T: はい,それじゃ〈はい〉,はじめますけど〈はい〉,じゃ,OPI始めますけど〈はい〉,あのー,ま,わたしたちよく知ってる友だちですけど〈え〉,一応,名前ゆっとき,【T(姓)】です。
   だから,【I(名)】さんでいきましょうかね。
I: はい。
T: 【I(名)】さんでね。
   どうも今日はありがとうございます。
I: いや,こちらこそ。
T: はい,それじゃ,30分えー,ちょっとお話させてもらいますけど〈はい〉,まあ,そうですね,ずいぶん久しぶりに会いましたので。
I: そうですね{笑}。
T: なんか背が高くなりましたね{笑}。
I: そうですね。
   前は,もう子どもだったんですけれども,日本語を勉強していた,し始めたところですから,まあ,まるで子どものように〈{笑}〉,えー,先生が思われているだろうと思うんですけれど。
T: いえいえ。
I: そういう意味でちょっと成長した〈{笑}〉,してきたんじゃないかなと,ま,期待しているんですけどね〈いえいえ〉。
   やっぱり,ま,あの,前の人〈ええ〉は,えー,家内で〈ええ〉,は,日本語比較するだろうと思うんですけれど〈いえ,いえ,いえ〉,もう恥ずかしいな〈うん〉と思いながら〈うん〉,もうそれ〈いえ〉わかることだと思うんですね〈いえ,いえ〉,実は。
T: あのね,奥さんの【人名1】さん,確かにあの日本語の達者なすごくね,面白い方でしたね。
   えっと,【地名1】でお会いになったんですよね。
I: そうでしたね〈うーん〉。
   あのー,1年多いだったですね,彼女が。
T: あ,なるほどね。
   えっと,【人名1】さんは文学,日本研究。
I: ま,一応,ま,一応,文学として入ってきたんですけれども,落語に興味があったんですね。
   ま,もちろん,それに関わる〈ええ〉,えー,文学でしょうかね〈ええ〉,と,ま,あの歌舞伎ですね。
   それに基づいて〈ええ〉,一応そうですね,落語の,落語だったかな,ま,一応,そうですね,特に弁慶を扱う話。
T: あ,そうですか。
I: あ,論じてた〈あー,あー,あー〉と思うんでけど〈ええ,ええ,ええ〉,勧進帳とかそういうのが。
T: あ,なるほどね。
I: あ,違うかな。
   勝手に思い出してるかな。
T: 作っちゃった。
I: なんかそういう感じですけれどね〈おー〉。
T: 【I(名)】さんは,えっと,そこ,マスターでした,修士ですね〈ええ〉,ええ,ええ。
   その頃は何をやってらっしゃったんですか?。
I: えーと,そうですね。
   大学で〈ええ〉紹介してもらった【作家名1】の〈ええ〉【小説名1】という〈あ,はー,はー〉小説について,えー,論じたかったんですけれども〈ええ,ええ〉。
   なぜかというと,文化には全然興味がなかったんですけれど〈あ,はい,はい〉。
   大学に入る前に,え,ま,英語と言葉を勉強しないことに決めたんですよ。
   もう,絶対,嫌ですから,もうしない。
   で,もういろんな〈はい,はい,はい〉事情で〈ええ〉大学院に入って〈ええ〉日本語とま〈ええ〉,日本語を教えたかったんですけれど。
T: なるほどね。
I: で,どういうま,仕事をして〈ええ〉,教えられるかというと,その言語学か〈ええ〉文学〈ああ〉。
   どちらかというと,ま,文学の方が〈ああ〉,ま,売りやすいってえば〈ああ〉,売りやすいだろうと思って〈ええ〉,入っちゃったですよ〈ええ,ええ〉。
   だけど,そのせいりには全然興味がなかったんですよ〈ええ〉。
   川端康成なんかにしたら,何百人,何千人〈うん〉をもう研究したからね〈あ,はー,はー〉。
   かいに,もん,ものすごく細かいことについて〈あ,はー,はー〉えー,論じなくきゃいけないと思ったからね。
   かえって,大岡昇平は割と,まあ,平凡だね〈ええ〉。
   割と,ま,新鮮というか〈ええ〉,**ものだったんですよ〈うん〉。
   ま,一つの論文〈ええ〉ぐらいでしたね〈ええ〉。
   だから,それに決めたんですね。
T: なるほどね。
I: まだ,もう一つの理由は,やっぱりそういう,死を扱うんですよね〈ええ〉,戦死とか〈ええ〉。
   で,あの,自分の父も〈うん〉,わたしが九つだったかな〈ええ〉,戦争で亡くなって。
T: それは,戦争で?。
I: いやいや,そうでなくてたぶん亡くなったんですね〈ええ〉。
   すごく,ま,ショック受けたというのは〈はー,はー〉,当たり前ですけど〈ええ,ええ〉,影響を与えられた感じなんですけれどね。
T: あ,なるほど。
I: で,その死について〈ええ〉,まあ,論じると,自分の歴史もなんか〈うん〉分かるんじゃないかなと思ったんですよね〈ふん,うん,うん〉。
T: 自分の歴史ってどういう?。
I: というのは…。
   えーと,ですね〈ええ〉。
   やはり,あの,よく人に会うとか〈ええ,ええ,ええ〉,ま,わたしの父が〈ええ〉し,亡くなったって〈ええ〉言わないんですけど,割と自然にですね,会話に〈ええ〉出てくるんですよ〈ええ〉。
   で,わたしの九つの〈はい〉1969年ですね〈はい〉,から,よく話すんですよ〈ええ〉。
   「あー,あのときから」とか,「それは,まあ,父の亡くなった,えー,2年前」とか,その,「父の亡くなった〈あー,あー〉3年後」とかね。
T: あー,なるほど。
I: 「亡くなる前」とかね。
T: おー,ええ,ええ。
I: で,そういう意味で〈うん〉何でその父が〈うん〉,えー,わたしの人生の中で〈ええ,ええ〉,**〈ええ〉たの,そんなに強く残っているか〈うん,ええ,ええ〉,ある意味でね〈うん〉,もう,当たり前ですね〈うん〉,人間は〈うん〉死ぬものだって〈うん,うん〉分かってるんですけどね〈うん,うん〉。
   自分の〈うん〉父が亡くなる〈ええ〉のも,ま,ショックだって〈ええ〉いうことも当たり前です〈ええ〉けどね。
   ずーっと,ま,そのときからでしょうかね〈うん〉,死を合理的に〈うん〉扱うはずだとか,扱うべきだと〈うん〉自分が思ってきたん〈うん〉,思ってきたんですよ〈ええ,ええ,ええ〉。
   だから,もし〈うん〉,論じたら〈うん〉とか,研究したら〈ええ〉,より,そういう不合理な〈うん〉,ま,働きが〈うん〉わかるんじゃないかなと〈うん〉思ってたんですよ〈うん〉。
   結局,わからないんですよ{笑}〈{笑}あー〉。
   えー,あのー〈うん〉,うん,やはり,人間〈え〉は自分の死,他者の死についても考えを読む,書くのが〈ええ〉ものずごく難しい〈うん,うん,うん〉と思いますね。
   で,いくら,ま,当たり前っていう,自分がわかっててもね,自分の例えば母の死を想像する〈うん〉と。
T: もうお母さんは亡くなってる?。
I: ま,まだ,だから創造するんですね。
   あの…
T: 創造すると,はい,はい。
I: だから,どう,自分がどう反応する〈ええ〉,どう,どう思うか〈ええ〉ですね。
   わからないんですね。
   そこが,すごく,ま,嫌な感じを〈うん〉,まあ,わかすんですね〈うん〉。
   自分がね〈ええ〉,やっぱり,母とこういう話も〈うん,うん〉何回もしたことあるし〈ええ,ええ〉ね。
   当たり前のこと〈うん,うん〉,もうやっぱり悲しみな〈うん〉ときではなく〈うん〉,喜びを〈うん,うん〉,まあ,あの,あげるようなパーティーをあげたほうが〈ああ〉いいというか,十分〈うん〉生きてきたから,もう大丈夫だ〈ええ,ええ〉,そういうふうに思って欲しいんですね〈うん〉。
   わたしが〈うん〉死についてね。
   だけど,悲しくなるだろう〈うーん〉。
   そこがね,悲しくなるのもね〈うん〉,あの,わ,悪いことではない〈あ,うん〉,決してね。
   だけど,なんで自分がもう合理的に〈うん〉ただわかって〈うん〉,その理解にね〈うん〉,喜べないか〈うん,うん〉。
   わからないんですよ。
T: ま,たぶん〈ええ〉,こ,9歳のときですか〈ええ〉,お父さん亡くなったとき。
I: はい。
T: やっぱし,その,わたしの場合は,父はやっぱりもう13年前に亡くなりますけど〈うーん〉,もう,ま,こっちは年をとってるからあんまり〈いや,いや〉。
   親もその90歳くらいで亡くなってるからあんまり。
I: あ,そうでしたか。
T: あんまり,そんなに大きなショックじゃない,正直なところね〈ううn〉。
   でも,子どもだと,やっぱり,それはおっきいでしょうね〈うーん〉。
   だから,そういうきっかけがあったんですね。
I: まー,そうですね。
T: わかりました。
   それで,ま,大岡昇平。
I: で,で,ま〈ええ〉,一応〈うん〉,まあ〈ええ〉,自分の父が人を食べたか,食べられたかということではないんですけれどね〈ええ〉。
   ま,とにかく,大岡昇平の,ま,**について…
T: なるほどね。
I: えー,論じて〈ええ〉。
   家内に会ったんですけどもね〈ええ,ええ,ええ〉,で,もう,初めて会ったときに〈ええ,ええ,ええ〉,ちょっと変な話です〈うん〉けれどね,あってもう嫌いだったんですね〈うん〉。
   嫌いに,お互いにね。
T: お互いが嫌いだった。
I: お互いに嫌いだったんで,でー,だんだんあー〈うん〉,ま,おんなじ学校だからね〈ええ,ええ〉,あの〈ええ〉,会ったりして。
T: 同じクラスがあったんですね?。
I: そうですね。
T: うん,えー,はい。
I: 最初のクラスは〈ええ〉,まあ,日本文学のクラスで。
T: なるほどね。
I: で,あの,だんだん〈うん〉彼女の家族について〈あー〉わかってきて,同じ町に住んだ〈うん〉,あれ〈ええ〉,彼女の〈ええ〉お兄さんですね〈ええ〉,が,わたしの母の,まあ,知り合いで。
T: あー,そうですか。
I: わたしの家族とちょっと,あの…。
T: 関係が。
I: 関係があったんですね〈はー,はー,はー〉。
   で,そういうことが〈うん〉あったりして,あのー,その家もね〈うん〉,その家の〈ええ,ええ〉話もしたんでね。
   わたしのやっぱり子どものとき,その家に遊んでたんですよ〈あー,はー,はー〉。
   で,そういうことで,ま,だんだん近づいていって,ま,結局〈うーん〉,えー,ま,結婚したんですけど〈あー〉,結婚する前に〈うん〉断られ,断られたんですよ。
T: {笑}じゃ,【I(名)】さんがまずプロポーズしたけど,断られちゃった。
I: で,で,もう,だめだめということで〈うん〉。
   だけどね,また,それもまあちょっと変な話〈うん,うん〉ですけどね。
   えーと,7月3日でしたね〈はい〉。
   レストランに行く予定だったんですけれど,結局〈えー〉見つけられなかったんですよ〈うん〉。
   あちこち〈なるほ〉,もう,初めてですからね〈ええ〉,もう車で〈ええ〉行かなければ〈ええ〉ならないところでね。
   で,帰ってきて,彼女のアパートで何か食べたんですね〈ええ〉。
   いろんな,何か,一緒に〈ええ〉これからどうなるか〈ええ〉というような話をしたんですよ〈ええ,ええ〉。
   もし,一緒になったらどうなるかというところまでではないんですけれども〈うん〉,そういう,まあ,あの,会話の中に〈ええ〉漂っていたんですね。
T: なんか,文学的ですね{笑}。
I: そうですね。
   で,やっと,一緒にならないことがだいたいわかってたんです〈はー,はー〉。
   で,わたしは帰って,彼女は〈ええ〉,ま,寝たんですね。
   次の日に〈ええ〉,ちょっと遊びにいったんですね〈ええ〉。
   彼女がね,いや,今日は遊びに来ないだろうと思ってたんですね〈ええ,ええ,ええ〉。
   で,なんで,じゃ,ま,あの,断ったから〈ええ〉,行ったんですね。
   で,最初,「うーん,まあ,そうだけど」って言ったんですね〈うん〉。
   彼女がね,要するに,実はね〈うん〉,「正式に聞いてくれなかったよ」って〈あー,うん,うん〉言ったのね。
   あ,そうか,じゃ〈{笑}〉「結婚してくれませんか」って,「はい,しません」って。
T: 「はい,しません」だった{笑}。
I: もうそういう話でしょ。
   で,はい,わかりました。
   で,ちょうど,えーと,あの時期かな〈ええ〉文部省に申し込んだんですよ〈ええ,ええ,ええ〉。
   で,夏にやっぱり,まあ〈ええ〉,うけいり,受け入れてくれたんじゃないですか〈あ,はい,はい〉。
   で,【地名2】大学に〈ええ〉行くことに〈ええ〉なったんですね。
   で,その秋かな〈ええ〉,再会したんですよ〈うん〉,家内と〈はい〉。
   ま,そのときは,まだ〈ええ〉,ひと。
   で,彼女の両親に〈ええ〉住む,****〈うん〉近い浜を〈ああ〉歩いてたんですよ〈ええ〉。
   まあ,いろんな結婚についての話をしたんですよ。
   ま,わたしは割とうぶですからね{笑}〈{笑}〉。
   そういう結婚する話イコールわたしがちょっと考え直したんで,どうなるかっていう意味がわからなかったんですよ〈あ,あー,あー〉。
   これも,まあ,理想というか〈ええ〉,想像というか〈はい〉,そういうような話ですね〈あー〉。
   じゃ,これから〈うん〉,ちょっと両親と〈ええ〉ちょっと話しましょうと〈はい〉誘ったんですね。
   これは,ただ,結婚について,その考えについて〈ええ〉話す,えー,ま,機会だと〈うん〉思ったんですよ〈うん〉。
   彼女の考え方は少し違うんですけどね。
   で,両親の前に,そう,座ってね,で,話かける前にね,彼女が急に「はい」って言ってくれたんですね〈うん〉。
   で,その「はい」がもう突然に出てきたんですね〈ええ,ええ〉。
   「はい」,「はい」,あの「はい」っていうことになった〈ええ〉。
   あ,そうか,で,急にね,もう,結婚し,結婚するよってことが,その,両親とちょ,話す直前で〈あー〉すごくあわてたんですよ〈あー〉。
   でも,わたしも全然もう借金もあったし,仕事もなかったし,若かったし,もう,結婚相手の資格を一つもなかったんですよ〈あー,はー,はー,はー〉,という心配もあったし。
T: なるほどね。
I: ま,そういう反応もあったんですけどもね。
   ま,これ,大岡昇平とは全然の関係ない話ですけどもね。
T: じゃあね,そういうのにも関わらず,ま,「愚妻」と先ほどおっしゃったけど〈いやー〉,そういう表現っていうのかな〈ええ〉,そういうのはアメリカ人,普通のアメリカ人だったらどうでしょうね。
I: いや,いや,使わない。
T: で,やっぱり,あのー,英語を話す,話すときは〈ええ〉,そういうような言葉を使わないんです〈うん〉けれども,日本人は,まあ,そういうこと言うし,ま,もちろん文学がご専門だからそういうね〈ええ〉,どうですか,そういう,その,日本人のメンタリティ,あるいはアメリカ人にはそういうものはないもんでしょうか〈いえ,ええ〉。
どうですか?。
I: そこが,ま,それ,個人のことなんですけどもね,そういうような表現を使うのはね,努力しないと〈うん〉できないんですよ〈うん〉。
   で,特に〈うん〉,日本語を勉強し始めて〈ええ〉,ずぐ日本に来たんですね〈ええ〉,だから,その夏の〈ええ〉集中コースで〈ええ〉勉強して,ここに〈ええ〉来たんですよ〈ええ〉。
   で,敬語とかね,そういう〈うん〉,なんだろ,人間に対する,ま,不平等な〈うん〉,それはアメリカの立場から言うですけどね,不平等な〈うん〉ところを〈うん〉強調する言葉,文法を〈うん,うん〉決して使わないことに決めたんですよ。
   だから,敬語とか,尊敬語〈ええ〉,謙譲語〈ええ〉,使わないことにしたんですよ〈ええ,ええ,ええ〉。
   もう不平等だからね。
   昔の目上の人も〈ええ〉いないし〈ええ〉,目下の人もいない〈ええ〉。
   で,そういう立場がすごく誇りのある立場だと思ってたんですけど〈ええ〉,結局実は,その10年間の間でしょうかね〈ええ,ええ〉,日本語って〈うん〉いうものを〈ええ〉使わなかった,ま,使っていなかったでしょう。
T: あー,なるほどね。 
I: で,だんだん〈うん〉,ま,それは,家内のおかげでしょうかね〈ええ〉。 
   家内に言われたら〈うん〉,誰かに言われたんですけれどもね〈ええ〉,自分の〈うん〉,ま,日本語らしきもの〈ええ,ええ〉を使うのと〈ええ〉,日本語〈ええ〉使うのとは違うんですよ。
   前,やっぱりショックだったんですよ。
T: あー,なるほどね。
I: で,まー,そうですね。
   家内の〈うん〉日本語を見ると〈うん〉,女だけどね,やはり彼女が〈うん〉そういう制度,言語的な制度に〈ええ〉入ったとこ,自分も〈ええ〉,も,努力して入れたんですね〈ええ,ええ〉。
   で,わたしは,できるだけ避けたんですね〈うん〉。
   で,彼女の日本語はわたしより良いし〈うん〉,あ,そうか,そういうふうに考えないといけないなって,わかってたんですよ。
T: なるほどね。
I: だから,そこから,まあ,愚妻みたいな言葉を〈あー〉使えるんですけど〈ええ〉,やっぱり日本語で使っても〈ええ〉,冗談はん〈うん〉,冗談とか,ま,割と〈うん〉,し,よく知ってる人〈あ,はい,はい,はい〉とだけ使わないんです〈うん,うん,うん〉。
   で,あ,愚妻が,まあ,こういうことだって,知り,ま,知らない人って使うと思わ,絶対,悪い印象を,ま,与えるんじゃないかと,誤解しやすいと思うんですね。
T: 結局,日本の社会は,確かにそう言語的にそういう面も持ってるし,ま,実際まだ男女差別とかで,アメリカはどうかって言ったら,アメリカは同じよう,ぼ,じゃないかとぼくは思うんですけど,どう思われますか?。
   アメリカの例えば〈あー〉,ええ,アメリカの方がむしろもっとその男性社会っていう気がするんですけれど。
I: 確かに言えます。
   で,言葉にも出てくるんですよ〈ええ〉。
   特に大学時代の〈うん〉人たちが,よく,guysとgirlsと言うんですね〈うん〉。
   これまあ,あんまり,大したことないと本人が思ってるし〈はい〉,女も男も〈ええ〉。
   だけど,やっぱり,guysの,ま,対象〈うん〉かなと言えますかね〈うん〉,がgals〈うん〉。
   Girlsのはboys。
   で,やっぱり,boysとgirlsだったら,割と若くて〈ええ〉,あのまあ〈ええ〉,あの**〈ええ〉,大人ではないことだね〈ええ〉。
   Guys,まあ,どちらかというと子どもじゃない方。
T: うん,そうだね。
I: guysとgirlsというとね,女も使うんですよ〈ええ〉,**〈ええ〉,**とかね〈ええ〉。
   で男はよく「guys to this, girls to that」と言うんです。
   で,学生に注目すると,「いやー,私たちは気にしないよ」〈あー〉と言うんです〈ええ〉。
   そこが,なるほど〈うん〉,本人もね〈うん〉,これが問題だと思わないならば〈うん,うん〉,それより広い〈うん〉ま,男女差別とか〈うん〉,あの,平等なとこが直らないじゃないかなと〈うん〉思うんですよね〈うん〉。
   そこで,がっかりしちゃう。
T: 例えばね〈うん〉,今,オバマが,まあ〈ええ〉,大統領になりましたけれどね〈ええ〉,アメリカ社会は,結構,やっぱり,まだまだ,その民族問題,いろんな背景〈あー,はい〉,どれくらい変わると思いますか?。
   その,男女差別っていうものも含めて,どう,良くなりますか,なりませんか?。
I: {笑}あ,あの,何ですか,その楽観性,悲観的な〈はい〉,あの,考え方かもしれませんが〈ええ,ええ〉,変わらないと思うんですね〈あ,はー,はー〉,と言いながら,変わった〈ええ,ええ〉。
   もう必ず〈ええ〉黒人が大統領になることは〈うん〉画期的で〈うん〉,変わったという証拠なんです〈ええ〉けれども〈ええ〉,その,ま,画期的な〈うん〉変化〈うん,うん〉イコール社会が変わるとは限らないんですね。
   で,普通の,普通の人はどう思うか。
   いや,一人だけだったからね,例えば,あれは例外だって簡単に言えるんですし,彼だけがそうだとかね,
  えあの,「破戒」という〈ええ〉島崎藤村の小説〈はい〉,知ってますね?。
T: はい。
I: そこに,まあ,やっぱり〈うん〉その部落民,***,兵隊なんですけれどもね〈ええ〉。
   差別についての〈ええ〉本ですけれども〈ええ〉,出てきた,まあ,あの,登場人物は〈ええ〉,一人*まえおいてないですけれども,あ,やったの一人ですけどもね。
   やっぱり,有名になっていったんですけれどもね〈ええ,ええ〉。
   で,しかし,彼らは特別だって〈あー〉,そういうよくある差別のなかに,ま,その,普通の〈うん〉差別された人種とか〈うん〉,人,離れた〈うん〉人物は〈うん〉簡単に,なんか,自分の差別を持つ〈うん〉罪といったらおかしいんですけどもね〈うん〉,違和感〈うん〉を慰める〈うん〉ように使えるんですね〈うん〉。
   だから,やっぱ…
T: そうすると,オバマさんなんかは〈ええ〉,そういう意識を持ってるんであろうか。
I: いや。
T: つまり…
I: 彼,彼ではなく〈うん〉,その周りの人という,その国民が…
T: なるほどね。
I: まあ,黒人があまり良くない〈あー〉と思っててもね,まあ,彼は特別で〈あ,そっか〉,まあ,こういう人だ,でも,彼ちょっと意外。
T: なるほどね。
I: しかし,普通の黒人〈うん〉,黒人がって簡単に思えるんですよね〈うーん〉。
   だからね,まー,少し,やっぱり,あの,オバマの前に〈うん〉,えー,***も〈ええ〉,国務だった,こく,こく,何だったんだっけ一回は,ま,とにかく〈あ,はい〉今のライス。
T: ライスさんもそうですね。
I: で,オバマだった。
   で,3人が〈うん〉,やっぱり,あの,かなり〈ええ〉力をもって,あの,目立ってた,黒人の人ですから。
   だんだん〈え〉,ま,変わる可能性が高まってきた〈ああ〉っていう感じですけれど〈ええ,ええ〉,これでもう変わるとは言えないとわたしは思うんですけどね。	
T: なるほどね。
   で,じゃ,ま,ちょっと〈はい〉人種問題ちょっと〈あ,はい〉おいたとして,彼のまあ,人種問題おく,その,経済はね,彼の力で〈あー〉,よくなるんでしょうか,どう思われますか〈{ブレス}〉。
   彼だからとか,あるいは,白人だから,黒人だからとひょ,関係あるかどっかわからないですけど,いや,どうですか?。
I: いや,だからその,人種,人種とは全然関係ないと思うんですよね〈うん,うん〉。
   経済が良くなる,ま,いつか良くなるだろうが〈うん〉,彼のおかげで〈ええ〉とか,えー,ただ時間が〈うん〉経つにつれて〈ええ〉良くなるか〈ええ〉わからないんですよね〈ええ〉。
   日本もそうでしょ,ま,10年か,15年間も〈え,え〉,そういう,あの,不景気,やっぱりここにいるとね,外国人としては〈ええ〉不景気とは全然感じないんですけれどね〈うん,うん〉。
   えー,まー,そのバブルとは〈ええ,ええ〉ちょっと違う〈ええ〉,えー,状況ですからね〈ええ〉,アメリカもそうだろうと思うんですね〈うーん〉。
T: アメリカの場合は,このサプライムの問題っていうのは,すごくおっきいように思います。
   ぼくも経済詳しくないから,よくわからないけど,でも…
I: いかにも,もんとに,いろんな失業者がどんどん増えていくっていうね。
T: それは確かにそうですけれどもね〈ええ〉。
   その問題はどこにあるかというと〈うん〉,その国民の,なんか,信用がなくなったこと。
I: 信用?。
T: 「信用」というのはね〈ええ〉,そういう株〈ええ〉について,こ,あの,その,なんのその,株の市場とか,アメリカに〈ええ〉とか,そのー,協賛じゃなくて,資本主義〈ええ〉制度に信用ができなくなるという。
I: あ,なるほどね。
T: し,しんないか,し,しんないか。
   道理に使うほか,ちょっと分かんないですけどね。
I: とにかく,そういう,しん,もしね〈ええ〉,そのサブプライム・ローンとかね〈ええ〉,それも,日本語でどう言うか分からないんですけれども。
T: サブプライム・ローンとかっていうと,よくわからないですね。
   意味がよくわからないですね。
I: 自分〈ええ〉の,ま,人生〈ええ〉,世界にさ,あの,影響がなかったら〈ええ,ええ〉,いくら悪くても,ま,その制度〈うん〉,だから,そのね,は,うまくいってたら〈ええ〉,大丈夫だと思〈ええ〉ったら,悪くなるは,ことは確かに悪くなるだろうと思うんですけれどもね。
   今ほど,悪くならなかったんじゃない〈うん〉かなと思うんですよね。
   だけど,やっぱり,その偉い人がこれは駄目だっていったから〈ええ〉,あまり何も知らない人もね〈うん,うん〉,悪いかって〈うん〉,何かの,えーと,ま,パニックしてしまう〈ええ,ええ〉,パニックもね,なんかその,とにかく{息を吸う}自分がね〈ええ〉,詳しくないから〈ええ〉,こういう,ま,偉い人の言ったことに信じるんですね〈うん,うん〉。
   で,それ,問題だと思うんですよね。
T: ただ,例えば,円がすごく強くなっちゃって,ドル弱い。
I: ありがとうございます{笑}。
T: ガソリンがね,すごく高くなると,また,戻ったりとか。
I: も,すんごく戻ってきた。
T: だ,そういうのは,**が何か言ってるからと,夜,ほんとにその場でわかることですよね。
I: {ため息}そうですね。
T: だから,我々は,そのし,経済のこと,よくわからない人間は,何を信用したらいいんでしょう。
I: いや,だから,例えばね,次女によく聞くんですよ。
   次女は,逆にニュース聞くの,好きですけどね〈あ,はー,はー〉。
   よく聞くんですよ。
   このことは,ま,良いか,悪いか,私たちの生活に〈ええ〉関わってくるかって〈ええ〉いうこと。
   で,うちはね〈ええ〉,やっぱり,その,住宅ローンがあるんですね。
   で,その,なんですか,そういう,払う額が〈ええ〉決まってる〈うん〉ことは知らなかった〈うん〉。
   ま,その,もう決まった〈はい,はい〉利子〈ええ,ええ〉,**はいってしまう。
   ま,とにかく,えー,毎月払うお金が〈ええ〉30年間決まってるんですよね。
   で,そのサブプライムの問題は,払うべきお金が増えてくるから〈うん〉,くるんですよね〈うん〉。
   ま,うちは,ま,そういう問題はない。
   で,その,住宅ローンは〈うん〉そのまま,だから問題はないよと説明するんですよ〈ええ,ええ,ええ〉。
   でやっぱり,この割にこういう〈ええ〉いろんな大変なことが〈ええ〉おお,もう,起こっていても〈ええ〉,うちは,ま,仕事がある〈うん,うん〉。
   えー,うちもある〈うん〉,食べれる〈うん,うん〉から,心配する必要はないよって,もちろん,子どもに言う。
   子どもに心配してくださいとは言わないんですね〈{笑}〉。
   だけど,やはり,ある意味ではですよね〈ええ〉,信じているのは,自分がこういうこというのはちょっと信じられないんですけれどね〈ええ〉,その,資本主義制度〈うん〉ですね〈うん〉って言っちゃうのはほんとに信じられないんですよ,わたしは。
   だけど,そういう,資本主義か共産,何でもいいんですよ。
   とにかく,マーケットでね〈うん〉,ま,だいたい,うまく働くんじゃないかな〈うん〉と思うんですよ〈うん〉。
   で,今は,まー,かなり差があるし〈うん〉,上がったときもあるし〈うん〉,平均というか〈うん〉,ま,ちょうねん〔長年〕で考えると。
T: 長期期間かな。
I: うん。
   考えると,ま,大丈夫だろうと,これから10年後聞いてください。
T: わたしも,そう,苦手。
I: 橋の下に住んでるかもしれないし。
T: はい。
   ずいぶん,お話しましたけどね,じゃ,ロールプレイをする必要があるのでね〈はい,はい〉,あのしようと思うんですけどね〈はい〉。
   ま,例えば,大岡昇平,あ,彼はいつ亡くなりまし,亡くなりましたっけ?。
I: えー88年に亡くなり…
T: あー,じゃ,20年前ですかね。
I: ちょうどですね〈ええ,ええ〉,クリスマスに。
T: 変ですけど〈はい〉,一応,まあ,大岡昇平が生きてるとして〈え,え,はい〉,会ったことありますか?。
I: いや,残念ながら。
T: 残念。
   ま,会ったとして〈はい〉,幽霊みたいですけれど〈はい,はい,はい〉,この大岡昇平に〈ええ〉あの,え,講演の依頼をね〈ええ〉,ちょっとお願い,がんも,その頃まだ学生だったかもしれないし,ま,そういうね,何て言うかな〈はい〉,あのー,コーディネーターみたいな〈はい〉仕事をしてると〈はい〉,大岡昇平にコンタクトをとって,ここ【地名3】大学だから,【地名3】大学の学園祭か何かで大岡昇平を呼ぶと〈ええ〉,日本人の学生,いろんな学生がいるんですけれど,そのための学生の代表として〈ええ〉,わたしに〈あー〉講演の依頼を〈はい〉お願いすると〈はい〉,短い1分くらいで〈はい〉お願いします〈はい〉。
   いいですか,じゃ,電話で,電話で〈はい〉。
   はーい,もしもし,大岡昇平です。
I: もしもし,おそれいります〈はい〉。
   えー,【I(姓)】と申しますけれども,【地名3】大学の〈はい〉,えー,大岡ファンクラブの代表なんですけれども。
T: ありがとうございます。
I: えー,ちょっと〈ええ〉,お,お願いがあってお電話させていただきます。
T: なんでしょう。
I: えーと,ですね〈ええ〉,えー,来月の,えー,18日に,【地名3】大学の大岡ファンクラブの,えー,30年周年記念日のために〈ええ〉いろんな学者を〈はい〉呼んでいますけども〈はい,はい〉,え,もちろん〈ええ〉大岡昇平じたいが〈はい〉,さん,参加できたら〈はい〉,あの,すごく〈ええ〉,えー,嬉しいんですけれども。
T: あー,あ,ありがとうございます。 
   えっと,いつでしたっけ,もう一度。
I: えーっと,来月の18日です。
T: あー,ちょっとね〈はい〉,その時用事があって〈はい〉。
I: あ,そうですか。
T: はい,他の日はどうでしょうねえ?。
I: あ,そうですか。
   えーとですね。
T: 次の25日はいかがですか?。
I: あ,そうですか。
   あ,それも,可能だろうと〈はい〉思いますけれども〈ええ〉,えー,やっぱり,そうですね,そうですね,いや,あの,また〈あ〉,えー,学生。
T: じゃ,その日を調べていただけますか?。
I: はい,ちょっと調べといて。
T: それで日にちがうまくいけば,もう一度詳しく話を聞きましょうかね〈はい〉。
I: はい,すみません。
T: はい,ありが。
I: しかし,もう,ありがとうございました。
T: はい〈はい〉,ありがろうございました。
I: はい,ごめんなさい。
T: で〈ということで〉,友だちにこの話をね〈はい〉,親しい友だちだいるんですよ,クラブに中で,ファンクラブで。
I: あー,はい{笑}。
T: でー,そうですね【T(めい)】というね,その,友だちですね,ほんとの友だち〈はい〉。
【I(姓)】どうだったの,それで?。
I: アイヤイヤイヤ,それは〈うん〉大変だったんですよ〈うん〉。
   なぜかというと…
T: 大岡さん何て言ってた?。
I: いや,大岡さんはものすごく優しくわたしの話を聞いたけどね,外国人で何を言うかわからなかったんで,もう〈あー〉,やっぱりそこで敬語を使う必要があるのにね,使わなかったんだでね,無礼だったとおもうんだよ,ほんとに。
T: なるほどね。
I: でも,おこらなくても,大変だと思うんだよ。
T: けど,彼は来てくれるんですか?。
I: いや,あの,18日はやっぱり用事入ってるから,来週の25日は〈うん〉どうかってちょっと言ってくれたんだけど。
T: なるほどね。
I: {ブレス}どうだろう。
T: じゃ,また,無視して,頑張って。
I: じゃ,まあ,またやりますけどね。
T: 頑張って。
   やっぱり,大岡さん来てもらわないと困るから。
I: いや,まあ,それは,いや来てくれたらいいけどねー,もう。
   誰の話で,こう。
T: かえって,外国人がやる方がいいんだよ。
I: あ,そうかな。
T: やっぱりね,あの。
I: あ,そうだったらいいけどね。
T: 頑張ってね。
I: はい,頑張ります。
T: はーい,どうもありがとうございます。
I: もー。
T: どうなんですかね。
   結構,こんな仕事多いんでしょ,ディレクターとして,そうでもないんですか?。
I: いや,少しはあるんですけれども。
T: でも,だいたい,セクレタリーが。
I: そうです。
   それ,もう。
   いや,そこが,もう一番緊張して〈ええ〉いたところですよ〈あー,あー,あー〉。
   で,自分も,ま,その,10年間の〈ええ〉敬語を使わないときもあるけど,それは言い訳ですね。
   敬語が,ま,日本が,ま,敬語。
T: ごめんなさい。
   もう,そろそろ時間なもんですから〈はい〉,ここで一端〈はい〉,終わりますけど,どうもありがとうございました。
I: いえいえ。
T: はい。