T: じゃ,ちょっと,あのOPIっていうんですけど,30分くらい〈はい〉時間頂きます。
   あのー,ま,これは,その,口答能力を,えー,調べるものなんですけれど,あの,えー,話はごく普通の話をしますから〈はい〉,えー,あの,ま,力いっぱい話して欲しいと〈はい〉思うんですけれどね。
   えっと,【I(名)】先生と。
I: ちょっと補聴器持ってくれば良かった。
T: あ,そうですか。
I: ちょっと〈ああ〉,最近,耳が遠くなって。
T: あ,そうですか。
I: はい。
T: あの,ま,わたし,同僚ですけどね,なかなかあまりこうやって話するチャンスがなくって〈はい〉,突然こうなったもんで〈いえいえ〉。
   えーと,そうですね,わたし,まあ,ここは6年目なんですけどね。
I: あ,【T(姓)】さん6年目。
T: 6年目。
   先生はどうなんですか?。
I: 僕は86年からなので〈ええ〉,にじゅう,2・3年目かな。
T: あ,もう随分長いですね。
I: 長いです,はい。
T: あー,あー。
   でも,生まれたのは,えー,日本で?。
I: 生まれは東京です。
T: あ,そうですか。
   育ったのはどうなんですか?。
I: うん?。
T: 育ち,そだ,あ,大きくなったのは?。
I: 育ちは,えっと,1歳になる前に〈ええ〉,両親があの【地名1】県に〈ええ〉引っ越して,えっと,宣教師として〈ええ,ええ〉,だから育ちは【地名1】県。
   【地名1】県といっても,あの【地名2】県と【地名1】県の境の【地名3】川の近く〈おー〉の,ま,田舎,ま,ど田舎ですけど。
T: ええ,じゃ,【地名4】,【地名4】の近くですか?。
I: 【地名4】よりまだ南〈あー〉ですね。
T: じゃ,うーん,いい所ですね。
I: いいとこです,はい。
   今,あの,the world heritage site の一つになってますね。
T: あー,はー,はー,はー。
   行かれたことは,す,そこは,もう長くいらした?。
I: あ,何回も,あ,最近もまた行ってます,はい。
T: あー〈うん〉,いや,そのいわゆる世界遺産ですよね?。
I: はい〈ええ〉。
   あー,【地名5】とかですよね。
T: あー,はー,はー,【地名5】〈うん〉。
   え,わたしは,実は,車でちょっと行ったことはあるんですけどね〈あー,あー〉,今,その時は,確かまだ,えー,世界遺産じゃなかったんですけど〈あー〉,どういうことで世界遺産になったんですか?。
I: えーと,自然の美しさ〈ええ,ええ〉と歴史的意味じゃないかな。
   ちょっと,あの,ん,あの,ま,自然の美しさでしょうね。
T: なるほどね。
I: あの,森,深い森とかが〈うん〉残って〈うん〉,そして,道,あの,なんていうのかな,山道が非常に綺麗ですね〈あー〉。
   綺麗っていうか,あの,綺麗っていうか,古いのが〈ええ〉こういいのが残ってますね。
T: なるほどね。
   そこで何歳ぐらいまでいらしたんですか?。
I: えーと,うーん,両親は80年代の冒頭までいたんですけど〈ええ〉,ぼくは中学から東京の,こ,あの,アメリカン・スクールに行ったので…。
T: あ,そうですか。
I: ま,でも,学校が休みのときですね,あそこに戻りましたから。
T: あー,ま,なんか,【地名3】と言えばね〈うん〉,神話的な〈うん〉あのー,何ていうのかな,ものが残ってるんですよね。
I: 残ってますね,はい。
T: それとお父さんは宣教師で。
I: はい。
T: えー,どうなんですか?,そのー合うんですか?,そのキリスト教の考えとは。
I: 合うというより,たぶんその関係で,また,あのー,大学行ってから〈ええ〉,その地方都市教について興味があって〈ええ〉,そこに戻って山に入って〈ええ〉,そこに戻って山に入って〈ええ〉,山の,山の宗教ですか〈あ〉,山伏の研究をやってたんです。
T: あー,そうですか。
   へー,山伏の研究。
I: はい。
T: すると,山伏,【地名3】は山伏ですか?。
I: あ,そうですね,色々ありますけど〈ええ〉,一つは〈ええ〉【地名6】山から入って〈ええ〉,【地名3】まで歩くという,そういう一つのメインコース〈ええ〉。おおみね,さん中心にや,そういうコースっていうか,昔の行場ですね。
T: 何場?。
I: ぎょう,行場〈あー,あー,あー〉。
   修行する場所。
T: あー,なるほどね。
I: が,ずっと並んでますから〈あー,はー,はー,はー〉。
T: じゃ,ご専門は,その,その山伏。
I: ええ,しゅ,あー,そうですね。
   ま,しゅ,だから,修士コースは〈ええ〉,修士論文は【大学名1】のために〈ええ,ええ〉,で,で,こう,それでまとめて〈ええ,ええ〉書きましたけどね〈ふーん〉。
T: 博士の方は?。
I: 博士の方は,【学門名1】の方に入って〈ええ,ええ〉,文献学的な研究になってしまったので…。
T: なるほどね。
I: ちょっと,また,別な方向に行ってしまいましたけどね。
T: 文献学的っていうと,どういうこと何ですか?。
I: 主に漢文の文献を読んで〈ええ〉,それを英訳したり〈ええ〉,それについて研究したり。
T: 漢文?。
I: ぼくは結局落ち着いたのが,ま,日本,えー,ちょっと繋がりがあるんですけど,やっぱ山伏は【宗教名1】とか,関係深い,深い。
T: あー,そうですか。
   いや,ぼくは日本人なんで〈{笑}〉あんまりよく知らないもんなんですからね。
I: いや,【宗教名1】〈うん〉,【宗教名2】に興味があって,でー,ぼくが2・30年前に博士過程に入ったとき〈ええ〉,まだあの【地名7】【宗教名2】の【宗教名1】〈ええ,ええ〉とか,【宗教名3】〈ええ〉とか,それが流行ってたんですけど〈ええ〉。
   それ以前に【宗教名1】に興味があって〈あ,はー,はー,はー〉,日本の【宗教名1】について勉強しようと{手を打つ}思ったん〈うん〉ですが,えー,日本の【宗教名1】はやっぱり中国の〈ええ〉,中国でできた宗派なので〈あ,はー,はー,はー〉,っていうか思想なので,そこにさかのぼって,えー,【宗教名1】の階層ですか〈ええ〉,【宗教名1】大師っていう方,5・6世紀の,で,書かれた文献を中心に〈うん,うーん〉研究をやってますね。
T: いや,結構古い。
I: {笑}そうですね〈あー〉。
   5・6,5・6世紀。
   そうですね,1300年前。
T: なんかそういう,行といえば,ず,【宗教名1】で一人,【地名8】山で,なんか,日本人ですごい行をした人がいますね。
I: あ,最近ですか?。
T: 最近ですね。
I: 「回峰行」ってありますね。
T: えー,えー。
I: いっせん,一千日こう〈ええ〉山を歩く〈そう,そう,そう〉という,日本で一番厳しい修行ですね。
T: その本を持ってるんですけどね〈あー〉,あの,ちゃんと読んでないです{笑}〈{笑}〉。
   そうですか,そ,【地名3】。
   じゃ,子どもの頃の思い出っていうのは,だいたい【地名3】ですか?。
I: そうですね,はい。
T: あー,いいところですか?。
I: 良いとこですね。
T: 何が,どういう,あれかな,思い出ありますか?。
I: うーん,ま,やっぱり,友だちはみんな近所の友だちだったので,家の中でこう,で,家の中はもう,アメリカの中部の〈ええ〉,何ていいますか,middle class〈うん〉,Midwestern〈あー,あー〉の家で育ったような感じです〈ええ〉。
   やっぱ家の外は,日本の田舎ですから,近所の友だちと〈うん〉は,何て言いますか,うーん,山の中で〈ええ〉,走りまわったり〈ああ〉,チャンバラやったり。
T: あ,そうですか。
I: {笑}〈{笑}〉こうはっぱで手裏剣を作ったり〈あー〉,ビー玉でこう遊んだり。
T: 随分,田舎なんですか,そこは?。
I: いや,わか,かなり田舎ですね〈あ,はー,はー,はー〉。
   あの,と,ぼくが,え,中学ぐらいまで〈ええ〉,【地名9】と【地名10】の間の線路ができてなかったんですよ〈ええ,ええ,ええ〉。
T: あー,そうですか。
I: 東京行くために〈ええ〉,あの,【地名11】半島を〈ええ〉【地名12】まで出て〈ええ〉,で,そして,あの,夜行列車で東京まで一日半かかったんだ。
T: あー,そうですか。
I: そう,それも{息を吸う}〈えー〉よく覚えているんですけれども。
   そして,あの,電車も,電車,電車じゃなくて,あの,あれ,何ていう,昔の話,steam engineですか,あの,あの,汚い,あのー,えー,汽車,汽車ですね。
T: 蒸気,蒸気機関車ですね。
I: 蒸気,蒸気汽車〈ええ〉。
   ですから,トンネル入ると窓を閉めないとこう〈あ,はー,はー,はー〉あれが入っていて。
T: たぶんわたしと同じような年代だと思うんですけれど〈{笑}〉。
I: そうですね。
T: あのー,子ども頃はね,それがね,ありましたから,覚えてます。
   そう,だけど田舎でね,白人がね〈うん〉,もうほとんどいないでしょ?。
I: いなかったですね,あの,ですから,それも,うーん,あまり,良い思い出じゃないですけど〈あー〉,外に,ま,近所〈うん〉にいたら,みんなもちろん友だちだから〈ええ,ええ〉,な,何も,普通に遊んでたんですけど〈ええ,ええ〉。
   町に出るとか〈ええ〉,だったら,すぐ,もう,人が集まって〈あー,あー〉,車の中にいたら,もう2・30人集まって〈あ,そうですか〉見られるとか。 
T: 特にまあ{息を吸う}あー,今はだいぶ違いますけど。,昔はもう。
I: 今は,もう,ほとんど,そういうのないですね。
T: うーん。
   ま,何かちょっと,個人的なこと聞くけど,そういうことはどうやって解決されました?。
   何かやっぱり精神的な負担になりました?。
I: 「負担」っていうほどじゃないですけど〈えー〉,あんまり,うーん,ちょっと,不安っていうほどじゃないですけど,嫌でしたね〈うーん〉,そういうふうに注目されると〈うーん〉,どういうふうに反応したらいいのか。
T: ただ,まあ,そういうもん,今はもっと複雑になってて,例えば日本人だけど英語できない人たくさんいるし〈あー〉,アメリカ人だけど英語ができない〈うん〉人もたくさんいて,そういうアイデンティティの問題っていうのはね〈うん〉,えー,どうなんだろう。
   先生は国際結婚?。
I: そうですね〈うん〉。
   ですから,それは1つの大きな〈ええ〉問題ですね〈ええ〉。
   子ども。
   家内が〈ええ〉,家内も英語が上手ですので〈ええ,ええ,ええ〉,2人とも両方できるので,家の中は両方で喋ってたので,バイリンガルに育つためにやっぱり色々と常にこう色々工夫しないと〈あー〉なかなかうまくいかないので〈あー〉。
T: 子どもさんは大きいんですか?。
I: 今はあん,みんな,もう一番下は,今,大学生なので〈ええ,ええ,ええ〉。
   でも,まあまあま,うまくいったのかな,みんながバイリンガルで〈ええ,ええ〉。
   ただ英語だけだったら,英語のレベルがもっと高いので〈ええ〉,そういうあの自分の能力をフルに生かせなかったと思うんですよね,子どもたちが〈あー,あー〉。
   あの,でも,それはしょうがないですけどね〈うん,うん,うん〉。
   でも,バイリンガルで育ったので〈あー〉,それで良いと思ってますけどね。
T: なるほどね。
   子どもさんは,その,アイデンティティの問題はないですか?。
I: ぼくの方は,ありましたね,最初は〈あー〉。
   あのー,うーん,高校卒業して,大学行ったとき〈ええ,ええ〉,ま,ぼくはアメリカ人〈ええ〉だから〈ええ〉,みんなとおんなじーに〈ええ〉と思ってたら〈うん〉そうじゃなくて〈ええ〉,で,色々ずれがあって〈うん〉,あとで考えてみると,あのー,カルチャーショックみたいなのを経験した。
T: あー,そうですか,あー。
I: で,ま,日本に戻ったり〈うん〉,アメリカ行ったり〈ええ〉,うちに,もう,ま,両方でいいやっていう〈うん〉ことで落ち着きましたけどね〈おー〉。
   うちの子は,あんまり,アイデンティティー・クライシスとかね,そんな〈ええ〉話さないですね。
   しっかりと〈うん〉,そのー,ダブルであることが〈あー〉意識して,それで〈あー〉いいんだっていうので〈あー〉,うーん,ただあの大学は【地名9】〈ええ〉の大学に行ってて〈ええ,ええ〉,大学町は,いや,結構国際的だったんだけど。
T: そうですね,まあ。
I: やっぱり落ち着かないですね〈うん,うん〉,そこで〈あ〉。
   ですから,結局,【地名10】とか〈ええ〉【地名11】〈ええ〉,そういう国際性〈うん〉豊かな〈うん〉環境に〈うん〉,じゃないと落ち着かないとこありますね。
T: あ,【地名9】って【地名12】のか…。
I: 【地名12】ですね。
T: あ,そうですか。
   大学町っていうと,結構いろんな民族入ってて。
I: うん,ですから,大学〈ええ〉にはもう〈うん〉いろんな,もうそういう〈うん〉国際雰囲気で〈うん〉,べつ,よかったんですけどね。
   あのー,といっても,【地名12】は田舎町ですからね〈あー〉。
   ご存じで,行ったことありますかね?。
T: うん,もちろん行ったことありますからね〈{笑}〉。
   ま,ほんとにちっちゃい町で,あんまりないとこで。
I: ちょっと出たら,ほんとにま,田舎ですからね。
T: そうですね。
   先生がそのアメリカへ,大学入られて,ちょっとアイデンティティの問題があったあと,今おっしゃいましたよね〈うん〉。
   それ,高校から大学の〈うん〉,あ,それは【大学名1】だっけ,大学は?。
I: いや,えー,高校卒業したら,アメリカの大学に行きました。
T: あ,そうですか。
I: あの【地名13】州の…〈うーん〉。
T: 今ね,わたしの学生にも,結構ハーフとか〈うん〉もっと〈うん〉混じってるのが〈うん〉いるんですけど〈うん,うん〉,ま,色々複雑ですね。
I: 難しいですね。
T: あの,先生の立場からして,そういう学生にね〈うん〉,どういうことが言えますか?,そのアイデンティティを確立するということについて〈あー〉。
I: あのー,うーん,ま,自分のアイデンティティを考えるときに〈ええ〉,国とか〈ええ〉,そういうもので定義しない方がいい〈うん〉。
   だから,自分が日本人とか〈ええ〉アメリカ人だった〈ええ〉,そういう必要ない〈うん〉と思うんですよね〈うん,うん〉。
   ある人は,日本人であることで〈うん〉,アイデンティティを決めて〈ええ〉,それでいいんだけれど〈ええ〉,やっぱり,バイカルカルチュラルな〈うん〉バックグラウンドのある人はそれで限定すると〈ええ〉難しいと思うんですよ〈うん〉。
   自分が日本人だと思ったら,やっぱり違うとこがあるから〈うん〉,で見た目も,ち〈うん〉,違うし〈あー〉。
   うちの子も日本だったら〈うん〉外人に見られるけど〈うん,うん〉,アメリカにいたら,あなたは,エイジアン〔アジアン〕とか,メキシカンだろ〈ええ〉,とか言われる。
   ですから,そのー,うーん,ま,一般的に〈うん〉,ま,その思うんだけど,国とか,国で自分の〈うん〉アイデンティティをこう結びつく〈うん〉ことは避けた方がいい。
T: なるほどね。
   ただし,それは自分の問題であって〈あー,あー〉,自分がそう考えればいいんだけれど,現実はその,うーん,周りはそういうふうに考えてるかって〈うん,うん〉いうのが,それがおっきな問題ですよね〈うん〉。
   それについてはどういうふうに思われますか?。
I: うーん,周りは,うーん,周りとのずれが出るのはしょうがないですね,どこ行っても〈{笑}〉。
   ですから,それをどう自分のなかで消化するかっていうか,どう対応するかですね〈うーん〉。
   あのー,だから,じ,自分が日本人だと〈ええ〉あまりにも執着して〈ええ〉,で周りからそうじゃないように扱われると,それ葛藤になるじゃないですか〈うん,うん〉。
   じぶ,あの〈ええ〉ええ「おれ日本人だ」とか〈うん,うん〉,あー,でも,それを〈うん〉,うーん,ま,自分は外見はこうだし〈うん〉,うーん,他の人から別に日本人と見られる〈ええ〉とか,アメリカ人と見られても,それはそっちの問題だからって〈うん〉いうふうに言えるようになったらいいんじゃないですか?〈うん,うん,うん〉。
T: まあ〈{笑}〉,そう…。
I: そう簡単にはいかないかもしれませんけどね。
T: ですよね。
   場所によるよね,やっぱり日本でも田舎とか,まあ最近ずいぶん変わりましたけどね〈うん〉。
   えーと,アメリカではあんまり問題にならないでしょうね〈うん〉。
   ヨーロッパでもあんまり問題にならないと…
I: でも,アメリカでもなりますよ。
   うち〈あー〉,【地名12】はね,ば,【地名14】地区で行ってたときに〈ええ,ええ,ええ〉,いち,あのー,次男〈ええ〉,一番下の子が〈ええ〉,あのローカルな〈うん〉,あの小学校に〈あー〉行ってて,あの,けんかになった頃ありますね〈はー,はー,はー〉。
   あの,中国人と〈ええ〉間違われて〈あー〉,あの「国に帰れ」とか言って〈ああ〉けんかになってね〈ええ〉,「おれはアメリカ人だ」とか〈あー,そう〉言ってもう{笑}。
T: お子さんには,先生は,なん,何ておっしゃったんですかね。
I: あー,そのときー〈うん〉,えーと,よく,うーん,どうなったか,まあ先生がうまく〈ええ,ええ〉あの中に入って〈あー〉,で,もちろん,子どもとも,あの,話〈うん〉合ったんですけど〈うん〉。
   でも,こういうのも〈うん〉経験して〈うん〉乗り越えるしかないなと〈うん〉思って。
T: そうですね,ま,ちょっと話を変えますけど,うーん,ま,例えば,そのー,ちょっと,同じような感じかもしれないけど,オバマさんがね,大統領になるんですが,彼がなることで,アメリカは,じん〔人〕の〈うん〉意識は変わると思いますか?。
I: うーん,うーん,彼が大統領になったことによって,もうすでに変わってることがある〈うん〉とは言えると〈うん〉思いますけれど〈うん,うん〉。
   だからといって,人種差別が無くなるとか〈うん〉,あのー,黒人とかを,お,えっと,えーその,人種〈うん〉のことで〈うん〉問題がなくなることはないと思います。
   やっぱりいくら何でもそれが残るし〈ええ〉,うーん,でもいい傾向にい,行くと思うんですね〈うん,う,うん〉。
   すでに黒人としての〈ええ〉,ま,彼はハーフですけれどね。
T: ええ,そうですね。
I: ダブルですけどね{笑}〈ええ,ええ〉。
T: えーと,黒人。
I: みんな黒人と言ってるんだけれど,お母さん白人ですからね。
T: そう,そう,そう,そう。
I: でも,見た目で,あの〈うん〉,あの,イメージとして〈うん〉黒人として常に〈うん〉ニュースに出てたら〈ええ,ええ〉,やっぱり影響があると〈うん〉思いますが〈うん〉,だからといって,もうそういう人種差別的な〈ええ〉問題が消えてしまうとも思えないし〈うん〉。
T: 「人種差別」っていうのはそうすると〈うーん〉,なくならないものですか?。
I: あー,ま,人間は外見で判断しますからね〈うん〉。
   人種だ,だけじゃなくても〈ええ〉,何かで〈ええ〉,え,すでに外見で間違って〈ええ〉差別するとか,あるいは判断っていうのは〈ええ〉なくならないと思いますけどね〈うーん〉{笑}。
T: {笑}それに対して,じゃあ,先生の【宗教名2】のねところとか,【宗教名1】行とか,そういうものとかって何か関係がありますか?。
I: うーん。
T: 何か貢献す,できるようなこと。
I: 【宗教名2】,5・6世紀の【宗教名2】で人種差別,ある,るあん,あー,思ったことないんだけどねー。
T: もうその頃の国の状態っていうのはね〈うん〉,そもそも日本という国があったかどうかっていうね,えー,中国にしても,韓国にしても,そういう,まあ,えー,豪族とか〈うん〉そういうものはあっただろうけど〈うん〉,こ,こういう状態じゃないから,また違う〈うん〉じゃないかなとわたしは思ったりするんですけどね〈うん〉。
   例えば,柿本人麿と〈うん〉いうのは,確か,韓国からの帰化人ですね。
I: あ,そうですか。
T: だと思います。
I: あの万葉集の。
T: ええ,ええ。
I: ふーん。
T: だか,その,そういうことは,へ,とか,かん,九州には〈うん〉たくさん,いわゆる,朝鮮民族入ってる。
I: まあ,【宗教名1】は日本に伝えたあのー〈ええ〉最澄も〈ええ〉中国の〈ええ〉移民の,あの,しそ〔子孫〕,あの〈ええ〉,にさん,二代目か三代目ぐらいですね。
T: そう考えて〈うん〉みると,かえって昔の方が〈うん〉,どうでしょうね。
I: 日本がもっと国際的だった?。
T: うん。
I: {笑}うーん,あ,昔といっても,時代にも色々ありますね。
T: あー,もちろん1000年前,2000年前。
I: 鎖国時代とか,あの,中国との〈うん〉交流が多かったとき〈ええ,そうそう〉,少なかったときもあるから。
   うーん,でも,あ,日本は今でも言わ,思われてるほど,あの,そういう単一〈うん〉文化っていうか〈うん〉,みん,みんじ,民族ではないですからねー〈うん〉。
T: というのは,日本という国はまあ結構確立してるから〈うん〉,それに結びつく国家間とかいうの〈うん〉これはみんな〈うん〉,いわゆる日本人というのは持ってて〈うん〉,そうではないとき〈うん〉になると〈うん〉,あまりまあアジア人は区別ができないし〈うん〉,えー,ていうふうにも思ったりするんだけども,ま〈あー〉,そんなふうにも思いますけど,どうですか,その辺は。
I: あー,いやそういう方向に行くとちょっと過激だとこう〈{笑}〉,いう,言うかもしれないから止めた方がいいと思います{笑}。
T: そうですか。
   どうぞ,言える範囲で言ってください。
I: あー,うーん,ちょっと話は違うかも〈ええ〉しれないけれど〈ええ〉,ぼくは,あの,愛国主義とか愛国心は〈ええ〉よくないことだと思って〈あー,あー〉るんですね〈ふーん〉。
   いろんな文化とか〈ええ〉国とか〈ええ〉いいところに関して〈ええ〉誇りを持つこ,ま,だから〈ええ〉,自分のグループとか〈ええ〉町とか〈ええ〉,あのー県とか〈ええ〉国とか〈ええ〉,こう色々〈うーん〉そのレベルに,それでいいものを残したいとか〈うん〉,それに関して興味を持ったり〈うん〉,誇りを持つ。
   それは,いいんだけれど,国のレベルで他のこ,で,結局は愛国心は〈ええ〉その他の国よりこっちがいいんだって〈うーん〉いう。
   で,邪魔になったら他の国をやっつけないといけない,そういうものに必ず結びつけるので,えー,ぼくは良くないと思んだよね。
T: なるほどね。
I: あの,例えば,中国が〈ええ〉,ぼく,今危ないと思うのが〈ええ〉,2・30年間愛,愛国心の教育をやってるじゃないですか。
T: そうですね。
I: ですから,日本に対してこう暴動が起こったり〈ええ,ええ〉,あの,あの非常に中国に〈ええ〉若い人ね〈ええ〉,30以下の人〈ええ〉が話すともうぼくから見たら,極端な愛国心で,えー,こう,世界を見てる〈うーん〉。
T: ただし,中国の場合には〈うん〉,あのでっかい国で〈うん〉,もう民族がいろんな民族がいて〈うん,うん〉,えー,やっと,まあ,まとまってるっていうか〈うん,うん〉,この10何億〈うん,うん〉それについてはどう思われますか〈うん〉そのもしそうしなかったら〈うん〉国が成り立たないっていう。
I: そうですねー。
   まあ,そこ,うまくバランス〈{笑}〉取れればいいんですけれどねー。
   あの,ですから,いろんなグループがいて〈ええ〉,いろんな文化と人と〈ええ〉習慣が〈うん〉あって,それを〈うん〉あるレベルで国として,あの一つ〈ええ〉の社会である〈ええ〉ことを保ちながら,その,あの,独特性を持って〈ええ〉,バランスいけばいいんだけれど〈えー〉。
   えー,ぼくが言ってるのが,その今あの日本とかアメリカとか〈うん,うん〉他の国に対して〈うん〉,俺たちが中国が〈うん〉一番こう世界で〈うん〉えー,良い国だからこう〈うん〉あのすごく自己主張になってしまう〈うん,うん〉。
T: そうですね。
I: それが行き過ぎたら危ないなって思う。
T: 危ないですね,確かにね。
   非常に大きな問題。
I: だから,日本もこれから愛国心を〈ええ〉,育つための教育を入れないといけないっていう〈ええ〉。
   あの,その,いきろん分からないでもないですけれど〈ええ,ええ〉,日本の〈ええ〉いい所〈ええ〉に対して〈ええ〉誇りを持つとか〈ええ〉,自信を持つとか〈ええ〉,えー,それはいいんだけど〈うん〉,ま,違和感を感じますね{笑}。
T: そうですね。
   国家間って難しいものね。
   ちょっともう一つお聞きしたいんですけれど{息を吸う},あの,まあ,今ユーロ,ヨーロッパの場合ね〈うん〉,お金ユーロで〈うん〉統一をはかろうとしてますよね〈うん〉。
   日本でも,えー,ま,このー,いわゆるアジア圏という〈うん〉,韓国,中国,えー,まあもうちょっと,アジアと同じもの〈うん〉でいいかもしれないけど,あの,円,もしくは,ま,ユアンっていうかな〈あー〉,なんか,そういうものつくろうという考えが〈あー,あー〉あるんですけど,それはどう思われますか。
   そういう,もっと経済,経済的なことと政治のバランスっていうのか,あるいはアイデンティティの問題とか。
I: あんまり,考えたことないですね〈うん〉。
   経済はよくわからないし,あったら便利っていうとこも〈うん〉あるでしょうね〈うん〉。
   韓国,中国〈ええ〉,台湾とか行っても〈ええ〉,同じ,こうお金が〈ええ,ええ〉あったら,でも,ヨーロッパより〈ええ〉まだ難しいんじゃないですか〈あー〉,アジア圏でそれをするのが〈うーん〉,うーん。
   まだ,ヨーロッパが一つの大陸で〈ええ〉繋がってて〈ええ〉,あの〈ええ〉経済も結び付いてるけど,どうかなー。
   あー,そういう話あ,あるですか,ほんとに。
T: え,あります〈{笑}〉。
   ありますね。
   えーと,ま,わたし,専門は日本語教育ですから〈うーん〉,えー,ちょっと違う,うーん,ま,経済っていうよりは,むしろ,その日本語を,あの,アジア圏でね〈うん〉,一つの共通語にしようっていう〈うーん〉考えはあるんですね〈あー〉。
   えー,今のちょっと経済の話をちょっとしたいんですけど,もうドルがすごく弱くなちゃって,もう危ない〈あー〉,あのー〈あー〉,ほんとにアメリカの経済ってね,段々こっちにも影響が出てるんですけど,そういうことは感じられますか?。
I: あ,ドルが弱くなって…
T: て,うん,ドルが弱いし,アメリカの経済が弱くなってる〈あー〉っていうんで〈あー〉,でー,あの,例えば,就職も内定が取り消し〈あー〉。
   日本にまでもう来てますね〈あー,あー〉。
   そういうことについて,どうですか,何かお考えありますか?。
I: うーん{息を吸う}。
   あんまり考えないようにしてますけどね{笑}〈{笑}〉。
   ちょっとほんとに経済のこともよくわからないから〈ええ〉,やー,やっぱり気になりますけど,こうすればいいのかとか〈ええ〉。
   あれ〈ええ,ええ〉,ちょっと家内から。
T: はい。
   ちょっとあと〈うん〉わずかですからちょっと。
I: わかりました。
T: えー,そうですね。
   わかりました。
   ちょっとね,最後に,うーんと,ま,ロールプレイっていうんですけれど,あのー,簡単なもの一つお願いしたいんですね。
   えっとね,こうしようと思います。
   あのー,ま,えー,先生があの学生の頃というようなものを思いう,浮かべて。
I: 大学ですか?。
T: 大学ですね。
   でー,あのー,ま,学園祭で何か例えば【宗教名1】のえー専門家が来て,その先生を紹介すると〈うん〉,えー,わたしがそうだとします{笑}〈うん〉。
   えー,学生,日本人の学生がたくさんいるんですね〈うん,うん〉。
   でー,ま,講演会なんですけど,あー,短いあの【宗教名1】の誰か先生はいらっしゃいますよね?。
I: はい。
T: 何ていう先生ですか?。
I: うーん,そうですね,えっと,うーん,えー,【人名1】先生ですか。
T: OK,じゃ,そうしましょう〈{笑}〉。
   ほんとに短いちょっと紹介を〈うん〉して欲しいんです。
   ですから,恩師を紹介するという。
I: あ,あの,講演の前の?。
T: そう,講演の前で。
I: うん。
T: はい{手をたたく}。
   え,じゃ,わたしがその【人名1】,【人名1】先生ですね。
I: で,わたしが…
T: 学生で,を。
I: 【人名1】先生を紹介すると。
T: うん,はい,はい。
I: えーと,今日は色々集まっていただき,ありがとうございます。
   今日は,あの,ほんとに,えー,えー,嬉しいことですか,あの【大学名2】から【宗教名1】の専門の,えー,【人名1】先生がえー,来ていただいてます。
   ご存じのように【人名1】先生は,えーと,特に,えー,懺悔ですね。
   えーと,【宗教名1】の中のその懺悔についての専門家なので,今日はえー,その話を,えー,させていただきます。
   えー,どうぞよろしくおねがいいたします。
T: ありがとうございます,どうも。
   もう一つなんですけれど,実はそこにちっちゃい子どもがいるんですよ。
I: はい。
T: ちっちゃい子どもがいて,わたし,【T(名)】っていうのね。
I: はい。
T: で,これ,何をやってるかわからないんですね。
   子どもに今やってることを説明せいて欲しいんですね。
   子どもに,子どもに分かるような言葉で,例えば5歳くらいにしましょう〈うん〉。
   いいですね,簡単でいいです。
I: これですか。
T: 今の…。
I: 【人名1】先生の。
T: はい。
   えっと,この人はいったい何なの?。
I: うーん,この人はたいへん偉い先生で〈うん〉,あの,今日は特別にみんなに話に来たんだよ。
T: 何の話?。
I: ちょっとね,君にわかりにくいかもしれないけど,【宗教名1】という,あの,日本ですごく〈うん〉
   じゅ,あの,えー,なんていったらいいのかな〈うん〉,日本で〈うん〉,あの,たくさんの人が〈うん〉,え,信じてる〈うん〉あのー,もので〈うん〉,それについてすごくよく勉強して〈うん〉いる人だから〈あ,そう〉,たぶん。
T: ぼくが聞いてもわかるかな?。
I: あー,たぶんわからないと思うけど。
T: あ,じゃ,あんまり面白くない。
I: たぶんね。
T: あ。
I: ちょっと,大人の世界の話だから,悪いけど,あの,たぶんわからないかな。
T: あー,じゃ,いいよ。
I: いいですか。
T: はーい,ありがとうございます。
   どうも,あのー,ちょっと30分なので。
I: {笑}はい。
T: あのー,色々急いでる部分もありますけど,あのー,今日はどうもありがとうございました。
I: いえいえ。
T: はい。
   はい,どうも。