＜出典＞６４２　　　国定読本　６期４－２
＜Ｐ－００２＞
もくろく　　＃
一　　うちのほおじろ………四　　＃
二　　あぶらぜみ………十四　　＃
（一）　　＃
（二）　　＃
三　　天の川………二十六　　＃
（一）　　＃
（二）　　＃
四　　幸福………三十七　　＃
＜Ｐ－００３＞
こがねひめ　　＃
一まいのシャツ　　＃
幸福　　＃
五　　みはらし台………五十六　　＃
六　　みにくいあひるの子………六十　　＃
（一）　　＃
（二）　　＃
（三）　　＃
（四）　　＃
七　　いねを育てて………九十四　　＃
＜Ｐ－００４＞
一　　うちのほおじろ　　＃
ちょうど十年ほどまえ、私のうちに、ピオ＃
という、うちじゅうの人氣者がいました。＃
西洋の子どもだろうなどと、早がってんしてはいけません＃
よ。いぬでもねこでもありません。鳥――それも、日本どく＃
とくの、北はほっかいどうから、南はきゅうしゅうやそのさ＃
きの島々まで、いたるところの山野に、いちばんたくさんい＃
る鳥といわれるほおじろです。＃
どうして、ピオが私のうちにかわれるようになったかとい＃
＜Ｐ－００５＞
えば……。＃
秋のはじめのある晩、一家そろって、ぎんざの大通りを歩＃
いていましたら、あるデパートのまえのうすくらがりに、大＃
ぜい人が立っているので、なんだろうとのぞいてみると、ひ＃
とりの小鳥屋が、夜店をひろげていました。＃
小鳥屋というより、ほおじろ屋といったほうがいいかもし＃
れません。なぜなら、ほおじろだけしか賣っていなかったの＃
ですから……。それがまたとくべつで、そばにすえた小さな＃
かごの中から、一わずつつかみだしては指さきへとまらせた＃
り、かたへ乘せたり、てのひらで遊ばせたり、口さきにふく＃
んだえさをとらせたり――そのめずらしさ、おもしろさに、＃
＜Ｐ－００６＞
黒山の人だかりだったのです。＃
私も、すっかりひきこまれて、しばらく見物したのち、そ＃
の一わを買い、小さなボールばこにいれてもらって、だいじ＃
に持って帰りました。その晩から家族のひとりになり、あく＃
る日、ピオという名がつけられました。＃
だんだんなれて、指さきへもかたへもとまるようになった＃
ばかりか、頭の上にも乘り、口さきのめしつぶもつっつくよ＃
うになりました。それどころか、自分から指さきやくちびる＃
へとびあがり、とびついて、じょうずにえさをとったり、「ピ＃
オ。」とよんでひざをたたくと、ひざの上にとび乘ったり、三ど＃
三どの食事に、テーブルの上でおしょうばんしたりしました。＃
＜Ｐ－００７＞
客がきているときなど、あまりテーブルの上でぎょうぎの＃
わるいまねをすると、＃
「これ。」＃
としかったり、それでもきかなければ、指で追ったりしまし＃
た。すると、だんだんあとずさりして、うしろに氣づかず、＃
テーブルのはしからころげ落ちたりしました。＃
朝の早いうちの小鳥の声は、ことに美しいものです。まる＃
で、一日の幸福を予言してくれるようです。思わずおきだし＃
て、＃
「ピオ、いい声だなあ、おまえは。」＃
とほめたり、なでてやったり、＃
＜Ｐ－００８＞
「どこの生まれだい。」＃
と、きいてみたりするのです。＃
「どこ。」というのは、同じ日本の中でも、土地土地でほおじ＃
ろの鳴きかたがちがうと、本でよんだためです。たとえば、＃
「いっぴつけいじょう」と歌ったり、「ツンツンつっころばし」と＃
さえずったり――＃
それは、鳴きかたのちがいではなく、ききかたのちがいだ＃
ろうと思う人もありましょうが、そればかりでなく、ほおじ＃
ろ自身、國々のなまりのようなことばをもっているのだそう＃
です。なんとりこうな、土地にかんけいのふかい鳥だろうと、＃
それを知ってから、よけいにピオがすきになりました。＃
＜Ｐ－００９＞
ピオのほうでも、その氣になったらしく、ときたまそとの＃
ろじへだしてやっても、すぐまいもどってきます。ろじどこ＃
ろか、庭の木にとまらせても長くはいません。私たちの家の＃
うち、中でも茶のまほど、すきな、安心なところはないとい＃
うように――庭さきにいるとき、とつぜん、上へ飛行機でも＃
とんでくると、そのあわてかたといったらありません。びっ＃
くりして茶のまへにげこみ、そこにすわっている私のひざの＃
あいだにもぐったり頭をつっこんだりします。＃
といえば、いかにもおくびょうもののようにも思えましょ＃
うが、どうして、一方では、とてもむてっぽうなきかんぼう＃
でした。たとえば、近所のねこやのらねこが通りかかっても、＃
＜Ｐ－０１０＞
にげるどころか、向かっていこうとさえするのです。うちの＃
中にいるかぎり、こわいもの知らずで、なにか氣にいらなかっ＃
たりおこったりすると、赤い口をあけて、私たちをおどした＃
りかんだりします。そのかっこうは、さるそっくりです。ま＃
た、どうかすると、歩いているとき、追いかけてきて、かか＃
とや足の指をつっついたりするのです。＃
ピオのゆうかんさや、りこうさや、ちゃめぶりや、おかし＃
さなどは、まだいくら書いても書ききれません。小さな家で、＃
小さなかっこうをしていながら、毎日なにかかわったことを＃
しでかしては、みんなをおどろかせたり感心させたりします。＃
ところが、ある土曜の午後、おなかをすかして学校から帰っ＃
＜Ｐ－０１１＞
てきたすえの女の子が、茶のまのドアをあけて、ひょいとふ＃
みこんだとたん、うちがわでむじゃきに遊んでいたピオを、＃
かた足でふんでしまったのです。＃
「あっ。」＃
と、女の子ばかりでなく、茶のまにいたうちじゅうのものが＃
びっくりして、いそいでピオをひろいあげました。すると、＃
あわれにも、くちばしから血をだして、目さえあけたりとじ＃
たりして、からだをふるわせてもう虫の息です。＃
「ピオや、ピオちゃん。」＃
みんなあわてて、口々によんで、元氣づけるやら、くすり＃
をのませるやら、あたためるやら――あらゆる手あてをつく＃
＜Ｐ－０１２＞
しましたが、それなり、まもなく息をひきとりました。＃
みんなないて――ことに、すえの女の子などは、目をなき＃
はらしましたが、もうどうすることもできませんから、つめ＃
たくなったからだをわたに＃
つつんで、小ばこにいれて、＃
庭さきの、いちばん美しい＃
花のさく、つばきの木の根＃
もとにうめてやりました。＃
そうして、「ピオのはか」と書＃
いた、小さなせきひを立ててやりました。＃
かわいいものをなくしたばかりでなく、私は、ピオの信頼＃
＜Ｐ－０１３＞
をうらぎったのが、かなしくてなりませんでした。ころした＃
のは、もちろんあやまちですが、でも、信用してくれていた＃
ものを、あやまちのためにあわれに死なせたというなさけな＃
さは、いいようのないものでした。＃
それから十年、いまも、私はピオのことがわすれられませ＃
ん。ことに、町はずれの野原を歩いたりいなかのしものふか＃
い朝の野にでたとき、「チロリン。」だの、「チイチイチン。」だの＃
と鳴いているほおじろの声をきくと、ピオのすがたがありあ＃
りとうかんできて、思わずなみだぐみます。＃
たかが一わの小鳥のことをと、わらわないでください。こ＃
の思いでは、おそらく一生なくならないでしょう。　　＃
＜Ｐ－０１４＞
二　　あぶらぜみ　　＃
（一）　　＃
夏の終りに、せどのあおぎりの木の皮に生みつけられた、＃
あぶらぜみのたまごがありました。＃
親ぜみが、あのほそくとがった口のさきで、かたい皮にあ＃
なをあけて、ていねいに生みつけておいてくれましたので、＃
寒い冬もぶじにこすことができました。＃
春がきても、たまごはそのままでした。暑い夏がやってく＃
ると、たまごは、はじめてかえりました。二ミリほどある、＃
白いうじのようなようちゅうが、はいだして、あおぎりのふ＃
＜Ｐ－０１５＞
といみきをつたって、地面に向かって、＃
すべったりころがったりしておりてい＃
きました。＃
地面におりた虫たちは、やがて、思＃
い思いにやわらかいところをさがして、＃
地の中にかくれてしまいました。＃
地の中はどこもまっくらです。せみ＃
の子どもたちは、自分の小さなまえ足＃
でトンネルをほりながら、さぐりさぐ＃
りもぐっていきます。そこは木の下で＃
すから、大小の木の根が、からみあい、＃
＜Ｐ－０１６＞
かさなりあってはえています。あおぎりの根ばかりではなく、＃
あたりの木の根ものびています。だから、虫たちが、いいか＃
げんにすすんでいっても、なにかの木の根にいきあたります。＃
しかし、虫たちは、においで知るのか、なんで知るのか、＃
手ごろな、皮のうすい、しるの多い木の根をさがしてあるき＃
ます。虫は、小さいけれど、親ぜみによくにて、ほそいとがっ＃
た口をもっています。その口のさきを根の中につきさして、＃
木のしるをすいはじめます。＃
これは、木からいうとめいわくしごくなことですが、せみ＃
の子からいえば、母親のちぶさにすがったようなもので、と＃
りついたがさいご、よういにそれからはなれません。＃
＜Ｐ－０１７＞
虫たちは、どうしてこんなことがで＃
きるのでしょう。それは、だれも教え＃
てくれたことではありません。人間の＃
あかんぼが、したのさきをじょうずに＃
つかってちちをのむのと同じように、＃
しぜんにそなわったかしこさで、これ＃
でじょうずに生きていくのです。＃
虫は、はじめは、白い、よわよわし＃
いうじのようなかたちをしていますが、＃
大きくなるにつれて、六本の足がだん＃
だん強くなり、ことにまえ足は、いつ＃
＜Ｐ－０１８＞
もトンネルをほるのにつかいますから、＃
たいへんかたく、じょうぶになります。＃
土の中は、たとえ一二センチ歩くに＃
も、トンネルをほっていかなくてはな＃
りません。それでたいそうほねがおれ＃
て、このうえなくふべんですが、その＃
かわり、親たちの大てきのすずめもね＃
こもやってこないから、安全です。＃
同じ地中に住むものでも、こがねむ＃
しや、かぶとむしの子どもたちは、つ＃
みごえやこえ土の中に生みつけられて、＃
＜Ｐ－０１９＞
わずか二三ヶ月で大きくなって、皮を＃
ぬぎかえて地の上へでていきます。＃
しかし、ほそいくだのさきから、木＃
の根のしるをわずかずつすっているせ＃
みの子たちは、たいへん生長がおそく＃
て、よういに大きくなりません。あぶ＃
らぜみでは、七年もかからないと、親＃
になることができないといいます。な＃
んという氣長なことでしょう。＃
せみの子たちは、はじめにはあさい＃
ところにいて、ほそい木の根のしるを＃
＜Ｐ－０２０＞
すっていますが、大きくなるにつれて、だんだん地のそこふ＃
かくもぐりこんでいきます。＃
七年の月日がたったころ、せみの子たちは、れいのふしぎ＃
なかしこさで、もう大きくなりきったことを知ります。そこ＃
で地表に近づいてきて、皮をぬぐ日をまつのです。＃
上からつたわってくるあたたかさと、かわきかたとで、い＃
まが夏だということや、よい天氣がつづいていることなどを＃
知ります。せみの子は、だいたんに、まっすぐなあなを地表＃
に向けてほっていき、あたりのくらくなりかけた夕ぐれをみ＃
はからって、思いきって土をかきわけて地上にはいだします。　　＃
＜Ｐ－０２１＞
（二）　　＃
あめ色をした六本足の虫が、こしを高くして、ひょっくり＃
ひょっくり歩いていくのは、ほんとうにおかしなものです。＃
皮がこわばっていて不自由だし、目もよくはみえないらしい＃
ので、ねこや、すずめにみつけられたらたいへんです。＃
地上には、一本のささだけがはえていました。せみは、さっ＃
そく、ぶさいくなかっこうをして、それにはいあがっていき＃
ました。地表から一メートルほどのぼったところに、小枝が＃
わかれていました。＃
虫は、それにとりつくと、まえ足のつめでかたくそれにし＃
＜Ｐ－０２２＞
がみついて、動かなくなってしまいました。＃
もうすっかりくらくなりました。あめ色のせなかに、たて＃
のすじがはいり、われめがで＃
きました。すると、中から、＃
みずみずしい、やわらかい、＃
せみのからだがはみだしてき＃
ました。せなかがでます。頭＃
がでます。羽がぶらりとさが＃
りました。足もでました。た＃
だ、腹の下のほうだけが皮に＃
かくれています。＃
＜Ｐ－０２３＞
虫はぐっとそり返るように＃
して、頭をうしろにさげまし＃
た。しばらくそのままのしせ＃
いで動きません。やがておき＃
なおったかと思うと、からだ＃
はすっかり皮からはなれてい＃
ました。＃
みるまに、羽はすらりとの＃
び、からだの色もこくなって＃
いきます。＃
虫は、すずしい夜風にあたるのが、うれしそうです。＃
＜Ｐ－０２４＞
朝日が山の上にのぼって、明かるい光がさっとさすころに＃
なると、せみの羽は、ぶるぶるとふるえて、色も、もようも、＃
はっきりとしてきます。黒いところは黒く、茶色のところは＃
茶色になって、いかにもあぶらぜみらしくなります。＃
しばらくすると、れいのあおぎりの木でも、ほかのあぶら＃
ぜみが「ジージー、ジージー。」と鳴きはじめました。このわか＃
いあぶらぜみは、きゅうに元氣になって、そろそろと歩きだ＃
しました。はばたきをして、すっととびたったかと思うと、＃
その鳴いているなかまのそばへ、とんでいってとまりました。＃
そこへなかまが集まってきて、にぎやかな音樂会のように＃
なりました。　　＃
＜Ｐ－０２５＞
やがて死ぬけしきはみえずせみの声　　＃
と、むかしの人がうたっていますが、そのとおり、死ぬこと＃
など考えられないほどにぎやかに鳴きたてたせみも、やがて、＃
秋になると、みんな死んでしまって、あたりもひっそりとし＃
ずかになります。＃
せみの死がいは、ありたちがよってたかってひいていきま＃
すが、あのぬけがらだけは、いつまでもささだけにかたくす＃
がりついています。　　＃
＜Ｐ－０２６＞
三　　天の川　　＃
（一）　　＃
たまでかざった、きれいな＃
四頭びきの馬車が走ってきま＃
す。中には天帝が乘っておい＃
でです。＃
馬車は、七色の大きなそり＃
橋を音もなく渡って、草花の＃
さきみちている野原へおりて＃
きました。＃
＜Ｐ－０２７＞
そこには、星のかんむりを＃
つけたむすめたちが、樂しげ＃
に歌ったり、花つみをしたり＃
して遊んでいました。天帝は、＃
あたりをみまわして、なにか＃
さがすようになさいました。＃
それは、天帝のひとりむすめ＃
のはたおりひめのすがたを、＃
もとめておいでになるのでし＃
た。けれども、みあたりませ＃
んでした。馬車はふたたび走＃
＜Ｐ－０２８＞
りだして、草原をよこぎっていってしまいました。＃
やがて、大きな天の川にさしかかりました。川の水は銀色＃
に光り、はくちょうがしずかにういていました。川岸にそっ＃
て車を走らせていくと、林の中にごてんがあって、中から、＃
はたをおる音がひびいてきます。天帝は、そっとごてんの中＃
へおはいりになりました。すると、さがしていたはたおりひ＃
めが、いっしんにはたをおっていました。そのおり物の美し＃
い光に、天帝もすっかりおみとれになりました。ひめは、な＃
にも知らずにおりつづけました。＃
「ほかのむすめたちは、野原で遊んでいるのに、うちのむす＃
めは、こうしてはたらきつづけているのは感心なことだ。＃
＜Ｐ－０２９＞
むすめのために、りっぱなむこをさがしてやろう。」＃
こうお考えになった天帝は、そのままそとへでて、また馬＃
車を走らせて、天の川の西の岸を通っていらっしゃいました。＃
すると、黒うしにまたがり、ふえをふいてくる、わかい男に＃
であいました。そのすがたといい、その目といい、ふえの音＃
といい、申しぶんのないけだかさがこもっています。＃
「あなたの名はなんといいますか。」＃
天帝は、その男にたずねました。＃
「私は、けんぎゅうというものです。」＃
「けんぎゅうというのですか。」＃
「はい。」＃
＜Ｐ－０３０＞
天帝は、ひとつこの男のう＃
でをためしてみようと考えて、＃
黒うしのしっぽのあたりを一＃
つきおつきになりました。黒＃
うしは、おどろいて、大あば＃
れにあばれだしました。けれ＃
ども、けんぎゅうはおちついて、ふえをふきつづけていまし＃
た。黒うしは、にわかにかけだし、天の川へ落ちこもうとし＃
ましたが、そのせつな、けんぎゅうは、うしの首をかるくポ＃
ンポンとたたきました。うしは、うまくふみとどまって、お＃
となしく草をたべはじめました。けんぎゅうは、やはりふえ＃
＜Ｐ－０３１＞
に心をうばわれていました。＃
天帝は、男らしいうでまえ＃
にうたれて、むすめのむこに＃
もらいました。＃
ところが、はたおりひめは、＃
あまりうれしいので、はたを＃
おることをわすれてしまいま＃
した。けんぎゅうも、はたけ＃
にでてはたらかなくなりまし＃
た。ふたりは、毎日野原で樂＃
しく遊びつづけました。＃
＜Ｐ－０３２＞
それをみた天帝は、たいへんおおこりになって、はたおり＃
ひめを天の川の東の岸のごてんにもどしてしまい、けんぎゅ＃
うを西の岸に帰しておしまいになりました。＃
はたおりひめは、毎日はたをおりながらなきました。＃
天帝は、このようすをごらんになって、＃
「では、七月七日の一日だけ、けんぎゅうとあうことをゆる＃
してやろう。」＃
とおっしゃいました。＃
一年の月日がたって、いよいよその日になると、けんぎゅ＃
うは、黒うしに乘って、ふえをふいてきました。＃
ふたりは、天の川で樂しくあうことができました。　　＃
＜Ｐ－０３３＞
（二）　　＃
天の川は、なん千なん万という星がかさなり＃
あって、あのように、ぼうっとした銀の川のよ＃
うな光をはなっているようにみえるのです。＃
この星は、一つ一つがはっきりとみえないの＃
ですから、ずいぶん、遠いことがそうぞうされます。＃
私たちの、ただ「遠い」という考えだけでは、この遠いきょり＃
は、おしはかることはできません。＃
ふだん、私たちは、メートルという單位を用いてきょりを＃
計りますが、星のきょりになりますと、これでは、もうまに＃
＜Ｐ－０３４＞
あいません。そこで、もっと大きな單位をもとにして計りま＃
す。＃
それは、「光年」という單位です。一光年は、光が出発してか＃
ら、一年かかってとどくきょりをさしていいます。光の速度＃
は、一秒間に地球を七まわり半します。この早さで計算しま＃
すと、太陽から発した光が、地球にとどくまでには、やく八＃
分二十秒ばかりかかることになります。＃
ところが、光のとどく時間ではかると、あの星と地球との＃
きょりは、二十分や三十分ではありません。五日や二十日で＃
もありません。五ヶ月や八ヶ月でもありません。「光年」を單位と＃
して計算しなければならないほど、遠いきょりであります。＃
＜Ｐ－０３５＞
さて、空の星は、地球からどのくらいのきょりにあるので＃
しょう。＃
二十光年の星もあり、三十光年の星もありま＃
す。あのたなばたものがたりのはたおり星は、＃
二九・五光年ですから、今夜のはたおり星の光＃
は、やく三十年ほどまえに発した光だというわ＃
けになります。＃
このほか、五十光年のところに光っている星があります。＃
百光年の星もあり、一千光年の星のむれもあり、一万光年の＃
星もあります。それどころか、十万光年の星もちらばってい＃
ます。＃
＜Ｐ－０３６＞
夜になって天の川をみると、なんともいえない大きなふか＃
い感じにうたれます。＃
しかも、この大きなうちゅうは、だいたいきそく正しく運＃
行しているということです。＃
このきそく正しいちつじょは、いったいどうしてたもたれ＃
ているのでしょう。　　＃
＜Ｐ－０３７＞
四　　幸福　　＃
こがねひめ　　＃
あるところに、金持の王さまがいらっしゃいました。かわ＃
いいひとりの王女もあって、なにひとつ不足なことはありま＃
せんでしたが、もっとたくさんこがねを集めようと願ってお＃
いでになりました。＃
王女がこがね色のたんぽぽをつんでくると、王さまは、＃
「この花が、みたとおりのこがねならば、わしもつむのだが。」＃
とおっしゃいました。＃
＜Ｐ－０３８＞
ある日、王さまは、宝ぐらの中で、宝物をかぞえておいで＃
になると、み知らぬ人がはいってきました。＃
「王さま、あなたはお金持です＃
ね。」＃
と、そのみ知らぬ人がいいまし＃
た。＃
「すこしはある。けれども、ま＃
だじゅうぶんではない。」＃
と、お答えになりました。＃
「まだ満足ではないというので＃
すか。」＃
＜Ｐ－０３９＞
「そのとおり。」＃
「どうすれば満足なさるのですか。」＃
「わたしの手にさわったものが、みんなこがねになったら。」＃
「そうですか。たしかにそうですか。」＃
「自分は、それ以上の幸福は願わない。」＃
「では、その願いどおりにしてあげましょう。」＃
「ほんとうか。」＃
「あすの朝から、たしかにそのようになるでしょう。」＃
み知らぬ人は、そのままどこかへいってしまいました。＃
あくる朝になりました。王さまは、大喜びでねどこからと＃
びおきて、まず、いすにおさわりになりました。いすはたち＃
＜Ｐ－０４０＞
まちこがねにかわりました。＃
王さまは、ねどこにおさわりになりました。それもこがね＃
になりました。着物を着ようとなさいました。着物もこがね＃
になりました。＃
王さまは、庭へおでになりました。＃
「さあ、わたしは、世界じゅうでいちばん美しい庭をもつこ＃
とができる。」＃
こんなひとりごとをおっしゃって、そこらの木の葉や花に＃
みんな手をおふれになりました。庭の草木は、みているうち＃
に、ぴかぴかと光ったこがねになっていきました。＃
王さまは、朝ごはんをめしあがろうとなさいました。まず＃
＜Ｐ－０４１＞
コーヒーをおのみになろうとすると、コーヒーはこがねにか＃
わりました。さかなをめしあがろうとなさると、これもこが＃
ねのさかなになりました。たま＃
ごをおとりになりました。これ＃
もこがねのたまごになりました。＃
そのとき、王女がはいってき＃
ました。＃
「おとうさま、おはようござい＃
ます。」＃
こういって、王さまにだきつ＃
きました。＃
＜Ｐ－０４２＞
「おお、かわいいひめや。」＃
とおっしゃいましたが、王女はなんの返事もしません。王女＃
は、かたいこがねになっていたのです。＃
王さまは、おかなしみになりました。王女は、王さまにとっ＃
ては、世界じゅうのこがねよりもたいせつであったからです。＃
「困ったことになってしまった。もし、ひめが生き返るなら、＃
わしはもうこがねなどはいらない。」＃
そうおっしゃって、おくやみになっていらっしゃると、き＃
のうの、み知らぬ人があらわれました。＃
「王さま、満足なさいましたか。」＃
「いや、いや、わたしは、こんなかなしいことはありません。」＃
＜Ｐ－０４３＞
「あなたは、こがねと一ぱいの水と、どちらをえらびますか。」＃
「一ぱいの水です。」＃
「こがねと一きれのパンとでは。」＃
「一きれのパンです。」＃
「こがねと王女は。」＃
「ああ、かわいいひめです。」＃
「では、庭のいけの水をすくって、こがねになったものにふ＃
りかけなさい。きっともとどおりになるでしょう。」＃
王さまは、いそいで庭のいけの水をすくって、王女のから＃
だにおふりかけになりました。＃
「おとうさま。」＃
＜Ｐ－０４４＞
王女は、こういって、王さまにすがりつきました。　　＃
一まいのシャツ　　＃
あるところに、ひとりの王さ＃
まがいらっしゃいました。＃
王さまは、ご病氣をなさって＃
長いことお苦しみになりました＃
が、いくら手をつくしても、よ＃
くおなりになりません。＃
王さまは、＃
「わたしの病氣をなおしてくれ＃
＜Ｐ－０４５＞
たものには、國の半分をわけてやる。」＃
というおふれを、おだしになりました。＃
これをきいて、ちえのある人たちは、みんなより集まって、＃
どうしたら王さまのご病氣をなおすことができるかと、相談＃
をはじめました。けれども、これという考えはでませんでした。＃
そこへ、王さまの病氣をなおすというものがでてきました。＃
その人は、こういいました。＃
「ほんとうに幸福な人をみつけて、その人の着ているシャツ＃
を王さまにお着せするのです。そうすればすぐおなおりに＃
なります。」＃
これをきいて、王さまはたいへんお喜びになりました。さっ＃
＜Ｐ－０４６＞
そくけらいたちを集めて、＃
「そのほんとうに幸福なものをさがしてきてほしい。そうし＃
て、そのシャツをもらってくるように。」＃
と、おいいつけになりました。＃
けらいたちは、あちこちとさがしまわりましたが、ほんと＃
うに幸福な人は、やすやすとみつかるものではありません。＃
金持だと思うとからだがよわかったり、からだがじょうぶ＃
だとちえがたりなかったり、金もあり、からだもりっぱで、＃
なんの不自由もなくくらしているかと思うと、友だちがいな＃
かったりしました。＃
けらいたちは、足をぼうにしてさがしまわりましたが、や＃
＜Ｐ－０４７＞
はりみあたりませんでした。＃
王子も、なんとかして父の病氣をなおしたいと考えて、幸＃
福な人をさがしにでかけました。＃
どんどん歩いていくと、さびしい村にさしかかりました。＃
日がくれましたが、王子は、もうしばらくさがそうと、歩い＃
ていきました。＃
ところが、そまつな一けんの小屋がありました。その小屋＃
のそばを通りかかったときでした。中から人の声がきこえて＃
きます。＃
王子はふと立ちどまって、その声に耳をかたむけました。＃
「ああ、せいいっぱいはたらいて、晩ごはんもいただいた。＃
＜Ｐ－０４８＞
あとはぐっすりねるばかりだ。ありがたい、ありがたい。＃
世の中にわしより幸福なものはあるまい。ほんとうにわし＃
は幸福ものだ。」＃
王子は手をうって、＃
「この人こそ、さがしもとめて＃
いた人だ。」＃
と喜んで、つかつかと小屋の中＃
へはいっていきました。＃
中には、うすぐらいひが一つ＃
ともっているだけでした。＃
ひとりの男が、いまにもごろ＃
＜Ｐ－０４９＞
りと横になろうとしているところでした。王子は、いままで＃
のわけをこの男に話しました。＃
すると、その男は、＃
「王さまに、さしあげたいことはやまやまですが、わたしに＃
は、あいにく、一まいのシャツの持ちあわせもございません。」＃
と答えました。　　＃
幸福　　＃
「幸福」が、いろいろな家へたずねていきました。＃
だれでも幸福のほしくない人はありませんから、どこの家＃
をたずねても、みんな喜んでむかえてくれるにちがいありま＃
＜Ｐ－０５０＞
せん。＃
けれども、それでは人の心がよくわかりません。そこで、＃
「幸福」は、まずしいこじきのようななりをしました。だれかが＃
きいたら、自分は「幸福」だといわずに、「びんぼう」だというつも＃
りでした。＃
そんなまずしいなりをしていても、それでも、自分をよく＃
むかえてくれる人があったら、その人のところへ幸福をわけ＃
ておいてくるつもりでした。＃
この「幸福」が、いろいろな家をたずねていきますと、いぬの＃
かってある家がありました。その家のまえにいって、「幸福」が＃
立ちました。＃
＜Ｐ－０５１＞
そこの家の人は、「幸福」がきたとは知りませんから、まずし＃
いこじきのようなものが家のまえにいるのをみて、＃
「おまえさんはだれですか。」＃
とたずねました。＃
「わたしは、『びんぼう』でございます。」＃
「ああ、『びんぼう』か、『びんぼう』はうちじゃおことわりだ。」＃
と、そこの家の人は、戸をピシャンとしめてしまいました。＃
おまけに、そこの家にかってあるいぬが、おそろしい声で追＃
いたてるように鳴きました。＃
「幸福」は、さっそくごめんをこうむりました。＃
こんどは、にわとりのいる家のまえへいって立ちました。＃
＜Ｐ－０５２＞
そこの家の人も、「幸福」がきたとは知らなかったとみえて、＃
いやなものでも家のまえに立ったように顏をしかめて、＃
「おまえさんはだれですか。」＃
とたずねました。＃
「わたしは、『びんぼう』でござい＃
ます。」＃
「ああ、『びんぼう』か、『びんぼう』＃
はうちじゃたくさんだ。」＃
と、そこの家の人はふかいため＃
息をつきました。＃
それから、かってあるにわと＃
＜Ｐ－０５３＞
りに氣をつけました。まずしいこじきのようなものがきて、＃
にわとりをぬすんでいきはしないかと思ったのでしょう。＃
「コッ、コッ、コッ。」＃
と、そこの家のにわとりは、用心ぶかい声をだして鳴きまし＃
た。＃
「幸福」はまた、そこの家でもごめんをこうむりました。＃
こんどは、うさぎのかってある家のまえへいって立ちました。＃
「おまえさんはだれですか。」＃
「わたしは、『びんぼう』でございます。」＃
「ああ、『びんぼう』か。」＃
といいましたが、そこの家の人がでてみると、まずしいこじ＃
＜Ｐ－０５４＞
きのようなものが、おもてに立っ＃
ていました。そこの家の人も「幸＃
福」がきたとは知らないようでし＃
たが、なさけのある人とみえて、＃
台所の方からおむすびを一つに＃
ぎってきて、＃
「さあ、これをおあがり。」＃
といってくれました。黄色なた＃
くあんまで、そのおむすびにそ＃
えてくれました。＃
「グウ、グウ、グウ、グウ。」＃
＜Ｐ－０５５＞
と、うさぎは、高いびきをかいて、さも樂しそうに晝ねをし＃
ていました。＃
「幸福」には、そこの家の人の心がよくわかりました。おむす＃
び一つ、たくあん一きれにも、人の心のおくは知れるもので＃
す。＃
それをうれしく思って、その家へ、幸福をわけておいてい＃
きました。　　＃
＜Ｐ－０５６＞
五　　みはらし台　　＃
朝早くはまにでてみると、目のとどくかぎり、＃
美しい砂地がみわたされた。＃
ぼくは、砂地の上にまっすぐな足あとをつけてみようと思っ＃
て歩きだした。すこし歩いてからふり返ってみると、足あと＃
が曲がっている。＃
そこで、向こうにみえるまつの木を目あてにして歩きだし＃
た。まえのよりはまっすぐだが、波うちぎわのかもめが目に＃
ついて、それに氣をとられて、わきみをしたあたりが横にそ＃
れている。＃
＜Ｐ－０５７＞
こんどは三どめだ。しっかり目あてをみさだめて歩いてみ＃
よう。＃
五百メートルほどさきに、ひきあげてある小船がある。よ＃
し、あれを目じるしにしてやってみよう。小船にいきついて、＃
それにもたれて、いま歩いてきた足あとをみると、みちがえ＃
るように、まっすぐな、しっかりした足あとがついている。＃
ぼくはうちへ帰って、おじいさんにその話をしたら、おじ＃
いさんは、＃
「それはおもしろい。勉強もそのとおりだ。」＃
とおっしゃった。＃
＜Ｐ－０５８＞
ある日、ぼくは遠足でみはらし台へいった。山のおねを曲＃
がるたびに、美しい大きなけしきが目のまえにひらけてくる。＃
いままでのぼってきた方をふり返ってみると、足もとの森や＃
林の中に、みえがくれにお寺の屋根や停車場が目についた。＃
すると、おもちゃのように小さな汽車が、けむりをはいて走っ＃
てくる。みんな手をあげて、「わあっ。」と、汽車によびかけた。＃
先生は、＃
「さあ、もう一曲がりだ。みんなその元氣でのぼろう。」＃
とおっしゃって、さきに立ってお歩きになった。＃
みはらし台に立ってみると、目のまえに高い山々がそびえ＃
て、ずっとつづいている。下をみると、大きな川が遠くへ流＃
＜Ｐ－０５９＞
れている。＃
ぼくは、みはらし台にすえつけてある望遠鏡をのぞいてみ＃
た。すると、向こうの山の谷まにのこっている雪が目につい＃
た。＃
あの山にのぼったら、もっと大きなけしきがみえるだろう。＃
山の上には、青い空がすきとおるようにすんでいる。＃
飛行機の上からは、もっともっと大きなけしきがみえるだ＃
ろうと思った。＃
そのことを先生に話してみたら、先生は、＃
「そうだ。高いところにのぼるほど、大きな世界がみえる。」＃
とおっしゃった。　　＃
＜Ｐ－０６０＞
六　　みにくいあひるの子　　＃
（一）　　＃
いなかは、いいお天氣であった。麦ばたけは黄色く、から＃
すむぎはみどりであった。野原にはかれ草がつみあげられ、＃
こうのとりは、長い赤い足をして歩きまわっていた。＃
田や野原のまわりには、大きな森があり、森の中には深い＃
みずうみがあった。＃
みずうみの岸の、ごぼうのはえているところに、一わのあ＃
ひるがすわっていた。それは、たまごをかえしているのであっ＃
た。けれども、親あひるは、ひながでてくるまえに、もう＃
＜Ｐ－０６１＞
つかれきっていた。それに、たずねてくれるものも少ないし、＃
ほかのあひるどもは、みずうみでおよぎまわるほうがすきで＃
あったからである。＃
とうとう、一つ一つたまごがわれた。「ピイヨ、ピイヨ。」と、＃
どのたまごからも小さなひなの首がでた。「ガア、ガア。」と親＃
あひるがいうと、ひなたちはすぐとびだしてきた。そうして、＃
みどりの葉の下で、あたりをみまわした。＃
みどりは目のためにいいから、親あひるはみたいだけみさ＃
せてやった。＃
「世界は廣いものだなあ。」＃
と、ひなたちはいった。＃
＜Ｐ－０６２＞
「これが世界だと思っているのかい。世界は庭の向こうがわ＃
まで廣がっているのだよ。さあ、みんなそろったろうね。」＃
といいながら、親あひるは立ちあがった。＃
「いや、みんなではない。いちばん大きなたまごがまだのこっ＃
ている。いつまでかかるのだろう。わたしは、もうほんと＃
うにくたびれた。」＃
と、ひとりごとをいって、こしをおろした。＃
「どうだね、どんなふうだね。」＃
と、たずねてきた年よりのあひるがいった。＃
「一つのたまごに長くかかるのですよ。なかなかわれないの＃
でね。」＃
＜Ｐ－０６３＞
「われないというたまごは＃
どれかね。」＃
と、年よりのお客さんがいっ＃
た。＃
「きっとしちめんちょうの＃
たまごだよ。わたしも、＃
一どそれでだまされたこ＃
とがあってね、そのひな＃
には苦労したよ。なにし＃
ろ、水をこわがるのだか＃
ら、どんなにしても思い＃
＜Ｐ－０６４＞
きってはいるようにしてやることができなかった。わたし＃
は、『クヮッ、クヮッ。』とないたり、『コッ、コッ。』といった＃
りして教えたのだが、だめだった。どれ、たまごをみせて＃
ごらん。ははあ、そうだ、そんなものはほっておいて、ほ＃
かの子どもに、およぐことを教えてやるがいいよ。」＃
「でも、もうすこしだいてみましょう。いままでだいていた＃
のだし、あと四五日はすわることもできますから。」＃
「それでは、ごかってに。」＃
年よりのあひるは、そういって、どこかへいってしまった。＃
それから二三日して、とうとうその大きなたまごがわれた。＃
「ピイヨ。ピイヨ。」＃
＜Ｐ－０６５＞
と、ひなは鳴いて、はってでた。それは、ひどく大きなから＃
だで、たいへんみにくいものであった。＃
親あひるは、じっとその子をながめた。＃
「これはまた、ひどく大きなひなだ。ほかのものは、一わだっ＃
てこんなすがたをしていない。ほんとうにしちめんちょう＃
のひなかしら。なにしろ、水にいれてやらなければなるま＃
い。」＃
あくる日はいいお天氣で、太陽は、ごぼうの上をてらして＃
いた。親あひるは、そのひなをみんなつれて、水のところへ＃
おりていった。さっと水の中へとびこんだ。＃
「クヮッ、クヮッ。」というと、ひなたちも一わずつとびこんだ。＃
＜Ｐ－０６６＞
水はひなたちの頭の上を流＃
れたが、すぐにうかびあがっ＃
てきて、うまくおよいだ。＃
みにくいあひるの子も、＃
いっしょになっておよいだ。＃
「いや、しちめんちょうで＃
はない。」＃
と、親あひるはいった。＃
「あのうまく足をつかうよ＃
うすや、あのしせいのい＃
いのをみてもわかる。こ＃
＜Ｐ－０６７＞
れはわたしの子だ。よくみればきれいな子なのだ。『クヮッ、＃
クヮッ。』わたしについておいで、大きな世界の鳥小屋へつ＃
れていってあげるからね。だが、わたしのそばにくっつい＃
てね。人にふまれないように、それからねこに氣をつけて＃
ね。」＃
そこで、みんなは鳥小屋にでかけた。そこには、二つの鳥＃
の家族が、一つのうなぎの頭のことであらそっていた。そう＃
して、親あひるにつれられたひなたちが通っていくと、一わ＃
の鳥が、＃
「あれをみるがいい。あそこにいるあひるの子をさ。なんと＃
いうかっこうだろう。」＃
＜Ｐ－０６８＞
というと、もう一わの鳥がとんできて、そのみにくいあひる＃
の子の首すじにかみついた。＃
「ほっておいてください。だれにもわるいことをしないので＃
すから。」＃
と、親あひるがいった。＃
「あんまり大きすぎてみっともないから、かみつきたくなる＃
んだよ。」＃
年よりのあひるは、＃
「あの一わをのけたほかは、みんないい子だ。あれだけはし＃
くじったね。」＃
といった。すると親あひるは、＃
＜Ｐ－０６９＞
「あれは美しくはありませ＃
んが、たちはほんとうに＃
いいんです。それに、ほ＃
かのものと同じようにお＃
よぐし、いや、ほかのも＃
のよりうまくおよぐといっ＃
てもいい。大きくなれば＃
美しくもなるでしょう。＃
たまごの中にあんまり長＃
くいたので、あんなふう＃
になっただけですよ。」＃
＜Ｐ－０７０＞
といってかばった。＃
みにくいあひるの子は、あひるのなかまからわる口をいわ＃
れるばかりでなく、にわとりからもぶたれたり、つっつかれ＃
たりした。しちめんちょうは、風を受けた船のほのようにか＃
らだをふくらませて向かってきた。「ガア、ガア。」といって、＃
顏をまっかにしてやってきた。＃
あわれなあひるの子は、立っていたほうがいいか、歩いて＃
いたほうがいいかさえも、わからなかった。すがたがみっと＃
もないばかりに、みんなからしかりとばされるので、しみじ＃
みとなさけなく思った。　　＃
＜Ｐ－０７１＞
（二）　　＃
それからのちは、わるくなるばかりであった。おしまいに＃
は、自分の兄や姉からまで、＃
「おまえなんかは、ねこにくわれてしまえばいい。」＃
といわれた。親あひるですら、＃
「遠いところにいてくれさえすればいい。」＃
といった。あひるにはかみつかれ、にわとりにはこずきまわ＃
され、えさをくれるむすめには足でけとばされた。＃
そこで、みにくいあひるの子は、かきねをとびこえてにげ＃
だした。すると、草むらにいた小鳥がおそれてとびたった。＃
「これも自分がみにくいばかりに――」＃
＜Ｐ－０７２＞
と、あひるの子は思った。そうして、目をふさいだが、また＃
さきへとんでいった。＃
こうして、大きなぬまのあるところへやってきた。そこに＃
はかもが住んでいた。あひるの子は、ここで一晩横になった。＃
つかれて、氣がしずんでいた。＃
朝がた、かもがとびおきた。そうして、新しいなかまをみた。＃
「おまえさん、おまえさんはずいぶんみにくいね。」＃
と、かもがいった。＃
あひるの子は、このあしの中で、横になって休みたいと思っ＃
た。また、ぬまの水をのませてもらいたいとも思ったが、そ＃
れもゆるしてもらえそうもなかった。＃
＜Ｐ－０７３＞
それから二日間、ここにそっとかくれていた。すると、そ＃
こへ二わのがんがやってきた。どちらもたまごからはいだし＃
てまもないものであった。＃
「おい、きみ。」＃
と、その一わがいった。＃
「きみはじつにみにくいから、氣にいったよ。どうだ、われ＃
われといっしょにでかけて、渡り鳥になる考えはないかね。＃
きみはみっともないから、いいしあわせにあうかもしれな＃
いよ。」＃
このときである。「ポン、ポン。」と、空で鳴った。そうして＃
二わのがんは、ぬまの中に死んで落ちた。「ポン、ポン。」と、＃
＜Ｐ－０７４＞
また鳴った。がんのむれが、そろってあしのあいだからとび＃
たった。また音がひびいた。ものすごい鳥うちがはじまった＃
のである。＃
かりうどは、ぬまのまわりにまちぶせをしていた。あしの＃
上に廣がっている木の枝にものぼっていた。青いけむりが、＃
くらい木のあいだから雲のようにたちのぼった。＃
かりいぬが、ピシャ、ピシャとぬま地へはいってきた。＃
あわれなあひるの子はきもをつぶした。頭をねじ曲げてつ＃
ばさの中にいれた。ところが、ちょうどそのとき、おそろし＃
い大きないぬがそのすぐそばに立っていた。したは口からた＃
れて、目はみにくく光っていた。はなをあひるの子のそばに＃
＜Ｐ－０７５＞
つきつけて歯をむいた。そ＃
れからピシャ、ピシャと、＃
どこかへいってしまった。＃
「ああ、ありがたい。」＃
あひるの子は、ため息を＃
ついた。＃
「自分がみにくいので、い＃
ぬもかみつこうとしない。」＃
しばらく、じっとしずか＃
にしていた。そのあいだも、＃
たまの音はあしのあいだに＃
＜Ｐ－０７６＞
鳴りひびき、てっぽうはひきつづいて火ぶたをきった。＃
しばらくして、やっとひっそりした。しかし、かわいそう＃
にあひるの子は、おきあがる氣にもなれなかった。なん時間＃
もたってから、ようやくあたりをみまわし、それから、でき＃
るだけ早くぬま地をにげていった。田や野原をこえて、どん＃
どん走っていった。　　＃
（三）　　＃
くれがたになって、あひるの子は、ある小さなひゃくしょ＃
うの小屋へやってきた。小屋はひどくあれていて、どっちに＃
たおれるかわからなかった。風がひどいので、あひるの子は＃
＜Ｐ－０７７＞
立つこともできず、すわりこ＃
んでしまわなければならなかっ＃
た。あらしはますますはげし＃
くなってきた。あひるの子は、＃
小屋の入口の戸がすこしあい＃
ているのをみつけたので、そ＃
こから中へはいっていった。＃
中には、おばあさんが、ね＃
ことにわとりといっしょに住＃
んでいた。ねこは、せなかをまるくしたり、のどを鳴らした＃
り、火花をだすことさえできた。にわとりは、足はみじかい＃
＜Ｐ－０７８＞
が、いいたまごを生んだ。＃
おばあさんは、それを自分＃
の子のようにかわいがった。＃
朝になって、よそからき＃
たあひるの子は、すぐにみ＃
つけられた。ねこはのどを＃
鳴らし、にわとりは「コッ、＃
コッ。」とさわいだ。＃
「これは、たいしたもうけ＃
ものだよ。これからはあ＃
ひるのたまごもたべられ＃
＜Ｐ－０７９＞
る。おすでなければいいが、まあ、かっておいてみよう。」＃
と、おばあさんがいった。＃
そこで、あひるの子は、三週間ばかりためしにおいてもらっ＃
た。しかし、たまごは生まなかった。そればかりでなく、ね＃
こやにわとりとはまったくちがった考えをもっていた。＃
にわとりは、＃
「おまえさんは、たまごを生むことができるかい。」＃
と、あひるの子にたずねる。＃
「いいえ。」＃
「じゃあ、お願いだから口をださないでほしいね。」＃
すると、ねこがいう。＃
＜Ｐ－０８０＞
「おまえさん、せなかをまるくしたり、のどを鳴らしたり、＃
火花をだしたりすることができるかい。」＃
「いいえ。」＃
「それなら、かしこいものたちがものをいっているときに、＃
自分の考えなどはいえないのだよ。」＃
それで、あひるの子は、すみっこにすわってばかりいた。＃
そこへ、さわやかな空氣と日の光が流れてきた。あひるの子＃
は、きゅうにおよぎたくなったので、にわとりに思わずその＃
話をした。＃
「おまえさん、なにを考えているの。」＃
と、にわとりがさけんだ。＃
＜Ｐ－０８１＞
「おまえさんは、することがないから、そんなことを考える＃
のだよ。のどを鳴らすか、たまごを生みなさい。そうすれ＃
ば、そんなことは考えなくなってしまうよ。」＃
「でも、水の上をおよぐのは、いい氣持ですからね。それに、＃
水の中へもぐってそこへいくと、それはさっぱりしますよ。」＃
「おまえさん、氣がくるったのだよ。ねこにきいてごらん。＃
水の上をおよいだり、もぐったりするのがいい氣持かどう＃
か。それから、うちのおばあさんにきいてごらん。世界じゅ＃
うで、あの人ほどりこうな人はありはしないから。」＃
「あなたは、私のいっていることがおわかりにならないので＃
す。」＃
＜Ｐ－０８２＞
「おまえさんのいうことがわからないって。じゃあ、だれに＃
わかるのかね。わたしのことはいわないとしても、おまえ＃
さん、ねこやおばあさんよりかしこいとは思っていないだ＃
ろうね。うぬぼれてはいけないよ。人がしんせつにしてあ＃
げるときは、喜ぶものですよ。あたたかなへやにはいって＃
さ、ものごとを教えてもらえる人たちのなかまいりをした＃
んだもの。それなのに、おまえさんは口かずが多すぎる。＃
だから、おまえさんとおつきあいするのがいやなのさ。ほ＃
んとうですよ。おまえさんのためを思っているのですよ。＃
いやなことをいうようだが、それは、いい友だちはみんな＃
そうしたものだよ。まあ、たまごを生むか、のどを鳴らし＃
＜Ｐ－０８３＞
たり、火花をだすことを、せいだして勉強するのだね。」＃
「私は、廣い世界へでたいと思っているのです。」＃
「どうぞ、かってにおいでよ。」＃
そこで、あひるの子はでかけていった。そうして、およい＃
だりもぐったりした。けれども、すがたがみっともないので、＃
いろいろな動物たちからのけものあつかいにされた。　　＃
（四）　　＃
秋がきた。森の木の葉がこがね色や茶色になった。雲は、＃
あられや雪で重くなってひくくたれていた。＃
ある夕ぐれ、太陽が美しくしずむときであった。草むらか＃
＜Ｐ－０８４＞
ら、大きなりっぱな鳥の一むれがやってきた。まぶしいほど＃
白い鳥で、長くてよく曲がる首をもっていた。それははくちょ＃
うであった。はくちょうはみごとな羽を廣げ、この寒い國か＃
らあたたかい國、廣いみずうみへと、とんでいった。高く高＃
くのぼっていった。あひるの子は、それをみて、ふしぎな氣＃
持になった。あひるの子は、水の上を車のようにくるくるま＃
わり、その首をはくちょうの方へさしのべ、自分でもおどろ＃
くほどへんな大きな声をだした。あひるの子は、あの美しい、＃
しあわせなはくちょうをわすれることはできなかった。そう＃
して、はくちょうたちがみえなくなると、すぐ水のどんぞこ＃
までもぐっていった。＃
＜Ｐ－０８５＞
あひるの子は、あの鳥の名も、どこへとんでいったのかと＃
いうことも知らなかった。しかし、いままでにだれをなつか＃
しく思ったよりも、あの鳥をなつかしく思った。それは、う＃
らやましく思ったのではない。どうして、あの鳥のもってい＃
るような美しさをもったらなどと望むことができよう。＃
そのうちに寒い冬がきた。あひるの子は、水のおもてがすっ＃
かりこおってしまわないように、水の中をおよぎまわらなけ＃
ればならなかった。しかし、一晩ごとに、そのおよぎまわる＃
あながだんだん小さくなっていった。あひるの子は、あなが＃
こおってしまわないように、いつも足をつかっていなければ＃
ならなかった。とうとうつかれはてて、こおりの中にとじこ＃
＜Ｐ－０８６＞
められたまま、身動きもせずたおれてしまった。＃
あくる朝早く、ひとりの農夫が通りかかった。あひるの子＃
をみつけて、木ぐつでこおりをくだき、うちへつれて帰った。＃
すると、あひるの子は生き返った。子どもたちはいっしょに＃
遊ぼうとしたが、あひるの子はまたいじめられるかと思って、＃
おそろしさのあまり、牛乳なべの中へとびこんだ。たちまち、＃
牛乳がへやの中に流れたので、おかみさんは手をたたいてお＃
こった。そこで、あひるの子は、バターのいれてあるたるの＃
中へとびおり、こんどはまたこなおけにはいってしまった。＃
おかみさんは声をはりあげ、火ばしであひるの子をうった。＃
子どもたちは、あひるの子をつかまえようとして、ころげま＃
＜Ｐ－０８７＞
わって、わらったりさけん＃
だりした。おりよく戸があ＃
いていたので、あひるの子＃
は、雪の中の草むらへはい＃
りこんだ。＃
そこで、つかれきって横＃
になっていた。＃
あひるの子が、きびしい＃
冬のあいだ、どんなに苦し＃
んだか、ここで話すにはあ＃
まりにもかわいそうである。＃
＜Ｐ－０８８＞
太陽がてりはじめ、ひばりが歌いだしたとき、あひるの子＃
は、ぬまの草むらの中で横になっていた。美しい春であった。＃
すると、とつぜん、あひるの子は、つばさをばたつかせる＃
ことができた。まえより強く空氣をうち、とぶことができた。＃
どうしてこんなになったのかわからないうちに、大きな庭の＃
中にきていた。そこには、たくさんの木がかんばしくにおい、＃
その長いみどりの枝は、流れる水の上にのびていた。ここは、＃
ほんとうにきれいで、春の喜びがみちあふれていた。＃
ところが、木のしげみから、二三ばの美しいはくちょうが＃
あらわれてきた。はくちょうは、つばさをサラサラと鳴らし、＃
かるく水の上をおよいでいた。あひるの子は、そのみごとな＃
＜Ｐ－０８９＞
鳥を知っていた。そうして、なんだかかなしい思いがこみあ＃
げてきた。＃
「私は、あのけだかい鳥のところへとんでいこう。私のよう＃
なみっともないものが、おくめんもなく近づいていくのだ＃
から、ころされるかもしれない。しかし、かまわない。な＃
かまに追いかけられたり、にわとりにぶたれたり、女の子＃
につきのけられたり、冬じゅうひもじい思いをしたりする＃
よりは、あの鳥にころされたほうがましだ。」＃
そういって、水の中にとびこみ、はくちょうのほうへおよ＃
いでいった。＃
はくちょうはあひるの子をみた。そうして、羽をひろげて＃
＜Ｐ－０９０＞
ゆったりと近づいてきた。＃
「――」＃
かわいそうにあひるの子＃
は、ころされるものと思い＃
ながら、水の上に頭をたれ＃
た。そのとたん、すみきっ＃
た水の上に自分のすがたの＃
うつっているのをみた。そ＃
れは、ぶかっこうなみっと＃
もないあひるの子ではなかっ＃
た。はくちょうであった。＃
＜Ｐ－０９１＞
生まれがはくちょうのたまごであってみれば、あひるの小＃
屋に生まれてもさしつかえはない。はくちょうは、その受け＃
てきたまずしさとふしあわせとをかえって喜んだ。いまは、＃
その身をとりまくりっぱなものの中に、しみじみと幸福をさ＃
とったのである。＃
大きなはくちょうたちは、そばへおよいできて、くちばし＃
でかるくなでてくれた。＃
小さな子どもがきて、水にパンや麦をなげてくれた。いち＃
ばん小さな子どもが、＃
「あすこに新しいのがいるよ。」＃
とさけんだ。すると、ほかの子どもたちも、＃
＜Ｐ－０９２＞
「そうだ。新しいのがきた、きた。」＃
と喜んだ。子どもたちは、手を＃
たたいておどりまわった。おか＃
あさんのところへ走っていって、＃
もらってきたパンやおかしをな＃
げてよこした。みんなは、＃
「新しいのが、いちばんきれい＃
だ。」＃
というと、年をとったはくちょ＃
うが、新しいはくちょうのまえ＃
にきて頭をさげた。新しいはくちょうは、すっかりはにかん＃
＜Ｐ－０９３＞
でしまった。どうしていいのかわからないので、つばさの中＃
に頭をかくした。ほんとうに幸福であったが、すこしもいば＃
らなかった。そのむかし、いじめられたり、あざけられたり＃
したときのことを考えた。それが、いまでは、すべての鳥の＃
中で、いちばん美しいといわれる身のうえになったのである。＃
にわとこの木でさえ、新しいはくちょうのまえに枝をたれた。＃
太陽はあたたかく、おだやかにてらした。すると、つばさが＃
サラサラと音をたてた。わかいはくちょうは、そのほそ長い＃
首をあげて、心のそこから喜ばしそうにさけんだ。＃
「私がまだみにくいあひるの子であったとき、こんな幸福が＃
あろうなどとは、ゆめにも思わなかった。」　　＃
＜Ｐ－０９４＞
七　　いねを育てて　　＃
４月２７日　　（金）　　晴　　１９度　　＃
きょうは、種もみひたしをしました。品種は、＃
あじのよい「農林１ごう」というのだそうです。＃
やく３．６ｄｌのもみを、水の中にひたしました。ういたもみが＃
あったので、手ですくってみますと、かるいもみともみがら＃
ばかりでした。＃
水をいっぱいいれ、ふたをして日かげにおき、ときどき水＃
をとりかえました。こうすると、なわしろにまいてから、早＃
くめがでるということです。　　＃
＜Ｐ－０９５＞
５月２日　　（水）　　晴　　２０度　　＃
水をとりかえるときにみたら＃
もみのもとのほうがすこしふく＃
らんでいました。　　＃
５月５日　　（土）　　雨　　１５度　　＃
もみのもとのほうから、はり＃
のようにほそい、白いめのようなものがでました。これが、＃
ほんとうにめになるのでしょうか。　　＃
５月７日　　（月）　　晴　　１８度　　＃
＜Ｐ－０９６＞
きょうは、お天氣がいいので、もみまきをしました。種も＃
みひたしをしてから、ちょうど１０日めでした。はんごとにな＃
わしろをきめ、そのさかいにしるしをつけました。土をあま＃
り深くほると、根が下へのびすぎて、あとでなえがよくとれ＃
ないそうです。水のすむのをまって、むらのないようにまき＃
ました。ひたさない種もみをまいたところには、べつにしる＃
しをつけておきました。いつ、めがでるでしょう。　　＃
５月１５日　　（火）　　晴　　２０度　　＃
種もみから黄みどりのめがでました。ひたさないほうは、＃
まだめがでません。　　＃
＜Ｐ－０９７＞
５月２１日　　（月）　　くもり　　１８度　　＃
もう、なえが、２ｃｍから３ｃｍ＃
にのびました。ひたさない種もみ＃
からも、やっとめがでてきました。＃
水にひたしたほうが、１週間早く＃
でました。　　＃
６月１３日　　（水）　　晴　　２７度　　＃
なえが朝風にゆられるようにな＃
りました。黄みどりの新しいなえ＃
＜Ｐ－０９８＞
が、だんだん育っていきます。どこの田も、たんざくがたに＃
でそろってにぎやかです。　　＃
６月１５日　　（金）　　くもり　　２４度　　＃
田植えのころになったので、しろかきをしました。いねが＃
よく根をはって育つように、小石をひろい、土のかたまりを＃
くだいてこまかくしました。種まきのときとちがって、こん＃
どは深くたがやしました。　　＃
６月２７日　　（水）　　晴　　２８度　　＃
いよいよきょうは田植えでしたので、みんなうれしそうで＃
＜Ｐ－０９９＞
した。よいお天氣で、風もなくあつい日でした。なわしろか＃
らとったなえをみんなでわけました。あいだを３０ｃｍぐらいず＃
つあけ、きそく正しく植えました。１かぶに３本ずつ植えた＃
のと、１本ずつ植えたのと二とおりにして、くきの数のふえ＃
るようすをみることにしました。やく１２平方ｍに１５０かぶばか＃
り植えました。これから、水がきれないように氣をつけましょ＃
う。　　＃
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７月１２日　　（木）　　晴　　２８度　　＃
どのなえからも、すこしずつ新しいなえがでてきました。＃
これで、もうだいじょうぶでしょう。　　＃
７月１３日　　（金）　　晴　　２８度　　＃
１本のなえのまん中からでた新しい葉が、５ｃｍぐらいにな＃
りました。どのなえも生き生きとしています。根が横へはる＃
ので、廣いところのほうが育ちがよいと思いました。　　＃
７月１８日　　（水）　　晴　　２９度　　＃
葉と葉のあいだから、新しい葉がたくさんでてきました。＃
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新しい葉は、まるまってでてきます。ずっと日でりがつづい＃
たので、水をやるとうれしそうです。　　＃
８月７日　　（火）　　くもり　　２５度　　＃
みんなで植えたなえが、いきおいよく育っ＃
ていきます。５かぶをのこして、ほとんど＃
８５ｃｍになりました。１本ずつ植えたなえが、＃
だいたい７本ぐらいにふえました。３本ずつ植えたのは、９＃
本ぐらいにふえましたが、いちばん多いので１５本になりまし＃
た。　　＃
８月１８日　　（土）　　くもりのち雨　　２５度　　＃
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いねのほのさきがふくらんで、いまにもほがでそうです。　　＃
８月２２日　　（水）　　晴　　２８度　　＃
いねのほがではじめました。葉のついているもとのところ＃
から、黄みどりのほがでました。田植えをした日から、ちょ＃
うど６０日めです。　　＃
９月１日　　（土）　　くもり　　２５度　　＃
ほがでそろいました。ほの１つぶを虫めがねでみると、毛＃
のようなものがたくさんはえていました。花のさいているほ＃
もみつけました。やくは、白くてにおいもなく目だちません。　　＃
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９月４日　　（火）　　晴　　２９度　　＃
朝、花のようすをみにいきましたら、まださいていません＃
でした。３時間めの終りに開きはじめましたが、お晝の時間＃
には、もう閉じてしまっていました。花のさくのは、１日に＃
すこしのあいだだけだと思いました。　　＃
９月７日　　（金）　　雨　　２６度　　＃
きょうは雨降りでした。花は、１日開きませんでした。　　＃
９月１４日　　（金）　　くもり　　２６度　　＃
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いねの花のすんだあとをさわってみると、いままでぺしゃ＃
んこだったさきが、ふくれてかたくなっていました。二つに＃
わってみたら、中に、青いものがまるくふくらんでいました。＃
これが、きっと実になるのでしょう。　　＃
９月２１日　　（金）　　晴　　２７度　　＃
いねの害虫――いなごが＃
６ぴきほどいました。葉の＃
うらに、青黒いなにかのた＃
まごが生みつけられていま＃
した。先生におききします＃
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と、うんかのたまごだということでした。みんなで虫とりを＃
しました。いねは、だんだん黄色くなっていきます。　　＃
９月２９日　　（土）　　くもりのち雨　　２３度　　＃
病氣でせいののびないいねが、５かぶありました。先生に＃
おききしたら、このいねは、いもち病という病氣にかかった＃
のだとおっしゃいました。　　＃
１０月２０日　　（土）　　晴　　２２度　　＃
どのいねのほも、すっかり黄色になっておじぎをしていま＃
す。１かぶのくきの数を数えてみますと、大きなかぶは３０本＃
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もありました。こんどは１かぶのほの数をみんなでしらべて＃
みました。１本ずつ植えたかぶには、ほが１０ぐらいついてい＃
ました。３本ずつ植えたかぶには、いちばん多いので１６、ほか＃
のは、だいたい１２ぐらいでした。両方をくらべてみて、あま＃
りちがわないことがわかりました。＃
もみの数をしらべてみました。１本のほに、多いのは１８０＃
ぐらいずつついていました。ですから、１つぶの種もみから、＃
やく１５００つぶももみができたわけです。　　＃
１０月２５日　　（木）　　晴　　２３度　　＃
いねかりをしました。いねを根もとからかりとりました。＃
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じょうぶに作ったいねかけに、日がよくあたるようにきちん＃
とかけました。　　＃
１１月１０日　　（土）　　晴　　１９度　　＃
いねこきをしました。いねこききかいをつかわずに、手で＃
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いねこきをした人もいました。ぼうのあいだにいねをはさん＃
でこいたらよくとれました。こんどは、もみとごみをわけま＃
した。風のくる場所で、目の高さぐらいのところからごみを＃
ふきとばさせます。もみをむしろの上にひろげてほしました。　　＃
１１月１５日　　（木）　　晴　　１７度　　＃
天氣のよい日に２日ほしたら、もみがよくかわきました。＃
きょうはもみすりをしました。きかいがないのでくふうしま＃
した。いたといたのあいだにもみをいれ、ゴリゴリこすって＃
もみがらをはじきました。きれいなお米がでてきました。　　＃
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１１月１９日　　（月）　　晴のちくもり　　１８度　　＃
のこっていたもみを、１日、日光にかんかんほして、すぐ＃
にもみすりをしてみました。どんどんすっていたら、こんど＃
はすぐにはげましたが、くだけた米もでてきました。ほして＃
すぐ、もみすりをするものではないと思いました。＃
やく１２平方ｍの土地で、４ｌのげん米がとれました。平年＃
作は、１平方ｍに３．５ｄｌのげん米がとれるのですから、これ＃
は平年作ということになります。　　＃
