はじめに
『日本語ブックレット』は,日本語に関する動向や資料を分かりやすい形で広く提供することを目指して編集したものです。平成15年度より試作・検討を開始し,平成17年度より毎年,電子版として定期刊行しています。
今回刊行した『日本語ブックレット2007』は,平成19年(2007年)の日本語をめぐる動きを図書,雑誌記事,新聞記事等の資料からまとめたもので,第1部はこれらの資料に見られる日本語関連の動向,第2部は,これらの資料から採録した日本語に関する情報の目録となっています。
国立国語研究所では,日本語研究に関する網羅的な文献目録等を掲載した『国語年鑑』を昭和29年(1954年)より毎年刊行しています。また,国民の言語生活に関する情報として,「ことば」に関する新聞記事の収集を昭和24年(1949年)以降継続して行っており,その成果の一部である記事見出しデータベースはインターネット上に公開しています。
これらは基礎的な研究情報として役立つものですが,日本語に関する情報源には,このほかにも様々なものがあります。例えば,刊行物に限っても,『国語年鑑』が扱うもの以外に,総合雑誌,文芸誌,PR誌,一般向けの日本語に関する本,言葉に関するハウツーものなどがあります。『日本語ブックレット』は,このように多様な情報源に基づいて,日本語に関する最新の動向や情報・資料を提供しています。
今後とも,国立国語研究所における情報収集体制の向上を図りつつ,よりよい『日本語ブックレット』を目指して改良を重ねていきたいと考えています。
この資料は,情報資料部門の以下の者が編集を担当しました。
熊谷康雄,伊藤雅光,新野直哉,池田理恵子,渡辺由貴
日本語は,私たちにとって身近で,生活する上でなくてはならないものです。この『日本語ブックレット』が日本語に関する情報源の一つとして,成長し,言語生活に役立つものとなることを願っています。
平成21年3月
独立行政法人 国立国語研究所長
杉戸清樹