって　來ました。＃
神さま　は、かうして　日［にっ］本［ぽん］　の　國　を　ひ＃
ろく　なさった　と　いふ　こと　です。　　＃
＜Ｐ－０３６＞
　十二　　サヽ舟　　＃
太郎「正雄サン、サヽ舟　ヲ　ナガシテ　アソビ＃
マセウ。」＃
正雄「アヽ、サウ　シマセウ。サヽ舟　ノ　キャウ＃
サウ　ヲ　シマセウ。」＃
太郎「次郎チャン　モ、ナカマ　ニ　オハイリ　ナ＃
サイ。ネエサン　ハ、シンバンヰン　ニ　ナッ＃
＜Ｐ－０３７＞
テ　クダサイ。」＃
ミヨ子「ハイ、ナリマセウ。」＃
三人　ハ、メイ〳〵　サヽ　ノ　ハ　ヲ　トッテ、＃
舟　ヲ　コシラヘマシタ。＃
ミヨ子サン　ハ、川下　ノ　土バシ　ノ　上　＃
ニ　立チマシタ。＃
ミヨ子「サア、私　ガ、一、二、三、ト　イッタラ、＃
一ショ　ニ　舟　ヲ　出ス　ノ　デス　ヨ。＃
＜Ｐ－０３８＞
一、二、三。」＃
三人　ハ、一ショ　ニ　舟　＃
ヲ　出シマシタ。＃
舟　ハ、土バシ　ノ　方　＃
ヘ　ナガレテ　イキマス。＃
三人　ハ、舟　ト　ナラ＃
ンデ、川　ノ　フチ　ヲ　＃
カケテ　イキマス。草　ノ　＃
＜Ｐ－０３９＞
ハ　ニ　トマッテ　ヰタ　＃
テフ〳〵　ガ、トビ立チ＃
マシタ。＃
ミヨ子「アラ、テフ〳〵　ガ、＃
次郎チャン　ノ　舟　ニ　＃
トマリマシタ。」＃
舟　ハ、ダン〳〵　土バ＃
シ　ヘ　近ク　ナリマス。＃
＜Ｐ－０４０＞
次郎「ホウラ、モウ　ヂキ　ショウブ　ダ。」＃
ミヨ子サン　ハ、＃
「一チャク、次郎チャン。」＃
ト、大キナ　コヱ　デ　イヒマシタ。＃
正雄「次郎チャン、バンザイ。」＃
太郎「次郎チャン、バンザイ。」＃
ミヨ子「次郎チャン　ノ　舟　ニハ、テフ〳〵　ノ　＃
センドウサン　ガ　ノッタ　カラ、カッタ　ノ　＃
＜Ｐ－０４１＞
デセウ。」　　＃
　十三　　牛［うし］若［わか］丸［まる］　　＃
月　の　よい　ばん　でした。＃
牛若丸　が、ふえ　を　吹きながら　あるいて　＃
ゐました。＃
五でう　の　橋　に　來ます　と、＃
「まて。」＃
＜Ｐ－０４２＞
と　いふ　もの　が　あります。＃
見る　と、大なぎなた　を　もった、大きな　男　＃
が　立って　ゐます。＃
牛若丸　は、＃
「だれ　だ。なん　の　用　か。」＃
と　いひました。＃
「べんけい　だ。その　刀　が　もらひたい。＃
よい　刀　を　千本　あつめる　つもり　で、＃
＜Ｐ－０４３＞
九百九十九本　は　取った。もう　一本　で　＃
千本　だ。さあ、刀　を　出せ。」＃
牛若丸　は、びく　とも　しません。＃
「刀　が　ほしい　か。ほしければ、取って　み　＃
よ。」＃
と　いひました。＃
べんけい　は、大なぎなた　を　ふりまはして、＃
きって　かゝりました。＃
＜Ｐ－０４４＞
牛若丸　は、ひらり＃
と　らんかん　の　＃
上　に　とび上りま＃
した。＃
べんけい　が　上　＃
を　きる　と、牛若＃
丸　は　下　へ　と＃
び下ります。右　を　＃
＜Ｐ－０４５＞
きれば、左　へ　とびのき、左　を　きれば、＃
右　へ　とびのきます。強い　べんけい　も、＃
だん〳〵　つかれて　來ました。＃
牛若丸　は、その　時、あふぎ　で　べんけい　＃
の　うで　を　強く　たゝきました。べんけい　＃
の　大なぎなた　が、がらりと　おちて　しま＃
ひました。＃
とう〳〵、べんけい　は　かうさん　しました。＃
＜Ｐ－０４６＞
さうして、牛若丸　の　けらい　に　なりまし＃
た。　　＃
　十四　　とんぼ　　＃
とんぼ、とんぼ。　　＃
庭　の　かきね　に、　　＃
とんぼ　が　一ぴき　　＃
とまった。　　＃
＜Ｐ－０４７＞
ぐるり　ぐるり、　　＃
指　で　わ　を　かく　と、　　＃
ぎらり　ぎらり、　　＃
目玉　が　光る。　　＃
ちょっと　羽　を　　＃
つまゝう　と　したら、　　＃
＜Ｐ－０４８＞
すいと、あっち　へ　　＃
にげて　いった。　　＃
　十五　　一寸ボフシ　　＃
オヂイサン　ト　オバアサン　ガ　アリマシタ。＃
子ドモ　ガ　ナイ　ノデ、＃
「ドウゾ、子ドモ　ヲ　一人　オサヅケ　下サイ。」＃
ト、神サマ　ニ　オネガヒ　シマシタ。＃
＜Ｐ－０４９＞
男ノ子　ガ　生マレマシタ。小指　グラヰ　ノ　＃
大キサ　デシタ。アンマリ　小サイ　ノデ、一＃
寸ボフシ　ト　イフ　名　ヲ　ツケマシタ。＃
一寸ボフシ　ハ、二ツ　ニ　ナッテ　モ、三ツ　＃
ニ　ナッテ　モ、少シモ　大キク　ナリマセン。＃
オヂイサン　ト　オバアサン　ハ、シンパイ　＃
シテ、＃
「一寸ボフシ　ノ　セイ　ガ、高ク　ナリマス　＃
＜Ｐ－０５０＞
ヤウ　ニ。」＃
ト、毎日、神サマ　ニ　オイノリ　シマシタ。＃
ケレドモ、ヤッパリ　生マレタ　時　ノ　マヽ　＃
デシタ。＃
一寸ボフシ　ハ、十三　ニ　ナリマシタ。アル＃
日、オヂイサン　ト　オバアサン　ニ、＃
「ミヤコ　ヘ　行ッテ、エライ　人　ニ　ナリ＃
タイ　ト　思ヒマス。少シ　ノ　アヒダ、オ＃
＜Ｐ－０５１＞
ヒマ　ヲ　下サイ。」＃
ト　イヒマシタ。＃
一寸ボフシ　ハ、オバアサン　カラ、針　ヲ　＃
一本　モラヒマシタ。ソレ　ヲ　刀　ニ　シテ、＃
ムギワラ　ノ　サヤ　ニ　入レテ、コシ　ニ　＃
サシマシタ。ソレカラ、オワン　ヲ　モラッテ、＃
舟　ニ　シマシタ。オハシ　ヲ　モラッテ、カ＃
イ　ニ　シマシタ。＃
＜Ｐ－０５２＞
一寸ボフシ　ハ、オワン　ノ　舟　ニ　ノッテ、＃
オハシ　ノ　カイ　デ　＃
ジャウズ　ニ　コイデ、＃
大キナ　川　ヲ　ノ＃
ボッテ　行キマシタ。＃
ミヤコ　ニ　ツク　ト、＃
トノサマ　ノ　オヤシ＃
キ　ヘ　行キマシタ。＃
＜Ｐ－０５３＞
「ゴメン　下サイ。」＃
ト　イフ　ト、トノサマ　ガ　出テ　オイデ　＃
ニ　ナリマシタ。ガ、ダレ　モ　ヰマセン。＃
「ダレ　ダラウ。」＃
ト　イッテ、方々　オサガシ　ニ　ナリマシタ。＃
「ドコ　ニ　ヰル　ノ　ダラウ。」＃
ト　イッテ、庭　ヲ　見マハシナガラ、アシダ　＃
ヲ　オハキ　ニ　ナラウ　ト　シマシタ。スル＃
＜Ｐ－０５４＞
ト、ソノ　アシダ　ノ　カゲ　ニ　ヰタ　一寸＃
ボフシ　ハ、＃
「フンデ　ハ　イケマセン。」＃
ト　イッテ、アワテテ　ト＃
ビ出シマシタ。サウシテ、＃
「ケライ　ニ　シテ　下＃
サイ。」＃
ト　タノミマシタ。＃
＜Ｐ－０５５＞
トノサマ　ハ、＃
「コレ　ハ　オモシロイ　子　ダ。」＃
ト　イッテ、ケライ　ニ　ナサイマシタ。＃
三年　バカリ　スギマシタ。一寸ボフシ　ハ、＃
アル日、オヒメサマ　ノ　オトモ　ヲ　シテ、＃
遠イ　所　ヘ　出カケマシタ。＃
トチュウ　マデ　來ル　ト、ドコ　カラ　カ、オ＃
ニ　ガ　出テ　來テ、一寸ボフシ　ヤ　オヒメ＃
＜Ｐ－０５６＞
サマ　ヲ　タベヨウ　ト　シマシタ。＃
一寸ボフシ　ハ、針　ノ　刀　ヲ　ヌイテ、オ＃
ニ　ニ　向カヒマシタ　ガ、トウ〳〵　ツカマッ＃
テ　シマヒマシタ。＃
オニ　ハ、一寸ボフシ　ヲ　ツマンデ、一口　＃
ニ　ノンデ　シマヒマシタ。＃
一寸ボフシ　ハ、オニ　ノ　オナカ　ノ　中　＃
ヲ、アチラ　コチラ　ト　カケマハッテ、針　＃
＜Ｐ－０５７＞
ノ　刀　デ、チクリ　チクリ　＃
ト　ツヽキマシタ。オニ　ハ、＃
「イタイ、イタイ。」＃
ト　イヒマシタ。＃
ソノウチ　ニ、一寸＃
ボフシ　ハ、オナ＃
カ　ノ　中　カラ　＃
ハヒ上ッテ、ハナ　＃
＜Ｐ－０５８＞
ノ　オク　ヲ　トホッテ、目　ノ　中　ヘ　出＃
マシタ。サウシテ、針　ノ　刀　デ　目玉　ヲ　＃
ツヽキマハッテ、ピョコリ　ト　地メン　ヘ　ト＃
ビ下リマシタ。＃
オニ　ハ、目　ノ　中　ガ　イタクテ　ナリマ＃
セン。目　ヲ　オサヘテ、一生ケンメイ　ニ　＃
ニゲテ　行キマシタ。ウチデノコヅチ　モ、ワ＃
スレテ　ニゲテ　行キマシタ。＃
＜Ｐ－０５９＞
オニ　ノ　ワスレタ　ウチデノコヅチ　ヲ　見＃
ル　ト、オヒメサマ　ハ、＃
「コレ　ハ　ヨイ　モノ　ガ　アル。」＃
ト　イッテ、大ソウ　ヨロコビマシタ。コレ　ヲ　＃
フル　ト、ナン　デモ　ジブン　ノ　思フ　ト＃
ホリ　ニ　ナル　カラ　デス。ソコデ、＃
「一寸ボフシ　ノ　セイ　ガ、高ク　ナル　ヤ＃
ウ　ニ。」＃
＜Ｐ－０６０＞
ト　イッテ、オヒメサマ　ハ、サッソク　ウチデ＃
ノコヅチ　ヲ　フリマシタ。＃
一寸ボフシ　ノ　セイ　ガ、少シ　高ク　ナリ＃
マシタ。＃
「モット　高ク　ナレ、モット　高ク　ナレ。」＃
ト　イヒナガラ、ナンベン　モ　フリマシタ。＃
一寸ボフシ　ハ、ダレ　ニモ　マケナイ　大男　＃
ニ　ナリマシタ。　　＃
＜Ｐ－０６１＞
　十六　　かち〳〵山　　＃
良雄さん　と　太郎さん　は、ぐゎようし　で　＃
めん　を　作って　あそばう　と、さうだん　し＃
ました。＃
良雄さん　は、ぐゎようし　に　＃
うさぎ　の　かほ　を　かきま＃
した。耳　を　長く　かきまし＃
＜Ｐ－０６２＞
た。目玉　を　赤く　ぬりました。＃
太郎さん　は、それ　を　見て、＃
「ぼく　は　たぬき　に　しよ＃
う。」＃
と　いって、たぬき　の　かほ　＃
を　かきました。はな　の　りゃうわき　から　＃
耳　へ　かけて、茶色　に　ぬりました。＃
二人　は、はさみ　で　ゑ　を　切りぬいて、＃
＜Ｐ－０６３＞
めん　を　こしらへました。さうして、べつ　＃
の　ぐゎようし　を　細長く　切って、それ　を　＃
じぶんたち　の　あたま　に　合ふ　やう　に、＃
わ　に　作って、めん　に　つけました。＃
二人　は、めん　を　つけて　みました。よく　＃
にあひました。＃
太郎「君、かち〳〵山ごっこ　を　しよう　よ。」＃
良雄「いゝ　な、しよう。」＃
＜Ｐ－０６４＞
それから、二人　は、舟　を　こしらへる　さ＃
うだん　を　しました。＃
舟　は、あつい　紙　で　二つ　こしらへまし＃
た。さうして、長い　ひも　を　つけて、くび　＃
へ　かけます　と、舟　は　おなか　の　へん　＃
に　かゝって　ゐます。＃
良雄「うまい、うまい。うまく　できた。さあ、＃
ぼく　は　うさぎ、君　は　たぬき　だ　よ。」＃
＜Ｐ－０６５＞
太郎「ぼく　が　たぬき　か。よし、やらう。」＃
うさぎ　の　良雄さん　は、少し　かんがへて　＃
から　いひ出しました。＃
うさぎ「たぬき君、よい　お天氣　だ　ね。これ　＃
から、一しょ　に　舟あそび　を　しよう。」＃
たぬき「よからう。」＃
うさぎ　と　たぬき　は、舟　を　こぐ　まね　＃
を　しました。＃
＜Ｐ－０６６＞
うさぎ　は　うたひまし＃
た。　　＃
うさぎ「うさぎ　の　舟　は　　＃
木舟、　　＃
たぬき　の　舟　は　　＃
どろ舟。」　　＃
そのうち　に、たぬき　＃
の　舟　が　少し　おく＃
＜Ｐ－０６７＞
れました。＃
たぬき「おうい、うさぎ君、ぼく　の　舟　は、なん　＃
だ　か　おもくて　すゝまない　やう　だ。」＃
うさぎ「そんな　こと　は　ない　よ。君　の　こ＃
ぐ　の　が　へたな　の　だ。」＃
たぬき「さう　か　ね。」＃
また　しばらく　こぎました。たぬき　は、だ＃
んだん　おくれて　來ました。＃
＜Ｐ－０６８＞
たぬき「やあ、大へん、大へん。ぼく　の　舟　に　＃
水　が　はいって　來た。あ、舟　が　しづむ、＃
しづむ。うさぎ君、助けて　くれ。」＃
いつ　の　ま　にか、となり　の　へや　に、＃
良雄さん　の　おかあさん　と　ねえさん　が　＃
來て、見て　いらっしゃいました。＃
良雄さん　も　太郎さん　も、氣　が　ついて、＃
あわてて　やめました。おかあさん　は、＃
＜Ｐ－０６９＞
「まあ、ほんたう　に　じゃうず　です　ね。」＃
と　いって、おほめ　に　なりました。　　＃
　十七　　ねずみ　の　ちゑ　　＃
「このごろ、なかま　の　もの　が、ねこ　に　＃
とられて　こまる　が、何　か　よい　くふ＃
う　は　あるまい　か。」＃
と、年とった　ねずみ　が、なかま　の　もの　＃
＜Ｐ－０７０＞
に　いひました。＃
その　時、一ぴき　の　子＃
ねずみ　が、前　へ　出て　＃
いひました。＃
「よい　くふう　が　あり＃
ます。大きな　すゞ　を　＃
ねこ　の　首　に　つけ＃
て　おいて、その　音　＃
＜Ｐ－０７１＞
が　きこえたら、にげる　こと　に　して　＃
は　どう　でせう。」＃
「なるほど、よい　かんがへ　だ。」＃
と　いって、みんな　かんしん　しました。す＃
ると、年とった　ねずみ　が、＃
「それ　も　よい　が、だれ　が、その　すゞ　＃
を　つけ　に　行く　の　か。」＃
と　いひました　ので、みんな　だまって　し＃
＜Ｐ－０７２＞
まひました。　　＃
　十八　　キンギョ　　＃
目　ガ　サメマシタ。＃
ユフベ　買ッテ　イタヾイタ　キンギョ　ノ　コ＃
ト　ヲ　思フ　ト、ジット　シテ　ハ　ヰラレ＃
マセン。＃
私　ハ　トビオキマシタ。サウシテ、スグ　エ＃
＜Ｐ－０７３＞
ンガハ　ニ　出テ、バケツ　ノ　中　ヲ　ノゾ＃
キマシタ。カゾヘテ　ミル　ト、ヤッパリ　五＃
ヒキ　ヰマシタ。ミンナ　キレイナ、カハイヽ　＃
キンギョ　デス。＃
オカアサン　ガ、ガラス　ノ　キンギョバチ　ヲ　＃
持ッテ　來テ、＃
「コレ　ニ　入レテ　オヤリ　ナサイ。」＃
ト　オッシャイマシタ　ノデ、私　ハ、スグ　キ＃
＜Ｐ－０７４＞
ンギョ　ヲ　キンギョバ＃
チ　ヘ　ウツシテ　ヤ＃
リマシタ。＃
キンギョ　ハ、前　ヨリ　＃
モ、ズット　キレイ　ニ　＃
見エマス。ヨコ　ノ　方　＃
カラ　ノゾク　ト、キ＃
ンギョ　ガ、急　ニ　大＃
＜Ｐ－０７５＞
キク　見エタリ、マタ　モト　ノ　ヤウ　ニ、＃
小サク　見エタリ　シマス。＃
ユフベ　カラ　何　モ　ヤラナイ　カラ、オナ＃
カ　ガ　スイテ　ヰル　ダラウ　ト　思ッテ、私　＃
ハ　オカアサン　ニ、フ　ヲ　モラッテ　來テ　＃
ヤリマシタ。　　＃
　十九　　花火　　＃
＜Ｐ－０７６＞
どんと　なった。　　＃
花火　だ、　　＃
きれい　だ。　　＃
空　一ぱい　に　　＃
ひろがった、　　＃
＜Ｐ－０７７＞
しだれやなぎ　が　　＃
ひろがった。　　＃
どんと　なった。　　＃
何十、何百、　　＃
赤い　星、　　＃
一度　に　かはって　　＃
青い　星、　　＃
＜Ｐ－０７８＞
も一度　かはって　　＃
金　の　星。　　＃
　二十　　金　の　をの　　＃
木こり　が、池　の　そば　の　森　で、木　＃
を　きって　ゐました。をの　に　力　を　入＃
れて、こん、こん、と　きって　ゐました。＃
あんまり　力　を　入れすぎた　ので、をの　＃
＜Ｐ－０７９＞
が、手　から　はなれて、とんで　行きました。＃
「あっ。」と　思ふ　ま　に、＃
をの　は、深い　池　の　＃
中　へ、どぶんと　落ち＃
て　しまひました。＃
「あ、しまった。」＃
と、木こり　は、思はず　＃
大きな　こゑ　を　出し＃
＜Ｐ－０８０＞
ました。さうして、まっさをな　水　の　上　を　＃
じっと　見ながら、「どう　したら　よからう。」と　＃
かんがへこんで　ゐました。＃
すると、その　水　の　中　から、まっ白な　長＃
い　ひげ　の　生えた　おぢいさん　が、出て　＃
來ました。さうして、＃
「どう　した　の　だ。」＃
と　聞きました。＃
＜Ｐ－０８１＞
木こり　は、＃
「池　の　中　へ、をの　を　落して　しまひ＃
ました。」＃
と　こたへました。＃
「それ　は　かはいさう　だ。わたし　が　ひ＃
ろって　やらう。」＃
かう　いふ　と、おぢいさん　の　すがた　は、＃
すぐ、水　の　中　に　消えて、見えなく　な＃
＜Ｐ－０８２＞
りました。＃
しばらく　する　と、おぢいさん　が　出て　＃
來ました。その　手　には、美しい　金　の　＃
をの　が、きら〳〵　と　光って　ゐました。＃
「お前　の　落した　の　は、これ　だらう。」＃
「いゝえ、ちがひます。それ　では　ございま＃
せん。」＃
「では、もう　一度　さがして　みよう。」＃
＜Ｐ－０８３＞
おぢいさん　の　すがた　は、また　水　の　中　＃
に　消えました。さうして、今度　は　美しい　＃
銀　の　をの　を　持って、出て　來ました。＃
「では、この　をの　か。」＃
「いゝえ、それ　でも　ございません。てつ　＃
の　をの　で　ございます。」＃
「さう　か。では、もう　一度　さがして　み＃
よう。」＃
＜Ｐ－０８４＞
おぢいさん　の　すがた　は、また　水　の　＃
中　に　消えました。＃
おぢいさん　は、今度　こそ、木こり　の　落＃
した　てつ　の　をの　を　持って、出て　來＃
ました。＃
「これ　だらう。」＃
「はい、それ　で　ございます。どうも　あり＃
がたう　ございました。」＃
＜Ｐ－０８５＞
木こり　は、その　をの　を　受取って、何べん　＃
も　おれい　を　いひました。おぢいさん　は、＃
「お前　は、ほん＃
たう　に　正直＃
な　男　だ。こ＃
の　二つ　の　＃
をの　も、お前　＃
に　あげよう。」＃
＜Ｐ－０８６＞
と　いひながら、金　の　をの　と、銀　の　＃
をの　を　木こり　に　やりました。＃
木こり　は、ふしぎな　おぢいさん　から、金　＃
の　をの　と、銀　の　をの　を　もらった　こ＃
と　を、近所　の　人　に　話しました。＃
となり　の　若い　男　も、木こり　でした。＃
それ　を　聞く　と、じぶん　も　金　の　を＃
の　や、銀　の　をの　が　ほしく　なりまし＃
＜Ｐ－０８７＞
た。＃
若い　男　は、池　の　そば　の　森　へ　行＃
きました。をの　で　こん、こん、と　木　を　＃
きりはじめました。＃
そのうち　に、若い　男　は、わざと　をの　＃
を　手　から　はなしました。をの　は、どぶ＃
んと　池　の　中　へ　落ちました。＃
「あ、しまった。」＃
＜Ｐ－０８８＞
と、若い　男　は、できる　だけ　大きな　こ＃
ゑ　で　さけんで、水　の　上　を　見て　ゐ＃
ました。＃
青い　水　の　中　から、おぢいさん　が　出＃
て　來ました。さうして、＃
「どう　した　の　だ。」＃
と　聞きました。＃
「池　の　中　へ、をの　を　落して　しまひ＃
＜Ｐ－０８９＞
ました。」＃
と、若い　男　は　こたへました。＃
「それ　は　かはいさう　だ。わたし　が　ひ＃
ろって　やらう。」＃
かう　いふ　と、おぢいさん　の　すがた　は、＃
すぐ、水　の　中　に　消えて、見えなく　な＃
りました。＃
若い　男　は、金　の　をの　の　こと　ばか＃
＜Ｐ－０９０＞
り　かんがへて、まって　ゐました。＃
しばらく　する　と、水　の　中　から、おぢ＃
いさん　が　出て　來ました。その　手　には、＃
美しい　金　の　をの　が、きら〳〵　と　光っ＃
て　ゐました。＃
「お前　の　落した　の　は、これ　だらう。」＃
若い　男　は、すぐ、＃
「はい、それ　で　ございます。」＃
＜Ｐ－０９１＞
と、いって　しまひました。＃
すると、今　まで　やさしさう　に　見えて　＃
ゐた　おぢいさん　の　かほ　が、急　に　き＃
つく　なりました。さうして、＃
「お前　の　や＃
うな　うそつ＃
き　には、金　＃
の　をの　も、＃
＜Ｐ－０９２＞
銀　の　をの　も　やる　こと　は　できない。」＃
と　いって、すぐ、水　の　中　に　消えて　し＃
まひました。　　＃
　二十一　　自動車　　＃
オヒル　カラ、私　ハ、正雄サン　ノ　ウチ　＃
ヘ　アソビ　ニ　行カウ　ト　思ッテ、外　ヘ　＃
出マシタ。＃
＜Ｐ－０９３＞
トチュウ　マデ　來テ、フト　見ル　ト、チャウ＃
ド　正雄サン　ノ　ウチ　ノ　前　ニ、自動車　＃
ガ　止ッテ　ヰマシタ。ソバ　ニ、人　ガ　四五＃
人　ヨッテ　ヰマシタ。＃
「何　ダラウ。」ト　思ッテ、私　ハ　急イデ　行ッ＃
テ　見マシタ。正雄サン　ガ　ヰマシタ　ノデ、＃
「何　デス。」＃
ト　聞キマス　ト、正雄サン　ハ、＃
＜Ｐ－０９４＞
「自動車　ノ　コシャウ　デス。」＃
ト　イヒマシタ。＃
「ドンナ　コシャウ　デス。」＃
ト　聞キマシタ　ガ、正雄サン　モ　ヨク　ワ＃
カラナイ　ト　見エテ、ダマッテ　ヰマシタ。＃
ソノ　自動車　ニ　ノッテ　來タラシイ、三人　＃
ノ　知ラナイ　ヲヂサン　ガ、立ッテ　ヰマシタ。＃
ソノ　中　ノ　一人　ガ、＃
＜Ｐ－０９５＞
「アノ　左ガハ　ノ　ウ＃
シロ　ノ　車　ヲ　ゴ＃
ラン　ナサイ。」＃
ト　イヒマシタ。見ル　＃
ト、ソノ　車　ヲ、今＃
ウンテンシュ　ガ　一生＃
ケンメイ　ニ　ナッテ、ハ＃
ヅサウ　ト　シテ　ヰル　＃
＜Ｐ－０９６＞
トコロ　デス。　車　ハ、タイヤ　ガ　ヒシャゲテ　＃
ヰマシタ。＃
「タイヤ　ガ　ヒシャゲテ　ヰマス　ネ。」＃
ト　イヒマス　ト、ヲヂサン　ハ、＃
「アノ　タイヤ　ノ　中　ニ、モウ　一ツ　ゴ＃
ム　ノ　クダ　ガ　アル　ノ　デス。」＃
ト　イヒマシタ。私　ハ、オトウサン　ノ　ジ＃
テン車　ガ、サウ　ナッテ　ヰル　コト　ヲ　思＃
＜Ｐ－０９７＞
ヒ出シマシタ。＃
「ソノ　クダ　ガ　ヤブレテ、中　ノ　空氣　＃
ガ　ヌケテ　シマッタ　ノ　デス。」＃
ヲヂサン　ガ　カウ　イッテ　ヰル　間　ニ、ウ＃
ンテンシュ　ハ　車　ヲ　ハヅシマシタ。サウシ＃
テ、自動車　ノ　ウシロ　ニ　ツケテ　アッタ、＃
別　ノ　車　ヲ　持ッテ　來テ、トリツケマシタ。＃
スッカリ　シゴト　ガ　スム　ト、ウンテンシュ　＃
＜Ｐ－０９８＞
ハ、ヲヂサンタチ　ニ、＃
「サア、ドウゾ。オマチドホサマ　デシタ。」＃
ト　イヒマシタ。ヲヂサンタチ　三人　ハ、＃
「ヤア、ゴクラウ　デシタ。」＃
ト　イッテ、自動車　ニ　ノリマシタ。＃
ウンテンシュ　モ　ノリマシタ。＃
「ブル〳〵、ブル〳〵。」＃
ト、自動車　ガ　ウナリ出シマシタ。＃
＜Ｐ－０９９＞
ヲヂサンタチ　ハ、私タチ　ニ、＃
「サヤウナラ。」＃
ト　イヒマシタ。私　モ、正雄サン　モ、＃
「サヤウナラ。」＃
ト　イヒマシタ。＃
自動車　ハ　動キ出シマシタ。＃
「ブッ　ブウ。」＃
自動車　ハ　走ッテ　行キマス。＃
＜Ｐ－１００＞
私タチ　ハ、自動車　ガ　見エナク　ナル　マ＃
デ、立ッテ　見テ　ヰマシタ。　　＃
　二十二　　長い　道　　＃
＜Ｐ－１０１＞
どこ　まで　行って　も、　　＃
長い　道。　　＃
夕日　が　赤い、　　＃
森　の　上。　　＃
どこ　まで　行って　も、　　＃
長い　道。　　＃
ごうんと　お寺　の　　＃
＜Ｐ－１０２＞
かね　が　なる。　　＃
どこ　まで　行って　も、　　＃
長い　道。　　＃
もう　かへらう　よ、　　＃
日　が　くれる。　　＃
　二十三　　むしば　　＃
＜Ｐ－１０３＞
花子さん　は、は　が　いたい　ので、一ばん＃
ぢゅう　くるしみました。＃
朝　に　なって　も、まだ　いたい　の　が　な＃
ほりません。花子さん　は、おかあさん　と　＃
一しょ　に、は　の　おいしゃさま　へ　行きま＃
した。＃
おいしゃさま　は、すぐ　見て　下さいました。＃
「やあ、二本　ならんで　むしば　が　できて　＃
＜Ｐ－１０４＞
ゐる。おくゎし　を　たべすぎました　ね。」＃
と　いって、くすり　で　洗ったり、くすり　を　＃
つけたり　して　下さいました。＃
花子さん　は、いたい　の　が　少し　なほっ＃
た　やう　に　思ひました。＃
おいしゃさま　は、おかあさん　に、＃
「この、前　の　方　の　むしば　は、生えか＃
はる　は　です　が、おく　の　方　の　は、＃
＜Ｐ－１０５＞
一生　使ふ　大じな　は　です。それ　が、＃
かう　むしば　に　なっ＃
て　は　いけません　＃
ね。」＃
と　おっしゃいました。さ＃
うして、花子さん　に、＃
「花子さん、あなた　は　＃
は　を　みがきます　＃
＜Ｐ－１０６＞
か。」＃
と、お聞き　に　なりました。＃
「毎朝　みがきます。」＃
と、花子さん　は　答へました。おいしゃさま　＃
は、＃
「夜　ねる　前　にも、みがく　と　いゝ　で＃
す　が　ね。さう　する　と、こんな　に　＃
は　が　わるく　ならない　でせう。」＃
＜Ｐ－１０７＞
と　おっしゃいました。花子さん　は　うなづき＃
ました。＃
おかあさん　と　一しょ　に、おいしゃさま　の　＃
おうち　を　出た　時、花子さん　は、もう　＃
は　の　いたみ　を　忘れて、にこ〳〵　して　＃
ゐました。　　＃
　二十四　　浦［うら］島［しま］太郎　　＃
＜Ｐ－１０８＞
むかし、浦島太郎　と　いふ　人　が　ありま＃
した。＃
ある日、はまべ　を　通って　ゐる　と、子ども　＃
が　大ぜい　集って、何　か　さわいで　ゐま＃
した。見る　と、かめ　を　一ぴき　つかまへ＃
て、ころがしたり、たゝいたり　して　いぢめ＃
て　ゐる　の　です。浦島　は、＃
「そんな　かはいさうな　こと　を　する　も＃
＜Ｐ－１０９＞
の　では　ない　よ。」＃
と　いひます　と、＃
子どもら　は、＃
「何、かまふ　もの　＃
か、ぼくたち　が　つ＃
かまへた　の　だ　もの。」＃
と　いって、なか〳〵　聞＃
きません。浦島　は、＃
＜Ｐ－１１０＞
「それなら、をぢさん　に　その　かめ　を　＃
賣って　おくれ。」＃
と　いって、かめ　を　買取りました。＃
浦島　は、かめ　の　せなか　を　なでながら、＃
「もう　二度　と　つかまる　な　よ。」＃
と　いって、海　へ　はなして　やりました。＃
それから　二三日　のち　の　こと　でした。＃
浦島　が、舟　に　のって、いつも　の　通り　＃
＜Ｐ－１１１＞
つり　を　して　ゐる　と、＃
「浦島さん、浦島さん。」＃
と、呼ぶ　もの　が　あります。だれ　だらう　＃
と　思って、ふりかへって　見る　と、大きな　＃
かめ　が、舟　の　そば　へ　およいで　來て、＃
ぴょこり　と　おじぎ　を　しました。さうして、＃
「この間　は、ありがたう　ございました。私　＃
は、あの　時　助けて　いたゞいた　かめ　＃
＜Ｐ－１１２＞
です。けふ　は、お＃
れい　に、りゅうぐ＃
う　へ　おつれ　し＃
ませう。さあ、私　＃
の　せなか　へ　お＃
のり　下さい。」＃
と　いひました。浦島　は、＃
「それ　は　ありがたう。」＃
＜Ｐ－１１３＞
と　いって、かめ　の　せなか　に　＃
のりました。かめ　は、だん〳〵　＃
海　の　中　へ　はいって　行き＃
ました。＃
しばらく　行く　と、向かふ　に　＃
赤　や、青　や、黄　で　ぬった、りっぱな　門　＃
が　見えます。かめ　が、＃
「浦島さん、あれ　が　りゅうぐう　の　ご門　＃
＜Ｐ－１１４＞
です。」＃
と　いひました。＃
間もなく　ごてん　へ　つきました。たひ　や、＃
ひらめ　など　が、むかへ　に　出て　來て、＃
おく　の、りっぱな　ごてん　へ　通しました。＃
美しい　玉　や　貝　で　かざった、その　ご＃
てん　は、目　も　まぶしい　ほど　きれい　＃
です。そこ　へ、おとひめさま　が　出て　い＃
＜Ｐ－１１５＞
らっしゃいました。さ＃
うして、＃
「この間　は、かめ　＃
を　助けて　下さっ＃
て、ありがたう　＃
ございます。どう＃
ぞ、ゆっくり　あ＃
そんで　いって　下＃
＜Ｐ－１１６＞
さい。」＃
と　いって、いろ〳〵　ごちそう　を　して　下＃
さいました。たひ　や、ひらめ　や、たこ　な＃
ど　が、大ぜい　で、おもしろい　をどり　を　＃
をどりました。＃
浦島　は、あまり　おもしろい　ので、家　へ　＃
かへる　の　も　忘れて、毎日　毎日、たのし＃
く　くらして　ゐました。しかし、そのうち　＃
＜Ｐ－１１７＞
に、おとうさん　や　おかあさん　の　こと　＃
を　かんがへる　と、家　へ　かへりたく　な＃
りました。そこで、ある日、おとひめさま　に、＃
「どうも　長く　おせわ　に　なりました。あ＃
まり　長く　なります　から、これ　で　お＃
いとま　を　いたします。」＃
と　いひました。＃
おとひめさま　は、しきり　に　止めました　＃
＜Ｐ－１１８＞
が、浦島　が　どうして　も　聞きません　の＃
で、＃
「それ　では、この　玉手箱　を　あげます。＃
しかし、どんな　こと　が　あって　も、ふ＃
た　を　あけて　は　なりません。」＃
と　いって、きれいな　箱　を　おわたし　に　＃
なりました。＃
浦島　は、玉手箱　を　かゝへ、かめ　に　のっ＃
＜Ｐ－１１９＞
て　海　の　上　へ　出ました。＃
もと　の　はまべ　へ　かへって　來ます　と、＃
おどろきました。村　の　やうす　は、すっか＃
り　かはって　ゐます。住んで　ゐた　家　も　＃
なく、おとうさん　も、おかあさん　も　死ん＃
で　しまって、知った　人　は、一人　も　をり＃
ません。これ　は　どう　した　こと　か　と、＃
浦島　は、箱　を　かゝへながら、ゆめ　の　＃
＜Ｐ－１２０＞
やう　に、あちら　こちら　と　歩きまはりま＃
した。＃
こんな　時　に　玉手箱　を　あけたら、どう　＃
か　なる　かも　知れ＃
ない　と　思っ＃
て、おとひめ＃
さま　の　いっ＃
た　こと　も　＃
＜Ｐ－１２１＞
忘れて、その　ふた　を　あけました。すると、＃
中　から、白い　けむり　が　すうと　立ちの＃
ぼりました。それ　が　かほ　に　かゝった　か　＃
と　思ふ　と、浦島　は、かみ　も、ひげ　も、＃
一度　に　まっ白　に　なって、しわだらけ　の　＃
おぢいさん　に　なって　しまひました。＃
＜Ｐ－１２４＞
をはり　　＃
