T: はじめまして【T】です。
I: はじめまして【I】です。
T: よろしくお願いします。
I: お願いします。
T: えっと,【I】さんは,あの,お国はどちらですか?。
I: ブラジルから,来ました。
T: そうですか。
I: はい。
T: えー,日本に来てどれぐらいになりますか?。
I: じゅ,もうすぐ13年になります。
T: はい,で,今は,えー,学生さんですか?。
I: はい〈はい〉。
   高校生です。
T: 高校生ですか。
   ちょっと,じゃ,あの,わたし,えー,【I】さんのこと,ぜんぜん,わ,あの,存じ上げないので〈はい〉,自己紹介をしていただけますか?。
I: はい〈はい〉。
   【I(フルネーム)】です〈はい〉。
   あの,高校3年生です〈あ,3年生,はい〉。
   17歳です〈ふーん〉。
   特にないです{笑}〈あ,そうですか〉。
   すいません{笑}。
T: はい,わかりました。
   で,あのー,ブラジルは,あの〈はい〉,どこのご出身ですか?。
I: 【地名1】の〈あー〉【地名2】ってところです。
T: というところですか。
   もう日本に来てから長いので,まー,いっ,ときどき帰るようなことはない?。
I: 1回だけ帰りました。
T: いつごろですか?。
I: 9歳のとき〈はー〉。
T: じゃ,ずいぶん前ですね。
I: はい。
T: わかりました,はい。
   で,えー,今この近くに住んでいらっしゃるんですか?。
I: はい。
T: そうですか。
   あの,ここまでは,どんなふうにしていらしてるんですか?。
I: じでんしゃ[自転車]で来ました〈はー〉。
T: わかりました,はい。
   そうですか。
   で,あの,ご家族と一緒にお住まいですよね?。
I: はい〈はい〉。
T: で,ときどきは自分で料理を作ったりとかも,するんですか?。
I: {笑},しないです。
T: まったくしないですか?。
I: しません〈はー〉。
T: そうですか。
   わかりました。
   じゃ,あの,【I】さんの趣味を,ちょっと,教えてください。
I: 趣味〈うん〉。
   趣味は,あの,文通ですね。
T: 文通ですか?。
I: はい〈はー〉。
T: ちょっと,そのことを詳しく教えていただけますか?。
   どんなふうな?。
I: 文通ですか?。
T: はい。
I: 国内と海外両方ともやってるんですけど〈はい〉,自分,コミュ〈ふーん〉,コミュニケーションをとるのが苦手なんで〈はい〉,いろんな国や〈ほー〉いろんな地方の人とコミュニケーションをとろうと思って〈はい〉始めました。
T: たとえば何人くらい〈{笑}〉ペンパルいるんですか?。
I: {笑},わからないです。
T: あ,たくさん。
I: いますね。
T: とすると,たくさん,い,その,1人の人と深くというよりは?…
I: いや。
   人によっては〈はい〉,返すペースが速ければ,結構深くなるんですよね〈はい〉。
   あっちの返すペースが遅いと〈ほー〉,そんなに長く続かないからみたいな感じですね〈はー〉。
T: 【I】さんは,もう,やる気満々だけど相手次第ってことですよね。
I: {笑},相手次第です。
T: そうですか。
   で,あの,たくさんの中で,えー,例えば,その,非常に,あの,リズムも合って長くやってる人っていますよね?。
I: はい。
T: えー,例えば,とても今そういう関係,いい関係にある人ってのはど,どんな人ですか?。
I: 国内で言うと〈はい〉,【地名3】,【地名3】に住んでる自分より年下の子なんですけども〈はい〉,考え方がとてもしっかりしてて〈はい〉,えと…
T: 【地名3】の。
I: あ,はい。
T: **,中学生とか。
I: 中学生ですね〈ほー〉。
T: じゃ,その人は,え,え,A子さんにしましょうか〈はい〉。
   え,え,A夫さんかもしれませんけども{笑}。
I: {笑},はい。
T: Aさんと合うところってどんなところなんですか?。
   考え方って今おっしゃったけど。
I: はい。
   えーと,進学**,中学生なんですけど〈はい,んー〉,その子もお姉ちゃんがいるんで,2人相談したり〈うーん〉,あとは〈うーん〉,遊び,するうえに,いつ遊ぶん,みたいな感じで。
T: あ,一緒に会ったりもしてるんですか?。
I: これから会う予定なんですけど。
T: あ,会う予定ですか。
I: はい〈ふーん〉。
T: じゃ,その,Aさんにとっては〈はい〉,お姉ちゃんみたいな存在でアドバイスもらえますけど,【I】さんにとっては〈はい〉どのような,その〈はい〉,ま,いいなと思うような点があるんですか?。
I: 自分,自分は兄弟がいないんで〈はい〉,妹みたいな感じで〈ふーん〉すごいかわいいです〈ふーん〉。
T: でも,なんか,やっぱり,文通続けようっていうのには,なにか,こう,その,魅力みたいなのあるんですよね?。
I: そうですね〈うん〉。
   文通だけじゃなくてメールとか〈うん〉,あとは〈うん〉ブログとかの交流とかもちゃんとしてて〈ふーん〉すごい楽しいんです{笑}。
T: 楽しい?。
I: 明るくて楽しいんです〈うん〉。
T: あ,こう,書いてる内容読むのが〈はい〉とても楽しいんですか?。
I: はい。
   楽しい,楽しいです。
T: さっき,その,コミュニケーションをいろんな,その,形を知りたいっていうか〈はい〉,こう,体験したいって仰ったんですけど〈はい〉,今,やっぱ,日本ではねコミュニケーション不足っていうか,そのことがとっても問題なってますよね〈はい〉,社会全体も家庭も〈はい〉。
   そんなふうに感じることはありませんか,うん?。
I: 自分の家にいるときはあんまり感じないんですけど〈ええ〉,友だち〈うん〉,日本人の友だちから〈うんうん〉そういう,家のことをあんまり聞かなかったり〈うん〉,あんまりみんな自分から話そうとしたりしないので〈うん,うん〉,あまり親と会話してないのかなって思ったり〈うーん〉するときありますけど〈うん〉。
   あとは直接ものを言わないで〈うん〉メールだけとか〈うん〉で,そう,やる人はいっつもそうなんかなって思ったりはします。
T: そうですよね。
   だから,あの,今,ほんとにメールを通して親子で会話とか言ってますよね〈{笑}〉?。
   これはやっぱり大きなね,日本にとって大変なことになっていくんじゃないかなって思うんですけども〈はい〉,えー,そうかなって今さっきおっしゃったけども,もしかしたらこれは大きな問題になるんじゃないかなっていうふうにわたしは思うんですけど,それについては【I】さん,どう思うんですか?。
I: 将来的には{笑},もう〈うーん〉,人と人が〈はい〉会って話さなくなっちゃうんじゃないかなって思うことはありますけど〈はい〉,はい。
T: で,それでどうしたらいいと思いますか?。
I: へ{笑}。
T: 話さなくなったら理解ができないし〈はい〉,外に向かっても発信できないですよね,うまくね。
   コミュニケーションとれないと。
I: それ,その仕方をまだわかんないんで大学行って勉強しようかなと思ってます。
T: あ,そうなんですか。
   じゃ,コミュニケーションを,あの,専攻で〈はい〉。
   では,その,将来の大きな夢ってのはどこに,どういうところにあるんですか?。
I: まだ具体的には決まってないんですけど〈うん〉,人のために役に立てる仕事に就きたいです〈うん〉。
   自分が持ってる能力を活かせる仕事なんかやっていきたいです。
T: なるほどね。
   それ,すばらしいことですよね。
   それしながら,ね,自己実現もできれば。
   例えばどんなことがあるんですか?。
I: 通訳が一番〈うん〉いいと思うんですけど〈うん〉,自分が使える言語を〈うん〉すべて活かせて〈うん〉なおかつ人のために立てるんで〈うん,うん〉。
T: なるほどね。
   で,さっき,あの,ブログだとかね,書くの好きとか仰ったけど,***本読むのもきっとお好きでしょうね。
I: {笑},本は〈はい〉あんまり,中学生のときは読んでたんですけど〈はい〉,高校生になってからあんまり読まなくなって。
   最近になって課題図書で,け,その本を読み始めたんですけど。
T: そうですか。
   課題図書?。
I: はい。
   推薦図書,大学の課題から出たんですけど。
T: な,大学からね。
   例えばどんな本なんですか?。
   もう読みましたか?。
I: うん,あの,コミュニケーション力とか,あとタイトルは覚えてないんですけど、日本語っておもしろいみたいなそんな感じの本があって〈はー〉,日本の,日本語の文法について〈あー〉書いてあるん〈そういう**〉ですけど。
T: そうですか。
I: はい。
T: じゃ,小学,あー,ごめんなさい,中学とか,あの,時代はわりと読んでたんですか?。
I: はい〈あー〉。
T: 小説とかも。
I: 全部読みました〈あー〉。
T: じゃ,すごく印象に残ってる,今でも残ってる小説ってなんですか?。
I: {笑}そうですね。
   「疾走」っていう本ですね〈うーん〉。
T: ちょっと,そのストーリーを教えていただけますか?。
I: じゅ,15歳の少年の,に,いろいろな不幸がふりかかるって話なんですけど〈はい〉,いま現代社会で問題になっている,あの,少年犯罪とかそういう。
   あと,あとは親とのすれ違いとか〈うーん〉そういう本でした〈ふーん〉,すごい…
T: どこがいちばん印象的だったんですか?。
I: えーと,そうですね,お兄ちゃんがいるんですけど,その子には〈はい〉,そのお兄ちゃんが進学校に通ってるんですけど,なんか,耐えられなくなっちゃったかなんかでお兄ちゃんが放火したりする〈はい〉,そういう事件起こしちゃって,でそこから一家が全部,じゅんぷまんぱん〈うん〉,順風満帆だったのが〈うーん〉,全部崩れていっちゃって,そこの部分でした〈うーん〉。
   あとは最後の{笑},死んじゃうんですけど{笑},そこ…
T: 誰がですか?。
I: 主人公なんですけど〈はい〉。
   結局家族がばらばらになったまま終わっちゃうんですけど〈あー〉。
T: それはやっぱり日本のその受験戦争みたいなところも,やっぱり問題あるんですかね?
I: そう。
   進学校に行けばいいみたいな感じの〈あー〉***。
T: なるほどね。
   その今の日本の受験戦争はどんなふうにお考えですか?
I: まあ,うん,大学とか高校も,うーん,少子化なんでふつうに入れちゃうんで〈ええ〉,あの,なるべく上のほうに行かなきゃいけないみたいな考え方は,あったと思いますね〈うーん〉。
   下のほうの大学に行っても潰れちゃう可能性があるので,いかに潰れない大学に行くかみたいな問題が{ブレス}あると思いますね〈うーん〉。
T: だからやっぱりますます受験戦争が〈はい〉激化するということですか?。
I: {ブレス}そうですね。
   やる気がある人とやる気が無い人がすごい〈うーん〉いっぱい余ってるんで〈うん〉,激化はしないかもしれないですけど〈あー〉,みんながそういう,もうちょっと上に行こう上に行こうと思えば〈あー〉,激化すると思います。
T: なるほど。
   そ,その部分でね〈はい〉。
   そう,その人たちはますます受験勉強させるってことですね〈はい〉,ふーん。
I: で,上位校では,すごい〈あー〉倍率とか高かったりするんで〈はい〉,やっぱり。
T: でも,なんか,昔から比べるとかなり自由は,自由度,選択の自由は〈はい〉出てきたように,わたしは思うんですけども〈はい〉,そうでもないですか?。
I: そうですね。
   入試方法とかが〈はい〉昔に比べて増えたので,そこに…
T: ですよね。
I: はい。
   自由にはなったと思いますけど。
T: ですね。
   でもやっぱりいまだにそういうのがある。
I: そうですね。
   一般入試〈うん〉,それで推薦とかがあっても〈うん〉それを利用しようとしないで,普通に一般入試で頑張ろうとする人結構いるんで〈うん,うん〉,そのまま…
T: そうですね。
   わたしだって,ほんとに頑張ろうとする人〈はい〉、ま、行き過ぎにしてもね〈はい〉,がいる一方で,日本ではニートっていうのが〈はい〉,ご存知ですかニートって?。
I: はい。
T: あの,何もしたくないっていう〈はい〉。
   {ブレス}これはなぜどんどん増えてるんでしょうね。
I: あの,何も,親がまだいるから,親に頼ってるんだと思います〈はー〉。
   親…
T: そうすると親の問題ですか?。
I: うーん、親の問題というわけじゃないと思うんですけど〈うん,はい〉,その人の〈うん〉やる気の問題だと思う〈うんうんうん〉,はい。
T: その人のやる気だったら,いろんな国,中国とかね,ブラジルもそうかもしれ***,いろんなところあれだけど,特に日本が多いですよね。
   ニートが増えてきてますよね。
I: 便利な社会で〈うんうんうん〉,そういう,家にいるだけでも一日過ごせちゃうっていうこと〈はい〉。
   そういうことが理由だと思うんですけどね〈うん〉。
T: わたしは,あの,さっきおっしゃったね,コミュニケーションの楽しさをもうちょっと知る,知ると〈うん〉,学校なり〈はい〉,え,会社なり行きたいと思うんじゃないかなと思うんですけど,そもそも無いから〈はい〉,そういうものが。
   あれかなと〈そうですね〉。
   日本の社会に欠けてるのかなと〈ふん,そうですね〉,うーん。
   どうですか,そのあたりは?。
I: コミュニケーション力が無いっていうのは〈うん〉たぶんあると思うんですけども〈うーん〉,パソコンとかそういう携帯でばっか〈あーあー〉やってるんで〈はい〉,***…
T: なるほどね。
   ちょっとさっきのに戻りますけど,その,ペンパルで,えー,国外,あの,海外,海外の人とも〈はい〉なさってるんですよね?。
I: はい。
T: やっぱり長く続いてる人もいるんですか?。
I: そうですね。
T: どこの国の人ですか?。
I: 長いのはポーランド〈ほー〉の子と,あと,けっこう,ブルネイの子〈ふーん〉とかが長いですね。
T: ポーランドの人はどんな人ですか?。
   どんなペンパルですか?。
I: すごい真面目で〈はい〉,なんか,きちんとしていて〈うん〉,そういう,行事ごととかそういうのちゃんと全部覚えてくれてて,すごい,自分の話もいっぱいするし,こっちの話もいっぱい知ろうとしてくれる〈ふーん〉子ですね〈ほー〉。
T: それは英語でやってるんですよね?。
I: はい。
   英語です〈ふーん〉。
T: やっぱり,その,手紙でやりとりだと会ってみたいなってやっぱ思いますよね?。
I: 思いますね〈うん〉。
   思いますけど〈うん〉,なかなか会う機会がないですね。
T: ま,そうですね。
   でも素晴らしいことですね。
   だけど,昔は,その,あの,文通ってのは盛んだった,いまちょっと下火なんですね〈はい〉。
   あの,【I】さんがもし{笑}そういうことを,こう,推奨してどんどんやっていこうという,まあ,協会の,あの,まとめ役の人だったら,チーフだったら,どんなことを考えますか?。
   いま,せっかくだったらね,そんな素晴らしい,あの,経験をみんなにもっと広げてほしいんですけど,うん。
I: そうですね。
T: みんなしてないですよね?。
I: はい。
   なんかメールには無い手紙の温かさというか,その,字にその人の性格とかが現れたり〈うん〉,ちゃんと考えてくれてるんだなとか分かったりするし〈うん〉,あとは英語とか違う言語でやることによってその言語の勉強にもなるし〈うん〉,その,手紙に〈うん〉長い,長かったりするんですけど〈うん〉,その単語とか知らないのがあったら〈うん〉辞書で調べたりするんで〈うん〉,すごい新しい単語とか覚えたりするんで〈うん〉,そういう,勉強の面でも使えると思いますね〈うん〉。
T: それはだからみんなよく知って〈{笑}〉,知らないんでしょうかね?。
I: そうですね。
   みんな結構めんどくさがり{笑}なんです。
T: 面倒くさい。
   じゃ,それをもうちょっと,こう,改革していくというか,みんなが,あー,やろうっていう,もったいないですよね,【I】さんだけだと。
   どうしたらいいですかね?。
   それを,具体的にどんな方法があるでしょうかね?。
I: はい。
   まずは,最初は,たぶんお金がかかるから,嫌だって人もいるんで,まずはメールで〈はい〉やりとりをしてから〈うん〉,そのままメールだけじゃなくて,ちゃんともっとやりたいなって思ったら,手紙をやればいいと思うんですけど〈うーん〉,無理ですよね{笑}。
T: すいません。
   でも,方法が分からないって人がいるかもしれません。
   どうやって見つければいいんですか?。
I: あたしは,あ**,そういう,ペンパルのサイトがあるんで,そのペンパルのサイトで気になった子にメールしてみて,***,してから〈はい〉手紙に,手紙でやりたいっていうのを,お互いにやりたいと思ったら手紙に移して,そのままやってます。
T: うん,うん。
   だけど,その,い,それいいですよね,すごく。
   だけど逆に,その,メールだとかの,その,問題もいろいろ,は,発生してますよね。
   それは大丈夫なんですか,その,ペンパルのサイトだったら?。
I: わたしが***…
T: 知らない人とやるということで。
I: あ,そうですね。
   見極めるじゃないですけど〈はい〉,自分が,この子なら大丈夫だって思った子とはしますね。
T: なるほど。
   でもどんな人があちら側にいるか分かんないですよね{笑}。
I: 分からないですね〈うん〉。
   あんまり気にしたことは{笑}無いですけど〈あー〉。
T: そうですか。
   で,あー,ま,その,メールのサイト,あれとかもしれませんけど,今いろいろね,その,インターネットで,あの,問題が起こってますよね?。
   あの,子どもたちが見ることによって教育上問題だとか。
   もっと規制すべきだっていうのがありますけど,【I】さんどうお考えですか?。
I: あ,それは,その,そういう,規制してくれる,かい,プロバイダによって規制してくれたりするんで,親の管理がちゃんとしてればいいと思います。
   親が〈はい〉ちゃんと契約して,したりして,見せなかったりすればいいと思います。
T: それでさっきサイトで,あ,インターネットが,あれしてるんですね?。
I: 規制〈はい〉したりできるところもあるんで〈はい〉。
   親がきちんとそういうのを見てれば〈うん〉いいと思いますけど〈うん〉。
T: なるほどね。
   えっと,いま,あの,ちょっと話は変わりますけど,あの,ニュースにいろんなの出てますよね。
   あの,とくに今,あの,関心を持っているニュース,なん,どんなニュースですか,最近の?。
I: えー,餃子のことしか{笑}分かんないんですけど。
T: あー,餃子ね,ええ。
I: 餃子のことしか最近あんまり聞かないんですけど。
T: 聞かない。
   あれはどんなふうに考えますか?。
I: そうですね。
   原因を〈うん〉きちんと最初,究明してから〈うん〉,そのまま商品が〈うん〉日本に来てるんで〈うん〉,ちゃんと1回〈うん〉日本に来てからもう1回チェックしてたら,そんなことにはならなかったんだろうなって思います。
T: あー,でも誰もそんなこと想像しませんでしたよね。
I: は〈うん〉,そうですね。
   そういう失敗から学べることのほう〈あー〉がいいと思います{笑}。
T: あー,そこも学べるってことですよね。
I: はい。
T: なるほどね。
   チェック体制が甘かった。
I: そうですね。
   なんか,あっちの工場からこっちまで,ふつう,関税を通ったらそのまま来ちゃってたって言ってたんで〈はー〉,ちゃんと見てればならなかったかもしれないとは思いますけど。
T: なるほどね。
   そこのところは,あ,甘いシステムであったっていう,うん。
I: そうですね。
   信用し過ぎてたみたいな。
T: え?。
I: え?。
T: なんですか?。
I: そのまま通しちゃったっていうのは〈はい〉,たぶん信頼しきってたからだ〈あ〉と思います。
T: 相手をね。
I: なるほどね。
T: 信頼だけではなくて,もしかしたら,えー,コストを下げるだとか〈あー,はーはー〉,そういうことかもしれませんね。
I: そうですね。
T: うーん,なるほどね。
   そうですか。
   でも,わたしは逆に,あの,たしかにそれすごくいい指摘だと思うんですけど,日本人はそれからもう一つ,非常に食に,食べることに対して非常に無頓着になっていて,なんでも,ま,便利だったらいいっていう〈あー〉,とこの問題かなーと思うんですけど,どうですか?。
I: そうですね。
   食べられればいいっていうのも〈うん〉確かにあると思うんですよ〈うん〉。
   簡単に食べられるもの〈うん〉増えちゃってるんで〈うーん〉。
   はい,料理できなくても生活できる人もいるんで〈うん,うん〉。
   そうですね{笑}。
T: その度にそのね,さっきおっしゃったコミュニケーションがね,親子でないんじゃないかなと仰ったけど,ほんとにおふくろの味もなくなっちゃったしって,いろいろ思うんですね。
   あのー,もっともっと手作りのものをね,作ったらいいんじゃないかなって思ったりもしますけど。
   そんなの感じたことはありませんか,周り見ていて?。
I: 自分の周りけっこう手作りなんで,お弁当とかも。
T: それはあのブラジルの方はそうってことですか?〈はい〉。
   日本の友だち?。
I: 日本の友だちもそうなんで,食事に対してはあんまり気にしたことは無いんですけど。
T: うーん,それは地域の問題でしょうかね?。
   例えば,わたし,東京の人間と〈あー〉,うん。
I: それはあるかもしれないですけど〈うん〉。
   その時間の融通が利かないとか〈うん〉そういう理由であるかもしれないですけど〈はい〉。
   でも,わたし,各家庭の問題だと思います。
T: 各家庭の問題〈うん〉?。
   ち,地域性ではなくて。
I: はい〈うん〉。
   やろうと思えばできるし〈はい,はい〉。
   それに時間は作ろうと思えば作れるものだから〈うん〉,できない,時間が無いからできないっていうのは言い訳にはならないと思います。
T: なるほどね。
   で,今度,ちらっと伺ったんですけど,東京の学校いらっしゃいますよね〈はい〉?。
   で,東京のような,ま,大都会で暮らすのと,これ,本当にのどかなね,大泉っていうの,どちらがもともと,住むという意味ではいいと思われますか?。
I: 中間地点でいいです{笑}。
T: 中間地点。
   あ,そうですか{笑}。
   ではどちらかを選べと言われたらどうしますか,将来的に?。
I: 将来的には都会に住むほうがいい。
T: そうですか。
   でもこんなのどかな,あの,人情があるところはいいんじゃないですか?。
I: いや,愛着は{笑}無いんで。
T: そうですか〈はい〉?。
   それはどうしてですか?。
I: 別に,マイホームがあるわけでもないんで〈うーん〉,別に,引越しをやる,みんなで引っ越せば別に問題は無いと思います。
T: みんなで,やっぱり都会に住みたい。
I: そうですね。
   あっちで仕事が見つかればいいんですけど。
T: うーん,そうですか。
   だけどさっき仰ったようにコミュニケーションはやっぱり,あの,こういうね,あの,町のほうが,町としてもあるし,というふうに思うんですけど。
I: あんまりそんな周りの人との{笑}〈ふーん〉交流はべつに無いんで〈ふーん〉。
   隣の人とか誰が住んでるのかも知らないです{笑}。
T: あー,今もそうですか。
   あ,なるほどね,そうですか。
   でもそういう,あの,社会がだんだんできてくるので,日本の,コミュ,社会のコミュニケーションが,あの,こう,ダウンしていくんじゃないですかね,コミュニケーション力が。
I: うーん,みんな,たにな,他人に興味が湧かないんです,あんまり〈あー〉。
   その,た,昔は〈はい〉みんなで隣人付き合いとかあったと思うんですけど,最近は別にそういうのが無いし。
T: ふーん,なるほど。
   他人には興味は無いけど,こう,心が通う人とコミュニケーションを,メールであったりいろいろしたいと〈そうですね〉。
   そうですか,なるほどね。
I: 近い人よりも遠くとの人のほうが,やってたりすることが多いですね〈あー〉,コミュニケーション自体。
T: なるほど。
   近い人よりは遠くの人。
I: と,コミュニケーションしてたりすることのほうが多い気がするんですけど。
T: 多いんですか。
   そのほうが意義がある部分が。
I: 多いです。
T: ちょっとそこのところもう少し詳しく。
   面白いですね,うん。
I: たぶん,わたしが思うのは近くにいる人はいつでもしゃべれるから,いつでも,そういう,遊べちゃうから,そうやってあまり会え,そのわざわざコミュニケーションとろうとはしないと思うんですけど〈うーん〉,遠くといる人とはいつ会えるかも分からないし,今だけの付き合いかもしれないし〈ほー〉っていうので,みんな,もう,***ってしまうかなって思うんですよ。
T: あー,【I】さんもそうなんですか?。
I: わたしは結構,て,ちょっと{笑}***ですが。
T: あ,両方ともね。
   はいはい,なるほどね,うーん。
   で,日本は,あの,なかなかね,さっき,あの,ま,あの,えー,ペンパルのね,サ,サイトのことおっしゃったけど,なかなか近くも遠くはもっとコミュニケーションとろうとしないっていうところがあるんですけどね。
   そのへんは,あの,そう思われませんか?。
   日本人…
I: あんまり考えたことはないです。
T: あー,でもこれからは,この,大学の,あの{笑},テーマとしてぜひ考えてみてくださいね。
   はい,あの,いろいろ伺ったんですけど,あの,ここからロールプレイをしたいんですけど,ご存知ですか?。
I: 分かんないです。
T: したことないですか〈はい〉。
   ミニドラマといって2人で役を決めてしたいと思うんですけど,いいですか?。
I: はい。
T: えーと,ちょっとこれ読んでみてください。
   声に出して読んでください。
I: 友人にお金を貸してくださいと頼まれました。
   大変親しい友人ですが断ってください。
T: はい,えーと,友だち,一番親しいお友だちで,あの,日本の人で,誰ですか?。
I: {笑}近くに住んでる子なんですけど。
T: はい,その人,ま,あのお名前聞いてもいいですか?。
I: 【人名】
T: 【人名】さん。
   じゃ【人名】さんだと思ってください。
   いいですか。
   じゃ,わたしがお金を貸してくださいって頼みますのでね,断ってくださいね。
I: タメ語でいいですか?。
T: え?。
I: その子と話してる感じでいいですか?。
T: あ,どうぞどうぞ,はい。
   いいですか。
   えーと,【I】さん,ちょっとね,あたし,すごく買いたい本があるんだけど,あの,お金ね,あの,えーと,あと2週間,あの,両親がね,あの,だめだって言うんで,どうしても,あの,明日買いたいんで,1万5千円でいいんだけど,貸してくれない?。
I: ごめん。
   いま金欠なんだよね。
   貸せないんだ{笑}。
T: 金欠だけど,ほら,言ってたじゃない,こないだ,なんか,あの,ほら,お祝いかなんかでお金もらったとか。
   お願い,あの,たぶん2週間じゃなくて1週間で返せると思うんだ。
   絶対返す。
I: もう全部,全部使っちゃって{笑}。
T: え?。
I: もうもらった分,全部使っちゃった{笑}。
T: 本当?。
I: うん。
   貸せない。
T: 使っちゃったの?。
I: 貸せない。
T: ほんとに。
   あ,そうなんだ。
   ほら,なんかね,すごくお祝いもらったって言ってたから,ちょっと貸してもらえない?。
   本,買いたいのよ。
   大学の,ほら,あったでしょ,その,指定図書とかいろいろあるじゃない〈{笑}〉。
   わたしのね,大学もあるのよ。
   だから推薦図書とか,それプラスもっと買いたいのよ。
   お願い。
I: 買うんじゃなくて図書館行ったら見つかるよ{笑}。
T: だって,線引きたいんだもん。
I: コピーすればいいんだよ。
T: コピー代高いよ。
I: 図書館ならとってくれるよ,コピー。
T: え,ただで?。
I: ただじゃないかもしれないけど〈うん〉。
   買うよりも安く済むと思うよ。
T: そう。
   分かった。
   じゃ,うん,あの,あ,あの,諦める。
   ありがとう{笑},はい。
I: ごめんね。
T: じゃ2週間待って,あの,父からね,もらってから買うよ,はい{笑}。
   分かりました。
   あの,えー,それは制服ですか?。
I: はい。
T: そうですか。
   えー,制服と,あの,えー,制服じゃね,あの,ないほうがいいっていういろいろ意見ありますよね。
   ちょっとこれいいですか。
   読んでいただけますか。
   はい,どうぞ。
   声出して読んでみてください。
I: 高校の制服をやめるべきだという意見と,続けるべきだという意見があります。
   あなたは評論家になってどちらかの立場をとり,あなたと〈はい〉反対意見の日本人を説得しなさい。
T: はい,どうぞ。
   ちょっと言ってみてください。
   はい,どっちがいいですか?。
I: わたしは続けるべきだと思います。
T: はい,どうぞ,おっしゃってください。
I: 制服があることによって毎日同じ服^を着ることで,そういう,毎日,コーディネートとか考えなくてもいいし,それにみんなで同じ制服を着ることによって,その学校の人だっていうことも主張できますし,みんなで同じことを着ることにより,そういう,連帯責任じゃないにしても,みんな仲間だ,みたいな意識が生まれるんで,そのまま制服を続けるべきだと思います。
T: でも,そう,わかりますけど,個性がなくなるっていうか,センスが磨かれないんじゃないですか?。
I: 学生の間は,別に,そういう,個性とかあまり気にせず,普通に,自分も社会の一員なんだっていう意識を育てるべきだと思います。
T: えー,でもやっぱりセンスは小さいときから育てるべきときっていうか,年齢があると思います。
I: そういう,育てるのは学校がない日とかにすればいいと思います。
T: でもほとんど学校に行ってると思いますよね。
I: 土日があります。
   土日で頑張ってください{笑}。
T: そうですか,はい。
   でもやっぱり,わたしは土日じゃ足りないと思うんですけど。
I: そうですか。
   土日で頑張ったり,そういう,制服を着てても,せいふ,うん,なんていうかな{笑}〈はい{笑}〉,はい,センスは人次第だと思います。
T: 人次第ですか,ほー。
I: 土日だけでも磨ける人もいると思います。
T: なるほど,ちょっと考えてみます,はい。
   分かりました{笑}〈***,***〉。
   これでロールプレイ終わりますけれども,えーと,今日はもう6時半ですね。
   これからどうなさいますか?。
I: 家に帰ってから,テレビを見ます{笑}。
T: あー,テレビを見て,また課題図書を。
I: 課題図書のほうは借りられてないんで{笑}。
T: あ,そうですか,ふーん。
I: 【地名4】じゃなくって【地名5】県立の図書館行って。
   【地名5】県民じゃないと借りられないんで。
T: あ,そうですか〈はい〉。
I: 借りてこられなかったり,はい。
T: なるほど。
   まだまだね,4月まで時間ありますからね,はい。
   じゃ,楽しい大学生活を送ってください。
   今日はどうもありがとうございました。
I: ありがとうございました。