＜出典＞６３１　　　国定読本　６期３－１
＜Ｐ－００２＞
もくろく　　＃
一　　川のうた………四　　＃
二　　私の旅………八　　＃
三　　ありがとう………二十一　　＃
四　　石炭………三十二　　＃
五　　心と心………三十八　　＃
＜Ｐ－００３＞
六　　まどをあけると………四十四　　＃
七　　星………五十二　　＃
八　　あさがおの花………五十九　　＃
九　　金のさかな………六十五　　＃
十　　学級日記から………七十七　　＃
十一　　りょうかんさん………八十五　　＃
十二　　ひわの子………九十四　　＃
＜Ｐ－００４＞
一　　川のうた　　＃
川のあかんぼ　　＃
山に雨が降る、きりがおりる、＃
夜は夜つゆがおりる。＃
水をふくんだ草のうた、こけのうた、＃
土のうた、いわのうた。＃
山から川のあかんぼが生まれる。＃
山のてっぺんのすぐちかいところ、＃
小さいたにまに、小さいいずみ、＃
小さいたにまに、小さいながれ＃
＜Ｐ－００５＞
山から川のあかんぼが生まれる。＃
川のあかんぼ、チョチ、チョチ、アワワ。＃
さあ、はいはいをして、たっちして、＃
村にでましょう、町にでましょう。　　＃
川は大きくなる　　＃
川は山からかけおりる。＃
小石をころころ、ころがして、＃
いわの上からとびおりて、＃
さかなとジャブジャブはしゃいで、＃
川は山からかけおりる。＃
＜Ｐ－００６＞
川は友だちとあくしゅして、＃
川はだんだん大きくなる。＃
ダムにせかれていけになり、＃
水力電氣をおこし、＃
水道の水にもなり、＃
川はだんだん大きくなる。＃
川は野原におりてくる。＃
野原をゆっくりあるいていく、＃
水車をくるくるまわし、＃
たんぼに水をいれ、＃
＜Ｐ－００７＞
はたけにも水をまいていく。　　＃
川ははたらく　　＃
川は大きくなると、＃
ゆっくりとながれていく。＃
汽船や荷船がとおる。＃
下水の水やうんがの水、＃
きたないどぶ水をながして、＃
海のとおくにすてにいく。＃
川はだまってはたらく。　　＃
＜Ｐ－００８＞
二　　私の旅　　＃
（一）　　＃
「にいさん、汽車のきっぷかったの。」＃
「かったよ。さあ、改札口へいこう。」＃
パチン、パチン。＃
「にいさん、汽車がはいってきたよ。」＃
シュ、シュー、シュー。＃
「おりるかたがすんでから、ごじゅんにお乘りください。」＃
「さあ、じろう、お乘り。」＃
＜Ｐ－００９＞
ポ、ポー、シュー、シュー、＃
シュ、シュ。＃
「どこかのおばあさんとぼっ＃
ちゃんが、乘ってきたよ。＃
じろう、せきをあけて、あ＃
のぼっちゃんをかけさせて＃
おあげ。」＃
「どうも、ありがとうござい＃
ます。」＃
「おばあちゃん、海がみえる＃
よ。」＃
＜Ｐ－０１０＞
「きれいな海だこと、お船もみえますね。」＃
「おばあちゃん、まっくらになった。」＃
「トンネルですよ。ここは、みなさんで、苦労をしてほっ＃
てくださったトンネルですよ。」＃
「もう明かるくなった。あ、あそこにきれいなさくら。」＃
「ずいぶん早いね、にいさん。」＃
「きかんしの人が、いっしょうけんめいに走らせているか＃
らさ。」＃
「どこで走らせているの。」＃
「いちばんさきのきかん車の中でさ。」＃
＜Ｐ－０１１＞
ビューッ、ビュー。＃
「あっ、びっくりした。」＃
「むこうからきた汽車とすれ＃
ちがったのさ。」＃
「しょうとつしたかと思った。」＃
「そんな心配はいらない。駅＃
の人たちは、いつも氣をつ＃
けているよ。ほら、あそこ＃
をごらん。」＃
「あれ、なにかしら。赤と青＃
のしるしのついたもの。」＃
＜Ｐ－０１２＞
「シグナルだよ。あれをみて、汽車が、とまったりとおっ＃
たりするのだ。」＃
「ぼうや、ここですよ。おりましょう。どうもありがとう＃
ございました。」＃
「おにいちゃん、ありがとう。」＃
「ぼっちゃん、さようなら。」＃
「さようなら。」＃
「きっぷをはいけんさせてもらいます。」＃
「にいさん、あの人だあれ。」＃
＜Ｐ－０１３＞
「車しょうさんさ。」＃
「どうして、きっぷをみるの。」＃
「まちがって乘っている人がいないか、しらべるのさ。」＃
「ぼくたち、まちがっていないの。」＃
「だいじょうぶだよ。」＃
「はい。」＃
「どうもありがとうございます。このつぎの駅ですね。」＃
「そうです。」＃
「やっとついた。わすれものはないか、じろう。」＃
「ありません。」＃
＜Ｐ－０１４＞
「とまってから、おりるんだよ。」＃
シュ、シュー、シュー。＃
「にいさん、もうおりていいの。」＃
「いいよ。」＃
「おもしろかった。」＃
「きっぷを改札口でおだし。」＃
「じろうちゃん、いらっしゃい。」＃
「おばさん、こんにちは。」＃
「おばさん、わざわざきてくださって、すみません。」　　＃
＜Ｐ－０１５＞
（二）　　＃
私は、としおさんが、みつおさんにあてて書いた手紙で＃
す。私も、いまから旅にでかけます。＃
ゆくさきはむねのところに書いてありますから、まちが＃
いはありません。けれども、このままでは旅はできません。＃
切手をはってもらうのです。これは、汽車の旅にきっぷが＃
いるのと、おなじことです。汽車のきっぷは、遠い、近い＃
によって、ねだんがちがいますが、私は、三十銭でどこへ＃
でも旅をすることができます。＃
＜Ｐ－０１６＞
「では、としおさん、さようなら。」＃
ポストにいれられると、友だちといっしょになりました。＃
そこへ、配たつをする人がきて、＃
「さあ、このかばんにはいるんだよ。」＃
といって、私たちをみんなかばんにいれました。＃
「きみは、どこへいくの。」＃
「ぼくは、さっぽろまで。」＃
「あなたは、どこまでいくの。」＃
「わたしは、かごしままで。」＃
こんな話で、かばんの中はにぎやかで＃
す。まもなく、私たちは、ゆうびんきょくの大きなはこの＃
＜Ｐ－０１７＞
中にはいりました。そこは私たちの山です。＃
「ねえ、きみ。ぼくは遠いところ＃
へいくんだけど、あて名の字が＃
そまつなので、わかりにくくて＃
心配さ。」＃
「わたしのはこんな小さな字だか＃
ら、なお心配ですよ。」＃
「あなたたちはまだいい。このわ＃
たしのをごらん。うそ字さ。わ＃
たしは、ちゃんとゆくさきは知＃
っているが、うそ字だから、とんでもないところにやら＃
＜Ｐ－０１８＞
れるかと思って、びくびくしているところだよ。」＃
そのうちに、きょくの人が、私たちをかたはしからしら＃
べていって、北の方へいく友だちと、南の方へいく友だち＃
と、西の方へいく友だちと、東の方へいく友だちを、それ＃
ぞれひとかたまりにわけてくれました。＃
「さようなら。」＃
「さようなら。」＃
「さようなら。」＃
おたがいに、であったと思ったら、すぐおわかれでした。＃
そこで、私たちは、じょうぶなふくろにいれられて、かぎ＃
をかけられました。こんなにだいじにしてくれますから、＃
＜Ｐ－０１９＞
おちる心配はありません。＃
私たちは、汽車につまれて、＃
どんどん、南へはこばれまし＃
た。二日めのあさ、やっと汽＃
車からおろされ、自動車につ＃
みこまれて、ある町のゆうび＃
んきょくにつきました。＃
ふくろの中からだされて、＃
ほっとしていると、こんどは、＃
また、かばんの中にいれられました。＃
配たつをする人は、自てん車に乘って走りました。私の＃
＜Ｐ－０２０＞
なかまは、一けん一けんにくばられはじめました。私もそ＃
の人の手ににぎられながら、あちらこちらへまわりました。＃
しげった竹やぶの小道をとおったり、すずしい川のきしを＃
走ったりしました。＃
なしの花のきれいにさいている家に、はいりました。＃
「ゆうびん。」＃
私は、その家のげんかんにおかれました。＃
「としおくんから手紙がきたよ。」＃
みつおさんがよろこんで、私を手にとりあげました。私＃
は、ぶじに、としおさんの心を、そのままみつおさんにお＃
つたえすることができました。　　＃
＜Ｐ－０２１＞
三　　ありがとう　　＃
ある日のゆうがたでした。一だ＃
いの長い電車が、おきゃくをいっ＃
ぱい乘せて、終点につきました。＃
あまりこんでいましたので、み＃
んな、ぶつぶつとこごとをいいな＃
がら、出口の方へでていきました。＃
しかし、その中に三人だけ、た＃
いへんよろこんで帰っていった子＃
どもがありました。　　＃
＜Ｐ－０２２＞
いちろうさん　　＃
いちろうさんは、おかあさんのさとの、いなかにいきま＃
した。ひさしぶりにおじいさんにおあいして、おもちや、＃
まっ白にこなのふいたほしがきなどをいただいて、たいへ＃
んかわいがられました。しかし、きょうのうれしさは、そ＃
れだけではありません。＃
いちろうさんが家に帰ると、おかあさんが、げんかんに＃
むかえにでました。＃
「きょう、ぼく、とてもうれしかった。」＃
「おじいさんが、かわいがってくださったのでしょう。」＃
＜Ｐ－０２３＞
「それもあるけど。」＃
「まだほかにあるの。どんなこと。」＃
「あのね、帰りの電車はとても＃
こんでいたんです。それで、＃
どこかのおばあさんのよこの＃
ところに、もたれかかってい＃
ると、こしをかけていた知ら＃
ないおじさんが、おりるとき、＃
『ぼっちゃん、おかけなさい。』＃
といって、かけさせてくれた＃
んです。＃
＜Ｐ－０２４＞
ところが、ぼくのまえに、まつばづえをついた、わかい＃
人がいるんです。ぼくは、はっと思って、すぐ立って、＃
その人をすわらせてあげました。」＃
「そう、それはよかったね。それでうれしかったの。」＃
「それもあるけど。そうしたら、ひとりの人が立ちあがって、＃
『男の人は立ってください。』といって、みんなを立たせ、＃
不自由な人や、女や、子どもたちをすわらせました。＃
そのとき、どこかの女の人が、ぼくに氣がついて、＃
『ぼっちゃん、あなたもおかけなさいな。』＃
といって、せきをすこしあけてくれました。＃
けれども、＃
＜Ｐ－０２５＞
『ぼくは、もう大きいんですから。』＃
といって、とうとうかけなかったの。＃
「それでうれしかったのね。」＃
「ええ、はじめは、電車の中は、まるでにらめっこをして＃
いるようだったのに、それからは、みんなにこにこして、＃
友だちのようになかよくなってきました。ほんとうは、＃
それでうれしかったんです。」　　＃
はるこさん　　＃
はるこさんも、にこにこして帰ってきました。駅の出口ま＃
でくると、でむかえにきていたおねえさんをみつけました。＃
＜Ｐ－０２６＞
「おねえさん、ありがとう。」＃
「お帰り。」＃
それから、はるこさんは、＃
きっぷを改札の女の人にわ＃
たしながら、＃
「ありがとうございました。＃
といって、かるくあたまを＃
さげて、そこをでました。＃
「はるこさん、いま改札口＃
の人にありがとうってい＃
ったのは、どういうわけ。」＃
＜Ｐ－０２７＞
「だって、電車のおかげで、あんな遠いところまで、一日＃
でいって帰ってきたのですもの。どこかでありがとうと＃
いいたいと思ったけれど、いうところがなかったものだ＃
から、それであの人にいったのよ。」＃
「でも、あのかた、わかったかしら。」＃
「いそがしいから、わからなかったかもしれません。でも＃
いいの。」　　＃
しんきちくん　　＃
しんきちくんは、電車をおりてから、元氣にあるいて帰＃
りました。＃
＜Ｐ－０２８＞
「ただいま。」＃
「しんきちか、早かったね。」＃
しんきちくんのおとうさんは、店で＃
そろばんをはじいていました。＃
「ぼく、きょう、とてもうれしいんです。」＃
「どうしたのだね。」＃
「ぼく、こんな本をもらいました。」＃
「先生からかい。」＃
「いいえ、むこうの店に品物をとどけ＃
て、受けとりをもらって帰ってくる＃
とちゅう、よその人からもらったんです。」＃
＜Ｐ－０２９＞
「まあ、受けとりをおみせ。――よしよし。それから、う＃
れしかったというのはどんなことかね。」＃
「それはこうなんです。店をでてすこしくると、どこかの＃
おじさんが、荷物を二つ持って、あせをふきふきあるい＃
ていました。一つは大きくて、ぼくなんかに、とても持＃
てそうもない物、一つは小さくてかるそうな物です。＃
そこで、ぼくは、＃
『おじさん、駅へおいでになるのでしょ＃
う。ついでですから、一つ持っていっ＃
てあげましょう。』＃
といいました。＃
＜Ｐ－０３０＞
『ありがとう。しかし、きみは小さいから、まあいいよ。』＃
『だいじょうぶです。ぼくにも持てそうですから。』＃
といって、小さいほうの荷物を、わたしてもらいました。＃
その荷物は小さいわりに、なかなかおもかったのですが、＃
ぼくは、かたへのせて持っていきました。駅につくと、＃
その人は、＃
『ありがとう、ありがとう。ほんとうにすまなかったね。＃
きみは、ときどき、こういうことをやるのかね。』＃
ときいたので、ぼくは、＃
『いいえ、はじめてです。まえからも、やりたいと思っ＃
ていましたが、なかなかできなかったのです。ぼくに＃
＜Ｐ－０３１＞
はすこしおもかったんですが、とてもうれしいんです。＃
これからも、いつもやりたいと思います。』＃
といいました。すると、その人＃
は、トランクからこの本をだし＃
て、＃
『これには、きみのようないい＃
子どものことが書いてありま＃
すよ。』＃
といって、ぼくにくれました。＃
それで、ほんとうにうれしいん＃
です。」　　＃
＜Ｐ－０３２＞
四　　石炭　　＃
「シュッシュッ、ポッポ、シュッシュッ、ポッポ――」＃
汽車が走っています。まっ黒なけ＃
むりをもうもうとはいて、どんどん＃
走っています。おや、むこうからも＃
長い、長い貨物列車がやってきます。＃
材木や、石炭や、お米を、たくさん＃
つんでいます。＃
この汽車は、なにをたいて走って＃
いるのでしょう。＃
＜Ｐ－０３３＞
これは貨物船です。かんぱんのク＃
レーンが、あがったりさがったりし＃
て、荷物をつみこんでいます。この＃
荷物の中に、おり物や、お茶や、しん＃
じゅなどがはいっています。＃
船は、なんの力で走るのでしょう。＃
えんとつがたくさん立っています。＃
どのえんとつからも、けむりが、む＃
くむくとたちのぼっています。＃
＜Ｐ－０３４＞
ここは工場町です。ここで、＃
きかいや、ひりょうなど、た＃
いせつな品物を作っています。＃
この工場のきかいを動かし＃
ている力は、なんでしょう。＃
おかあさんが、だいどころ＃
で、ごはんのしたくをしてい＃
らっしゃいます。＃
ガスこんろにかけたかまや＃
なべから、ゆげがふきでてい＃
＜Ｐ－０３５＞
ます。ガスこんろの青い火は、ガスがもえているのです。＃
あのガスは、なにから作るのでしょう。＃
なにをしているところでしょう。＃
これは、石炭をほっているところ＃
です。まわりのかべに、石炭がで＃
ています。さかんに、きかいで石＃
炭をくずしてとっています。＃
とれた石炭は、トロッコにつん＃
で、そとへはこびだします。＃
＜Ｐ－０３６＞
ほりだされた石炭が、山のようにつまれています。この＃
石炭が、汽車や汽船を走らせ、工場のきかいを動かすのです。＃
ガスも石炭からとれるし、その＃
ほか、いろいろのくすりも石炭か＃
らとれます。私たちは、石炭なし＃
には、くらすことができません。＃
では、石炭は、どうしてできた＃
のでしょう。＃
みなれない木や、草や、動物が＃
みえますね。＃
＜Ｐ－０３７＞
これは大むかしのけしきで＃
す。このような木が、たおれ＃
て土にうずまり、長いあいだ＃
かかって石炭になったのです。＃
大むかしのたいようのねつ＃
が、かたちをかえ、石炭の中＃
にたくわえられていて、いま＃
それが、私たちのために、生＃
き返ってはたらいているので＃
す。　　＃
＜Ｐ－０３８＞
五　　心と心　　＃
（一）　　＃
けさ、先生に、先生のお友だちから手紙がきました。そ＃
のかたは、ほっかいどうで、やはり先生をしていらっしゃ＃
るのです。手紙の中に、こんなことが書いてありました。＃
「ぼくも、三年生を受け持っている。こんど、ぼくの受持＃
の子どもたちに、手紙を書いてもらって、きみの受持の＃
子どもたちに、それを送ってあげよう。そうすれば、こ＃
ちらのようすが、いろいろとわかるだろう。」　　＃
＜Ｐ－０３９＞
（二）　　＃
「ほっかいどうは、いまがいちばんたのしいときです。冬＃
がすぎて、春がきたからです。山のてっぺんには、まだ＃
雪がのこっています。けれども、中ほどから下は、雪が＃
ありません。山の木のめがではじめました。ふもとにな＃
るにしたがって、木のみどりがこくなってみえます。茶＃
色の木のめもみえます。このきれいなけしきを、みなさ＃
んにおみせしたいと思います。」＃
「こちらでは、さくらの花も、なしの花＃
も、すももの花も、うめの花も、りん＃
＜Ｐ－０４０＞
ごの花も、いっぺんにさきだします。＃
きゅうにあたりが美しくなると、私は、なんだか、ぼん＃
やりするほどたのしい氣がします。＃
私のすきな花は、こぶしの花です。白くてゆったりとさ＃
く、ひんのいい花です。この花がよくさく年は、ほう年＃
だといいます。いま、たくさんさいています。」＃
「ぼくのうちには、うしが＃
十三とういます。白黒ぶ＃
ちのちちうしです。なか＃
に、子うしが三とういま＃
＜Ｐ－０４１＞
す。けさも、まきばにだ＃
してやりました。のびは＃
じめた草の上を、うれし＃
そうにあるいていました。＃
子うしは、小川の岸をと＃
ことこ走りました。まい＃
にち、たくさんちちをし＃
ぼります。」　　＃
（三）　　＃
「ほっかいどうのみなさん。このあいだは、お手紙ありが＃
とうございました。みんなだいじにして、こくばんのと＃
＜Ｐ－０４２＞
ころにならべてあります。私は、まだ、ほっかいどうへ＃
いったことはありません。けれども、お手紙でよくわか＃
ります。ひろびろとした、きれいなところだと思います。＃
ほんとうに、一どいってみた＃
いと思います。」＃
「こちらでは、田うえがはじま＃
りました。私は、なえはこび＃
をしています。つばめが、私＃
のすぐ目のまえを、いったり＃
きたりします。一日じゅうて＃
＜Ｐ－０４３＞
つだいをして、うちに帰るころは、もう、あたりはくらく＃
なっています。きのう、はじめてほたるをみかけました。＃
そちらでも、ほたるはとびますか。」＃
「ぼくのねえさんは、あさひがわへおよめにいっています。＃
ぼくはねえさんから、よくうたをおしえてもらいました。＃
ねえさんはいい声でした。ぼくのうちは花屋です。です＃
から、花ばたけで、よくいっしょにうたい＃
ました。ぼくのすきな花は、あさがおです。＃
空色のあさがおです。それから、まっかな＃
カーネーションです。そのたねをこんどお送りします。」　　＃
＜Ｐ－０４４＞
六　　まどをあけると　　＃
日本の子ども　　＃
ぼくら、日本の子どもらは、　　＃
はとだ。平和のはとだ。　　＃
世界の友よ、手をつなぎ、　　＃
なかよくとんであそぼうよ。　　＃
明かるい世界の空とんで、　　＃
平和のうたをうたおうよ。　　＃
＜Ｐ－０４５＞
ぼくら、日本の子どもらは、　　＃
つぼみだ。きれいな花だ。　　＃
世界のそのにさきにおう、　　＃
きれいな花のその一つ。　　＃
みんななかよくさきそろい　　＃
世界の花ぞのかざろうよ。　　＃
ぼくら、日本の子どもらは、　　＃
星だ。光った星だ。　　＃
世界の空のかず多い、　　＃
かがやく星のその一つ。　　＃
＜Ｐ－０４６＞
みんななかよくきらきらと、　　＃
しずかな空で光ろうよ。　　＃
やぶうぐいす　　＃
おつかいにいくとき、うらの竹やぶのそば＃
を通ったら、おくの方でうぐいすの声がした。＃
「ホーケ、ホーケ。」というようにきこえた。＃
たちどまると、鳴き声がやんだ。＃
しばらくすると、また、「ホーケ。」と鳴いた。＃
春になったばかりだから、うまく鳴けないのだろう。＃
帰りに、また通ったら、もう鳴いてはいなかった。　　＃
＜Ｐ－０４７＞
たのしい小道　　＃
いつも通るこの小道、＃
たのしい小道だ。＃
ひとりで通るときも、＃
みんなで通るときも。＃
たんぽぽがさいていたり、＃
すみれがさいていたり、＃
名まえは知らないが、＃
きれいな花がさいていたり。＃
＜Ｐ－０４８＞
おや、こんな花が――＃
またみつけた、きれいな花を。＃
いつ通っても、いつもたのしい、＃
この小道。　　＃
まどをあけると　　＃
まどをあけると、＃
いまのぼったばかりの日の光が、＃
さっといっぱいながれこんできた。＃
＜Ｐ－０４９＞
いい氣持がして、たのしくなった。＃
あさの光に、身をきよめるのはうれしい。　　＃
わたし船　　＃
のたりのたりとわたし船、　　＃
なの花ざかりの岸をでる。　　＃
子うしが水のむ岸をでる。　　＃
のたりのたりとわたし船、　　＃
かふんやそよ風のせてでる。　　＃
＜Ｐ－０５０＞
子どもや荷物のせてでる。　　＃
のたりのたりとわたし船、　　＃
おもさにゆれゆれ岸をでる。　　＃
かげをちらして岸をでる。　　＃
海べ　　＃
がけの下には　　＃
白いはま、　　＃
白いはま。　　＃
あみひく人の　　＃
＜Ｐ－０５１＞
黒いかげ　　＃
黒いかげ。　　＃
島をとりまく　　＃
青い海、　　＃
青い海。　　＃
きてきも鳴らさず　　＃
船がいく　　＃
船がいく。　　＃
海のはてから　　＃
白い雲、　　＃
白い雲。　　＃
＜Ｐ－０５２＞
ひつじになって　　＃
わいてくる、　　＃
わいてくる。　　＃
七　　星　　＃
ゆうごはんをまつあいだ、私は、まさこ＃
をうば車に乘せて、はるおと大通りにで＃
ました。いそがしそうに人々が通ります。＃
「こんばんは。」＃
と、あいさつをしていく人もあります。まさこが、＃
「あれあれ。」＃
＜Ｐ－０５３＞
というので、西の方をみると、日がしずんでまもない空に、＃
大きな星が光っていました。＃
「まさこちゃん、一ばん星みつけたのね。えらいわね。」＃
といって、手をたたいてやりますと、まさこも、まるくふ＃
とった手をたたきました。＃
「二ばん星みつけた。」＃
大きな声で、はるおが、東の空をみながらいいました。＃
「ああ、あれね。だいだい色の大きな星だこと。」＃
それは、南東の空で光っていました。＃
「三ばん星は、ねえさんがみつけたいわ。」＃
そういいながら西の方をみると、小さな星がちらちら光っ＃
＜Ｐ－０５４＞
ていました。＃
「あれ、三ばん星。」＃
「なんだ。あんな小さいの。それより、ほら、もっともっ＃
と高いところに、四ばん星――赤い星。」＃
「ほんとうに、はるおさんは目が早いのね。」＃
そこへ、となりのごろうさんが、かけよってきて、＃
「五ばん星、あんなところ。」＃
空のまん中に、大きな星が光っていました。＃
それから、あたりをみまわしましたが、空は、まだ、ほ＃
んのりと明かるくて、つぎの星をみつけることは、できま＃
せんでした。まさこをおかあさんにわたして、食事をすま＃
＜Ｐ－０５５＞
せてから、またちょっと、家のまえにでてみました。三十＃
分ぐらいしかたっていなかったのに、もうすっかりくらく＃
なっていて、空いちめんに、星がでていました。＃
「さっきみつけた星は、どれだったかしら。」と思って、西＃
の空をみましたが、わかりませんでした。＃
そこへ、受持のやまもと先生がおいでになって、＃
「今夜、学校のにわで、ぼうえんきょうで星をみせますよ。＃
いってみませんか。」＃
と、さそってくださいました。＃
私は、おかあさんにこのことをいって、ごろうさんをさ＃
そって、はるおといっしょに、学校へいきました。もう、＃
＜Ｐ－０５６＞
たくさん、子どもや町の人々が、あつまっていました。＃
「今夜みるのは土星です。あそこに大きく光っている星で＃
すよ。」＃
私は、＃
「はるおさん、ほら、あなたのみつけた二ばん星よ。あれ＃
土星というのよ。」＃
じゅんばんがきたので、みせていただきました。＃
「みえる、みえる。まん中にまるいきれいなたまがみえる。＃
そのまわりに、うすい、大きな、麦わらぼうしのつばみ＃
たいなものもみえる。きれいだこと。」＃
「ねえさん、早くみせて。」＃
＜Ｐ－０５７＞
はるおにさいそくされて、ばんをゆずりました。はるお＃
は、のぞいていましたが、かげんがわからないようです。＃
「あわてないで、しずかにごらん。」＃
私は、こういって、はるおのかたをそっとおさえました。＃
「あっ、でた、でた。」＃
あんまり大きな声をだしたので、あたりの人がわらいま＃
した。＃
「ねえさん、あれが星なの。」＃
「星ですよ。」＃
「へんなもんだな。おもちゃみたいだ。」＃
また、みんながわらいました。＃
＜Ｐ－０５８＞
「あんまり長くみていないで、さあ、おかわり。ごろうさ＃
んにおみせなさい。」＃
はるおは、まだみていたいようでしたが、やっと目をは＃
なして、ばんをごろうさんにゆずりました。＃
「ほんとうにきれいだな。なんだか、青い、青い水の中に＃
ういているようだ。」＃
「ほんとうに、夜の星ってきれいなものね。」＃
「あれが、ぼくのみつけた二ばん星かなあ。」＃
私たちは、まもなく帰ってきました。ごろうさんは、＃
「ぼく、大きくなるまでに、どの星もみんなみてしまいた＃
いな。」＃
＜Ｐ－０５９＞
といいました。するとはるおも、＃
「ぼくも。」＃
といいました。＃
私は、いまみてきた土星を、紙にていねいにかいておこ＃
うと思いました。　　＃
八　　あさがおの花　　＃
かきねにあさがおの花が、三つはじめ＃
てさきました。どれも空色です。あやこ＃
は、それをみつけて、＃
「おかあさん、あさがおがさきましたよ。」＃
＜Ｐ－０６０＞
といいました。＃
「ほんとうに、きれいにさきましたね。いい色ですこと。」＃
「あの三つの花が、そろってしんこきゅうしているように＃
みえますね。」＃
「あとで写生してごらん。おまえが、たねをまいたのでし＃
たね。」＃
「そうです。この春まいたので＃
す。たねをまいたから、こん＃
なにさいたのですね。」＃
「でも。」＃
「でも――って、なにか、おか＃
＜Ｐ－０６１＞
あさん。」＃
「でもね、そのたねからめがで＃
なかったら――」＃
「めがでないことはありません。＃
わたしが水をやったんですも＃
の。」＃
「それでも、まいにちあのつるをのばしたのは、だれかし＃
ら。あやこさんがひっぱったの。」＃
「いいえ。」＃
「あのつぼみをこしらえたのは、だあれ。」＃
「――」＃
＜Ｐ－０６２＞
「けさ、こんなに大きな花を、三つもさかせたのは、だあれ。」＃
「――」＃
「花の色を空色にそめてくれたのは、だれでしょう。」＃
あやこは、なんとこたえていいのか、わからなくなって＃
しまいました。＃
あさごはんのとき、はたけではじめてとれたきゅうりを＃
たべました。＃
「きれいなきゅうりね。おかあさん。」＃
「このきゅうりだって、あさがおとおなじですよ。たねは＃
おかあさんがまいたのだけれど、こんなによくできたの＃
は、おかあさんの力ではありませんよ。」＃
＜Ｐ－０６３＞
「だって、おかあさん。こやしをやったり、手をやったり＃
したじゃありませんか。」＃
「せわはしてやりました。けれども、花がついたり、みが＃
なったりしたのは、おかあさんのせいではありませんよ。」＃
おとうさんは、この話をそばでおききになって、＃
「あやこも、このきゅうりも、あさがおの花もおなじだよ。」＃
といって、おわらいになりました。＃
「生まれたときは、ねてばかりいたのが、はうようになり、＃
立つようになり、あるくようになって、いまは、もうこ＃
んなに大きくなった。」＃
「あさがおやきゅうりは、自分ひとりで、大きくなったの＃
＜Ｐ－０６４＞
でしょうが、わたしは、おとうさんやおかあさんの力で、＃
大きくなったと思います。」＃
「生まれたときからせわはして＃
きたが、日に日に大きくなっ＃
たのは、おまえひとりの力で＃
もなければ、おとうさんやお＃
かあさんの力でもない。」＃
「――」＃
「おとうさんも、おかあさんも、こうして、まいにち、た＃
っしゃで生きていけるのは、だれのおかげだろう。さあ、＃
考えてごらん。」　　＃
＜Ｐ－０６５＞
九　　金のさかな　　＃
海べに、おじいさんとおばあ＃
さんが、住んでいました。ふた＃
りは、ふるい小さな家に住んで＃
いました。＃
おじいさんは、あみでさかな＃
をとり、おばあさんは、糸をつ＃
むいでくらしていました。＃
ある日、おじいさんは、海に＃
でてあみをなげました。すると、＃
＜Ｐ－０６６＞
金のさかながかかってきました。＃
金のさかなは、＃
「おじいさん、わたしを海へはなしてください。お礼はた＃
くさんさしあげます。」＃
といいました。＃
おじいさんは、＃
「金のさかなさん、早くお帰り。」＃
とやさしくいって、はなしてやりました。おじいさんは、＃
うちへ帰って、おばあさんに、このふしぎな話をしました。＃
「わしは、きょう、金のさかなをとったよ。それが、海へ＃
帰してくれ、お礼はいくらでもあげるといったが、わし＃
＜Ｐ－０６７＞
はお礼などもらわなかった。そうして、青い海へはなし＃
てやったよ。」＃
おばあさんは、＃
「どうしてお礼をもらわなかったの。せめて、おけの一つ＃
も、もらってくればよかったのに。うちのおけは、もう、＃
すっかりこわれてしまっているんだもの。」＃
といいました。＃
あくる日、おじいさんは海へやってきました。海はすこ＃
しあれていました。おじいさんが金のさかなをよびますと、＃
すぐでてきて、＃
「なんの用ですか、おじいさん。」＃
＜Ｐ－０６８＞
とききました。＃
「金のさかなさん、おばあさんが、＃
新しいおけがほしいといっていま＃
す。」＃
「おじいさん、心配しないでお帰り＃
なさい。帰るまでには、新しいお＃
けができていますよ。」＃
おじいさんが帰ってみると、おばあさんは、新しいおけ＃
を持っていました。ところが、おばあさんは、＃
「こんなおけなんて、とくにもならない。もう一ど金のさ＃
かなのところへいって、家をもらっておいで。」＃
＜Ｐ－０６９＞
おじいさんは海へやってきました。海はにごっていまし＃
た。おじいさんが金のさかなをよびますと、およいできて＃
ききました。＃
「なんの用ですか、おじいさん。」＃
「うちのおばあさんは、家がほしい＃
というのです。」＃
「おじいさん、心配しないでお帰り＃
なさい。家はちゃんとできていま＃
すから。」＃
おじいさんが帰ると、りっぱな家＃
がたっていました。＃
＜Ｐ－０７０＞
おばあさんは、＃
「金のさかなのところへいって、たのんでおくれ。わたし＃
は、ひゃくしょうなんか、もういやになったから、お金＃
持のおくさんになりたいって。」＃
といいました。＃
おじいさんは、また海へやってきました。海はあれてい＃
ました。＃
おじいさんが金のさかなをよびますと、金のさかながお＃
よいできました。＃
「おばあさんは、もうひゃくしょうはいやになったから、＃
お金持のおくさんになりたいというのです。」＃
＜Ｐ－０７１＞
「おじいさん、心配しないでお帰りなさい。」＃
おじいさんがおばあさんのところへ帰りますと、おばあ＃
さんは、けがわのふくをきて、ぴ＃
かぴか光るずきんをかぶり、金の＃
うでわをはめ、赤いくつをはいて＃
いました。めしつかいたちもいま＃
した。＃
おじいさんが、＃
「お金持のおくさん、これであな＃
たもまんぞくでしょう。」＃
といいますと、おばあさんは、おじいさんをうま小屋のし＃
＜Ｐ－０７２＞
ごとにおいやりました。＃
それから三日ほどたって、おばあさんはおじいさんにい＃
いました。＃
「金のさかなに、わたしは金持のおくさんもいやになった、＃
女王になりたいってたのんでおくれ。」＃
おじいさんはびっくりして、＃
「おばあさん、氣でもちがったかね。女王さまのようなあ＃
るきかたも、口のききかたも知らないで――國じゅうの＃
ものわらいになるよ。」＃
「おまえさん、ぐずぐずいわずに海へいっておいで。」＃
おじいさんは、とぼとぼと海へやってきました。海はま＃
＜Ｐ－０７３＞
っ黒になってあれていました。おじいさんが金のさかなを＃
よびますと、金のさかなは、＃
「なんの用ですか、おじいさん。」＃
とたずねました。＃
「金のさかなさん、おばあさんは、もう金持のおくさんは＃
いやだ、女王になりたいといっています。」＃
「おじいさん、心配しないでお帰りなさい。おばあさんは＃
女王になりますよ。」＃
といいました。＃
おじいさんが帰ってみると、どうでしょう、ちゃんとご＃
てんができていて、おばあさんは女王になっているではあ＃
＜Ｐ－０７４＞
りませんか。そばには、りっぱ＃
なけらいもついています。＃
おじいさんは、＃
「女王さま、これで、あなたも＃
ごまんぞくでございましょう。」＃
といいました。＃
おばあさんは、おじいさんに＃
は目もくれないで、けらいに、＃
「あちらへつれていけ。」＃
といいつけました。＃
それから一週間もたったころ、おばあさんは、おじいさ＃
＜Ｐ－０７５＞
んをよんでいいました。＃
「金のさかなにたのんでおいで。わたしは女王もいやにな＃
った。こんどは、海のぬしに＃
なりたい。あのひろい海で、＃
金のさかなをけらいにしてや＃
りたい。」＃
おじいさんは、口ごたえもで＃
きず、力のない足どりで、海へ＃
やってきました。＃
海はまっ黒になって、波が高＃
く、ゴーゴーとうなっています。＃
＜Ｐ－０７６＞
おじいさんは金のさかなをよびました。＃
金のさかなは、でてきていいました。＃
「なんの用ですか、おじいさん。」＃
「うちのおばあさんは、もう女王＃
はいやだといっています。海の＃
ぬしになりたい、ひろい海で、＃
あなたをけらいにしたいといっ＃
ています。」＃
金のさかなは、なにもいわない＃
で、しっぽでピシャリと音をさせ＃
て、海の中へおよいでいってしま＃
＜Ｐ－０７７＞
いました。＃
おじいさんは、すごすごと、おばあさんのところへ帰り＃
ました。みると、まえに住んでいた、ふるい小さな家がた＃
っていました。入口におばあさんがすわっていました。こ＃
われたおけが一つ、ころがっていました。　　＃
十　　学級日記から　　＃
七月十一日　　月　　＃
先生のつくえのかびんに、大きなひまわりの花が、三本＃
かざってありました。かおよりも大きな花です。先生が、＃
＜Ｐ－０７８＞
「やあ、きれいですね。だれがいけ＃
てくれたのですか。ごごのずが工＃
作の時間に、写生しましょう。」＃
とおっしゃいました。＃
ひまわりの花は、いけださんが自＃
分のうちのにわから、持ってきてく＃
れたのでした。これで教室が明かる＃
くなりました。　　＃
七月十二日　　火　　＃
きょう、先生といっしょに、学校のはたけのむこうを流＃
＜Ｐ－０７９＞
れている小川のところにいきました。そうして、川をみて＃
氣のついたことを書きました。＃
つぎのような文が、はりだされました。＃
「チョロチョロ、ひくく鳴ったり高く鳴ったりしています。」＃
「おなじところで、いつまでも高く鳴っています。」＃
「ピシャピシャと、あがったりさがったりして、流れてい＃
きます。」＃
「川の中の石が、のびたりちぢんだりしています。」＃
「葉のかげぼうしが、魚のようにおよいでいます。」＃
「川から水がわきあがってくるようです。」＃
「波が、すべりだいをすべるように、らくらくと流れてい＃
＜Ｐ－０８０＞
きます。」＃
「川の中の石と石とが、おどっています。」＃
「水が光って、とんではねています。」＃
「水の音をきいていたら、せなかがあつくなってきました。」　　＃
七月十三日　　水　　＃
きょうは大そうじをしました。ゆかをきれいにふきまし＃
た。かべいたもふきました。竹のさきにほうきをむすびつ＃
けて、てんじょうのくものすをはらいました。むすびめが＃
とけて、ほうきがおちました。それが、にしもりさんのせ＃
なかにあたりました。にしもりさんはびっくりして、「キャ＃
＜Ｐ－０８１＞
ア。」といってとびあがったので、みんなわらいました。ガ＃
ラスもきれいになって、そとのけしきがよくみえました。　　＃
七月十四日　　木　　＃
きょうは五人も休みました。＃
＜Ｐ－０８２＞
「どうして、きょうはこんなに休んだのでしょう。みんな、＃
からだに氣をつけてください。じゅくさないものをたべ＃
ないようにすること、夜は、はらまきをきちんとして、＃
ねびえをふせぐこと、それから――」＃
と、先生がおっしゃいました。みんなは、なま水をのまな＃
いことや、ねるまえにたべないことや、日のかんかんてる＃
ところで長くあそばないことなどを、話しあいました。　　＃
七月十五日　　金　　＃
先生のお友だちが、学校をみにいらっしゃいました。そ＃
うして、私たちの教室にもおいでになりました。そのお友＃
＜Ｐ－０８３＞
だちが、記念に写眞を写したいとおっしゃいました。そこ＃
で、おひる休みのとき、私たちは、運動場にあつまって、＃
先生をまん中にしてならびました。＃
先生のお友だちが、＃
「いいですか、写しますよ。」＃
とおっしゃったとき、だれかが、＃
「うふふ。」＃
とわらいだしたので、みんな、い＃
っぺんにわらってしまいました。＃
そこをパチリと写されました。　　＃
＜Ｐ－０８４＞
七月十六日　　土　　＃
夏休みになにをするか、みんなで話しあいました。＃
たかぎくんは、え日記を書くといいました。＃
たなかさんは、おしばをたくさん作るといいました。＃
ささきくんは、星をしらべるといいました。＃
いとうくんは、海岸のおじさんの家で、海の作文を書く＃
んだといって、よろこんでいました。＃
いのうえさんは、國語の本にでていることばを、五十音＃
にわけてみるといいました。＃
「それはおもしろい。いのうえさんの字びきができますね。」＃
と、先生がおっしゃいました。　　＃
＜Ｐ－０８５＞
十一　　りょうかんさん　　＃
「子どもたちがくるまでに、そこらをきれいにそうじして＃
おこう。」＃
りょうかんさんはこういいながら、ほうきを持って、木＃
の葉をはきよせました。そこへ、村の子どもたちが、＃
「りょうかんさん。」「りょうかんさん。」＃
とよびながら、走ってきました。＃
「おお、みんなそろってきたな。おや、おまつさんがいな＃
い。どうしたのかい。」＃
「おまつさんはあとからきますよ。」＃
＜Ｐ－０８６＞
「ああ、そうか。」＃
そのとき、下の方から、＃
「りょうかんさん、りょうかんさん、おしょうさんのりょ＃
うかんさん。」＃
と、うたのようにふしをつけてよびながら、ひとりの子ど＃
もがきます。＃
りょうかんさんは、ほうきの手をとめて、＃
「おまつさんか、あなたがみえなかったから、かぜでもひ＃
いたかと思って。」＃
「りょうかんさん、このおにんぎょう、かわいいでしょう。」＃
「これはかわいいにんぎょうだ。黒いかみのけがふさふさ＃
＜Ｐ－０８７＞
して、まるい目が二つあって。」＃
「どのおにんぎょうでも、目は二つですよ。」＃
「わしは、三つも四つもあ＃
るかと思っていたよ。あ＃
はははは。」＃
「おかしいわ。目が四つも＃
あっちゃ。」＃
「このおにんぎょうは、き＃
れいな赤いおびをしめて＃
いる。いいおびだ。わし＃
もほしいな。ちょっとか＃
＜Ｐ－０８８＞
しておくれ。」＃
「でも、おぼうさんが赤いおびをおしめになると、へんで＃
しょう。」＃
「なに、へんじゃない。黒いころもに赤いおび――かわい＃
いよ。」＃
「あら、おかしいわよ。」＃
「きょうは、おにんぎょうのおもりのしかたをしてみせて＃
あげよう。さあ、ここへおいで。」＃
子どもたちが、みんな、りょうかんさんのまわりにあつ＃
まりました。＃
「こうして右の手でだいてな、左の手でかかえてさ、それ＃
＜Ｐ－０８９＞
から、うたをうたうのだよ。　　＃
高い山からたにそこみれば、　　＃
うりやなすびの花ざかり。　　＃
あれは、よいよいよい。　　＃
これは、よいよいよい。　　＃
うらの山から海べをみれば、　　＃
波にうかんださどが島。　　＃
あれは、よいよいよい、　　＃
これは、よいよいよい。」　　＃
ひとりの子どもが、＃
＜Ｐ－０９０＞
「りょうかんさん、いま、『さどが島』とおうたいになったと＃
き、おじぎをなさいましたね。あれはどうしてですか。」＃
とたずねました。＃
「わしのおかあさんはな、ずっとまえに、さどが島におい＃
でなさったことがあった。それでな、さどが島をうたう＃
ときには、いつでもおじぎをするのだよ。」＃
「おぼうさんにおかあさんがあるって、おかしいな。」＃
「なにがおかしいものか、このわしも小さいときは、オギ＃
ャア、オギャアとないたのだよ。それからな、おかあさ＃
んのおちちをコップコップといただいて、こんなにいい＃
おぼうさんになったのだよ。」＃
＜Ｐ－０９１＞
こういってから、りょうかんさんは、＃
「さあ、みんなこちらへおいで。」＃
と、おくざしきにつれていきました。＃
「それ、このたけのこをごらん。」＃
みると、ざしきのまん中のたたみをやぶって、のびてい＃
るたけのこがありました。＃
「このたけのこが、えんの下にあたまをだしたので、『おま＃
えは水がほしいのか。』とたずねると、『水をください。』と＃
いうのだよ。それで、手おけの水をかけてやると、たけ＃
のこがよろこんで、のびるわ、のびるわ。のびて、のび＃
て、とうとうえんの下のいたで、あたまをコツンとうっ＃
＜Ｐ－０９２＞
たのだよ。そこで、ゆかいたをはがして、たたみのまん＃
中にあなをあけてやったら、それ、このとおり、いせい＃
よくのびるわ、のびるわ。＃
みんな、もっとまえへでてごらん。それ、たけのこにご＃
はんつぶがついているだろう。それそれ、たけのこにご＃
はんのつぶが――こりゃあ、たけのこごはんだよ。」＃
「あら、りょうかんさん、ちがいますよ。ごはんの中にた＃
けのこのはいっているのが、たけのこごはんですよ。」＃
「いや、たけのこにごはんつぶがついているのが、たけの＃
こごはんだよ。」＃
「ちがいますよ。」＃
＜Ｐ－０９３＞
「わからない子どもたちじゃな。」＃
「わからないおぼうさん――」＃
子どもたちは、みんな帰っていきました。りょうかんさ＃
んは、帰っていく子どもたちをみおくってから、＃
「どれどれ、ゆうごはんでもたこうかな。」＃
といって、手おけをさげて、うらのいどばたに立ちました。＃
むこうの山から、大きな月がのぼってくるところでした。＃
「ああ、きれいなお月さま。」＃
りょうかんさんは、いつまでも月にみとれていました。　　＃
＜Ｐ－０９４＞
十二　　ひわの子　　＃
さんちゃんが、友だちと、山へわらびをとりにいきまし＃
た。その帰り道に、一わの小鳥のひなをひろいました。ひ＃
なはたいそう小さくて、元氣がなく、死んだようになって＃
おちていたのです。＃
「これ、なんのひなだろう。」＃
「すずめの子らしいね。」＃
「ひばりかもしれないよ。」＃
「ちっとも動かないじゃないか。」＃
「かわいそうだもの、ひろってい＃
＜Ｐ－０９５＞
って、かってみよう。」＃
さんちゃんがひろって帰ると、おとうさんが、＃
「すりえをこしらえて、たべさせてみよう。」＃
とおっしゃって、たまごのきみですりえをこしらえて、た＃
べさせてやりました。＃
ひなは、みちがえるように元氣がでて、だんだん大きく＃
なりました。＃
「ああ、よかった。おとうさん、ひとりでとべるようにな＃
るまで、かってやりましょうね。」＃
さんちゃんは大よろこびでした。ひなはすずめではあり＃
ませんでした。ひばりでもありませんでした。あたまから＃
＜Ｐ－０９６＞
せなかにかけて、き色がかった美しい鳥になりました。＃
「これはめずらしい。ひわの子ですよ。ほんとうは、まひ＃
わというのですが、ふつうは、ひわ、ひわといっていま＃
す。いまにいい声でさえずりますよ。」＃
と、となりのおじさんがおしえてくれました。＃
夏休みがすむころには、ひなはもう、かごの中をとびま＃
わっていました。＃
「おとうさん、ひわは自由にとべるようになりましたね。＃
かごからだして、にがしてやりましょうか。」＃
「まだすこし早いようだ。自分でえさをとったり、遠いと＃
ころまでとんでいくことはできまいよ。」＃
＜Ｐ－０９７＞
「じゃあ、もうすこしね。」＃
そういっているうちに、秋に＃
なりました。まいにち、わたり＃
鳥のむれがとんできます。＃
その中には、ひわのむれもあ＃
りました。さんちゃんのおうち＃
のまつの木にとまったり、かえ＃
での枝で休んだりしていきまし＃
た。＃
「チュイン、チュイン、チュイン、チュイン、チュッチン、＃
チュッチン、チュウチュウジー。」＃
＜Ｐ－０９８＞
ひわの子は、それが自分のなかまの鳴き声だと思いまし＃
た。そうして、＃
「チュイン、チューイン、チューイン。」＃
こんなふうに、自分でもさえずりはじめました。＃
いちばんはじめに、それをおかあさんがききつけました。＃
「ひわが、いい声でさえずりはじめましたよ。このままか＃
っておいたらいいでしょう。」＃
「でも、おかあさん。あした山へつれていって、はなそう＃
と思っているのです。」＃
そのばんのことでした。バタバタと音がしましたので、＃
みんながとびおきてみると、どこかのねこが、しのびこん＃
＜Ｐ－０９９＞
で、ひわをとろうとしていました。＃
「シッ。」というと、ねこは、おどろいてにげていってしま＃
いましたが、ひわは、かたのところにけがをして、ころが＃
っていました。さんちゃんたちが水をふきかけたり、くす＃
りをつけてやったりしますと、やっと生＃
き返りました。二三日すると、ひわは、＃
もとのように元氣になって、かごの中を＃
とびまわっていました。＃
「もう、元氣になったようですね。」＃
「いいや、この鳥はとべなくなったらし＃
い。にがしてやれなくなったよ。」＃
＜Ｐ－１００＞
おとうさんにいわれて、よくみると、ねこにひっかかれた＃
羽がぶらりとなって、半分しかひろげられません。＃
「ひわさん、これからぼくの子だよ。いつまでもかわいが＃
ってやるよ。山へはなしてやりたかったんだけれど。」＃
さんちゃんは、ひわによくいってきかせました。ひわは、＃
「チュイン、チュイン、チュイン。」＃
と、人なつっこい声で鳴きました。＃
さんちゃんがべんきょうをはじめると、ひわは、＃
「チュウチュウジー、チュウチュウジー、チュイン、チュ＃
イン、チュウチュウジー、チュウチュウジー。」＃
と、へんな声でさえずって、さんちゃんの本をよむ声をま＃
＜Ｐ－１０１＞
ねます。＃
さんちゃんが、ハーモニカをふきはじめる＃
と、ひわもよろこんで、＃
「チュイン、チュイン、チュッチン、チュッ＃
チン。」＃
と、早く、おそく、高く、ひくく、いっしょ＃
うけんめいにまねをします。＃
鳥かごは、おひるまえは、水道＃
のあるいどばたの高いところにかけ＃
ますが、おひるすぎには、かえでの木に＃
つるしておきます。＃
＜Ｐ－１０２＞
人がときどききて、水＃
道をつかいます。水が、＃
ジャー、ジャー、ジャー＃
ジャーと、音をたてて流＃
れているのをきいて、ひ＃
わは、そのまねをして、＃
「ジャージャー、ジャージャー。」＃
と、すずしい声で鳴きます。＃
さんちゃんのおかあさんが、せんたくをしますと＃
「ジャージャージャー、ジャブジャブジャブ。」＃
と、ひわもまねをします。＃
＜Ｐ－１０３＞
かえでの木につるしておくと、いろいろな鳥がやってき＃
ます。すずめがきたとき、ひわが、＃
「チュイン、チュイン、チュイン。」＃
と鳴いてみせました。＃
すずめは、＃
「チチチチチチ、チュピ、チュピ、チュピ。」＃
と鳴きました。ひわが、＃
「ジャージャージャー、ジャブ＃
ジャブジャブ。」＃
と、さわがしく鳴いてみせます＃
と、すずめは、おどろいてとん＃
＜Ｐ－１０４＞
でいってしまいました。みそさざいが、くらい木の中から＃
きたので、ひわが、＃
「チュイン、チュイン。」＃
と鳴きました。すると、みそさざいは、＃
「チョッ、チョッ、チョッ。」＃
と鳴いて、木のかげにかくれました。＃
どこからか、しじゅうからがやってきて、＃
「ツイベー、ツイベー。シチビー、シチビー、シチビー。＃
ツーピー、ツーピー。チンカラカラ、チンチンカラカラ。」＃
と、いい声で鳴いて、おしまいに、＃
「ジュリ、ジュリ、ジュリ、ジュリ。」＃
＜Ｐ－１０５＞
と、本をよむようなひとりごとをいいました。ひわは、感＃
心したように、いつまでもその声をきいていました。しじ＃
ゅうからは、あくる日もやってきました。そのつぎの日も＃
やってきました。それで、ひわは、すっかりそのまねがで＃
きるようになりました。＃
いつのまにか、しじゅうからは、どこかへいってしまい＃
ましたが、ひわは、いつもそのまねをしては、ひとりよろ＃
こんでいました。＃
「まあまあ、この鳥は、いくつもげいができるのね。」＃
さんちゃんのおかあさんも、ひわをほめました。＃
秋になると、また、わたり鳥がやってきました。ある日、＃
＜Ｐ－１０６＞
二三ばのひわが、さんちゃんのうちのまつの木におりてき＃
ました。＃
ひわは、それをみると、＃
「チュイン、チュイン、チュイン、チュイン。」＃
と、せきこむように、さかんに鳴きました。旅のひわも、＃
大よろこびで、声をあわせてうたいました。＃
旅のひわが、＃
「きみも、いっしょにむこうへとんでいこうよ。空はひろ＃
くておもしろいよ。」＃
といいました。＃
「ありがとう。ぼくはおともができないのさ。」＃
＜Ｐ－１０７＞
「どうして。」＃
「ほら、羽がだめだから。こうしていつまでも、ここにい＃
るよりしかたがないのさ。」＃
「ここにいて、なにか、おもしろいことがあるのかい。」＃
「いろいろあるよ。」＃
そういって、ハーモニカのまねや、さんちゃんの本をよむ＃
まねなどを、つぎからつぎへときかせました。＃
そこへ、さんちゃんが学校から帰ってきました。旅のひ＃
わは、おどろいて、すぐにまつの木の上へにげていきまし＃
たが、かごのひわは、大よろこびで、「チュイン、チュイン。」＃
をはじめました。＃
＜Ｐ－１０８＞
「きみ、きみ。おりてこないかい。ぼくの友だちのさんち＃
ゃんだよ。ちっともこわいことはないから、いっしょに＃
あそぼうよ。」＃
かごの中のひわは、な＃
かまをよびました。＃
けれども、旅のひわ＃
は、そのままとんでいっ＃
てしまいました。＃
近いところに製材所が＃
できて、のこぎりのやかましい音が、＃
あさからばんまでひびきました。近所の人たちは、＃
＜Ｐ－１０９＞
まいにち、こまった、こまったといっていました。しかし、＃
ひわは、すぐに、＃
「チュイン、チュイン、チュイン。リリリン、リーン、リ＃
ーン。チュイン、チュイン、リリリンリーン。」＃
と、まねをしました。＃
「小鳥でも感心なものだ、新しいことをどんどんおぼえて＃
いく。」＃
おとうさんのほめるのをきいて、さんちゃんは、ますま＃
すひわがかわいくなりました。　　＃
