T: すいませんね,寒いのに。
I: いいえ,大丈夫です。
T: はい,入ってますね。
   えーと,【I(フルネーム)】さん?。
I: あ,はい。
T: どっちがいいですか?。
   【I(姓)】さん?。
   【I(姓)】くん?。
   【I(名)】くん?。
   【I(名)】さん?。
I: あ,どれでもいいです。
T: どれが好きですか?
I: いやべつに〈べつに〉。
   簡単なほうはどっち?。
T: はい,じゃ【I(姓)】くん。
I: はい,じゃ,はい。
T: いいですか?。
I: はい。
T: じゃ【I】くんは,え,じゃ,【I】くんのことを,ちょっと,簡単に自己紹介で聞かせてもらえますか?。
I: 自己紹介?。
T: はい。
I: 僕は17歳で,えーと,ブラジルの【地名1】の【地名2】ってところで生まれて,うま,ちっちゃいころから,もう,こっちへ来て〈うん〉,ずっと勉強したんですよ〈うーん〉。
   小2,あ,でも日本人から,保育園〈うん〉,保育園から中2まで,で,そのあとこっち来た。
   で,いま4年ぐらい勉強してる。
   あ,3年か。
T: え,中2…
I: で,日本の学校やめてこっち来たんすよ。
T: あ,えーと,小さいときに日本に来たけど〈そう〉,にほ…
I: 小さいころから,もう,日本の学校で〈はい〉勉強してて〈はい〉,小学校〈はい〉,保育園,小学校,中学校〈はい〉2年まで〈日本の学校〉。
   で,そのあとこっち来て。
T: はい,どうしてこっちに来たんですか?。
I: はい,日本の学校は,うーん,駄目〈駄目〉。
   ついていけない。
T: えー,何が難しかったですか?。
I: あー,もう,数学とかも説明がわからないとできないじゃないですか〈はい〉。
   にほん,難しい日本語も使ってくるし,先生たちは〈はい〉。
   それで,知らないことがいっぱいあってついていけなかった。
T: でも,幼稚園から日本の幼稚園に行ったんですよね?。
I: あ,はい。
   い,1回帰ったんですよ。
T: いつごろ帰ったんですか?。
I: もう,たぶん,覚えて{笑}ないかな。
   で,たぶん小1,2,やってなかったから。
T: 小1,小2はいなかった,日本に。
I: 小2の途中で入って〈はい〉,ほら,あの,勉強やんなかったんすよ。
   あの,別のクラスで〈はい〉日本語教えてもらってた。
T: あー,小2のとき。
I: そう,だから,はい,漢字とかもやんなくて〈はい〉,あんまり〈はい〉。
   それで,ずっと…
T: 普通…
I: 日本語教室っていうところに〈はい〉,にいて。
T: いって?。
   普通のクラスに入ったのは何年生からですか?。
I: 普通のクラスは転校したあとかな,違う学校に。
T: あ,その学校に〈そう〉,うまくいかなくて?。
I: いや,それは,あの,お母さんたちの都合で。
T: あー,仕事で。
I: 仕事〈はい〉,はい。
   それで【地名3】のほう〈ふーん〉に行って,でー,お母さんがこっちに来て〈ええ〉,お店を,お,建てたんですよ,おー,車屋。
   車を売る,お店。
T: 車を売るお店を?。
I: そう。
   お母さんとお父さんでやってるんすよ,今〈へー〉。
   それで僕も【地名4】に来て〈ええ〉,そのあと引っ越した。
T: どこに?。
I: こっち【地名5】に。
T: あ,【地名6】に引っ越した。
I: 【地名5】です。
T: 【地名5】?。
I: 【地名5】郡。
T: 【地名5】郡に引っ越した。
I: 【地名5】町,はい。
T: 【地名5】町。
   近いんですか?。
I: あ,近いっす〈ふーん〉。
   ここから10分ぐらい。
T: ふーん,で,ここに入ってからはどうでしたか?。
I: ここに入ってからは,やっぱり,日本語もできるし〈はい〉,ポルトガル語も全然できなかったから〈はい〉。
   1年から,もう,14,13歳でここに入って〈はい〉,1年から始めて,いまはもう8年生まで,{携帯電話が鳴る},あ,すいません〈はい〉。
   えーと,1年生までやってるんですよ。
T: すいません。
   ちょっと切ってくれますか〈あ,はい〉。
   いいですか?。
I: すいません〈はい〉。
T: え,え,今,何年生?。
I: 今は8。
T: 8年生〈そう〉。
   何年生までここ行くんですか?。
I: ここはもう今年で終わり〈はい〉。
   で,あの,その,高校〈はい〉,あるじゃないですか。
   あれで。
T: 高校。
   どこに行くんですか?。
I: ここの。
T: ここの高校に。
I: 夜,はい。
T: 夜,夜はここの高校に行く〈はい〉。
   それが3年間ですか?。
I: そう,3年間〈ふーん〉。
   今年の3,4月ぐらいかな。
T: から?。
I: はい。
T: はい,そのあとは?。
   将来はなんになりたいんですか?。
I: 将来はまだ考えてない{笑}〈あー〉。
   いろいろやりたいことがあるから。
T: ふーん,いろいろ教えてください。
I: いろいろ{笑}〈{笑}〉。
   えーと,通訳とか〈はい〉,いまは車の〈はい〉板金と塗装やってるんすよ,仕事で。
T: あ,もう仕事してるんですか?。
I: あ,アルバイト,はい〈あー,はい〉。
   学校のあと〈はい〉。
   それをやってるし,あとは,絵も好きだから〈ふーん〉,美術のほうもやってみたいし〈ふーん〉,いろいろ{笑}。
T: 夢がたくさんあっていいですね。
I: そう〈はい〉,それでまだ決められない。
T: 決められない。
   えー,お父さんとお母さんはなんて言ってますか?。
I: お父さんとお母さんは〈うん〉,まだゆっくり考えたほうがいいって〈ふーん〉。
   あの,高校もあるし,大学があるから,まだ時間はあるから〈はい〉。
T: えーと,家族は何人家族ですか?。
I: いま5人〈5人〉。
   お父さんお母さんと妹と弟。
T: はい,妹さんや弟さんもこの学校にかよってますか?。
I: 妹と弟は,あの,【地名5】の小学校と中学校。
T: あ,普通の学校に。
I: はい,普通の。
T: はい,大丈夫ですか?。
I: あ,はい。
T: あの,小さいときから来てる?。
I: もう,小さいときからです{笑}。
T: ふーん,えーと,どうですか。
   妹さんや弟さんを見てると,もう,ほとんど日本,ただ,家の中はポルトガル語なんですよね?。
I: 僕は妹と弟とは日本語でしゃべって,お父さんとお母さんとはポルトガル語,そんな感じです。
T: えーと,妹さんと弟さんはお,お父さんやお母さんとは何語で話しますか?。
I: あ,お父さんとお母さんは,ほら,ポルトガル語忘れちゃいけないから〈はい〉,もう,あれ,無理にでも話させてるんですよ〈はい〉,ポルトガル語で〈はい〉。
   でも,僕よりだいぶ少ない言葉しか知らないから〈あー〉,結構ごちゃごちゃしたポルトガル語で喋ってる〈あー,そうなんですか〉。
   妹は結構,でも,だいぶんできるっすけどね〈ふーん〉,話は。
T: えーと,【I】くんはポルトガル語はどのぐらい話せるんですか?。
   完全にもう…
I: ポルトガル語は,うーん。
T: 新聞読んだりとかできるんですか?。
I: 新聞とかはできます〈ふーん〉。
   基本は大丈夫かな。
T: どっちのほうが楽ですか。
I: あー,に,日本語がまだちょっと上,〈日本語の〉ポルトガル語より。
T: あ,日本語のほうがいい?。
I: できる,少し。
T: 日本人の友だちがいますか?。
I: 日本人の友だち,【地名3】にいたんすけど,こっち引っ越してから見てないっす。
T: あー,じゃ,日本語はどんなときに使うんですか?。
I: 日本語は,あの,仕事,アルバイトのところ。
T: あー,板金塗装〈はい〉。
   アルバイトにしてはすごく大変ですよね〈あ,いや〉。
   どんなことをするんですか?。
I: でも,結構,あの,ボディーパーツ〈はい〉,パーツとかの凹み〈はい〉,あの,傷付いたところとか〈はい〉,そこを直して塗って。
T: えーと,わたし,どうやってやるのか見たことないんですけど〈あー,はい〉,凹んでたらどんなふうに。
I: 凹んでたら〈はい〉,まずは,あの,パテっていう,あの,なんつーんかな,あれ,粘土みたいなもの〈はい〉でそこの穴を埋めて〈はい〉,乾かして〈ええ〉,そのあとは研いで真っ直ぐにしたあと〈はい〉,上から,なんか,コーティングするんすよ〈はい〉。
   塗る前の白いサフェっていうやつなんすけど。
   そのパテでできたちっちゃい穴を埋めるみたいな感じで〈はい〉。
   それでまた研いで完全に真っ直ぐにして〈ええ,ええ〉,そのあとはもう塗装の準備〈はい〉。
   テープでぬら,あれ,色が付いちゃだめなところを隠して〈はい〉,そのあと塗る〈ふーん〉。
   それをあぶって,もう,それで仕上げる,仕上がる。
T: ふーん,車って色がすごく違いますね,微妙に?。
I: あ,はい,だいぶ違います{笑}。
T: そうすると,どう,その色っていうのは毎回作るんですか?。
I: その,それは僕のほうではやってないんすけど〈はい〉,あの,僕の先輩たち〈はい〉が色を,例えばまずは基本の,基本の,車の基本の色がかい,あれ,書いてあるんですね〈はい〉,あの,ボンネット〈はい〉開けて裏見ると〈はい〉。
   {ブレス},そこの色を見て〈ええ〉作るんすよ〈はい〉。
   でも,ほら,車によって,時間が経つと日光に当たったり〈あー〉して,あれ,雨が降って〈はい〉,あれ,汚れたりして色がだいぶ変わるんすね〈はいはい〉,何年か経つと〈ええ,ええ〉。
   だから,その基本の車の最初の色〈ええ〉を作ったあと,て,あれ,板みたいなところに塗って〈はい〉,車に貼って,磁石が付いてんすけどね〈はい〉,車に貼って車の色と比べて〈ええ〉,その違いを見て〈はい〉,で,緑とか赤とかを,つ,あれ,追加,もうちょっと入れたりするんすよ。
T: ふーん,じゃ,難しい〈結構〉です?。
I: 難しいっすね。
T: 板金塗装って,なんか,ちょっと,小さな傷でも1週間とか10日とか〈あー,はい〉かかるけど,どうしてあんなにかかるんですか?。
I: あれ,ま,店の都合とかもあるし〈はい{笑}〉,あとは,やっぱり傷が深かったりするとね〈はい〉,余計難しくて〈はい〉,傷がちっちゃくても場所によってそのパーツ1枚を塗らなきゃいけないときがあるんすよ〈ほー〉。
   それもあるから。
   あの,傷の場所によって簡単なところと〈あー〉難しいところが決まるからね,それでだいぶ経つんですよ。
T: で,かなり高いですよね?。
   なんであんなに高いんですか{笑}?。
I: あの,いろいろ機械とかも使ったりして〈はい〉,ほら,その,1枚塗るの,塗らなきゃ,ちっちゃい傷でも〈はい〉1枚塗らなきゃいけないから,それだけ色も使わなきゃいけないし〈はい〉,あと,車の種類によって高い色を使わなきゃいけない車もあるから,それも結構。
T: あー,色によって値段があるんですか?。
I: そう。
   もうちょっときれいな,ほら,新しい車だったら〈はい〉,もっときれいね,あの,最新の色だから,古い車は,もう,ま,あれ,簡単な色でも作れるんすね〈はい〉。
   それで,結構かかる色とかかんない色,赤でも高級の〈うんうん〉色もあるし〈うん〉,あの,ふ,あれ,なんつーんかな,もっとシンプルな赤もあるから,それでだいぶ。
T: なるほど,はい。
   えー,車っていうとすごく排気ガスが環境問題になってますけども〈あ,はい〉,車は乗りますか?。
   好きですか?。
I: あ,乗ったことはないですけど,好きです〈あー〉,うん,結構。
T: で,車の出す排気ガスが〈はい〉すごく問題になってますよね〈あー,はい〉。
   だから自転車で,に乗りましょうとか〈あー,はいはいはい〉。
   そういう動きに対してはどう思いますか〈あー〉?。
   好きだったら乗ってもいいですか{笑}?。
I: やはり僕もそれ考えてたんすけど〈はい〉,将来は僕が車に乗るとしたら〈はい〉,やっぱりかっこいい車に乗りたいけど〈ええ〉,そのかっこいい車を使ってると,やっぱりそういう排気ガスとか〈ええ〉が多いじゃないですか。
   だから,たぶん,あれ,しゅ,仕事するときはバイクに乗って〈ええ〉,ほら,土日だけ,く,あの,その,僕の欲しい車に乗るとか〈あー〉,そういうことはしたいと思ってます。
T: ふーん,やっぱ環境問題には興味がある〈そう〉ということですね。
I: やっぱ,やっぱりそうっすよ。
T: うん,で,ハイブリッドカーは人気がありますよね〈あー,はいはいはい〉,はい。
   ただ高いですよね,そのぶん〈高いっすね〉,うん。
   その部分どっちをとりますか。
   値段をとりますか,それとも,その,環境に優しいほうをとりますか?。
I: 環境,やっぱり環境かな〈うーん〉,たぶん。
T: どうしてそんなに環境について関心が?。
I: だって,将来,やっぱり,あの,僕の子ども〈うん〉,孫とかが,その,汚い地球に住んでほしくないっていうか,そんな感じ。
T: うーん,あの,二酸化炭素の排出権って分かりますか?。
I: 二酸化炭素…
T: 二酸化炭素っていろんな工場とかさまざまな〈あ,はいはいはい〉ところから出されますけど〈はい〉,例えば先進国は〈はい〉,えー,それを,こう,減らし,一生懸命減らしてるんだけど〈はい〉,減らすのには限界があるから〈はい〉,発展途上国のそれを買って〈はい〉,お金を出してそれを買って,出していいよっていう,そういうもの〈あー,そう*〉,うーん。
   だからお金がある国は,まー,出していいけど,でも,その払ったお金で発展途上国が少し環境対策をすれば〈環境対策,うーん〉地球全体としては少なくなるって〈あー,そうですか〉いう考え方なんですけど〈あ,はい〉,そういう,その,お金で排出権を買うとかいう動きなんかにはどうでしょうか?。
I: やっぱり僕は駄目だと思いますね〈うーん〉。
   そのお金を使って〈うん〉出すより〈うん〉やっぱりそのお金で向こうの,ち,あの,ほら,貧しい国とかを手伝ったほうがいいと思う。
T: うん,ま,貧しい国から排出権を買うと,そのお金で貧しい国は,えー,環境対策ができるから〈あー〉地球全体だと環境が良くなる。
I: でもそれで二酸化炭素出すんですよね,もっと?。
T: いや,あの,たくさん出してるのを少し環境対策にするから減らすことができる。
I: あー,減らすんだ。
T: 日本が減らすよりも発展途上国が減らす〈あー,はいはいはい〉ほうが簡単なので,そういうふうなことがされてるんです。
   それだったらいいですか?。
I: あー,じゃ,いいじゃないですか。
T: いいんですか?
I: いいと思います。
T: あ,お金がある国が,まー,助けるというような感じで?。
I: もし,あ,そう,そうそうそう。
T: うーん,でも,ま,かっこいい車に,週にちょっと〈{笑}〉乗るぐらいは。
I: あー,はい,やっぱり乗りたいっす。
T: やっぱり乗りたいですか。
   えーと,車っていうのはどうして,あの,欲しいんでしょう,その,かっこいい車?。
I: やっぱ,かっこいいっていうか,ほら,乗り心地がいいやつが欲しいんですよ〈はい〉,あの,【商標名1】系みたいな〈ふーん〉,やっぱり。
T: ま,いい車に乗ってると,自分がかっこよく見えるっていうか,そういう感じですか?。
I: まー,ほかの車と違うから。
T: あ,ほかの車と違うから。
I: そう,やっぱりみんなと同じ車はあんまり好きじゃない,乗りたくない。
T: どんな車に乗りたいんですか?。
I: あのー,【商標名2】とか〈はー〉。
   【商標名2】〈はい〉。
   ***が…
T: 高いですね。
I: はい。
T: いくらあれば買えますか,欲しい車?。
I: うーん,わからないかな。
   でも新車じゃな,まー,100何万かな〈ふーん〉。
   それぐらいだと思います。
T: はい,えーと,の,お金の使い方って人によってすごく違うと思うんですけども〈あー,はい〉,えー,車に100万かけるんだったら,例えば子どもの教育にかけるとか,自分がなにかを学ぶことにかけるとか,いろんな考え方があると思いますけれど。
I: あ,僕は,あの,その,給料で〈はい〉出たお金〈はい〉,その給料のお金はやっぱり学校に,もう,使ってるんですよ,ほぼ半分は〈あー〉。
   半額を払ってるんですよ〈はい〉。
   僕の〈自分〉お母さんをちょっと手伝うために〈はい〉。
   で,ちょっと,あれ,自分が使う,その,月に使うお金,出かけるときとか,そういうときのお金を我慢して,月々にちょっとづつ貯めてくみたいな感じなんです〈ふーん〉,車のために〈ふーん〉。
   だから,いい,大丈夫だと思うんすね。
T: あ,ちゃんとバランスをとってる。
I: そう,バランス。
T: はい,えーと,そういうお金に対する考え方〈はい〉はどういうあたりで身に付いてきたと思いますか?。
   親が教えましたか?。
I: 僕はやっぱり親っすね。
T: どんな形で教えられました?。
I: やっぱりお金の大切さ〈はい〉,あの,あれ,いや,でも,教えられたっていうか,いつも見てたんすよ,お母さんとお父さん〈はい〉,仕事してるときとかも。
   それで苦労してるところも見たし,お金の使い方も見てきたから〈うん〉,ま,自分もだいぶ考えて〈うんうん〉,ほかの人たちのも使い方も見て,それで結構身に付いたと思います。
T: ふん,ただ,その,えーと,お金で大変な家庭に育つと〈はい〉,たぶん,そうやって,大変だなと思って自分できちんと考える人と,お金の無い生活は,やだやだやだって,もう,こんな家早く出て行きたい〈あー,はい,そうですね〉,で,親が,あの,お金をくれなかったからなにもできなかったっていう〈あー,はい〉,その,その境目はなんにあるんでしょう?。
I: えー。
T: {笑}どう思いますか?。
I: その境目〈うん〉。
T: どっちになるかっていう。
I: やっぱり,親のことを思う人と〈うん〉,あんまり思わない人じゃないですか。
   その…
T: どうしたら親を思う人になるんですか?。
I: え,やっぱり,ま,親によってもだいぶ違うんすけどね。
   親が自分を愛してくれれば,たぶん,それだけ,思いができると思うんすよ〈ふーん〉。
   その親との時間も多めに過ごしたり〈ふーん〉,いちんち[1日]友だちばっかじゃなくて〈うん〉親とのたい,あれ,時間を大切にすることじゃないですか。
T: 親との時間を大切に,親は大切にしようと思っても,子どものほうが付き合ってくれないことのほうが多くないですか?。
I: あー,それもそ〈{笑}〉,それはたぶん友だちの付き合いじゃないですか〈そうですか〉。
   うーん,自分の周りの友だち,よくいるじゃないですか,あの,日本人であんまり,親のことを悪口言ったりする〈はい,はい〉,それはあんまり良くないと思うんすけどね。
T: ふーん,あの,それって国民性ありますかね?。
I: あー,そうかな,どうかな。
   僕が思うには〈はい〉,やっぱりブラジル人のほうが〈はい〉その面ではやっぱり親のことを思ってますよね〈あー〉。
   僕が日本の学校いたころは,おい,親のことを恥ずかしいと思ったりした人もいたし〈うーん〉,ほら,親とはあんまり近くに行きたくないとか,そういう人が多かったんすよ。
T: 日本人?。
I: そう。
   あの,ブラジル人は抱いたりするのが習慣なんすよね〈はい〉。
   あの,だい,抱き合ったり〈はい,はい〉キスしたり〈はい〉。
   でも日本人はやっぱりそういうことはあんまりしてないんすよね〈はい〉,恥ずかしいことだと思ってるから。
   そこの違いもあると思うんすよね〈あ,えー〉。
   文化かな。
   わかんない。
T: えー,スキンシップが大事だということですか?。
I: そう,うん。
T: ふーん,あの,えと,ブラジルのことはずっと好きでしたか?。
I: ブラジルのことは,あ,はい。
T: ずっと小さいときから好きだった。
I: 小さいころから。
T: はい,あの,結構,学校でいじめられたりすると,なんか,自分がブラジル人だっていうこと〈はい〉を言いたくないという人もいる…
I: いや,それは無かったです,1回も…
T: 全く,常に良かったということですね,はい。
   えーと,将来,その,いろいろやりたいことがあるみたいなんですけども〈あ,はい〉,例えば自分がせっかくポルトガル語と日本語ができるっていう〈はい〉,そこの部分を活かしていくとどんな仕事ができるでしょうか?。
I: やっぱり活かすといえば通訳かな〈ふーん〉。
   その両方も…
T: どんなつう,どんな通訳ができると思いますか。
I: あ,もう,あの,例えば病院とか(ふーん),そういうところ。
   まー,僕がやる,通訳やるとしたらやっぱり,あのー,なんて言うんかな,その,どこでもやりたい。
   あの,電話をしてもらって,その,困ってる人を助けるみたいな感じ〈ふーん〉。
   そこまで行って,どこにいるか聞いて,その全てを通訳する〈ふーん〉。
   そういうほうがいいと思うんすよ。
   あの,病院だけとかじゃなくて〈うんうんうん〉決まってるんじゃなくていろんなところ。
T: いろんなところ。
   えーと,それは仕事になると思いますか?。
I: ま,し…
T: きちんと生活できていくような仕事になるのか,それとも人助けみたいなボランティア活動としてやっていけるん…
I: そしたら〈うん〉,どうなんですかね。
   ボランティアかな。
   ボランティアになるかな,わかんな,たぶん,ボランティアだと思います。
T: ぼ,あ,ボランティア活動として〈はい〉そういう部分がやっていくかなと〈あ,はい〉,そういうことなんですね。
   えーと,今,両親は車の,えー,ばいば,お店をやってるってのは売ってらっしゃるということですか?。
I: あ,はい。
   売ったり,あとは買ったりもしてます。
T: 売ったり買ったり。
   どんなお仕事かお聞きしても…
I: あの〈はい〉,例えばお客さんが来て,その,この車を買いたいっつったら,あれ,ま,払ってもらうか,それか,あの,相手の車をもらって,そして,もうちょっとお金をそこにプラスして,自分の車と交換するとか,そういうこともあるし,あとは車の車検もしたり,ま,い,名義変更とかも,まー,ほとんどやってます。
T: あー,いろんな中古車〈中古車,そう〉のディーラーみたいな〈そうそうそう〉感じってこと。
   それはブラジルの人を相手に,〈ブラジルの人の〉日本の人?…
I: ま,日本人もいいんだ,いいんすけど,やっぱり,ブラジル人のお店だと思って〈はい〉,来ないっすよね,あんまり。
   でも来るときは,やっぱり,お母さんは日本人にも対応できるから〈はい〉。
   日本語もしゃべれるし〈はい〉,日本人ともたまに売ったり買ったりしてます。
T: ふーん,あの,日本の書類とかはすごく大変かなと思うんですが,そういうのはもう大丈夫なんですか,両親は?。
I: あ,日本の書類…
T: あ,その,書類,えー,車の売買関係の書類とか。
I: あー,それはもう大丈夫です。
T: もうずっとそういうことを…
I: 教えてもらったんすよ,いろいろ。
T: あ,はい,それはどなたの助けでそういう仕事ができるようになったんですか?。
I: あの,昔から友だちだった〈うん〉人で,も,車の中古車屋さんやってた人がいたんすよ〈うんうん〉。
   そこでお母さんも少し仕事したから,そこで結構教えてもらって〈うん〉,そのあとお母さんは,ま,自分たちでお店を開いてみようっつって,お父さんと相談してひらくことになって,仕事始めたんすよ。
T: ふーん,で,いま,この【地名4】とか【地名6】,この地区にはブラジルの人がすごく多いので〈あー,多いっすね〉,日本語できなくても暮らしていける,ひ,ますよね,どうでしょうか?。
I: ま,暮らしてはいけ,ま,あれ,助けてもらうことができるから,たぶん暮らしていけると思うんすけど〈ええ〉,やっぱり日本語覚えたほうが役に立ちますよね。
T: ええ,ま,そ…
I: 自分で,自分一人で生きたいって思う人なら,やっぱり日本語覚えてから来たほうがいいと思う。
T: ふーん,えーと,じゃ,日本に暮らすブラジルの人は全員日本語を学ぶべきだと思いますか?。
I: 学ぶべきってことはないっすけど〈はい〉,僕がこれまで覚えてきて,やっぱり,損したことはないし〈うん〉,いいことばっかりだったから〈うん〉,ま,日本語覚えたほうが役に立つってことっすかね。
T: うーん,あの,例えば,ま,日本ではやってないんですけど国によってはビザを更新するときに〈あ,はい〉その国の言葉ができないと〈あ,はいはいはい〉更新できないってところもあるんですが,日本がそういうシステムを取り入れることについては〈はい〉どう思いますか?。
I: あ,それは僕,正しいと思いますね。
T: あー,どうして?。
I: やっぱり日本で暮らしていくには日本語を覚えたほうがいいし,ま,それがあることによって,あの,ここに来た外国人も日本語を覚える気になって,ほら,住みたいと思ったら日本語覚えるしかないじゃないですか〈うん〉。
   だからその面ではいいんじゃないですか。
T: ただ,例えば50とか60ぐらいで〈あー,はい〉,まー,ほかの若い家族が来たので一緒に来たという,そういうおじいさんやおばあさんの世代〈あー〉,もしくは50歳ぐらい,おじさんおばさんの世代でもなかなか若い人みたいにすぐ覚えられなかったりしますよね〈あー,そうっすね〉。
   それでもやっぱり,それは,日本に来る以上覚えるべきだと。
I: あ,そう,ま,日本が決めたことだから…
T: いや,まだ決まってないんですけど〈あー,決まってない〉,どう思いますか,はい?。
   もうそういうことが検討されてるんですけど…
I: あー,やっぱり年齢によって変わるんじゃないですか〈ふーん〉。
   例えば40歳以上はそのシステム無しで〈うん〉,40歳以下は覚えなきゃいけないとか〈ふーん〉。
   そういうほうがいいと思います。
T: それで,えー,ま,やっぱり言語を覚えたほう,覚えるべきだという。
I: 覚えたほうがいいっすね〈はい〉,やっぱり。
T: と思いますか。
   はい〈はい〉,わかりました。
   じゃ,えーと,1つロールプレイをやってもらいたいんですけども,あの,今,板金塗装の会社でアルバイトをしていて,えーと,どうしても,その,例えば,今日は何日ですかね?。
I: 今日は,し,7[なな]。
T: 7日[なのか]〈7日[なのか]〉。
   7日だから,えーと,8日までに仕上がる予定の車が〈はい〉どうしても,あー,12日じゃないとあがらない,仕上がらない〈あー,はい〉という電話をお客さんにしてくれますか?。
   わたしお客さんです。
I: あー,じゃ,あー,はい。
T: いいですか?。
   大丈夫ですか?。
I: じゃ,僕が,ええ,はい{笑}。
T: はい【T】でございます。
I: あ,もしもし,あの,【企業名】の【I】と申します。
T: はい,あー,お世話になってます。
I: はい,あの,この前,なお,あれ,直すことになった,あの,あ,【人名】さん?。
T: 【T】です。
I: あ,【T】さんの車がちょっと12日までしか仕上がんなくなったんすけど…
T: え,あの,明日出来上がるっていうお約束でしたよね。
I: あ,そうなんすけど〈はい〉,ちょっと注文した部品が遅れることになったんすよ。
T: えー,それはちょっと困るんですけども。
   明後日から,ちょっと,旅行に行くつもりで,その車使うはずだったんですけれど。
I: はい,じゃ,代車を,あれ,貸すんで,それで大丈夫,大丈夫っすかね,旅行は?。
T: うーん,あの,うちの【商標名3】と同じレベルの代車出していただけますか?。
I: あ,はい,大丈夫です,用意しときますんで。
   お願いします。
T: うーん,じゃ,はい,同じレベルで,あの,調整もちゃんとできてるんですね?。
I: あ,調整はちゃんとしときますんで。
T: はい〈はい〉,わかりました。
   じゃ,あの明日それを持ってきてください,とりあえず。
I: あ,はい,じゃ,お願いします〈はい〉。
   すいません〈はい〉。
   よろしくお願いします。
T: はい,どうもお世話さまでした。
   そんな電話することとかありますか?。
I: あー{笑},したことは無いっすね,まだ。
T: したことは,まだしたことは,まだアルバイトだから。
   したことはない。
I: はい,あと奥さんが,所長の奥さんが電話のほうやってるんで〈はい〉,通訳しかやったことないっす。
T: 通訳,あー〈はい〉,に,うん。
I: でもすんごい怖かった,今。
T: あ,そうですか{笑}。
I: やったことないから。
T: あ,そうですか,はい。
   えーと,じゃ,今度は,えーと,アルバイトの帰りに公園を通りました〈あ,はい〉。
   公園の近くを通ったら,公園で,よ,えー,小学生が,あのー,ライターをつけて遊んでました〈あ,はい〉。
   危ないですよね〈あ,はい〉。
   じゃ,注意してみてください〈あ,はい〉。
   イェーイ,楽しいな,このライター。
   あー,あつあつ。
I: ね,僕たち。
T: なになに,なに?。
I: ちょっと,それで遊ぶのは,やめよ。
T: なんで?。
   面白いんだもん。
I: あぶ,危ないから。
T: えー,大丈夫だよ。
I: 危ないよ。
T: やだよ。
I: もう,それで,自分の家が,焼くことだってあるんだから。
T: え,そんなー。
   そんなことないよ。
   お兄ちゃん,一緒に遊ぼうよ。
I: あ,だめだめ,火傷しちゃうよ。
T: うーん,しょうがないな。
I: やけ{笑}…
T: {笑},ありがとうございます。
I: もう駄目{笑},はい。
T: え,え,ありがとうございました。
   うん,あの,小さい子どもと遊んだりしますか?。
I: あ,弟とよく遊びます。
T: あ,そうなんですか。
   何をして遊ぶんですか?。
I: はい,サッカーとか〈あー〉,スポーツ系。
T: なんか,とても優しいお兄さんみたいですね。
I: いや{笑},そんなことないっすよ。
T: でも,勉強にアルバイトにいろいろ大変だと思いますけども。
I: あ,はい,大変すね。
T: ま,これからもどうぞ楽しんでください〈あ,はい〉。
   今日はこれぐらいで終わります。
I: あ,じゃ,どうも。
T: お疲れさまでした。
I: お疲れさまです。