T: はい,じゃ,よろしくお願いします。
I: よろしくお願いします。
T: 【T】です〈はい〉。
   えーと,【I(名)】さん,【I(姓)】さんって呼びますか,【I(名)】さん〈はい〉って?。
   どっちがいいですか?。
I: どっちでもいいですけど{笑}。
T: どっちでもいいですか?。
I: あ,はい。
T: じゃ,【I(名)】さん。
I: はい。
T: はい。
   えー,お久しぶりです。
I: お久しぶりです。
T: 1年ですよね,たぶん。
I: ですね。
T: うん。
I: はい。
T: 今,す,高校3年生?。
I: 高校3年生です。
T: 高3。
   どうですか?。
I: 受験生です。
T: おー。
I: {笑}。
T: えーと,将来,もう決まりました,進路とか?。
I: そうですね〈うん〉。
   うーんと,大学は,とりあえず行きたいので〈うん〉,はい,そこでゆっくり,あの,将来の職業を考えて,やっぱり,あの,国際関係の〈うん〉仕事につきたいと考えています。
T: 国際関係っていうのは,例えば?。
I: そうですね〈うん〉,あの,旅行会社とか〈うん〉,あるいは,うーんと,その,あの,【人名1】先生のような,その,外国人を助けるみたい。
   あの,なんか,日本語を教えたり〈うん〉,こう,やっぱり,あの,外国人が〈うん〉,あの,日本に初めて来るときって〈うん〉,自分も経験したんですけど〈うん〉,ほんとに,すごく心細くて〈うん〉,あの,もう,どうしたらいいか,わからなくて〈うん〉,すごく不安なときがあるので〈うん,うん〉,やっぱり,それを,ちょっとでも助けられるような〈うん〉仕事につきたいなと思っています。
T: うん。
I: はい。
T: えー,具体的に,もうちょっと詳しく,どんな仕事が思い浮かべられるか,ありますか?。
   うん。
I: そうですね,今は,なん,まだ〈うん〉,なんか,そんなに,細かくは考えてないんですけど〈うん〉,たぶん,あたしが,あの,存在を知らないような〈うん,うん〉仕事も,たぶんたくさんあると思^いますけど〈うん,うん〉。
   そうですね〈うん〉。
   あの,言葉を教えたり〈うん〉,えーと,日本の,その,文化を,こう,一緒に学んだり〈うん〉するっていうような仕事がいいかなと,今は思ってるんですけど,まだ,まー,これから{笑}〈{笑}〉どうなるかわからないので〈はい〉,はい,ま,ゆっくり考えていきたいと思います。
T: うん。
I: はい。
T: で,大学では,じゃ,そのためにどんな勉強をしていきたいですか?。
I: そうですね〈うん〉,うーんと,とりあえず〈うん〉,あの,たくさんの国の,ぶ,文化とか〈うん〉歴史とか,えーと,地理的な環境とか〈うん〉,いろいろ学んで〈うん〉,うーんと,留学もしたいと思っています〈うん〉,今は〈うん,うん〉。
   その,留学をすることで,あの,英語を,ちょっと,上達させて{笑}〈{笑}〉,えーと,やはり,その,あの,どこの国の人も,英語で,ちょっと,あの,な,うーん,なんていうんだろう,こう,言葉が通じないような,あの,中国人でもなく,日本人でもないような,外国人と接するときとなると〈うん,うん〉,やはり英語が一番役に立つので〈うん〉,ちょっと,英語をマスター{笑}して〈うん〉,えーと,そうですね,ま,それぐらいしか,今は,ちょっと,考えられないんですけど〈んー〉。
   たぶん,そこは,大学に入ったら,もっといろいろな知識とか〈うん〉学べて,そこから,もっともっと自分のやりたいことが,見つかるんじゃないかなと,今は思っています〈うん〉。
   はい。
T: さっき,いろんな文化っていうふうに,話をしてくれたんですけど〈はい〉,えー,文化ってどんなようなものなんでしょうか?。
   【I】さんにとって,うん?。
I: そうですね。
   わたしが思うには〈うん,うん〉,その,今までの,その,その国,あるいは,その地域の人が〈うん〉,えーと,その国の地理的な環境とか〈うん〉,えーと,例えばロシアだと寒かったり〈うん〉,えーと,ハワイだと暑かったり〈うん〉っていうような,うーんと,そういう環境とか〈うん〉,それと,えっと,うん,今まで培ってきた,その,国の歴史〈うん〉,地域の歴史とか,そういうものの,そういうものを,えと,まとめたっていうか,そういうものが,全部,いろいろ,こう,一緒になって〈うん〉,できあがってきた,その,その地域の人だけが持つような〈んー〉,えっと,習慣^や言葉や〈うん〉,えっと,生活のしかた〈うん〉^とか,そういうものだと思います{笑}〈うん〉。
T: そうすると,【I】さんは,えー,【地名1】で育ってきたので,なんか,その,【I】さんの中の文化っていうのは,今まで見てた中国の文化が,こう,どういうふうに変わってきたんでしょう,{笑}?。
I: そうですね〈うん〉,全然違いますね〈うん〉。
   えー,中国は,そうですね,あの,ん,そ,中国,あたしが住んでいた,あの,【地名2】というところなんですけど〈はい〉,そこは,えっと,日本の北海道と同じ,えっと,緯線にあって〈はい〉,結構寒くて,えっと,夏は30度ぐらいあって〈うん〉,冬はマイナス20度とか〈うん〉,30度くらい〈うん〉,あるところなんですけど〈うん,うん〉,そこで育ってきて,やはり,その,暑さとか寒さにも{笑},結構慣れてきて。
   冬は,すごく,あの,うーんと,【地名1】の人は,全然,結構薄い服〈うん〉とか,あ,あるいは,その,冬でもスカートをはいて〈はい〉,普通に,あの,歩いてるんですけど{笑}〈ええ,ええ〉,【地名2】では,そういうこと,もう,本当に考えられなくて〈うーん〉,もう,冬は,その,あの,綿が入っているズボン〈はい〉をはいて〈はい〉,あるいは,あの,毛織物の〈うん〉,あの,セ,あの,セーターとか〈はいはい〉,そういう,セ,セーターのズボンバージョン〈はいはい〉っていうのもあって。
   で,そういうのを,今まで,はいてきて,身に着けて〈うん,うん〉,あの,冬を暮らしてたんですけど,日本に来ると,もう,ほんとに,あの,長袖の下着とか^を身に着けると,ほ,あの,体育のとき,着替えたりするときに〈うん〉,友だちに,え,何それって〈うーん〉,言われたことが結構あって,え,みんな着ないのって〈うん〉,そんとき思ったんですけど,やはり,そういう,あの,基本的な生活のしかたも〈うん〉違うし,こう,人,やっぱり,こう,人間の,その,考え方〈うん,うん〉も全然違いますね,習慣とかも。
T: ええ。
   で,今の話だと,結構,北と南って,気候がすごく違うと,考え方,文化が違うっていうことに〈あー〉なってくると〈はい〉,なん,ん,その,気候の違う人たちが理解するのは,かなり難しいという話になりますかね?。
i: そうですね〈うん〉,やっぱり,ちょっと,難しいと思います。
T: うん。
   そうすると,気候以外に〈はい〉,こう,理解しあうのが難しい要因っていうのは,どんなことがあるでしょう?。
I: はい。
   そうですね,あの,宗教って〈うん〉,結構,んと,人の生活に大きく,その,反映されていると思うんですよ〈うん〉。
   中国は,あの,あたしも日本に来て初めて,こう,気づいたんですけど〈うん〉,中国は,えーと,その,儒家〈はい〉,あの,孔子から始まった〈はい,ええ,ええ〉儒家が,け,あの,ずーっと,昔から〈はい〉,えーと,官学にされたり,えーと,なんか,国のありかたとして〈うん,うん〉,こう,取り入れられたりして,それが,すごく,あの,人々の生活に,こう,浸透していて〈うん,うん〉,もう,その,礼とか〈うん〉,じ,あの,仁とか〈うん〉,そういうのが,もう,一人ひとりの心の中で,こう,形成していって〈うん,うん〉,で,それが,どんどんどんどん,伝わってきて,もう,その,なんというんだろう,こう,人っていったら,こういうものが備わってないといけないっていうような〈うん〉,えーと,考え方〈うん,うん〉が,すごく,こう,中国の,その,社会では浸透していて〈はい〉。
   えっと,その,日本は〈はい〉,それに比べると,全然,なんか,そういう,例えば,あの,礼でいうと,その,自分,中国は,自分の,うーんと,家族,自分の目上の人を,ものすごく敬って〈はい〉,そ,えーと,尊敬して〈うん〉,こう,なんでも言うことを聞かないといけないんですけど〈うん〉,日本は,ほんとに,あの,子どもも普通に,あの{笑},親の言うことに逆らったり〈うーん〉しているので,あ,でも,あの,基本的には,やっぱり,あの,親の言うことは,やっぱり,き,あの,子どもが〈はい〉,は[わ],従っているのが,まず基本なんですけど,やはり,その,中国より,だったら,やっぱり日本は,うん,そういうのが,ちょっと,あたし,き,あの,最初のころは〈うん〉気になったんですけど,なんか,日本は,やっぱり,一人ひとりが,こう,しっかり,その,なんて言えばいいんだろう{笑},なんか,こう,一人ひとりが,しっかり自分の個性を持っているというか,あんまり周りに惑わされない感じがしますけど。
T: え,今,おっしゃるのは,うん…
I: はい,なんか,うん,なんか{笑}…
T: え?。
   えーと,しゅ,その,日本は,その,敬わないとか,多少,そういうことが,あったりするってことですか?。
I: あー,はい。
T: とか,倫理観を,きちんと育てるためには宗教が必要ってことだったんでしょうか?。
   儒教みたい…
I: あー,ま,必要とは〈うん〉言わないんですけど〈うん〉,やはり,そういう,その,人々に共通した〈はい〉考え方〈はい〉があったほうが,うーんと,やっぱり,国としては〈うん〉,ま,こう,まとまりやすくもなるし〈うん〉,えー,そうですね,あの,誤解…
T: 国として,やっぱり,まとまっていたほうがいいんでしょうか?。
I: あー,わたしは,そう思いますけれど。
T: うん。
   それは,なんのために?。
I: そうですね〈うん〉。
   国としてまとまるっていうことは〈うん〉,やはり,それだけ,その,やはり人間って〈うん〉,どこかの集団に属していたいとか〈うん〉,えーと,自分は,その,集団の中にいて〈うん〉,ちゃんと自分の役割を果たしていて〈うん〉,ちゃんと,自分,生きがいを感じられると,えーと,ある程度,こう,幸せを感じられると思うんですよ〈うん〉。
   で,その,国の中で,その,結構大きな規模なんですけど〈はい〉,その中でも,自分は,周りの人と同じような考え方を持って,周りの人と同じように,自分の国をすごく大切にしていて〈うん〉,みんなで,自分たちの国っていう〈うん〉,この,集団を守ろうとしているっていう,いし,意識が,やっぱり,あったほうが,こう,過ごしやすいっていうか〈はい〉,そういう{笑}感じなんですけど,はい。
T: はい{笑},わかりました。
   えー,国っていうと,こと,あの,こないだ,オリンピックはご覧になりましたか?。
I: はい。
T: はい,あの,何がお好きですか?。
I: あたしは,バレーが好きですね。
T: あー,そうだったんですか〈はい〉。
   どこが面白いですか?。
   どんな点が?。
I: そうですね,あの,わたし,スポーツは,あまり,基本的によくわからないんですけど〈あー,はい〉,バレーは,バレーだけは,あの,ルールがちゃんとわかるんですよ〈はい,はい〉。
   だから,見ていて面白いし〈うん〉,あと,サッカーとかだと,あの,バスケットボールとか,サッカーとか〈はい〉,あんまり入らないし〈うん〉,テレビに。
   あの,バスケ,バスケは,ほんとに,全然入ってないので〈うん〉,見たくても見れないんですけど〈うんうんうん〉,その,サッカーとか^は,なんか,結構時間が過ぎても,あんまり点数が入らなかったりとか…
T: {笑}あー,そうですね。
I: そういうのが〈うん〉,ちょっと,こう,じれったいなと{笑}〈はい〉,思ったり…
T: えー,どこを応援してました?。
   どのチーム?。
I: 中国です{笑}。
T: あ,そうですか,〈はい{笑}〉はい{笑}。
   あの,卓球に,えーと〈はい〉,日本人の選手で中国の人が出てたのは見ましたか?。
   だん,男子の?。
I: 日本人の…
T: 日本,あの,【人名2】さんっていって,中国出身なんですけど〈はい〉,日本代表として出てた選手は,見ませんでした?。
I: あー,それは,ちょっと,見てないですね。
T: うん。
   最近,あの,いろんな違う国の人が〈あー,そうですね〉,えー,帰化したら,その代表になって出るんですけど〈はい〉,そういうことについては,どう思いますか?。
I: そうですね〈うん〉,それは,あの,あたしの家でも〈はい〉,それについて,ちょっと,あの,話し合いっていうか,ちょっとした〈はい〉議論になったんですけど…
T: あー,そうなんですか,はい。
I: あの,母と。
T: はい。
I: あと…
T: じゃ,【I】さんの意見は,なんですか,どうですか?。
I: はい,それは,そうですね,それは,あたしは,やっぱり,その,個人の自由というか〈うん〉,んと,人って〈うん〉,それぞれ,こう,目指すものがあって〈うん〉,その,自分,その,大切な物も〈うん〉,その,一人ひとりによって違うので,えっと,その,自分の生まれ育った故郷^を,のほうを尊重して,自分は,ずっと,そっち側に立っていたいっていう人もいれば〈うん〉,わたしは,もう帰化したから,あたしは,もう元の国の人ではなくて,もう,こっちの国のために,一生懸命がんばるんだっていう人も〈うん〉,いるだろうから〈うん〉,うん,全然,わたしは問題ないと思ってるんですけど,母とかは,やっぱり,なんか,裏切り者みたいな〈あー,はい〉感じで言ってたんですけど〈うん,うん〉,はい。
   でも,うん,あたしは,問題ないと思ってますね〈うん〉,はい。
T: 裏切り者っていうところは,どういう考え方だと思いますか?。
   うん。
I: そうですね〈うん〉,なんか,今までは,ちゃんと母国で〈うん〉育ってきて〈うん〉,その,母国の,なんか,水を飲みとか〈うん〉,母国のものを食べて〈うん〉,えーと,母国の人と関わって〈うん〉,今まで生きてきたのに,んと,そういう,その,母国のために,なにもせずに〈うん〉,なんか,外国に行ってしまって,外国のためにオリンピックに出て〈うん〉,こう,一生懸命がんばっている姿を見ると,やはり,どうしても,不快感を覚えるところが〈あー〉あるんだと思いますね〈うん〉,はい。
T: そうすると,そういう選手は,もう応援したくないと。
   はい{笑}。
I: あー,ま,そういうのは,結構〈うん〉,よく言ってます{笑}。
T: はい。
   あと,やっぱり,国によって,その,お金のある,豊かな国は,たくさん,こう,強化選手に予算を使って〈はい〉,トレーニングをしたりとか,貧しい国は,そういうのができなかったりするとか〈そうですね〉,そのあたりについては,どう思いますか?。
I: そうですね〈うん〉。
   あの,どうしても,そういうのは生じて,しま,しまうもので〈うん〉,えーと,やはり,いくらがんばっても,その,国の差っていうのは〈うん〉,絶対,こう,完璧にはなくならないと思います。
   で,そういう差があって,で,んー,なんか,お金持ちの国に生まれたから〈うん〉,たくさん,あの,完璧な設備を使って〈うん〉,練習できるし,トレーニングできるし,えー,なんか,結構,いい環境で〈うん,うん〉,自分の能力をどんどん伸ばしていくことができるのは,もちろんいいことなんですけど,その,貧しい国に,こう,たまたま〈うん,うん〉生まれたからといって,えっと,その,ちゃんとした設備が使えなかったり〈うん〉,こう,練習の環境が,えー,あ,あまりよくなかったり〈うん〉っていうことは,やはり,どうしても,なんか,あるのは,やはりしょうがないと思います〈うん〉。
   でも,そういう中で,あの,うーん,やっぱり文句は言っちゃいけないと思います。
   なんか,こんなのは不公平だとか〈うーん〉。
   世の中って,やはり不公平なものだと思いますので{笑}〈うん〉。
   んー,そういう面においては,しゅ,うん,まー,そうなってしまったものは,しょうがないので,その,自分が,今ある環境を大切にして,自分が,その,自分の好きなスポーツができるっていう,それっていうこと,それだけでも{笑},充分,あの,幸せだと思いますので〈うん〉,うん。
   やはり,あ,あんまり,もっと,上だ上だって求めないで,ちゃんと,欲を{笑}踏みとどまって〈うん〉いたほうが,うーん,いいと,わたしは思うんですけど〈うん〉,はい。
T: ただ,まー,けい,その,同じような才能があって,かたっぽは経済的に恵まれて,いいトレーニング,かたっぽは,そうじゃないっていうのを,おんなじフィールドで戦って,やっぱ不公平じゃないと,これは,思われる?。
I: んー,あ,ん,不公平^かといえば不公平なんですけど〈はい〉,あの,す,しょうがないので〈うん〉,うん,まー,うん,そうなってしまったものは,やはり,もう,どうしようもないというか〈うん〉,*,そんな感じ…
T: じゃ,例えば…
I: はい。
T: それを,あの,学校のレベルに落とした場合に〈はい〉,高校,高校3年生で,えー,同じように頭がいい人がいるけど,お金持ちの家に育ってる人は,家庭教師とかつけて,より勉強できる。
   貧しくて,一生懸命働かなくちゃいけなくて,勉強する暇がなくて,成績がどんどん下がって。
   で,それで,社会的な仕事なんかを得るチャンスも変わってくるっていうのは,どうでしょうか?。
I: そうですね〈うん〉,そういうのは,そう,わたしも,ほん,実はいつも思ってるんですけど〈はい〉,うちは,あの,経済的にもそんなに豊かな家庭ではないので,自分も,ときどき,ちぇっとかって思ってるんですけど{笑}〈{笑}〉。
   うーん,やはり,その,お金持ちの家に,そ,ん,その,生まれた子どもは,なんか,小さいころから塾に行って,ちゃんとした指導を受けて〈うん〉,たくさん参考書が買えて〈うん〉,辞書も本棚に,ずらっと〈うん〉並んでいて。
   やっぱり,そういうのは,本当に,あの,あんま経済的に豊かじゃない家庭の子どもから見ると,本当にうらやましいと思うんですけど。
   ま,そういうのも,ほんとに,ま,不平等っていえば,不平等なんですけど。
   でも,なんて言うんだろう,やっぱり,うん,そうなってしまったものは{笑}しょうがないので,自分が今,持っている環境を〈うん〉ちゃんと見つめて。
   で,やっぱり,あの,上ばっかり見ていると,こう,きりがないと思うんですよ。
   うんと,自分,うん,あたしは,とりあえず,いつも,こう,あの,参考書高いな,やっぱり買うのやめようとかって〈{笑}〉,なったときは,あの,買える人をうらやましく思うんじゃなくて,自分より買えない人もいるんだって〈うん〉。
   やはり,あの,世界中には,ちゃんとした教育も受けられない子どもとかも〈はい〉,たくさんいるじゃないですか。
   そういう人に比べたら,自分は何万倍も幸せで〈うん〉,こう,ちゃんとした教育も…
T: 受けら…
I: 受けられて,ちゃんと,自分の進路を決めることもできて…
T: はい。
   ただ〈はい〉,その精神論はわかるんですけど,社会的なシステムとして〈あー〉,政策として,なんかできることは,ないですか?。
   こんなことが,もし,えー,文部科学省の偉い人〈はい〉,えー,もしくは,財務省の偉い人であれば,どういう政策をすれば,そういう不平等がなくせると思いますか?。
I: そうですね〈うん〉。
   んと,あの,塾とか〈うん〉,今たくさんやってるじゃないですか〈はいはい〉。
   んと,【地名1】は,あんまりないんですけど〈うん〉,都会とかでは,ほんとに,あの,もう,塾に行ってるのが当たり前で〈うん〉。
   なんか,学校の先生が,あの,わからないところがあったら塾の先生に聞きなさいよって言うぐらい,あの,塾が,あの,今,普及してるんですけど。
   やはり,あの,教える側,つまり,あの,教師にとっても,学校^で公務員をやっているよりだったら,自分で塾を開いたり,あるいは,塾に雇われて働いたりしたほうが,あの,給料が高い{笑}ので〈んー〉,どうしても,その,有用なっていうか〈はい〉,あの,能力が高い教師は,その,そっちのほうに,どんどんどんどん,その,流れていくので,ま,塾の数を減らすとかして〈うん〉,あの,どんどん,こう,能力の高い人が,あの,学校の教師として,あの,義務教育とか,あの,高校の教師を,として,こう,働いて,えーと,その,塾に行けないような子どもでも,ちゃんとした,その,教育を〈うん〉受けれるような感じに{笑}…
T: レベルを上げるということですね。
I: ちょっと〈はい〉,思ったことがあるんですけど,やはり…
T: はい,わかりました。
I: はい。
T: はい,えーと,じゃですね,最後に1つだけロールプレイなんですけど,えーと,わたしは【地名1】市長ということに,今日はして。
I: あ,はい。
T: 卒業文集に〈はい〉,なにか,その,市長さんに文を書いてほしいということを,ちょっと頼みに来てくださいますか?。
I: え,あたしが,市長…
T: 高校3年生で〈はい〉,文集の編集委員です〈はい〉。
   で,その卒業文集に,なにかしら,市長さんに文章を書いてくださいというお願いに来てくださいますか?。
I: あ,はい。
T: はい。
   ん,いいですか?。
I: あ,文章の題っていうのは,なんでもいいんですか?。
T: はい,はい,お任せします。
I: あ,はい。
   ちょっと,言葉を,あ,はい。
T: はい,いいですか。
I: こんにちは。
T: はい,あー,いらっしゃい。
I: あの,【学校名】の〈はい〉3年生の【I(フルネーム)】と申しますが,うーんと…
T: はい,よくいらっしゃいました。
I: ***。
   このたび〈はい〉,んと,本校で,あの,ん,本校で文集を編集することになったんですが〈はい〉,その際に〈はい〉,んと,1つだけ,んと,我が校の卒業生へのメッセージを〈はい〉書いていただけないでしょうか?。
T: はい,いいですけど,どのくらいの分量とか,期限は,はい?。
I: はい,えーと,200字くらいの,200字,短い,うーんと{笑}〈はい〉,200字くらいの〈はい〉文で〈はい〉,そうですね,えー,あの,ご都合がよろしいときに,えーと,あ,よろしいときで〈はい〉構わないので〈はい〉,えー,できれば〈はい〉2週間以内に,んと,仕上げて,ん,{笑},仕上げて〈はい〉,も,えーと,いただければ〈はい〉,えと,幸いです,{笑}。
T: あ,わかりました。
   じゃ,あの,秘書のほうから,そちらのほうにお送りするようにさせますので。
I: はい。
T: はい。
I: ありがとうございます。
T: はい,いいえ。
   じゃ,今日,その結果を,その,おんなじ文集委員の友だちに報告してください。
I: あ,はい,わかりました。
   では…
T: はい,えー,ねー,【I】ちゃん〈はい〉,どうだった?。
   今日,市長さんに会いに行ったんだよね?。
   うん,今日,どんな結果だった?。
I: え,あー。
T: どう,文集委員の仲間に報告してください。
I: あ,あ,はい。
T: はい。
   きょ,今度は友だちになりました。
I: あ,はい{笑},はい。
   あ…
T: はい,はい{笑}。
   どうだった,【I】ちゃん,今日?。
I: あー,すごく〈うん〉,親切な人でした。
   で…
T: あ,そうだったの?。
I: はい。
   あ,はい。
T: で,書いてくれるの,すぐ?。
I: あー,え,友だちですよね?。
T: うんうん。
I: {笑},あ,えーと,2週間以内に〈うん〉書いてくださると思う。
T: あ,そうなんだ。
I: うん。
T: へー〈{笑}〉。
   忙しくないのかな,市長って?。
I: もう,お忙しいと思う〈ふーん〉んだけど,っと,快く〈うん〉,ひき,あの,引き受けて〈うん〉くださって。
T: よかったね。
I: ほんとに,よかった。
T: うん。
I: うん。
T: じゃ,あとは,もう,まとめるだけだもんね。
I: そうだね。
T: うん。
   オッケー,お疲れ。
I: お疲れ,{笑}。
T: はい,ありがとうございました{笑}。
   もう…
I: 混乱する{笑}。
T: あ,混乱します,すいません{笑}。
   卒業も間近?。
I: そうですね。
T: はい。
   もうちょっとですね。
I: 寂しいです。
T: えー,でも,進路は,もうほとんど決定なんですか?。
   最後…
I: んー,そうですね,今,目指している大学はあるんですけど〈うん〉,かなり,まだまだ,自分の能力が足りないことを,最近,ずっと,痛感していて〈んー〉,うん,がんばろうって,最近,ずっと,自分に呼びかけてます{笑}。
T: {笑}〈はい〉。
   ち,あー,そういう忙しいときに,このインタビューの時間とっていただいて…
I: あ,全然,あたしも,すごく,あの,勉強になるので〈はい〉,本当に,あの,面接とかも,ほんとに,日本語しっかり話せないと駄目なので,ほんとに,わたしとしては,ほんとに,すごくありがたい機会で〈うん〉,すごく,助かると思ってます。
T: あ,そうです〈はい〉?…
   こちらこそ,ほんとに…
I: あの,いただく,あの,コメントとかも,自分で読んで,あ,うんうんうんとかって,こう,すごい納得して…
T: あー,そうなんですか。
I: 自分で〈はい〉,いつも,あの,特に先生方と話すときに,すごく気をつけています,{笑}。
T: はい{笑}〈はい〉,ありがとうございます。
   はい,じゃ,今日は,これで終わりにしましょう。
I: あ,はい。
   お疲れさまでした。
T: お疲れさまでした。
   ありがとうございました。