T: えーと,【I(フルネーム)】くん,ていうふうに,き,お聞きしてますが,よ,いいですか?。
   【I(姓)】くんでいいですか?。
I: はい,大丈夫です。
T: はい。
   【I】くんは,今は,もう,この学校の卒業生なんですよね?。
I: はい,今,もう,来てませんね。
T: はい?。
   今,来て…
I: 今は,もう,来てない。
T: 今は,何をしてるんですか?。
I: 今は高校に行ってまして〈はい〉,で,大学も決まって〈はい〉,もう,ほとんど,なんもしてないです{笑}。
T: なんもしてない。
   あ、じゃ、おめでとうございます,大学。
I: あ、ありがとうございます。
T: えーと,どちらのって聞いても大丈夫ですか?。
   どこの大学で…
I: あ、【地名1】のほうの【学校名】大学っていう。
T: はい。
   何を勉強するんですか?。
   何を専攻?。
I: えっと,国際文化について勉強する。
T: ふーん。
   入学試験は大変でした?。
I: あー,そちらのほうは,あの,なんて言うんでしょう,推薦のほうだったんで〈はい〉,面接という形だけだったんです。
T: ふーん。
   練習しました?。
I: はい{笑},かなりしました{笑}。
T: かなりしました〈はい〉。
   えーと,どのへんで受かったと思いますか?。
   どのあたりでアピールできた?。
I: えっと,うーん,ちょっと,難しいですね。
   たぶんブラジル人ということで,日本語とポルトガル語がどちらも話せるということで,いけたと思いましたね。
T: あー,えーと,日本語は普通には,つ,えーと,学校でずっと使ってきたってことですか?。
I: はい。
T: か,おうちでは何をつか?…
I: おうちでは,ポルトガル語が〈あー〉基本ですね。
T: 今は,どっちが楽ですか?。
I: 今は,日本語が楽になりましたね。
T: あー。
   いつごろから?。
I: えっとー,小学校4年生ぐらいからですね。
T: から,日本語のほうが,もう,楽になったんですか?。
I: はい。
T: ふーん。
   でー,じゃ、えーと,両親,ご両親はポルトガル語で,普通,生活していらっしゃるんですよね?。
I: はい。
T: じゃ,みんなの手伝いっていうか,助けをしたりしていて…
I: 通訳は,もう〈通訳〉,日常茶飯事ですね。
T: はー。
   むず,今まで難しいと思ったことありますか?。
I: {ブレス}かなり難しいです。
T: どんな場面で,そういうふうに思う?。
I: えっと,に,今まで,ポルトガル語で分かった言葉が,どんどん分からなくなってきて〈あー〉,どんどん出た,出なくなって〈あー〉,そっからもう,そこらへんが,はい。
T: えーと,特にこういう場面で難しいとかいうのが,ありますか?。
I: えっと,専門的用語がぜんぜん分からないんで〈ふーん〉,役場とかに行っても〈はい〉,ちょっと,訳せない場面もありました〈はい〉。
T: そういうときは,どうするんですか?。
I: そういうときは,具体的に説明をするんですよ。
   あの,こういうものだよ,みたいな〈ふーん〉。
   で,親のほうもそれが分かって,やっとこできたみたいな感じ。
T: ふーん。
   じゃ,なんか,ポルトガル語の力を伸ばすために,なにかやっていることがありますか?。
I: できるだけ,家でポルトガル語をしゃべるようにしてますね。
T: ふーん。
   それ以外は?。
I: それ以外は,最近はしてないです。
T: ふーん。
   なんか,やっぱ,今,専門用語が分からないとかいう話が出てたので〈はい〉,なんかできることがあるかなと思ったんですけど。
I: あー,あとパソコンで〈はい〉いろいろサイトが,なんか,訳すサイトがあるんで〈はい〉,それで調べたりしてますね。
T: あ,その,必要になったときということですか?。
I: はい。
T: ふーん。
   えっと,ブラジルには行ったことが,あ,どこで生まれたんですか?。
I: ブラジルで生まれました。
T: ブラジルで。
   いく,何歳ぐらいで?。
I: 6歳ぐらいでこっちに来ました〈はい〉。
   で,1回,小学校5年生のときに〈はい〉1回帰りまして〈ええ,ええ〉,それ以来行ってないですね。
T: えーと,その,小学校5年生のときのブラジル滞在は,どのくらいだったんですか?。
I: えっと,1か月半ぐらいですよね,はい。
T: 1か月半ぐらい,ふん。
   じゃ,もう,向こうに友だちとかはいますか?。
I: はい,いますね。
T: ふん。
   どこで,あの,昔からの友だちですか?。
I: はい,あの,幼稚園のころからの友だち,いますね。
T: はー。
   が,えーと,早く帰国してってことですか?。
   あ,もう,あまり,幼稚園のとき友だちだった人が,帰国しちゃって…
I: あ,幼稚園はあっちだったので〈はい〉,あっちからずっと友だちっていう意味。
T: あ,そ,そうでした〈{笑}〉。
   ごめんなさい,はい。
   そういう人たちとは,じゃ,ブラジル,ポルトガル語で?。
I: はい。
T: メールのやりとりとかは…
I: パソコンで〈はい〉チャットを。
T: あ,チャットを。
I: はい,少し。
T: はい。
   えー,でも,ま,日本語のほうが楽という〈す,はい〉ことですね。
I: かなり楽です。
T: はい。
   えー,じゃ,大学生活に向かっては,特に不安とかはないですか?。
I: 不安は,不安は朝起きれるかどうかが,ちょっと{笑}。
T: {笑},と,お,家から,かよえるんですか?。
I: はい〈あー〉,電車で。
T: 電車どのくらいかかりますか?。
I: 電車だと1時間ぐらいかかりますね。
T: ふーん。
   えーと将来は,なんになりたいという。
I: 将来は,通訳者か〈うーん〉,なんか,そこらへんですかね。
   国際的な仕事に就きたいですね。
T: うーん。
   えーと,通訳ってのは,どういう場面の通訳を?。
I: えっと,会社同士とか〈ふーん〉,あと,日本の会社と,ほかの国の会社という通訳をしたいですね。
T: えー,通訳をする人にとって,どんなことが大切だと思いますか?。
I: やっぱり他国の文化を知ることが,一番重要だと思いますね。
T: うーん,他国の文化を知る〈はい〉。
   ということは,その資質はあるというふうに。
I: {ブレス},うーん,あるとは思いますね。
T: うーん〈はい〉。
   ただ,ま,通訳っていうのはいろんな場面,経済面だったりとか,普通の文化面,さまざまあると思うんですけど,えー,どういう方面に興味がありますか?。
I: 自分は経済面ですかね〈ふーん〉。
   興味があるんで。
T: うん,ただ,いまの専攻は国際…
I: 国際社会です。
T: 国際社会〈はい〉。
   で,その中でそういう,より詳しい専攻みたいなのがあるんですか?。
I: あー,たぶん。
   わかんない〈ふーん〉。
   たぶん,あるとは思います。
T: ふん,えーと,たぶん,あの,日本語とポルトガル語の両方が,こう,話せる〈はい〉っていう人は,結構いるのかなと思うんですが〈はい〉,そんなかでより専門的な知識がないと,勝ち残っていけないんじゃないかと思うんですが,そのあたりはどうでしょうか?。
I: 自分は思いますね〈うーん〉。
   ちょっと,そのために大学に入ったんで〈うん〉,入るんで〈はい〉,ちょっと,伸ばしたいなとは思うんですね。
T: え,それがそのさっき言った,経済面っていうことですかね?。
I: はい。
T: ふーん,その,そのへん,その経済面の専門的な知識は,何をやったら身についていくでしょう?。
I: {ブレス},経済面知識,うーん,経済学を勉強したいですね。
T: えーと,大学の専攻とは別に,ということですか?。
I: はい。
T: ふーん。
   えーと,ただ,日本の大学生ってほとんど,こう,遊んでいたりとか〈はい{笑}〉,興味がいろいろ違うようなんですけど〈はい〉,えー,【I】くんは,大学生活はどのように送ろうと思ってますか?。
I: えっと,勉強しながらバイトもしたいですし〈うん〉,あと,英会話にも行きたいと思ってますし〈うん〉,と,さきほど言った経済的なものにも,いろいろ興味を持ってるんで,たぶん忙しい生活にはなると思うんですけども〈うん〉,あまり遊ばないで{笑}〈{笑}〉暮らしたいです。
T: ふん,そう{笑}。
   一番興味のあることは何ですか,今?。
I: 今は洋楽が,一番興味がありますね。
T: あー,洋楽っていうのでいう音楽は,どんな音楽ですか?。
I: えと,ロック,ロックとか〈はい〉,メタル〈ほー〉音楽が〈はい〉,今は没頭してます。
T: あ,そうなんですか。
   き,聴く,自分でも弾くんですか?。
   *…
I: あ,自分でもベースを,ベースギターを〈は〉弾いてて〈はい〉,それを,その音楽をいろいろ聴きながら自分でも弾いてみたいです。
T: えーと,グループを組んで演奏してますか?。
I: いや,まだですね〈あー〉。
   ちょっと練習してからのほうが,いいんで,練習して〈はい〉友だちと組むという…
T: えっと,はい,そのと,その,えっと,演奏は,その,この地域の友だちと一緒に,もしするとしたら?。
I: はい。
   する,たぶんそうですね。
T: ふーん。
   【I】くんにとって音楽は,どんな位置づけなんですか?。
   自分にとって,どういう意味を持ってる?。
I: 音楽は,最近はなくてはならないもので〈ふーん〉,毎日聴いてますね。
T: ふーん。
   で,勉強とアルバイトと英語と音楽と,ですか,大学生活?。
I: はい{笑},そうなりますね。
T: はい,で,その,ま,アルバイトって言ったんですけども,そのアルバイトは何のために?。
I: 大学の資金を〈ふーん〉。
   たぶん親だけではたぶん払っていけないので〈はい〉,自分でも,ちょっとは助けたいなと思って〈うん〉。
T: 学費のためってことですね?。
I: はい。
T: えーと,よく,あの,自立っていう言葉で,経済的自立とか〈はい〉精神的な自立とか,よく言われますけれども,【I】くんは,自立とはどういうことだと思いますか?。
I: 自立とは、、、,親に頼らない〈うん〉,自分だけで生活していく〈ふーん〉,うーん、、、。
T: か,【I】くんはどの時点で,それができると思いますか?。
   もしくは,今,やってると思いますか?。
I: 今は,やってないと思いますね〈はい〉。
   たぶん一人暮らしをし始めたら,そこで自立だと思いますね〈ふーん〉。
   自炊したりとか〈うんうん〉,自分で洗濯したりとか〈うんうん〉,そういうのが,あ,あって,初めて自立だと思いますね。
T: え,じゃ,家を出たら自立ができるということですか?。
I: はい,そうです。
T: それまでは,自立ではない?。
I: はい。
T: ふーん。
   そうすると,あの,自立をしてないで家にいるときは,えーと,いろんなことを決めていくときに,どこまで,あの,自分で決め,どこまで親に相談をしなければいけないと?。
I: うーん,親は、、、,うーん、、、,難しいですね。
T: 例えば,しん,今回の進学なんかのときは,親に相談しますか?。
I: いや,自分で決めましたね〈ふーん〉。
   親とは,お金の面だけで,はい,相談しまして〈うん〉。
   あとは自分で決めましたね。
T: うん。
   さっき,あの,自立の話をしたときに,家を出て洗濯をするとか,食事をとかいう話が出てましたけれど〈はい〉,経済,お金の面だけじゃなくて,やっぱ,そういう,身の回りのことをするっていうのは,とても大きな要素?。
I: はい〈ふーん〉,と思いますね。
T: そうすると,あの,結構,日本の,とし,ま,40代50代ぐらいの男性で,家事はいっさいできないっていう男性は,自立してないっていうふうに考えられますか?。
I: 僕は,そういうふうに考えますね〈はー〉。
   ほかの人がいないと,なにもできない人だと思いますし〈うんうん〉。
   奥さんだけにやらせることは,良くないと思いますね。
T: ふーん。
   そうすると,その,じゃ,えーと,例えば,結婚して,夫婦が暮らしていて,かたっぽが外で働いて時間がなくて,そういうことをやってもらうっていうのを考え方,あの,そういう役割分担なんかはどうなんでしょう?。
I: うーん,それはたぶん自立してると思いますね〈ふーん〉。
   時間がないっていうのは,まー,しょうがないことですし〈ふーん〉,仕事ですんで。
   でも,週末には,手伝えるようには,し,しておや,きたいなという。
T: というふうに,思っているということですね?。
I: はい。
T: はい。
   えーと,いま音楽に没頭してるっていう話でしたけど〈はい〉,えーと,一番好きな音楽,おすすめの音楽には〈おすす…〉わたし全然わからないんですけど,メタルロックとか。
   メタルロック…
I: おすすめは〈はい〉,んーと,【グループ名】という〈はい〉,なんか,メタルバンドですけど。
T: どういうところが,いいんですか?。
   魅力を教えてください。
I: 魅力はギターの奏でる音と〈はい〉,ベースの音がマッチしてて〈うん〉,そこにドラムも入って〈はい〉,し,非常にいいんですよ{笑}〈{笑}}。
   ちょ,説明しづらいんで。
T: はい。
   えーと,その,そういう音楽の良さっていうのは,あの,同世代だけじゃなくて違う世代にも結構理解されてますか?。
   例えば,お父さんお母さん,その音楽をやってること〈うーん〉,理解してくれてますか?。
I: メタルは同世代ではあんまりいないんで〈あー〉,はい。
   たぶん30代ぐらいの人なら,結構わかると思うんですよ。
T: うんうん。
   それに入っていったきっかけは,なんですか?。
I: それに入ったきっかけは〈はい〉,うーんと,いとこ〈はい〉が聴いてて,聴いてて,それを聴いたのが,きっかけでしたね〈ふーん〉,はい。
   で,なんて,いい音楽なんだみたいな感じになって〈はい〉,聴き始めたら,もう,そこから止まらなくなりましたね。
T: はい。
   それで,もう,その,時間,それに没頭してるってことですね?。
I: はい。
T: え,もう何年ぐらいになるんですか,それは?。
I: もう,4年ぐらいですかね。
T: あー,そうなんですか。
I: はい。
T: ほかには,なんか趣味がありますか?。
I: ほかには,え、、、,最近は,特に無いですかね〈ふーん〉。
   音楽聴いて,あ,パソコン〈うん〉を,いじってます。
T: ふーん,やっぱり***に多いですね〈はい〉。
   えーと,【I】くんは,さっき,その,例えばブラジル,いや,ポルトガル語と日本語ができるっていうことで〈はい〉,あの,そこに進んだっていう話がありましたけど,そういうときに,えー,ブラジルのさまざまな文化,例えばサンバだったりとか〈はい〉,そういうものに対しては,どういうふうに考えてますか?。
I: ブラジルの文化ですか?。
T: は[わ],自分の中のもの,それとも自分の外にあるもの?。
I: 自分の中にあると思いますね〈はー〉。
   ちょっと,家のほうにも,まだ,ぶん,ブラジルの文化がありますし〈はい〉。
   日本の文化も少しずつ取り入れながら〈はい〉,ブラジルの文化もありますし。
T: ふーん,てことは,あの,ブラジルで,なんか,の,行事があるときとかは,自分の家でも,そういうものを〈はい〉やったりするということですか?。
I: やりますね。
T: ふーん。
   じゃ,お正月は,どういうふうに過ごしてたんですか?。
   日本のお正月は?。
I: お正月は〈はい〉,いや,ブラジルのお正月ふうでしたね〈あー〉。
   友人を呼んで〈はい〉,で,なんか,レンチリヤっていうスープ…
T: え?。
I: レンチリヤっていうスープを飲んで〈はい〉,願い事をするんですけど,そちらのほう。
T: えーと,料理できますか?。
I: 料理は…
T: いまレンチリヤっていう,その,スープの話が出たので。
I: 料理は,あんまりしてないですけども〈はい〉,親がいないときには作りますね。
T: おー。
   どんなものを作るか教えてください。
I: えと,カレーでしたりとか〈はい〉,あとは…
T: ブラジル風のものは,ないんですか?。
I: ブラジル風のものは,フェイジョンていうお豆料理。
T: どうやって作るんですか?。
I: えっと,その,豆を〈はい〉水に浸して〈はい〉,で,そこに調味料を加えて〈はい〉,煮込むんですけど〈はい〉,それをご飯にかけるという。
T: ほー,ご飯にかけて食べるんですか?。
I: はい。
T: ブラジルで,ご飯にそれをかけて食べる。
I: はい。
T: ふーん。
   それは日本でもそういうふうにして食べる。
I: でも,ブラジルのご飯はタイ米なんで〈はい〉,ちょっと味が変わりますね〈はい〉,日本と。
T: そうすると,日本のお米だと,ちょっと粘りがあっておいしくないんじゃないですか,それ,その料理だと?。
I: うーん,合いますけどね,日本のご飯でも〈ふーん〉。
   でも〈はい〉,あっちのご飯で食べたほうが,おいしいです。
T: あっちのほうがおいしい?。
I: はい。
T: えー,結構,【I】くんは,あの,ブラジルは,ずっと好きでしたか?。
   そのブラジルの文化っていうものは,こう,小さいときから。
I: うーん,最初は,なんで自分が日本人じゃないかってずっと思ってて,学校のほうでもいじめられたりとか。
   だから,小学校5年生までは嫌いでしたね〈はー〉。
   自分がブラジル人だっていうことも〈はい〉,ポルトガル語を話せることも〈はい〉,ブラジルの文化のことも〈ええ,ええ〉。
   でも,そっから,そこから,小学校5年生から〈はい〉,ポルトガル語をこの学校で習い始めまして〈はい〉,自分には言葉が2つあるんだっていう,人より優れてるのかな〈あー〉っていう思いがあって,そっから好きになりましたね。
T: ふーん。
   そうすと,それを受け入れられるようになったっていうのかな,それをその…
I: そうですね。
T: うまく思った,いや,一番大きな,なんか具体的な出来事とかはありましたか?。
I: うん,ここの学園長に言われた言葉なんですけど〈はい〉,君たちはほかの人たちより優れてるんだ〈うん〉みたいなことを言われて,そこでやっと感じましたね。
T: ふーん。
   え,で,そこで,その,ブラジルってものを自分が受け入れたっていうことと,えー,日本に対しての気持ちは,そこで変わりましたか?。
I: {ブレス},うーん,そこは特には変わってないですかね。
T: 日本に対する気持ちっていうのは,どう,どういうものなんですか,【I】くんの中では?。
I: 僕の中では,一生暮らしていきたいという感じもありますし〈うーん〉,あとは,うーん,ちょっと難しいですね。
   うん。
T: そういう,その子どものアイデンティティの揺れに対して,こういう,この,学校でできることと〈はい〉,それから,ま,もっと上の,国レベルでできることって,いろいろあると思うんですけども,国,もしも教育関係の大臣とまでは行かないけど,偉い人だったらどうします,【I】くんが〈はい〉?。
   そうしたら,どういうことを,どういう政策をやりたいですか?。
I: うーん,まず,教育方針を変えたいと思いますね〈はい〉。
   ちょっと,ゆとり教育はあんまり良くないと〈はい{笑}〉思います〈はい〉。
   あの…
T: 日本のゆとり教育は良くない。
   それは,どうしてですか?。
I: えー,今までやってきたことを,や,いきなりやめて〈はい〉,で,それで子どもが馬鹿になってるから,そういうのをいってたんで〈ふーん〉,僕は,そこらへんはちょっと許せないですね。 
T: ふーん。
   ま,そういう意味ではなくて,例えば【I】くんみたいな,いろんな違うものを持った子どもたちが〈はい〉,より自信を持って,いき,生きていけるような教育は,日本の中で〈はー〉できていくためには,どんなことが必要なんでしょう?。
I: やっぱり共存できるように,その,ブラジル人の人は,あんまり日本語を知らないんで〈はい〉,ここらへんにいる,まずこういった学校をどんどん作って〈はい〉,で,その中にも日本語を取り組むという教育〈はい〉。
   ポルトガル語を勉強しながら,日本語も勉強できて〈ふーん〉,で,そ,ほかにも英語とかも取り入れていきたいですね。
   いろいろな言葉を…
T: うん。
   ただ,この学校は日本人から,こう,その,ブラジルの,そのルーツを持つ子を引き離して,教育をしてますよね。
   それはどうなんでしょう,いいんでしょうか?。
I: それ,うーん,そこも良くないとは思いますね。
T: あ,そうですか。
I: はい。
T: ただ,その中に自信のよ,その中で自信をつけてきたんですよね,【I】くんは?。
I: うーん,そうですね。
   でも,うーん,わたしは,たぶん,昼間は小学校,普通の小学校に行ってて,で,終わってからこちらに来てたんです〈はい〉。
   だから,昼間から,その,うーん,難しいな,うーん、、、,なんて説明すれば,いいんですか,{ブレス}うーん。
   僕は,そういう,一日中ここにいたんじゃなくって〈はい〉,日本人とも触れ合ったり〈うーん〉,そのあとにポル,ブラジルのポルトガル語を勉強したり〈はい〉したんですけど〈はい〉,ここの人は朝からいるんで〈はい〉,ちょっと,もっと触れ合ってほしいなと思いますね。
T: あ,そういう…
I: ほかの人,日本人の〈うん〉人,かたと。
   そういうのもっと,りり,取り入れたいですね。
T: はい,わかりました。
   えっと,じゃ,1つロールプレイをやっていただきたい,ロールプレイって,わかりますか?。
I: はい。
T: あ,やったことありますか,はい。
   じゃ,えっと,【I】くんは,あの,大学で新聞を作っています〈はい〉。
   それで,えーと,ブラジル大使館の偉い人に,ちょっと,えー,今度,記念誌を作るので,なんか,インタビューに行くので,それ,お願いの,えー,電話をしてみてください。
   わたし,ブラジル大使館のえらい人。
   インタビューをするので,そのお願いの電話をしてみてください。
I: あ,はい。
T: いいですか?。
I: ちょっと恥ずかしいですけど。
T: はい。
   はい,ブラジル大使館でございます。
I: あ,もしもし。
T: はい。
I: こちら【学校名】大学の【I】と申しますが〈はい〉,あの,今度,記念誌を作るんで〈はい〉,そちらの大臣の方とは,インタビューできないでしょうか。
T: はい,えーと,どのような内容をお考えでしょうか?。
I: えっと,うーん,日本とブラジルの両立についてのことですけど。
T: あ,そうでございますか。
   えーと,どのくらいお時間をお考えでしょうか?。
I: えーと,1時間ぐらいお願いできますか?。
T: はい,えーと,とく,あの,日程的にはいかがでしょうか?。
I: うーん,来週の日曜日とか大丈夫ですか?。
T: あ,そういう,あの,直近のご予定では,ちょっと,お受けいたしかねますけれども。
I: はい,いつ,あいてますか?。
T: えーと,そうでございますね,あの,少し,1か月,2か月ぐらいの余裕をみていただけると,あの,こちらのほうも助かりますが。
I: あ,じゃ,来月のほうでお願いします。
T: はい,えーと,そうですね,じゃ,来月の,今のところ,20日の午後,こちらにおいでいただければ,
   あの,たぶん,その時間,30分ぐらいでしたらお空けできますが。
I: あ,じゃ,そちらでお願いします。
T: はい,えっと,もう一度お名前お願いいたします。
I: あの,【学校名】大学の【I】と申します。
T: はい。
   えー,では【学校名】大学の【I】さま,20日の,えー,午後2時でお願いいたします。
I: はい。
T: はい,じゃ,失礼いたします。
I: 失礼します,失礼します。
T: はい,ありがとう。
I: じゃ,今のを,仲間に,ちょっと,報告してみてください。
   一緒のしんぶ,あの,新聞,広報の仲間です。
   ねー,今日電話したんだよね。
   どうだった?。
I: えっと,来月の20日に決まりました。
T: あ,決まったの?。
I: はい。
T: えー,なかを,それで,すぐ受けてくれた?。
I: え,すぐ、、、。
T: インタビュー,すぐオッケーだった?。
I: いや,駄目だった。
T: え,駄目だったの?。
   20日なんでしょ?。
I: はい。
T: 20日の?。
I: 20日の午後2時。
T: あ,午後2時,いいんだ。
I: はい。
T: はい。
   誰が行く?。
   【I】,行くよね?。
I: 行きます。
T: あと何人ぐらいいる?。
I: あと,5人ぐらい必要です。
T: 5人ぐらいで行く。
   オッケー,じゃ,そうしよう。
   はい,じゃ,ありがとうございました{笑}。
I: どういたしまして。
T: ロールプレイ,ロールプレイはどこでやったんですか?。
   授業の中?。
I: 授業の中で。
   でも,小学校のころでしたね。
T: あ,そうなんですか。
I: はい{笑}。
T: はい,わかりました。
   えー,今日はこれからは?。
   もう終わりですか?。
   おうちに帰る?。
   まだ,なんか,アルバイト?。
I: これからは,いや,うちに帰って,ちょっと,大学の課題があるんで,そちらを…
T: お,もう始まる前に。
I: はい。
T: お疲れ様です。
I: もう課題が。
T: はい。
   じゃ,そういう忙しいときに,どうも,いろいろとありがとうございました。
I: あ,いえ。
T: 今日は,じゃ,ここまでにします。
I: はい,ありがとうございます。
T: お疲れさまでした。