T: はい,今日はお忙しいなか,どうもありがとうございました。 I: ありがとうございました。 T: よろしくお願いいたします。 I: よろしくお願いいたします。 T: 私は【T(姓)】と申しますが〈はい〉,お名前を教えてください〈はい〉。 I: えっと,お名前は全部ですか?。 T: あ,はい。 I: はい。 【I(名)】です。 T: じゃ,私は【I(名)】さんとお呼びしてもいいでしょうか?。 I: はい。 T: 【I(名)】さん,お国はどちらでしょうか?。 I: は,ブラジル。 T: いつ日本にいらっしゃったんですか?。 I: は,えっと,97年ですね。 T: あ,97年。 I: 私は9歳のときです。 T: あ,そうですか。 じゃ,今から何年前ですか?。 I: じゅ,11年,約12年前ぐらいですね。 T: 12年前。 じゃ,もう,初めて日本に来たときと〈はい〉,今の日本では随分変わってますよね。 I: そうですね,はい。 T: 初めて来た時と今とでは〈はい〉どのように日本は変わったと【I(名)】さんは思われますか?。 I: は,えっと,外国人の扱いがよくなって来たなと思いました。 T: あー,外国人の扱い。 それは,どんなところで感じますか?。 I: 例えば小学校のあの日本語教室とか。 昔のときは,先生さえいなかったんですよ。 T: あー。 I: で,今は先生も付いていて,子どもの面倒も見ているというのあるみたいな,それがとても嬉しいなと思いました。 T: あー,では,先生がいないなかで【I(名)】さんはどのように日本語を勉強していったんですか?。 I: あの,学校をその後設置したんですけど,日本語学級を。 でも,そこの先生も日本語しか話せないので,とても大変でした,はい。 T: 日本に来たばかりの12歳のとき。 I: 9歳です。 T: あ,すみません。 I: いえいえ。 T: 12年前ですね,9歳のとき,一番大変だったことって何だったか覚えていますか?。 I: 言葉ですかね。 T: ふーん。 I: はい。 T: 言葉ができなくて,一番困った事って何ですか?。 I: は,あのー,全く誰ともコミュニケーション取れないってことですね〈ふーん〉。 学校にそのまま入ったので,日本語を全く話せずに学校に入ったため,本当にもう違う世界でしたね。 何を言っているが分からないし,黒板を見ても何も分からない,読めないし〈ふーん〉。 自分が無になった感じですね〈ふーん〉,はい。 T: じゃ,その今では随分環境が変わったとおっしゃっていますが,どのように変わったかっていうのを少し教えていただけますか?。 今はその外国の人が来た場合〈あ,はい〉,ケアするシステムが整っていますか?。 I: そうですね,今,今はまあ,もう,いろんな情報が入ってきてるので,プラスあのブラジルのあの雑誌とかテレビもちゃんとなっていますし〈ふーん〉,あのそういう相談センターみたいなのもありますし〈ふーん〉,誰かに相談したかったら相談できる。 あたしの時は誰にも相談できなかったとか,あの,あとは本当にその子供の数も増えてきたので,そのブラジル人学校があったりするんですね。 でも,ブラジル人学校は正直あんまり良くないんですけど,でも普通に子供のことを投げだすんじゃなくて,ほんとにケアしてくれるようになったっていうのが感じています。 T: その今,ブラジル学校っていうのが〈はい〉あるっていうことで,でもあまり良くないっておしゃったんですけれど,そのどんな事が良くないと思っていらっしゃいますか?。 I: えーとですね。 ブラジル人学校はですね,子どもの教育のためっていう方針ではなくて,ほとんどの学校は全部とは言わないんですけど,ほとんどの学校は企業化してるんですね〈ふーん〉。 で,あの,儲かるためのものであって,子どもの教育っていうことを考えていない。 プラス,あの,ほんとに小さい部屋で子供が何十人もいて,年もばらばらで,ちゃんと,あの,世話していられないとか,託児所みたいなところ〈ふーん〉になってるんですね,今は。 でも,今の不況でいろんな学校が潰れてるんですけれど。 T: では,その,今の儲け主義というか〈はい〉,ビジネスとして〈はい〉やってるブラジル人〈はい〉学校っていうのがあるっておしゃって〈はい〉くださったんですけど,【I(名)】さんが〈はい〉もし外国の〈はい〉子供たちを受け入れる学校を〈はい〉創る,ま,日本の政府から〈はい〉依頼されて〈はい〉,そういう,ま,委員会なり〈はい〉そういう行政に関わる〈はい〉仕事に関わることになったとしたら〈はい〉,どんな学校でなれば〈はい〉その外国の子供たちにとって〈はい〉一番いい日本で生活していくために,一番いい学校,どんな学校を創りたいって思いますか?。 I: は,まずは,両親と学校がちゃんとしたコミュニケーションをとらないと,あの,子どもが混乱しちゃうんじゃないかって私は思うんですね。 あの,私の家は,家の中は必ずポルトガル語〈ふーん〉,日本語は一切禁止,で学校は日本語だけって,そういうバイリンガルな環境で育ったので,両方忘れられなかったんですね。 プラス母親も先生をしていて,ずっとブラジルでは〈ふーん〉。 で,あの,日曜日になると必ずポルトガル語の授業をやったりとか〈ふーん〉,そういうこともやってました。 なので,本当に両親と一緒にやっていくことが大事だなと思うんですね。 片方の言語だけを覚えたとしても,他の家族とコミュニケーションがとれなかったりとか〈ふーん〉そういうことがすごく大変だと思うので,もしできたとしたら両親と学校が一体化したバイリンガル教育があればいいなとは思うんですね。 プラス,あの今の日本の法律だと義務教育はあの外国人に適応しないじゃないですか。 それを,あの,まず適応させて,外国人にも日本人と同じ教育を受けて,プラスその文化っていう面を強化した方がいいんじゃないのかなと思うんですね〈ふーん〉。 日本もあの単一民族ってわけではないので,いろんな文化をまたそのクラスメイトの文化を教えることで,あのいろんな,あのー,そういう多文化理解ができるんじゃないかと思うんですね。 プラス差別もなくなって,いじめも減るんじゃないかっていうことも考えてます。 まだ色々あるんですけど,はい。 T: その文化って,「文化を教えた方がいい」っていうのは日本の学校でですか?。 それとも外国の子どもたちのための学校で教えたらいいんじゃないかって。 I: は,私は一体化した方がいいと思うんですよね。 T: あー。 I: 外国人のための学校だと,あの,区別しちゃうとこがあるんですね。 あー,だい,もし大学,日本の大学に行きたい,あの人外国人の学校から来たという感じで言われたら,あのちょっと困ったりする部分もあると思うんですね。 だから,あの,一体化して,で,あの私はあの便利だと思います。 T: あー,なるほど。 ということは,【I(名)】さんはそもそも外国の子どもたちのために,どんな学校が創ったらいいですかという〈はい〉ことではなくて,一緒に〈はい〉日本の子どもも〈はい〉外国の子どもも〈はい〉一緒に学べる〈はい〉学校にしたらいいというご意見ですよね。 I: そうですね,はい。 T: そんななかで,そうなると〈はい〉,日本人の〈はい〉親御さん〈はい〉たちの理解を〈はい〉得るのがかなり難しいかと思うんですけど,… I: そうですね。 T: その辺はどうお考えですか?。 I: あの,今はですね,あの,ぶら,あの,ブラジル人の託児所にあの日本人の親も子ども,自分の子ども入れるようになったんですよ〈ふーん〉。 で,その子どもはポルトガル語ができて,両親はポルトガル語ができないっていう感じになってきていて,それは,あの,保育園に子どもが入れなかったっていうことがあって,ブラジルの託児所に入れてるんですね。 なので,あの,その,国が,国の失敗をその外国人学校とかが補ってるという感じなので,その,もし,りょうし,その親も,あ,日本が受け入れてくれなかったからっていうことは頭に入れれば,そういう理解もあの,何ていうか,その日本の政府のあの構造がちゃんとなってないと思うんですね〈うーん〉。 それで,もし理解ができれば。 でも,難しいと思いますよ。 私も,身近ないろんな人に,あの,いじめをされたこともありますし,もう,が,外国人と遊ぶなって,お母さんに外国人と遊ばないでって言われたので,子どもに言われたこともあるし。 でも,今は,もう,東京だと10組に1組は国際結婚じゃないですか。 全国だと15人に1組ということになるので,これからは防げないと思うんですよ。 T: それでは,その同じ学校の中で〈はい〉,外国の子どもも〈はい〉日本の子どもも〈はい〉学ばせたいという〈はい〉その中で,それでは,でも,問題はある,おそらく〈うん〉いじめの問題とか〈そうですね〉,おや,親御さん同士の問題とか,問題は色々あるんだろう〈はい〉と,そ,そういうところで【I(名)】さんが何かそういう問題を解決する〈はい〉立場,意見をいう立場の人間だったしたら,人だったとしたら,どんな対策,どんな取り組みをすれば〈はい〉,できるだけ一緒に〈はい〉問題が少なく〈あー〉できると思いますか?。 I: えーと,私がそういうこと言う立場じゃないんですけど。 T: はい,でも,あの,ぜひ。 I: あの,でも,やっぱりより多くのあのコミュニケーションが必要だと思うんですよ。 学校,両親,違うこの,あの家庭の人とのほんとコミュニケーションがあれば,外国人もそこまで悪くないんだなって思ってくれたりとか,その学校の,外国人も学校のシステムが違うんですよ,他の所と場所によっては。 それも,あの,なんていう,こういう,日本の学校はこうなってるんですよて,パンフレットととか自分の言語で書いてあるものがあれば,両親に非常に身近なものになるんじゃないかなとか思いますし〈ふーん〉,あとは,何かもし,子どもたちが喧嘩とか,もししたら話し合いをさせて,で,やった方がいいと思います。 でも,時間はかかると思うんですよ〈うん,うん,うん〉。 普通の今の日本の学校は,あの,色々やってると思うんですけど,時間をもうちょっと有効に使ってほしいなとは思うんですね。 なんか朝の会とか,あたしは,あんまり好きじゃないんですよ,本当は。 別に何も言ってないのに,なんで朝の会とか,そういうの。 あの,もし,言うことがあれば,先生はその場で言っていいし,時間をプラスあのじぎょう〔授業〕も,あの,生徒の,が参加する機会を増やして欲しいなと思うんですよ。 時々,あの,クラスで一人だけ手挙げ,ずっと手を挙げてたりとか,そういうことがあるじゃないですか〈うーん,うん,うん,うん〉。 でも,その人は結構いじめられるんですよ,あとで〈ふーん〉。 あ,もう,先生,もうあの子,好きなんだろうとかみたいな感じでいじめられるので〈ふーん〉。 みんなが平等な機会を,あの日本の学校は,ディ,ディスカッションが少ないと思うんですよ。 じぶ,子どもが自分の意見を言えない場になってるので,もし言ってくれたら,なんか,その人も,あの,いろんな,創造豊かな人間になってしまうんじゃないかなと思って。 あー,なんか,色々,私あるんですけど,すみません。 T: いえ,分かりました。 どうもありがとうございます。 先ほど,学校の中で文化をもっと〈はい〉教えた方がいいって〈はい〉いうことを〈はい〉おしゃっていたんですが,その今,日本でも〈はい〉若い人たちは,ま,特にというか〈はい〉,年配の方でも〈はい〉日本の伝統的な文化とか〈はい〉,習慣っていうものをどんどん,あの,もう,忘れて,今ではもうしないって〈はい〉いうようなことも,週刊なんかもしないっていうこともあるんですが,ブラジルではどうですか?。 伝統的な文化を…。 I: あたしのバックグラウンドは日本なんですね〈ふーん〉。 それで,あの,日本人コミュニティーの中の,日本,日本文化を守ろうっていう意識がすごい高いんです。 T: あー,そうですか。 I: 私も小さい頃から,お祖母ちゃんが豆腐を作ってくれたりとか〈ふーん〉,饅頭を作ってくれたりとか,家の中は常ににほんしゅく〔日本食〕もあったんですね。 T: じゃ,そういう【I(名)】さんから見ると〈はい〉,ますます日本の社会っていうのが文化を大切,豆腐を家で作ってるっていうのは,むしろ日本の家庭ではなかったりしますもんね。 I: そうですね。 T: そう状況を見て,【I(名)】さん,どう思われますか?。 I: は,あの,ま,グローバル化からすれば避けられないものだと思うんですね。 あの,そういう文化はもう忘れられないと思うんですよ〈あー〉。 もう自分の毎日の生活に根付いていうものでもあるじゃないですか。 もし,その企業に働きに行くときも,その,日本の建て前っていうものだったりとか。 もし,お茶をやった,たりすると,そのやっぱり立ち方が違ったりとか,そういうことがあるじゃないですか。 なので,今でも若い人たちは,日本の文化を忘れてるは思わないんですよ〈うん,うん,うん〉。 維持しようとする人はいますし,でもメディアは,あのフォーカスしてるのは維持しようとしてない,若者はだめってほうかつ,フォーカスしてるだけだと思うんですね〈ふーん〉。 私,母親が普通のブラジル人なので,あの,母親の家族のところに行くと,もう普通のブラジル料理。 ブラジル料理っていっても,ま,ブラジルは移民の国なので,いろんな料理だったので。 お母さんとお父さんの家族は全然まったく違う生活だったんですよ〈ふーん〉,はい。 T: じゃ,先ほど〈はい〉学校で文化をもっと教えたいっていうのは【I(名)】さんにとって例えばどんなものですか?。 I: 文化は日本の文化もあればいいし,あの世界の文化を教えたらいいなと思うんですよ〈ふーん〉。 それで,理解が深まるんじゃないかとと私は思いますし,プラス,他の文化を教えることで自分の文化をより好きになる,私の文化は何だろうってあとで,そういう再発見ができるんじゃないかと思うですよ。 T: あ,そうですか,ありがとうございます。 I: いえ。 T: はい。 では,少しちょっと話が変わるんですが,【I(名)】さん趣味とか,好きなこととかって何ですか?。 I: 趣味はですね,あんまりないですね。でも,映画を見ることとか,そうですね,あの最近知ったんですけど,ひいお祖母ちゃんが日本舞踊の先生だったんですね。 そ,そうなんだて思って,「私も日本舞踊学ぼうかな」って思い始めて,はい。 T: そうですか。 じゃ,今までは,何か,日本的な習い事とかはされたことはありますか?。 I: な,あ,お茶だけですね。 T: あー,そうですか。 I: はい。 T: お茶を習って〈はい〉何か変わりましたか?,自分の中では。 I: あ,もう,社会が違うように見えてきたんですよ。 T: あー,どんなふうに変わりましたか?。 面白そうなので,ちょっと教えてください。 I: あたし,【地名1】出身なんですね。 T: あー,そうなんですね。 I: で,学校で必修だったんですよ,お茶の授業というの〈あー〉。 あとで,お茶の匂いって全部違っていて,作り方からやると,やっぱりその農業の人たちの気持ちも分かってくるし〈ふーん〉,あのやっぱりその生産するところから覚えていったので,あの,私たちが食べるものとか,飲むものは,ただスーパーに置いてあるだけじゃないんだということを〈ふーん〉理解しましたし,あとは,本当に自分のあの【地名1】県っていうものに誇りを持つようになったっていうのがありますね〈ふーん〉。 もう日本一だと思ってます{笑}。 T: そうなんですね。 静岡のいい所ってちょっと紹介してください,お茶の他にどんな… I: お茶,みかん,メロン,鰻とか色々あります。 海も綺麗ですし〈ふーん〉,はい。 T: いいですね,そうやって自分の故郷を〈はい〉自慢して〈{笑}〉言えるっていうのは素晴らしいと思う〈はい〉んですけれども。 じゃ,【地名1】は観光客とかも多いですか?。 I: は,あんまりいないですね。 あのー,… T: 観光地化したら,いいですね,もっと。 I: 昔は,あの【地名2】とか,あの【地名3】とかは結構昔の日本だと,そこが,あの,なんだっけ,なん,あの,新婚旅行とかでよく行ってたっていうのを聞いたんですけど。 でも,【地名1】,観光地されるとちょっと,なん,逆に町が汚くなるんじゃないかなと思うんですよ〈あー〉,うん。 で,もう【地名4】はもう汚いので,あんまり行きたくないなと思うんですけど。 でも,今のままだと,本当にブラジル人とか外国人が多いんですね。 あの,という,工場とか,工場地帯なので,私の町も外国人,中国人とか,韓国人も〈ふーん〉いっぱいいるんですけど,外国人が8パーセント何ですよ〈ふーん〉。 T: じゃ〈はい〉,【地名1】県のその8パーセント外国の方がいらっしゃるその地域で〈はい〉,外国の人が今よりももっと住みやすくするためにはどんなことしたらいいと思いますか?。 観光地化ではない?。 I: は,外国人がですか?。 えーとですね,やっぱりあのコミュニケーションがとれてないんですよ〈ふーん〉。 市役所とのコミュニケーションが全くなくて,その,外国人のニーズに合わたものをあげられない。 でも,私は常にあの市役所に行って話をしてるんですけど。 T: あー,そうなんですね。 I: そのー,ほん…。 T: どんな点で一番〈はい〉市役所と住民〈はい〉は,コミュニケーションとれてないとか意見が噛み合わない〈はい〉ということを感じられますか?。 I: は,まず言葉が問題なんですよ〈うーん〉。 全く日本語が話せない人たちがいても,あの,どうせ市役所は私たちのために何かやろうとはしてないって〈ふーん〉ずーっとその人たちは言っていて。 もし,外国人の通訳者を入れたとしてもその通訳者がプロじゃないから,あの,あれなんですよ,プロじゃないので,何だっけ,プロじゃないからあの,言葉違ったりとか,あの,違うものを言ったり,自分の意見を言ったり〈ふーん〉っていうことがよくありますね。 それで問題になったりとか,やっぱりゴミの問題とか〈ふーん〉そういうことありますので,はい。 T: じゃ,そういう言葉の壁とか,そういうゴミの生活のトラブルですよね?。 I: はい,そうですね。 T: を解決するには,どうしたら一番いいですかね?。 I: *法律を知ることじゃないですかね。 T: 「法律を知る」,あー〈はい〉。 I: その,日本に来て法律を全く分かってなくて,自分の国のものを同じだと思い込んで日本に来るって言うことがよくあると思うんですね。 しかしながら,それが本当に同じかどうかっていう,そのギャップがあって〈ふーん〉,あ,ブラジルだったらこれは良かったのに,なんで日本じゃいけないんだって言ったり。 T: それは,でも,日本の政府とか,ま,市役所〈はい〉,日本人側から法律を知らないからいけないんだって…。 I: そうですね。 T: 言っただけでは,解決しないですよね。 I: しない。 T: それは,例えば【I(名)】さんみたいに日本語が〈はい〉堪能で,バックグラウンド日本〈はい〉持っている人たちはできることっていうのは,おそらくたくさんあると思うんですけれども。 I: そうですね。 T: 例えばどんなことが【I(名)】さんにはできると思いますか?。 I: 私はいつかパンフレット作りたいなって思ってるんですよ。 その… T: あー,どんなパンフレットですか?。 ちょっと教えてください。 I: あの,日常生活の法律とか,あの,に,日常生活に使えるような日本語とか,あの,学校その学校紹介が一番大変だなって思うんですよ〈ふーん〉。 あのーブラジル人の子どもは,確か,じゅ,13パーセントの子どもが不就学なんですね。 確か,13だったかな,うん。 なので,しかも今の不況で,あの,解雇されてるんですね〈ふーん〉。 あの,がい,あのその,非正規なので解雇されて,で,学校もだんだん潰れていってるので,多くの子どもたちが犠牲になると思うんですね。 そこで,あのー,日本の学校に入るのか,ん,工場で働くのか,ブラジルに帰る〈あー〉のかっていうす,3つの選択しか,しかなくて,もし日本で,あの日本の学校で学ぶとしたら,日本語を全く分からないゼロのスター,スタートからになるじゃないですか。 なので,あの,日本の学校はこうなってますとか,あの,進路へのあなたの夢はこうやって叶えられますよ,日本でなれるもの,なれないものとか,その帰化の場合とか,そういうことしたいなと思ってるんです〈ふーん〉,いつか。 T: あー,そうですか。 いいですね。 ありがとうございます。 では〈うん〉,えっと,ロールプレイをしたい〈はい〉と思います。 I: はい。 T: えっと,【I(名)】さん,今どちらに住まれていますか?。 I: は,今【地名5】です。 T: 【地名5】市。 I: はい。 T: あ,そうですか。 では,私は,【地名5】市の〈はい〉し〈{笑}〉,市長〈はい〉になります〈はい〉。 【I(名)】さんは【地名5】市市民新聞の〈はい〉記者〈はい〉として,今日インタビューに〈はい〉来てください〈はい〉。 インタービューの内容はどのような内容でも大丈夫です。 I: あ,はい。 T: 【I(名)】さんが自由にインタビューしてください。 I: はい。 T: はい。 では〈あー〉,よろしいでしょうか。 I: はい。 大変ですね。 T: はい,はい。 大変ですか?,はい。 I: *きると思いませんでした。 T: あっ。 では,よろしくお願いいたします。 I: はい。 T: じゃ,入ってくるところから。 I: なら。 T: あ,はい,どうぞー。 I: はい。 開けて。 失礼しまーす。 T: 失礼し,あ,こんにちは。 I: 今日,あ,なんだ,なんとか新聞でしたっけ?。 T: あ,えーと,【地名5】市新聞の方ですね。 I: あ,そうです。 なんとか新聞,すみません。 【地名5】市新聞の【人名1】と申します。 よろしくお願いしまーす。 T: あ,こちらこそ,よろしくお願いします。 今日は何でも聞いてください。 I: 本当ですか?。 T: はい。 I: いいんですか{笑}?。 T: どうぞ。 I: あの,まず,【地名5】市が,あの,な,な,あの,ほんと考える暇がなかったんです。 すみません。 T: 大丈夫ですよ。 考えて,あ,では,ちょっと考えても大丈夫ですよ。 今,考えてください。 また,あとで始めましょ。 I: はい。 T: うん。 I: 書いていいですか?。 T: あ,か,かかかか書くのは,書かなくても大丈夫です。 I: あ,ほんとに?。 T: はい。 I: どういう質問すればいいんだ。 T: どんな内容でも大丈夫です。 I: すみません。 ほんとに,あの,ちょっと真面目なとこがあるので,すみません。 まず,なら,一つだけー,えーと,まず,すみません。 T: はい,じゃ,まず,スタートから始めたいと思います。 I: はい。 T: では,始めましょう。 I: はい。 えーと,【地名5】市が〈はい〉,多文化共生についてどう思ってますか?。 どのような取り組みをしてますか?。 T: あ,えーとですね,今あの【地名5】市では,あのー,多くの市民の方からも外国の方と交流したいという声がありますので〈はい〉,あの,月に2回〈はい〉,水曜の夜,あの【地名5】市の市民ホールを使って交流会を行っています。 I: えーと,だいたい何人くらいの外国人が,えっと日本人が来ますか?。 T: 外国の方は,まだまだ声を掛けているのが,なかなか届いていないようで,毎回いらしてるのが6名7名と聞いています,はい。 I: はい。 えーと,多くの外国人の方が【地名5】市にあの,トラブルを,トラブルがあるって言ってるんですけれども,あの,トラブルがあるって,あの,問題を多く,あの,持ってるっていうのは聞いたんですが。 あの,例えば,あの,警察,外国人だから警察が,あのー,止めて,外国人登録を見せなさいとか,そういうことが〈ふーん〉よくあるみたいなんですね。 で,あの,外国人だからっていうあの物を本当は私たち外国人,私たち,すみません,外国人は外国人登録を見せる必要はないんですね,法律だと。 多くの警察は,あの,その外国人登録見せないと連れていきますとかそういうことをよく言うんですけれども,どう思いますか?。 T: その件に関しましては,警察と,また市役所とでは〈はい〉,また管轄が違って〈はい〉私どものほうから何とも申し上げることはできないんですね。 ただ,そういう風に【地名5】市で生活していたり,勉強している人たちが,不快な嫌な思いをされてるっていうのは初めて聞きましたので〈はい〉,これから市長としてもっと勉強をしてゆきたいと思いました。 I: あ,はい,あのー,勉強をするよりも,あの,警察とのコミュニケーションをとった方がいいと思うんですね。 もし,あの,【地名5】市,提案なんですけれども,もし,【地名5】市が警察とのコミュニケーションを月に1回でもいいので,そういうく,あの,そ,市役所と警察が一緒に勉強会をして,その,外国人問題についてとか,そういうことについて勉強されたらどうですか?。 T: あー,分かりました。 いいご提案をどうもありがとうございます。 I: ありがとうございました。 T: では,今日は〈はい〉,すみません,これから会議なものですから,この辺で。 I: すみませんでした。 今日は,ありがとうございました。 T: いいえ,今日はほんとにありがとうございました。 I: 失礼いたします。 T: はーい。 はい{手を叩く}〈はい〉,では,この今日のインタビューのことを〈はい〉,【I(名)】さんがうちに帰って,ルームメイトと住んでいます。 今,ルームメイトと住んでいる。 I: はい。 T: そして,ルームメイトの【人名2】さん。 I: 【人名2】さん,はい。 T: 【人名2】さんに今日こんな事あったよっていうことを〈はい〉話してください〈はい〉。 いいでしょうか。 私がルームメイトの〈え〉【人名3】ちゃんです,【人名3】さんです。 よろしいでしょうか。 I: はい。 T: はい。 では,スタート。 あ,【I(名)】さん,おかえりー。 今日どうだった,インタビュー?。 すごいね,【地名5】の人にインタビュー,市長にインタビューしたんでしょ。 I: うん。 あの,敬語を使わないとすごい変な感じがする。 はい,大丈夫。 今日ね,【地名5】市のおっちゃん,おっちゃんと。 T: おっちゃん。 うん。 I: とちょっとお話し… T: 失礼じゃない,おっちゃんだなんて。 I: だって,みんな人間だから,おじちゃんじゃん。 T: あ,そっか。 うん,うん。 I: だから,おじちゃんとお話をして〈うん〉,で,なんか【地名5】市頑張ってるみたいなんだけど,やっぱり,何て言えばいいんだろう,ちゃんとした取り組みっていうのが〈うん〉ないと思う。 T: あ,そうか。 I: 普通にないと思う。 T: そっか,じゃあ,満足できないよね,やっぱりね。 I: ま,政治家っていうのは言うだけだからね。 T: そっかー。 I: けっこう。 T: 嫌だったね,じゃあね。 でも,聞きたかったことは全部聞けた?。 I: は,だいたい。 でも〈うん〉,なんか,【地名5】市は他のくらの場所と比べたら〈うん〉全然すごく進歩してるんじゃないかなって思う〈うーん〉。 もうちょっとしたら,見本になれるんじゃないかって,ちょっと思ったけどね。 T: そっか,じゃ,いい記事書けそう?。 I: 書けそう。 T: あ,良かった。 I: もっと色々調べなきゃね,その前に。 T: うん,うん,うん。 そうだね。 I: プラス,他の場所と比較をしながらやっていかないと〈そっか〉,ちゃんといい物が書けないかもしれない。 T: そっか,じゃ,頑張って書いてね。 I: はい。 T: はい,OKです。 I: すみません。 T: はい。 I: 恥ずかしい。 T: いいえ。 I: すみません。 T: 今日はどうもありがとうございます。 えっと,今日は今から〈はい〉どこかへいらっしゃるんですか?。 I: 行きません。 T: 今日はお家へ…。 I: 今日はここだけだったので。 T: あ,そうなんですか。 I: はい。 T: あ,わざわざ来てくださって,ありがとうございます。 I: いえいえ。 T: 寒くなりますけど,もう,でも日本の冬が一番慣れてるんですもんね。 I: そうですね〈ふーん〉,ほんとに。 でも,【地名1】はあったかいんですよ。 T: あ,東京に比べると?。 I: はい。 T: あ,そうなんですね。 I: 雪も全く降らないので。 T: ふーん,あ,そうですか。 I: はい。 T: あ,じゃ,ちょっと寒いですか?。 ふ,【地名1】に帰られるんですか?。 I: は,帰ります,実家なので。 T: じゃ,楽しみですね。 I: はい。 T: じゃ,今日は本当にありがとうございました。 I: ありがとうございました。 学校について、あとで教えてもらってもいいですか?。