藤原正彦氏の著作
作家を両親に持つ藤原氏は数学者ではありますが,以前から国語教育の大切さを主張しており,2003年には『祖国とは国語』(講談社)を刊行しています。2006年に入ると同書の文庫版が刊行され,さらに『世にも美しい日本語入門 』などの著作で,「美しい日本語」を守ることとそのための国語教育の重要性を述べています。
総合雑誌でも,小学校の国語の授業時間が明治期から減少の一途をたどっていることを指摘し,初等教育で大事なのは一にも二にも国語である,と主張しています(『中央公論』1月号「特集;教育再建」,『正論』3月号「読書の時間 Book Lesson」,『文芸春秋』11月臨時増刊号「特集;教育の力を取り戻す」)。さらに新聞でも,新聞の「特殊指定」見直し問題に関する特集に「見直しは宅配制度の衰退につながり,活字復興に水を差す結果になる」という意見を寄せたり(3月2日付毎日),小学校の英語必修化に対して「英語より国語のほうが優先度が高い」と反対意見を述べたり(5月15日付毎日「闘論」欄)しています。小学校の英語必修化に関連しては,文芸誌の対談でも反対意見を述べています(『文学界』7月号「特集;国語再建」)。
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