＜出典＞６２２　　　国定読本　６期２－２
＜Ｐ－００２＞
もくろく　　＃
一　　この　町………四　　＃
二　　にわとり………十四　　＃
三　　いろいろな　あいて………十九　　＃
四　　心に　生きて　いる　ことば………三十四　　＃
五　　がんの　なかま………四十一　　＃
六　　ことばあそび………六十六　　＃
＜Ｐ－００３＞
七　　いろはがるた………七十四　　＃
八　　クリスマス………八十一　　＃
九　　雪………八十六　　＃
十　　うらしまたろう………九十六　　＃
十一　　一つの　ものでも………百二十　　＃
十二　　四季………百二十四　　＃
十三　　はごろも………百二十六　　＃
＜Ｐ－００４＞
一　　この　町　　＃
ここは、町やくばです。＃
あかちゃんが　生まれると、＃
ここに　知らせます。＃
うえぼうそうの　知らせは、＃
ここから　きます。＃
学校に　はいる　子どもも、＃
いちいち　知らせて　くれます。＃
＜Ｐ－００５＞
こうえんの　せわや、どうろの　＃
そうじなども　して　くれます。＃
もし、人が　なくなった　＃
ときには、やはり　ここに　＃
とどけます。＃
ここは　ゆうびんきょくで＃
す。＃
手紙や　小づつみなどを　＃
おくって　くれます。＃
＜Ｐ－００６＞
いそぐ　ときには、でんぽうを　うって　くれます。＃
どんな　ところへでも　とどけて　くれます。＃
もっと　いそぐ　ときには、＃
でんわを　とりついで　くれ＃
ます。「もしもし。」と　声を　か＃
けて、話が　できます。＃
世界じゅうの　人の　心を　＃
つなぐ　糸を、まいにち　あ＃
つかう　ところです。＃
＜Ｐ－００７＞
ここは　けいさつしょです。＃
人々の　たいせつな　もちものを　まもって　くれます。＃
もっと　たいせつな　か＃
らだを　まもって　くれま＃
す。＃
火事が　おこらないよう＃
に、また、わるい　びょう＃
きが　はやらないように、＃
氣を　つけて　くれます。＃
こんざつする　町かどで＃
＜Ｐ－００８＞
は、きちんと　せいりして　＃
くれます。＃
まい子を　うちまで　おく＃
りとどけて　くれます。＃
ここは、水の　きれいな　＃
いけです。＃
まわりには、さくらの　木＃
が　たくさん　うえて　あり＃
ます。よく　みがいた　まる＃
＜Ｐ－００９＞
い　かがみを、この　町に　＃
はめこんだようです。＃
ここは、町でも　ひょうば＃
んの　かじやさんです。＃
あさから　ばんまで、トッ＃
テンカン　トッテンカンと　＃
はたらいて　います。＃
ここは　びょういんです。＃
＜Ｐ－０１０＞
ここは　しょうぼうしょです。＃
ここは　えいがかんです。＃
ここは　としょかんです。＃
＜Ｐ－０１１＞
ここは　わたくしたちの　＃
学校です。＃
町じゅうの　友だちが　み＃
んな　あつまって　きます。＃
こくご、しゃかい、さんす＃
う、りか、おんがく、ずがこ＃
うさく、たいいくなどの　べ＃
んきょうを　します。＃
＜Ｐ－０１２＞
ここは　えきです。＃
となりの　町と、いったり　＃
きたり　します。＃
ここから、とおい　とおい　＃
町へ　いく　ことが　できま＃
す。＃
とおい　とおい　町から　＃
だいじな　ものが　ここに　＃
とどきます。＃
＜Ｐ－０１３＞
どこも、この　町の　目で＃
す。この　町の　耳です。こ＃
の　町の　手と　なり　足と　＃
なって、はたらいて　います。＃
町ぜんたいが、ひとつに　＃
なって　生きて　います。　　＃
＜Ｐ－０１４＞
二　　にわとり　　＃
にわとりが、かぶの　はっぱ＃
を　たべて　いる。＃
風が　ふくと、にわとりが　＃
ふわふわ　ふくれる。＃
むこうぎしの、すすきの　も＃
さもさして　いる　ところから、＃
＜Ｐ－０１５＞
小鳥が　とびたった。＃
「みんな、しずかに――よしきりが　なくから。」＃
みんな　じっと　して　いたけれども、なかなかった。＃
かくれんぼしたら、わたしが　おにに　なった。＃
みんな、鳥ごやに　かくれて　いた。＃
たまごを　生んで　いるのを　みて　いた。＃
えつ子が　わたしの　せなかで　ねんねした。＃
わたしの　せなかに　かおを　つけて　ねんねした。＃
＜Ｐ－０１６＞
おかしを　しっかり　手に　もって　ねんねした。＃
せなかが　ほかほか　あたたかい。＃
ゆうがた、水くみに　でた。＃
おかあさんが、月に　てらさ＃
れて、水を　くむ。＃
くろい　かげが　ついて　い＃
る。＃
おかあさんの　バケツが　お＃
もそうだ。＃
＜Ｐ－０１７＞
バケツの　中に　月が　うつっ＃
て　いる。＃
お星さん、よく　光るね。＃
わたしが　手ぬぐいを　もっ＃
て、おふろへ　いくのが　みえ＃
るの。＃
学校から　かえったら、おか＃
あさんが、石うすを　ひいて　＃
いらっしゃった。すぐ　てつだった。おかあさんの　手の　＃
＜Ｐ－０１８＞
上に　つかまって　ひいた。石うすは、ゴロン　ゴロンと　＃
いった。＃
おかあさんに、＃
「ぼくが　いっしょに　ひくと、＃
かるく　なるかしら。」＃
と　きいたら、＃
「ああ、かるいよ。」＃
と　おっしゃった。そこで、お＃
かあさんの　手の　上で、力いっ＃
ぱい　ひいた。　　＃
＜Ｐ－０１９＞
三　　いろいろな　あいて　　＃
「文を　書く　ことは、お話を　するのと　おなじ　こと＃
です。＃
お話が　あいて　なしには　できないように、文も　あ＃
いて　なしには　書ける　ものでは　ありません。」＃
先生が　こう　おっしゃったので、みんなは　それぞれ　＃
あいての　人を　きめてから、文を　書きました。＃
＜Ｐ－０２０＞
まさおさんは、あいての　人を　「おかあさん」に　きめて、＃
つぎのような　文を　書きました。＃
「さっき、みんなと　ねこねずみを　して　あそびました。＃
みんなで　手を　つないで、わを　つくりました。ねず＃
みが　三びき、わの　中に　はいり、ねこが　二ひき、＃
わの　そとに　でました。ねこの　一ぴきは、わたくし＃
です。＃
先生が、＃
『さあ、用意は　いいですか。』＃
と　おっしゃいました。みんなは、＃
＜Ｐ－０２１＞
『はい、いいです。』＃
と　こたえました。＃
ねこの　わたくしは、ど＃
の　ねずみを　つかまえよ＃
うかと　考えました。ねず＃
みたちは、わの　中で　きょ＃
ろきょろして　います。わ＃
たくしは、ただしさんを　＃
ねらって、わの　中へ　もぐりこもうと　しました。み＃
んなは、「きゃっ。」と　いって　しゃがみます。あちこち　＃
＜Ｐ－０２２＞
まわって　いる　うちに、ぴょいと　中に　はいりまし＃
た。ねずみたちは、あわてて　わの　そとへ　にげまし＃
た。すると、そとに　いた　ねこが　おいかけました。＃
もう　すこしで　つかまりそうに　なった　とき、また　＃
わの　中に　にげこみました。そこを、わたくしが　う＃
まく　つかまえました。」＃
たつおさんは、「にいさん」に　あてて　文を　書きました。＃
「きのう　えを　かきました。なんの　えか、あてて　ご＃
らんなさい。ぼくの　うちを　かいたのです。＃
＜Ｐ－０２３＞
やねも、かべも、はしらも　かきました。まども　かき＃
ました。あの　まどから、に＃
いさんと　よく　星を　みま＃
したね。にいさんは、こんど、＃
いつ　おふねから　おかえり＃
ですか。その　ときは、山へ　＃
くりひろいに　いきましょう＃
ね。＃
ぼくは、大きく　なったら、＃
にいさんと　いっしょに、ふねで　はたらきたいと　思＃
＜Ｐ－０２４＞
います。」＃
すみこさんは、「いもうと」に　＃
あてて　書きました。＃
「みっちゃんが　いなく　なっ＃
てから、もう　半年も　た＃
ちますね。きのうの　ゆう＃
がた、おとなりの　まさこ＃
ちゃんと、あの　いけの　そばまで　さんぽして　きま＃
した。おみやげに　うめもどきを　とって　きました。＃
＜Ｐ－０２５＞
そうして、みっちゃんの　しゃしんの　まえに　かざり＃
ました。＃
みっちゃんの　ことを、みんなで　お話ししない　日は　＃
ありません。お話を　すると、みっちゃんが　そばに　＃
くるような　氣が　します。お花を　かざると、そこに　＃
すわって　いるようです。わたくしは、みっちゃんが　＃
空を　とんで　いるだろうと、ときどき　思います。で＃
も、雨が　ふると、どこかで　休んで　いると　思いま＃
す。さようなら。」＃
＜Ｐ－０２６＞
のぶこさんは、「りんご」に　お話を　する　つもりで　書＃
きました。＃
「りんごさんの　ほっぺたの　赤いこと。りん＃
ごさんの　かおの　まるいこと。りんごさん＃
は、どこへ　いっても　きれいね。まっ白な　＃
おさらの　上では、おひめさまのようですね。」＃
たみおさんは、「きりぎりす」を　あいてに　＃
書きました。＃
「きみは　よく　なくね。きみの　だいす＃
＜Ｐ－０２７＞
きな　きゅうりを　あげよう。ねぎも　あげよう。もう　＃
しばらく　ないて　くれたら、かごから　はなして　あ＃
げるよ。」＃
たろうさんは、「ポチ」あてに　書きました。＃
「あしたの　あさも、また　かけっこを　しよ＃
うね。林の　むこうの　一本道まで、かけっこを　しよ＃
うね。」＃
としおさんは、「雲」に　話を　する　つもりで　書きました。＃
＜Ｐ－０２８＞
「白い　雲さん、光って　きれいだな。ぼくを　＃
のせて　くれないかな。ふわふわと　して、＃
氣もちが　いいだろうな。」＃
きよしさんは、じぶんを　あいて＃
に　書く　ことに、氣が　つきまし＃
た。＃
「いま、わたくしが　したいと　思＃
う　ことは、なんだろう。山に　＃
いって、くりひろいを　する　こ＃
＜Ｐ－０２９＞
とかな。ぶどうえんの　おじさん＃
の　ところへ　いって、あそんで　＃
くる　ことかな。おばさんの　う＃
ちへ　いって、いもほりの　てつ＃
だいを　する　ことかな。となり＃
の　うちから、うさぎを　もらっ＃
て　くる　ことかな。じぶんで　＃
じぶんに　きいて　みても、なか＃
なか　はっきりした　返事を　して　くれない。」＃
＜Ｐ－０３０＞
せつこさんは、「くみの　人　＃
みんな」に　きいて　もらいた＃
いと　いって、文を　書きま＃
した。＃
「にしださんは、きょうも　＃
びょうきで　休んで　いま＃
す。それで、みんなで　な＃
にか　おみまいを　しよう＃
では　ありませんか。おて＃
がみを　書いても　いいし、＃
＜Ｐ－０３１＞
えを　かいても　いいと　思います。わたくしは、うち＃
の　にわに　さいて　いる　コスモスの　花を　あげよ＃
うと　思います。」＃
かずこさんも、やはり、「みんな」に　知らせたいと　いっ＃
て、つぎのような　文を　書きました。＃
「きのう、学校から　かえる　とき、雨が　ふって　いま＃
した。わたくしが　かさを　さして　いくと、むこうで　＃
ようちえんの　男の子が　ないて　いました。どこかの　＃
中学校の　女の　生徒さんが　きて、ないて　いる　わ＃
＜Ｐ－０３２＞
けを　ききました。＃
男の子は、げたの　はなお＃
が　切れて　あるけなかっ＃
たのです。その　生徒さん＃
は、すぐ　ひもで　げたの　＃
はなおを　すげて　やりま＃
した。雨が　びしゃびしゃ　＃
ふるので、わたくしは、か＃
さを　さしかけて　あげま＃
した。その　とき、わたく＃
＜Ｐ－０３３＞
しは、「しんせつに　する　こと。」と　いう　おとうさんの　＃
ことばを　思いだしました。＃
はなおが　できあがると、男の子は、それを　はいて、＃
元氣よく　かけて　いって　しまいました。＃
女の　生徒さんは　わたくしに、＃
『どうも　ありがとう。』＃
と　いって、わかれて　いきました。」　　＃
＜Ｐ－０３４＞
四　　心に　生きて　いる　ことば　　＃
「かずこさんの　書いた　文で、なにか　氣の　ついた　＃
ことは　ありませんか。」＃
先生に　こう　たずねられて、みんなは、もう　一ど、＃
かずこさんの　文を　よみなおしました。けれども、べつ＃
に　氣が　つきません。＃
「先生は、かずこさんの　おとうさんの　ことばに、氣が　＃
つきました。」＃
＜Ｐ－０３５＞
ここまで　いわれても、まだ、なんの　ことだか　わか＃
りません。＃
「かずこさんは、中学校の　女の　生徒さんが　子どもの　＃
げたの　はなおを　すげる　あいだ、かさを　さして　＃
あげたのですね。」＃
「そうです。」＃
「その　とき、ふと　思いだした　ことばが　ありますね。」＃
「おとうさんの　ことばです。」＃
「先生は、そこに　氣が　ついたのです。＃
おとうさんが　おいでに　ならなくても、かずこさんの　＃
＜Ｐ－０３６＞
耳には、おとうさんの　ことばが、ひびいて　きたので＃
す。わかりますか。そこに　いなくても、その　人の　＃
ことばが　生きて　いると　いう　ことが、わかります＃
か。」＃
みんなは、しばらく　考えて　いました。＃
その　とき、たろうさんが、＃
「先生、こんな　ことが　ありました。」＃
と　いって、つぎのような　話を　しました。＃
「わたくしが、きのう、となりの　うちに　おつかいに　＃
いきました。その　とき、ぶどうだなの　下を　とおり＃
＜Ｐ－０３７＞
ました。そこには、ぶどうが、たくさん　おいしそうに　＃
じゅくして　いました。わたくし＃
は、たべたくて　しようが　あり＃
ませんでした。思いきって、とな＃
りの　おばさんに、『ぶどうを　く＃
ださい。』と　いおうと　しました。＃
その　とき、わたくしの　口を　＃
おさえた　ものが　ありました。＃
それは、おかあさんの　ことばで＃
した。『いやしい　まねを　しては　いけませんよ。』と　い＃
＜Ｐ－０３８＞
う　声でした。わたくしは、だまって　うちへ　かえっ＃
て　きました。」＃
「それは　えらかった。たろうさん＃
は、なぜ　ぶどうを　もらわない＃
で、かえれたのでしょう。」＃
「はい。」＃
「ときこさん。」＃
「おかあさんの　ことばが　とめた＃
からです。」＃
「そうですね。」＃
＜Ｐ－０３９＞
ここまで　話が　すすむと、みんなは、めいめい　じぶ＃
んの　ことが　思いだされて　き＃
ました。＃
「先生、ありを　ころそうと　した　＃
とき、にいさんの　ことばを　思＃
いだして、ころしませんでした。」＃
「先生、さくらの　枝を　おろうと　＃
した　とき、おじさんの　ことば＃
に　氣が　ついて　やめました。」＃
「みんな　よかった。ただしい　ことばは、いつも、あな＃
＜Ｐ－０４０＞
たがたの　いい　お友だちに　なったり、先生に　なっ＃
たり　して　くれます。＃
あなたがたは、これから、りっぱな　ことばに　いろい＃
ろ　であうでしょう。」　　＃
＜Ｐ－０４１＞
五　　がんの　なかま　　＃
三十ぱの　がんは、まいにち　まいにち、＃
北へ　むかって　たびを　つづけて　いまし＃
た。＃
ものさしで　きちんと　そろえたように　＃
なって　とんだり、まがって　つりばりのよ＃
うに　なったり　しました。ときには、かぎ＃
なりに　なって、空を　ひっかけるように　＃
＜Ｐ－０４２＞
なりました。ゴムのように　のびる　こ＃
とも　あるし、きゅっと　ちぢむ　こと＃
も　ありました。＃
どのように　列の　かたちを　かえて＃
も、ばらばらに　なって　しまう　こと＃
は　ありませんでした。＃
「きみ、列を　はなれちゃ　だめじゃ　＃
ないか。」＃
「しっけい、しっけい。」＃
「きみ、きみ、じぶんかってに　早く　＃
＜Ｐ－０４３＞
とんで　いっちゃあ　こまるよ。」＃
「よし、よし。」＃
がんは、おたがいに　いま＃
しめあって、ぎょうぎよく　＃
空を　とびました。＃
けさも　早くから、三十ぱ＃
の　がんは　目を　さましま＃
した。ゆうべは、ぬまの　き＃
しの、よしの　きれいに　し＃
げった　ところで、ねむったのでした。＃
＜Ｐ－０４４＞
「さあ、出発だ。」＃
とうばんの　がんは、大きな　声で　さけびました。＃
「きょうも、きのうと　おなじ　じゅんばんに　ならんで　＃
とぶ　ことに　しよう。」＃
みんなは、それに　さんせいしました。＃
ところが、＃
「それは　いけないよ。」＃
と　いったのは、かっちゃんでした。＃
「どうして　いけないの。」＃
「ぼくは、きのうは　一ばん　おしまいだったもの。おし＃
＜Ｐ－０４５＞
まいは　つらいよ。」＃
「だって、かっちゃんが　おしまいに　して　くれって　＃
いったから、そう　したんじゃ　ないか。」＃
「でも。」＃
「でもじゃ　ないよ。おしまいは　氣が　らくで　いいか＃
らって、いったじゃ　ないか。」＃
「氣が　らくには　らくさ。でもね、つらいんだよ。」＃
「なにが　つらいの。」＃
「とりのこされるかと　思ってさ。それに、きけんせんば＃
んだよ。あとから　なにか　おっかけて　きや　しない＃
＜Ｐ－０４６＞
かと　思ってね。」＃
「じゃあ、かっちゃん、きょうは　どこに　ならびたいと　＃
いうの。」＃
「そうだな。」＃
「わがままは　もう　よすが　いいよ。おとといは、一ば＃
ん　せんとうに　して　くれって　いったのに。」＃
「おとといは、そんな　氣もちだったけれど、きょうは　＃
ちがうんだよ。」＃
「さあ、きょうは、どの　へんに　ならびたいと　いうん＃
だね。」＃
＜Ｐ－０４７＞
「まん中が　いいな。十五ばんめだ。そこらが　一ばん　＃
安全らしい。」＃
「かっちゃんが　そう　いうなら、十五ばんめに　して、＃
とぶ　ことに　しようじゃ　ないか。」＃
みんなは　そう　きめました。＃
あさの　風は、氣もちよく、がんの　むなげに　あたり＃
ました。＃
三十ぱの　がんは、一列に　なって　とんで　いきまし＃
たが、やがて、まつばのような　かたちに　なりました。＃
はたけを　こえ、のはらを　すぎると、高い　山の　そ＃
＜Ｐ－０４８＞
ばに　きました。＃
その　山の　ふもとには、大きな　木が　しげって　い＃
るので、そこを　よけて　とびました。よく　木の　かげ＃
から　ねらいうちを　されるからです。＃
山の　上を　高く　とびこえて、たにに　さしかかった　＃
とき、かっちゃんが、＃
「あいたっ。」＃
と、声を　たてました。＃
ほかの　がんは、また、みんなを　だまして　びっくり＃
させるのだろうと　思って、べつに　氣にも　かけないで　＃
＜Ｐ－０４９＞
とびつづけました。＃
かっちゃんは、十五ばんめから　わきに　それたかと　＃
思うと、石ころか　なにかの＃
ように　おちて　いきました。＃
「ズドーン。」＃
下の　方から、てっぽうの　＃
音が　ひびいて　きました。＃
二十九わの　がんは、あわ＃
てて　かっちゃんの　ところへ　あつまりました。＃
かっちゃんが、いまの　てっぽうで　やられたと　い＃
＜Ｐ－０５０＞
う　ことが　わかりました。＃
力の　つよい　がんが、三ばで、かっちゃんの　おちて　＃
いくのを、下から　うけとめました。ほかの　がんは、右＃
や　左から　かっちゃんを　だきかかえました。＃
「かっちゃん、しっかりしろ。」＃
「かっちゃん、元氣を　だせ。」＃
ほかの　ものは、あとに　なり、さきに　なり　して、＃
はげまし　はげまし、さけびました。＃
「ズドーン。」＃
二はつめの　てっぽうの　音が、ひびいて　きました。＃
＜Ｐ－０５１＞
下から　ねらわれて　いる　ときには、ばらばらに　なっ＃
て、はなれて　とべば　安全なのですが、いまは、かっちゃ＃
んを　たすけなければ　なりません。＃
だれも、ばらばらに　なって、にげようと　する　もの＃
は　ありません。＃
「おい、こんどは、ぼくが　かわって、かついで　いこう。」＃
「わたしが　おんぶしましょう。」＃
「たのむよ。」＃
「よしきた。」＃
かっちゃんは、とぶ　力が　なくなって　しまいました。＃
＜Ｐ－０５２＞
おもい　かっちゃんを　かつぎながら　空を　とぶのは、＃
よういな　ことでは　ありません。どうか　すると、する＃
りと　すべりおちそうに　なり、おんぶして　いる　がん＃
も　おちそうに　なります。＃
「きけんな　ところを　早く　はなれよう。」＃
二十九わの　がんは、列を　きれいに　つくるどころで＃
は　ありません。ちょうど、一まいの　もうふのように　＃
なって、かっちゃんを　ささえながら、できるだけ　早く　＃
とびました。＃
きけんな　ところは、どうやら　とおりすぎましたが、＃
＜Ｐ－０５３＞
目の　まえに、高い、高い　山が　そびえて　いました。＃
がんの　なかまは、この　山の　むこうに　ある　みず＃
うみの　ところへ　いこうと　話しあいました。＃
やっと　高い　山の　みねを　こえました。＃
「みずうみが　みえた。」＃
「もう　すぐだ。」＃
みずうみの　ほうから、風が　ふいて　きました。あせ＃
を　いっぱい　かいて　いる　がんたちには、この　風が　＃
なんとも　いえない　いい　氣もちでした。＃
みずうみの　島には、こんもりと　した　林が　ありま＃
＜Ｐ－０５４＞
した。がんの　なかまは、この　林の　中に　＃
おりました。＃
一わの　がんが、みずうみの　きれいな　＃
水を　くむと、これを　うけとった　一わが、＃
きず口を　ていねいに　あらって　やりまし＃
た。ほうたいを　もって　いた　がんが、手＃
早く　くるくると　まきつけました。＃
かっちゃんは、はねの　つけねを　うたれ＃
て　いました。かっちゃんは　ねつが　でて＃
きたので、みんなが　かわるがわる、つめた＃
＜Ｐ－０５５＞
い　水で、あたまを　ひやして　やりました。＃
島には　かりうどは　きませんが、大きな　へびが　やっ＃
て　くる　ことが　あります。そこで、目ざとい　がんが　＃
五六は、あちこちで　みはりばんを　しました。＃
その　夜は、さいわい、雨も　ふらず、風も　ふかない、＃
しずかな、星の　光る　夜でした。＃
かさかさと　いう　木の　はの　音が　しましたが、そ＃
れは、小鳥たちが、ねぼけて　とびまわる　音でした。＃
つぎの　日の　あさ、かっちゃんは、ねつが　ずっと　＃
さがって、まぶたを　すこし　ひらきました。＃
＜Ｐ－０５６＞
「かっちゃんが、氣が　ついたよ。」＃
「かっちゃん。」＃
「いいのかい。」＃
きず口も　だんだん　よくなり、みんなが　はこんで　＃
くる　たべものも、おいしく　たべるように　なりました。＃
「もう　だいじょうぶだよ。」＃
「ほんとに　よかったね、かっちゃん。」＃
「あしたの　あさ、出発しても　いいよ。ぼくたちの　た＃
びが、あんまり　おくれるから。」＃
「だいじょうぶかい。」＃
＜Ｐ－０５７＞
「この　とおりだ。」＃
かっちゃんが、立ちあがって　はばたきを　したので、＃
みんなは　大よろこびでした。＃
そこで、その　日の　ばんは、かっちゃ＃
んの　全快いわいを　しょうと　いう　こ＃
とに　なりました。＃
かっちゃんの　すきな　おだんごを　作＃
りました。くだものを　あつめたり、花を　かざったり　＃
しました。すっかり　用意が　できると、みはりばんの　＃
がんたちも　あつめました。＃
＜Ｐ－０５８＞
二十五わ、二十六わ、二十七わ――と、だんだん　そろい＃
ました。＃
かっちゃんは、みんなの　かおを　みて、にこにこしま＃
した。＃
「ぼく、よきょうを　するよ。ねて　いる　うちに、いい　＃
こと　考えたんだ。」＃
こう　いって、かっちゃんは　たのしんで　いました。＃
二十九わの　かおが　そろいました。けれども、もう　＃
一わが　みえません。＃
「どう　したんだろう。」＃
＜Ｐ－０５９＞
「みはりばんが　いない。」＃
二十九わの　がんは、＃
「おうい、おうい。」＃
と　さけびました。＃
山びこが　むこうで、＃
「おうい、おうい。」＃
と　こたえるだけでした。＃
「よし、ぼくが　さがして　くる。」＃
かっちゃんは、どんどん　でかけました。＃
「りすさん、がんの　なかまを　みかけなかったかい。」＃
＜Ｐ－０６０＞
「知りませんよ。」＃
「ふくろうさん、がんの　なかまを　みなかったかい。」＃
「はてな。」＃
「小鳥さん、知りませんか。」＃
「ぞんじません。」＃
そのうちに、夜に　なっ＃
て　しまいました。＃
しかたが　ないので、二＃
十九わの　がんは、テーブルの　まわりに　あつまりました。＃
どの　がんも　どの　がんも、夜つゆで　からだが　びっ＃
＜Ｐ－０６１＞
しょり　ぬれていました。＃
いんそつがかりの　がんが、口を　ひらいて、＃
「あすの　あさ、出発しよう。ともかく　食事を　すませ＃
て。」＃
みんなは　はしを　とりました。＃
かっちゃんは、＃
「かみさま、どうぞ　なかまを　たすけて　ください。」＃
と、おいのりを　しました。＃
二十九わの　がんが、食事を　すませると、＃
「さあ、ひとねいりしなければ。」＃
＜Ｐ－０６２＞
と、出発がかりの　がんが、みんなを　元氣づけました。＃
みんなの　ねて　いる　ひまに、かっちゃんは、もう　＃
一ど　林の　おくを　さがしに　いきました。しずかな　＃
やぶの　ところで、はばたきの　音が　きこえます。みる＃
と、なかまの　がんが、へびから　ぬけだそうと　して、＃
もがいて　いる　ところです。＃
かっちゃんは、いきなり　へびの　くびに　かみつきま＃
した。さすがの　へびも、いきが　くるしく　なったので、＃
力を　ゆるめました。その　ひまに　なかまの　がんは、＃
するりと　ぬけだしました。＃
＜Ｐ－０６３＞
「さあ、早く、早く。」＃
かっちゃんは、なかまの　手を　とって、いそいで　と＃
んで　かえりました。＃
みんなは、それを　みて、おおよろこびでした。＃
「ああ、よかった、よかった。」＃
あんしんして、たのしい　あさごはんを　たべました、＃
「さあ、でかけよう。」＃
「きょうは、どう　ならぼうか、かっちゃん。」＃
こう　いわれて、かっちゃんは、きまりわるそうに　に＃
こにこ　わらいました。＃
＜Ｐ－０６４＞
「どうだい、かっちゃん。」＃
「どうでも　いいや。いまま＃
での　わがまま、ごめんね。」＃
かっちゃんが、わびるよう＃
に　ちょこんと　あたまを　＃
さげたので、みんなも　わら＃
いました。＃
「じゃあ、かっちゃんは、三＃
ばんめに　しよう。まだ、＃
からだが　じゅうぶんでは　＃
＜Ｐ－０６５＞
ないから、あとの　ものが　じゅ＃
んじゅんに　たすけて　いこう。」＃
三十ぱの　がんは、みずうみの　＃
島を　とびたちました。うすむらさ＃
きの　雲が、おだやかに　たなびい＃
て　いました。がんの　列は、その　＃
きれいな　雲の　中に、みえなく　＃
なって　いきました。　　＃
＜Ｐ－０６６＞
六　　ことばあそび　　＃
「早口あそび」　これは、いいに＃
くい　ことばを　みつけて、そ＃
れを　まちがえないで、早く　＃
いって　あそぶのです。＃
「かいぶんあそび」　これは、上＃
から　よんでも　下から　よん＃
でも、おなじに　なる　ことば＃
＜Ｐ－０６７＞
を　考えだす　あそびです。＃
「なぞあそび」　＃
「ふくびきあそび」　＃
お正月までに、ことばあそび＃
の　たねを　たくさん　こしら＃
えて　おきましょう。＃
一組で　あつめた　「早口あそ＃
び」。＃
「かえるが　ひとひょこ、ふ＃
＜Ｐ－０６８＞
たひょこ　みひょこ、あ＃
わせて　ひょこ　ひょこ　＃
むひょこ　ひょこ。」＃
「うらの　小山の　小いけ＃
に　子がもが　二百ぱ、＃
こ米が　一ぴょう、子が＃
も　こ米　かむ、かも　＃
米　かむ。」＃
「この　えんの　下の　く＃
ぎ、ひきぬきにくい。」＃
＜Ｐ－０６９＞
二組の　あつめた　「かいぶん」。＃
「竹やぶ　やけた。」＃
「たしかに　かした。」＃
「みがかぬ　かがみ。」＃
「ダンスが　すんだ。」＃
「るすを　する。」＃
三組の　「なぞ」。＃
「ゆうだちと　かけて、なんと　とく。＃
＜Ｐ－０７０＞
ボンボンどけいと　とく。＃
こころは、ふりが　やむと、なりも　＃
とまる。」＃
「ラジオと　かけて　なんと　とく。＃
あきの　花ばたけと　とく。＃
こころは、きくばかり。」＃
「すずと　かけて、なんと　とく。＃
かみなりと　とく。＃
こころは、ふれば　なる。」＃
「いろはの　『い』の　字と　かけて、なんと　＃
＜Ｐ－０７１＞
とく。＃
てつびんと　とく。＃
こころは、『ろ』の　上に　ある。」＃
「いろはの　『ろ』の　字と　かけて　なんと　とく。＃
あさつゆと　とく。＃
こころは、『は』の　上に　ある。」＃
四組の　「ふくびき」。＃
「『ようふくと　げた。』＃
これに　あたった　人には、おもちゃの　ねこと、＃
＜Ｐ－０７２＞
いぬとを　あげます。『にゃあ・わん』と　いう　わ＃
けです。」＃
「『春風。』＃
これに　あたった　人には、ハンケチを　あげま＃
す。これは、『はなを　ふく。』と　いう　わけです。」＃
「『こおりの　てんぷら。』＃
これを　ひいた　人には、なにも　あげません。＃
『あげられません』と　いう　わけです。」＃
「『ひびの　くすり。』＃
これが　あたった　人には、にっきちょうを　あ＃
＜Ｐ－０７３＞
げます。『ひびに　つける。』と　いう　わけです。」＃
みんなで、「いろはがるた」を　考えました。たくさん　お＃
もしろいのが　できました。＃
これを　あつ紙に　書いて、えも　つけて、あそべるよ＃
うに　こしらえる　ことに　しました。　　＃
＜Ｐ－０７４＞
七　　いろはがるた　　＃
い――いの　一ばん。＃
ろ――ろを　こぐ　＃
せんどうさん。＃
は――花のように　きれいな　心。＃
に――日本一の　ふじの　山。＃
ほ――星の　きれいな　夜空。＃
へ――返事は　いつも　はっきりと。＃
と――とんぼ、とんぼ、かきねに　とまれ。＃
＜Ｐ－０７５＞
ち――小さな　人を　かわいが＃
れ。＃
り――りんごのような　赤い　＃
ほお。＃
ぬ――ぬれた　ものは　ほせ。＃
る――るすいは　しっかり　＃
氣を　つけて。＃
を――「を」の　字は、ことば＃
の　あとに　つく。＃
わ――わからない　ことは　＃
＜Ｐ－０７６＞
しらべよう。＃
か――からだは　いつも　きれいに。＃
よ――よみ　書き　そろばん。＃
た――高い　山、ひくい　たに　＃
れ――れんげの　花が　ひら＃
いた。＃
そ――そまつに　するな　学＃
用品。＃
つ――つめは　のばさぬように。＃
ね――ねずみと　ねこの　かけっこ。＃
＜Ｐ－０７７＞
な――なつと　冬。＃
ら――ラジオの　お話　ききましょう。＃
む――麦の　花に、ばらの　花。＃
う――うれしい　ときは、どんな　とき。＃
ゐ――「ゐ」の　字は　これから　「い」を　つかう。＃
の――のきばに　すくう　つばめさん。＃
お――おにさん　こちら、手の　なる　方へ。＃
く――くじゃくの　まねを　する　からす。＃
や――山より　高い　ものは　なに。＃
ま――まつに　月。＃
＜Ｐ－０７８＞
け――けっせき　しないで　＃
学校へ。＃
ふ――ふけ　ふけ　風よ、た＃
こ　あがれ。＃
こ――こいの　たきのぼり。＃
え――えんぴつを　なめないよう＃
に。＃
て――てん　てん　手まりを　つ＃
きましょう。＃
あ――雨、ゆき、あられ。＃
＜Ｐ－０７９＞
さ――さるの　木のぼり。＃
き――きしゃと　きせん。＃
ゆ――ゆうべ　みた　ゆめ。＃
め――目に　みえる　もの、＃
みえない　もの。＃
み――右と　左と　ちがえぬ＃
ように。＃
し――しもの　あさ、白い　いき。＃
ゑ――「ゑ」の　字も　これから　「え」を　つかう。＃
ひ――火の　用心。＃
＜Ｐ－０８０＞
も――ももの　花の　さく　ころ。＃
せ――世界の　子ども。＃
す――すだちする　ひばり。　　＃
＜Ｐ－０８１＞
八　　クリスマス　　＃
（一）　　＃
きょうは　たのしい　クリスマス。　　＃
星の　きれいな　この　よるを、　　＃
みんなで　なかよく　あそびましょう。　　＃
あかるく　かざった　クリスマス。　　＃
世界の　子どもに　うたわれて、　　＃
＜Ｐ－０８２＞
きょうは、エスさま　およろこび。　　＃
（二）　　＃
わたくしは、ねえさんと　＃
ふたりで、クリスマスツリー＃
を　つくりました。＃
まつの　木の　枝を　立て＃
て、色紙で　おった　つるや、＃
ふうせんを　さげました。ぎ＃
ん紙で　こしらえた　小さな　＃
つりがねや、十字かも　さげました。ほそい　ろうそくも　＃
＜Ｐ－０８３＞
立てました。弟が、＃
「これも　さげて　ちょうだい。」＃
と　いって、一まいの　えを　だしました。それは　ふじ＃
山の　えでした。＃
ねえさんが、赤い　きれで　なにか　こしらえはじめま＃
した。＃
赤い　ふくを　きて、三かくぼうしを　かぶり、まっ白＃
な　あごひげを　つけた　サンタクローズの　おじいさん＃
が　できあがりました。それを　まつの　枝の　さきに　＃
つりさげると、弟は、＃
＜Ｐ－０８４＞
「サンタクローズさんが　ぶらんこして　いるよ。」＃
と　いったので、ねえさんが　わらいました。＃
その　つぎの　日の　夜、お友だちが　あつまりました。＃
クリスマスツリーの　そばで、みんなで　あそびました。＃
一ばんさきに、ねえさんが、エスさまの　おたんじょう＃
の　お話を　しました。＃
二ばんめに、となりの　うちの　ひでおさんが、おもし＃
ろい　紙しばいを　しました。＃
三ばんめに、すじむかいの　みきこさんが、しょうかを　＃
うたいました。すると、みきこさんの　いもうとの　たつ＃
＜Ｐ－０８５＞
こさんが、それに　あわせて　おどりました。＃
おしまいに、みんなで　トランプあそびを　しました。＃
その　とき、おかあさんが、かごに　みかんを　いれて、＃
もって　いらっしゃいました。＃
「はい、三つずつ　おとりなさい。」＃
みんなは　よろこんで　もらいました。＃
弟が、＃
「おかあさんの　サンタクローズさん。」＃
と、大きな　声で　いったので、みんなが　わらいました。　　＃
＜Ｐ－０８６＞
九　　雪　　＃
ゆうがた、まつの　木の　＃
枝は、まがるほど　雪に　＃
つもられて、だまっている。＃
だいこんを　ぬいて　いる＃
と、みそさざいが、「チャッ、＃
チャッ。」と　ないた。＃
＜Ｐ－０８７＞
冬が　きたので、よろこん＃
で　ないた。＃
おとうさんは、町へ　いっ＃
て、まだ　かえらない。＃
さむい。雪が　降るのだろ＃
うか。風が　ふいて　きた。＃
すみがまの　上に、雲が　＃
でて　います。＃
＜Ｐ－０８８＞
あの　白い　雲に、だれかが、ちぢまって　いるようで＃
す。　　＃
ちら　ちら　ちらと　雪が　＃
降る。　　＃
すずめ親子の　ものがたり。　　＃
山は　大雪、　日は　くれる。　　＃
からすが　いそいで　かえっ＃
たよ。　　＃
からすの　かんたは　さむ＃
＜Ｐ－０８９＞
かろう。　　＃
「さあ、やすもうよ。」＃
と　親すずめ。　　＃
「やすみましょう。」と、子すずめが、　　＃
「こんやは　だいぶ　つもるでしょう。」　　＃
すずめ親子の　ねた　あとは、　　＃
さら　さら　さらと　雪の　音。　　＃
雪だと　いうと、あさ　早く　はねおきて、そとに　と＃
びだして、雪かきを　なさる　おじいさん。＃
＜Ｐ－０９０＞
どんなに　つもって　いて＃
も、おかってから　はきは＃
じめて、かいどうへ　ぬけ＃
て、おとなりまで　はいて　＃
いく。＃
学校へ　かよう　子どもた＃
ちの　ことを　思って、お＃
もての　とおりを　さっさ＃
と　はく。＃
しんぶんはいたつ　する　＃
＜Ｐ－０９１＞
人の　ことを　思って、ゆう＃
びんなげいれ口の　まわりを　＃
さっさと　はく。＃
ひとはき　はいて、うちに　＃
あがって　おいでに　なると、＃
ひたいから　ゆげが　たつ。＃
ほおには　あせが　つたわっ＃
て　いる。＃
けれども、おじいさんは　う＃
れしそう。＃
＜Ｐ－０９２＞
降った　雪は　まっ白だ。しかし、降って　くる　雪は、＃
まっ黒だ。まっ黒くは　ないかも　しれないが、どうし＃
ても、白い　ものでは　ない。＃
雪が　降りだすと、ぼくは　まどから　かおを　だして　＃
＜Ｐ－０９３＞
空の　ほうを　みあげて、降って　くる　雪を　ながめ＃
る。＃
降る、降る。さかんに　降る。＃
右にも　左にも、むこうにも　こっちにも、どこにも　＃
降る。＃
風に　ふかれて、うずを　まいて、どんどん　降って　＃
くる。＃
降って　くる　雪は　みんな　黒い。＃
＜Ｐ－０９４＞
雪が　かおに　かかるのも　わすれて、高い　高い　空＃
の　まん中を　みあげる。＃
もく　もく　もくと、えんとつから　すすが　とぶよう＃
に、黒い、こまかい　ものが　とんで　いる。あばれま＃
＜Ｐ－０９５＞
わって　いる。ひろがったり、あつまったり、ふわふわ＃
と　ながれたり　して、だんだん　下に　おちて　くる。＃
よくも　あんなに　雪の　たねが　ある　ものだ。＃
降って　いる　雪を　上から　みると、白くて、黒くは　＃
ない。大きな　雪、小さな　雪、雪の　かたちは　きまっ＃
て　いない。風に　ふかれて　とんで　いるうちに、いっ＃
しょに　なったり　わかれたり、また　いっしょになっ＃
たり　はなれたり　する。　　＃
＜Ｐ－０９６＞
十　　うらしまたろう　　＃
一の　ばめん　　＃
でる　人　　うらしまたろう　子ども　四人　＃
ところ　　うみの　そば　＃
四人の　子どもが、一ぴきの　かめを　とりまいて、＃
あそんで　います　＃
子ども一「この　かめを　ころがして　あそぼう。」＃
子ども二「みんなで　ころがそうよ。」＃
＜Ｐ－０９７＞
みんな「よいしょ、よいしょ。」＃
かけ声を　かけながら、みんなで　かめを　ころがし＃
ます。＃
そこへ　うらしまたろうが　とおりかかります。＃
うらしま「これこれ、どう　したのだ。」＃
子ども三「おもしろいから、かめを　ころがして　いるので＃
す。」＃
うらしま「そんな　ことを　しては　いけない。かわいそう＃
だから、はなして　おやり。」＃
子ども四「だって、ぼくたちが　つかまえたのだもの。」＃
＜Ｐ－０９８＞
うらしま「でも、ゆるして　お＃
やり。」＃
みんな「――」＃
うらしま「そうだ、わたしに　＃
この　かめを　うっ＃
て　くれないか。」＃
子ども四「どう　しよう。」＃
子ども三「ころがして　あそぼ＃
うよ。」＃
子ども二「でも　かわいそうだ＃
＜Ｐ－０９９＞
な。」＃
子ども一「この　人に　うって　あげようか。」＃
みんな「うん、そう　しよう。＃
おじさん、おじさん。この　かめを　うりましょ＃
う。」＃
うらしま「うって　くれるかね。それは　ありがたい。」＃
うらしまは、おかねを　子どもたちの　手に、それぞれ　＃
わたして　やります。＃
みんな「ありがとう、おじさん。」＃
子ども一「さあ、あっちへ　いって　あそぼう。」＃
＜Ｐ－１００＞
子ども二「いこう、いこう。」＃
子どもたちは、「わあ、わあ。」と　いいながら、いって　しま＃
います。＃
うらしま「かめさん、かめさん。」＃
うらしまは、かめを　だきおこして、せなかを　さすっ＃
て、＃
うらしま「かめさん、かめさん。しっかりしなさい。」＃
かめは、手で　なみだを　ふきながら、なんども　おじぎ＃
を　します。＃
うらしま「もう、だいじょうぶ。早く　うちへ　おかえり。＃
＜Ｐ－１０１＞
ちょうど　ここを　＃
とおりかかって　よ＃
かったね。＃
さあ、元氣を　だし＃
て　おかえり。」＃
かめは、ていねいに　お＃
じぎを　して、海の　方＃
へ　いって　しまいます。＃
うらしまは、かめの　う＃
しろすがたを　みおくり＃
＜Ｐ－１０２＞
ます。　　＃
二の　ばめん　　＃
でる　人　　うらしまたろう　かめ　＃
ところ　　うみべと　うみの　中　＃
うらしまが、海べで　つりを　して　います。そこへ　＃
かめが　でて　きます。＃
かめ「うらしまさん。」＃
うらしま「――」＃
かめ「うらしまさん。」＃
＜Ｐ－１０３＞
かめが　よびかけても、うらしまは、いっしんに　つりを　＃
して　いるので、氣が　つきません。＃
かめは、すぐ　そばまで　いって、大きな　声で、＃
「うらしまさん。」と　いいます。＃
うらしま「おや、だれかと　思ったら、かめさんか。」＃
かめ「このあいだ、たすけて　いただいた　かめで　ご＃
ざいます。」＃
うらしま「あ、そうか。あの　かめさんかい。もう　すっか＃
り　元氣に　なったの。」＃
かめ「おかげさまで、この　とおり　じょうぶに　なり＃
＜Ｐ－１０４＞
ました。あなたの　＃
お力で、いのちびろ＃
いを　いたしました。＃
きょうは、お礼に　＃
あがりました。」＃
うらしま「お礼には　およばな＃
いよ。元氣に　なっ＃
て　よかったね。」＃
かめ「お礼に　りゅうぐう＃
へ　おつれしようと　＃
＜Ｐ－１０５＞
思って、ここまで　ま＃
いりました。」＃
うらしま「なに、りゅうぐうだっ＃
て。」＃
かめ「さようで　ございます。＃
りゅうぐうは、ほんと＃
うに　きれいな　とこ＃
ろで　ございます。」＃
うらしま「それは　おもしろい。＃
つれて　いって　もら＃
＜Ｐ－１０６＞
おうかな。」＃
かめ「ごあんない　いたしましょう。」＃
かめは、うらしまの　手を　とって、そこらを　ぐるぐる＃
と　あるきまわります。＃
うらしま「りゅうぐうは、まだ　とおいの。」＃
かめ「もう　じきで　ございます。」＃
うらしま「いい　お天氣で　氣もちが　いいな。波も　しず＃
かだ。」＃
かめ「ごらんなさい。うらしまさん。むこうに　光った　＃
やねが　みえるでしょう。」＃
＜Ｐ－１０７＞
うらしま「ああ、みえる、みえ＃
る。」＃
かめ「あれが　りゅうぐう＃
の　ご門で　ござい＃
ます。」＃
うらしま「赤や　き色で　きれ＃
いだね。＃
ああ、だんだん　ち＃
かづいて　くる。」　　＃
＜Ｐ－１０８＞
三の　ばめん　　＃
でる　人　　うらしまたろう　たい　えび　＃
そのほか　いろいろな　魚　＃
ところ　　りゅうぐう　＃
まん中に　きれいな　こしかけが　二つ　おいてあります。＃
そこへ、かめが　うらしまを　あんないして　はいって　＃
きます。＃
かめ「ここが　りゅうぐうで　ございます。さあ、どう＃
ぞ　こちらへ。」＃
＜Ｐ－１０９＞
うらしまは、あたりの　＃
うつくしさに　おどろい＃
て　います。＃
かめ「さあ、どうぞ　その　＃
こしかけに　おかけ＃
ください。」＃
うらしまは、右の　こし＃
かけに　こしかけます。＃
いろいろな　魚が　でて　＃
きて　ならぶと、その　＃
＜Ｐ－１１０＞
うしろから、おとひめさまが　あらわれます。＃
かめ「この　かたが　うらしまさんで　ございます。」＃
おとひめ「あなたが　うらしまさんで　いらっしゃいますか。」＃
うらしま「はい、そうです。」＃
おとひめ「よく　おいで　くださいました。このあいだは、＃
うちの　かめを　おたすけ　くださいまして、あ＃
りがとう　ございました。」＃
うらしま「いや、ちょうど　とおりかかった　ところでした＃
ので。」＃
おとひめ「ほんとうに　お礼の　申しようも　ございません。＃
＜Ｐ－１１１＞
どうぞ　ゆっくり　あそんで　いって　ください＃
ませ。」＃
おとひめさまは、左の　いすに　こしかけます。＃
かめは　その　そばに　ならびます。＃
魚たちは　ごちそうを　はこんで　きます。＃
おとひめ「さあ、ごえんりょなく　めしあがって　ください。」＃
うらしま「どうも　ごちそうさま。まるで　ゆめのようだ。」＃
かめ「りゅうぐうは　いつも　こうなのですよ。」＃
うらしま「すばらしい　ところだな。」＃
おとひめ「では、みんなに　おもしろい　おどりを　おどっ＃
＜Ｐ－１１２＞
て　もらいましょう。」＃
魚たちが、たくさん　で＃
て　きて、にぎやかな　＃
おんがくに　あわせて　＃
おどりはじめます。＃
うらしま「おもしろい、おもし＃
ろい。」＃
手を　たたいて　よろこ＃
びます。　　＃
＜Ｐ－１１３＞
四の　ばめん　　＃
でる　人も　ところも、三の　ばめんと　おなじ。＃
ある　日の　こと、うらしまは、父や　母の　ことを　＃
思いだして、きゅうに　家へ　かえりたく　なりまし＃
た。＃
たい「これは、まだ　さしあげた　ことの　ない、おい＃
しい　ごちそうで　ございます。」＃
うらしま「いや、もう　じゅうぶん　いただきました。」＃
えび「では、にぎやかな　おどりを　して、ごらんに　＃
＜Ｐ－１１４＞
いれましょう。」＃
うらしま「ありがとう。おどりも　もう　たくさんです。」＃
おとひめ「それでは、なにか　かわった　ことを　して、お＃
なぐさめ　いたしましょう。」＃
うらしま「いや、おとひめさま、なにもかも　じゅうぶんで　＃
ございます。長い　あいだ、ほんとうに　おせわ＃
に　なりました。」＃
おとひめ「どうか　なさいましたか。」＃
うらしま「あまり　長く　なりますので、もう、おいとまし＃
ようと　思います。」＃
＜Ｐ－１１５＞
おとひめ「まあ、よろしいでは　＃
ございませんか。」＃
うらしま「でも、うちの　こと＃
も　氣に　かかりま＃
すので、かえらせて　＃
いただきます。」＃
おとひめ「さようで　ございま＃
すか。なんの　おか＃
まいも　できません＃
でした。」＃
＜Ｐ－１１６＞
うらしま「いや　いや、たいへん　たのしい　思いを　させ＃
て　いただきました。」＃
おとひめ「では、おみやげに　たまてばこを　さしあげましょ＃
う。」＃
かめが　たまてばこを　もって　きます。＃
おとひめ「この　たまてばこは、どんな　ことが　あっても、＃
おあけに　なっては　いけませんよ。」＃
うらしま「これは　これは、おみやげまで　いただきまして、＃
ありがとう　ございます。」＃
うらしまは、たまてばこを　手に　もって、＃
＜Ｐ－１１７＞
うらしま「これを　あけては　いけないと　いうのですか。」＃
おとひめ「そうです。いつまでも　そのままに　して　おい＃
て　いただきとう　ございます。」＃
うらしま「よく　わかりました。それでは、おいとま　いた＃
します。」＃
おとひめ「おかえりに　なりますか。おなごりおしゅう　ご＃
ざいます。」＃
うらしま「さようなら。」＃
みんな「さようなら。」＃
かめ「わたくしが　また、おともを　いたしましょう。」＃
＜Ｐ－１１８＞
おとひめ「ごきげんよう。お氣＃
を　つけて。」＃
かめが、うらしまの　手＃
を　とって、でて　いき＃
ます。みんな、手を　ふっ＃
て　みおくります。　　＃
五の　ばめん　　＃
生まれた　村に　かえった＃
ら、　　＃
＜Ｐ－１１９＞
だれも　知らない　人ばかり。　　＃
とほうに　くれた　うらしまは、　　＃
あけて　みました、たまてばこ。　　＃
白い　けむりが　たちのぼり、　　＃
元氣で　わかい　うらしまは、　　＃
みるみる　しらがの　おじいさ＃
ん。　　＃
むかし　むかしの　話です。　　＃
＜Ｐ－１２０＞
十一　　一つの　ものでも　　＃
でんとうが　つきました。＃
いままで　くらかった　へやが、あかるく　なりました。＃
みんなの　かおが　みえ＃
ます。本も　よめます。字＃
も　書けます。＃
たった　一つの　でんと＃
うですが、この　光を　だ＃
＜Ｐ－１２１＞
す　ために、どれほど　たくさんの　人が、はたらいて　＃
いる　ことでしょう。こんな　小さな　ものですが、これ＃
が　できあがるまでには、どれほど　苦心を　した　こと＃
でしょう。＃
でんとうの　まるい　ガラスは、どうして　こしらえた＃
のでしょう。＃
光って　いる、ほそい　糸のような　ものは　なんでしょ＃
う。＃
光が　でるのは　なぜでしょう。＃
＜Ｐ－１２２＞
「わたくしは　でんきです。とおい　とおい　川の　水で　＃
生まれた　ものです。それから、みんなの手で　そだて＃
られ、長い　長い　でんせんを　つたわって、ここまで　＃
たびを　して　きたのです。＃
けれども、ただ　一つの　この　でんきゅうが　ないと、＃
光る　ことが　できません。でんきゅうは　わたくしの　＃
かおです。」＃
ただ　一本の　マッチでも、これを　作りあげるまでに＃
は、どれほど　手かずが　かかって　いる　ことでしょう。＃
＜Ｐ－１２３＞
「わたくしは　マッチです。わたくしが　この　世に　生＃
まれて　くるまでは、なん＃
百年も、なん千年も、人々＃
は　不自由な　思いを　し＃
ました。＃
もえて　いる　火を　もっ＃
て　あるく　かわりに、わたくしを　もって　あるきます。」　　＃
＜Ｐ－１２４＞
十二　　四季　　＃
春　　＃
三月は　ひなまつり。＃
四月は　さくら。＃
五月は　こいのぼり。　　＃
夏　　＃
六月は　つゆ。＃
七月は　たなばた。＃
＜Ｐ－１２５＞
八月は　水およぎ。　　＃
秋　　＃
九月は　お月み。＃
十月は　うんどうかい。＃
十一月は　きくの　花。　　＃
冬　　＃
十二月は　もちつき。＃
一月は　お正月。＃
二月は　うめの　花。　　＃
＜Ｐ－１２６＞
十三　　はごろも　　＃
でる　人　　りょうし　天人　＃
ところ　　みほの　まつ原　　＃
白い　はまべの　まつ原に、　　＃
波が　よったり　かえったり。　　＃
かもめ　すいすい　とんで　いく。　　＃
空に　かすんだ　ふじの　山。　　＃
＜Ｐ－１２７＞
ひとりの　りょうしが、みほの　まつ原へ　でて　き＃
ます。＃
りょうし「きょうは　いい　お天氣だ。なんと　まあ、いい　＃
けしきだろう。」＃
けしきに　みとれながら　あるいて　いますと、どこから＃
か、よい　においが　して　きます。＃
みると、むこうの　まつの　枝に、きれいな　ものが、か＃
かって　います。＃
りょうし「あれは　なんだろう。」＃
＜Ｐ－１２８＞
りょうしは、そばへ　よっ＃
て、よく　みます。＃
りょうし「きものだな。こんな　＃
きれいな　きものは、＃
みた　ことが　ない。＃
もって　かえって、＃
うちの　たからに　＃
しよう。」＃
りょうしは、その　きもの＃
を　もって　いこうと　し＃
＜Ｐ－１２９＞
ます。＃
まつの　木の　うしろから、＃
ひとりの　女が　でて　き＃
ます。＃
女「もし、それは、わた＃
くしの　きもので　＃
ございます。どう　＃
なさるので　ござい＃
ますか。」＃
りょうし「いや、これは、わた＃
＜Ｐ－１３０＞
しが　ひろったのです。もって　かえって、うち＃
の　たからに　しようと　思います。」＃
女「それは、天人の　はごろもと　申しまして、あな＃
たがたには、ご用の　ない　もので　ございます。＃
どうぞ　お返しくださいませ。」＃
＜Ｐ－１３１＞
りょうし「天人の　はごろもなら、なおさら　お返しは　で＃
きません。國の　たからに　いたします。」＃
天人「それが　ないと、天へ　かえる　ことが　できま＃
せん。どうぞ、お返しくださいませ。」＃
りょうし「いや、返せません。」＃
天人は、かなしそうな　かおを　して、空を　みあげま＃
す。＃
天人の　しおれた、この　ようすを　みて、＃
りょうし「お氣のどくですから、はごろもを　お返し　いた＃
しましょう。」＃
＜Ｐ－１３２＞
天人「それは、ありがとう　ございます。では、こちら＃
へ　いただきましょう。」＃
りょうし「おまちください。天人の　まいを　まって、みせ＃
て　いただけませんか。」＃
天人「それでは、お礼に　まいましょう。でも、その　＃
はごろもが　ないと、まう　ことが　できません。」＃
りょうし「と　いって、はごろもを　お返し　したら、あな＃
たは、まわずに　かえって　おしまいに　なるで＃
しょう。」＃
天人「天人は、うそと　いう　ことを　知りません。」＃
＜Ｐ－１３３＞
りょうし「ああ、これは　はずかしい　ことを　申しました。」＃
りょうしは　はごろもを　返します。天人は、それを　き＃
て、しずかに　まいます。＃
天人「月の　都の　天人たちは、　　＃
みんな　そろって　まいじょうず。　　＃
黒い　ころもの　そろいで　まえば、　　＃
月は　まっ黒、やみの　夜。　　＃
白い　ころもの　そろいで　まえば、　　＃
＜Ｐ－１３４＞
月は　十五夜、まんまるい。」　　＃
天人は、まいながら、だんだん　＃
天へ　のぼって　いきます。　　＃
右に　左に　ひらひらと、　　＃
ゆれる　たもとが　うつくしい。　　＃
白い　はまべの　まつ原に、　　＃
波が　よったり、かえったり。　　＃
＜Ｐ－１３５＞
いつの　まにやら　天人は、　　＃
春の　かすみに　つつまれて。　　＃
かもめ　すいすい　とんで　いく、　　＃
空に　ほんのり　ふじの　山。　　＃
