マスメディア

国際放送強化

 国際放送では,CNN,BBCなど米英メディアの独占状態が続いていますが,新しい動きもありました。フランスが国際ニュース放送局「FRANCE 24」を開局し,90か国で放送が始まりました。また,衛星テレビ局アルジャジーラが世界に向け英語放送を開始しました。

 日本は国際放送では遅れをとっていましたが,2月,小泉首相(当時)が「NHKで外国人向け放送を」と国際放送強化の方針を示しました。これを受けて,2007年度から外国人向けにニュースや情報番組を24時間放送している「NHKワールドTV」について,米国などの地元ケーブルテレビ局と契約し,海外配信力を強化することとなりました。

 ところで,国際放送をめぐっては,中東をめぐる情報の流れの双方向が一段と高まっています。アルジャジーラが英語放送を開始する一方,英BBCは,2007年からアラビア語テレビ放送を開始すると発表しました。フランスも新たにフランス国際情報チャンネルCFIIを2006年末までに開局する方針を明らかにし,ニュースなどをまずフランス語で24時間体制で放送し,その後直ちに英語,アラビア語,スペイン語に転換して放送するという計画を発表しました。また,アメリカは2005年から中東向けのアラビア語テレビ局アルフッラ(アラビア語で「自由なるもの」)を開局しています。

新聞の「特殊指定」見直し問題

 新聞は,広く一般に読まれている,活字メディアの代表格と言えます。その経営基盤にかかわる「特殊指定」について,公正取引委員会は3月,必要性が薄れたとして問題がなければ廃止すると発表しました。
 これに対して,新聞社をはじめ,識者,議員らは,新聞の定価販売・戸別配達制度は,再販制度と特殊指定とが一対の関係となって維持されてきたとして,特殊指定堅持を訴えました。また,特殊指定の見直し・廃止は,2005年7月に施行された文字・活字文化振興法の趣旨に背くものであると批判しました。
 このような反対運動の結果,公正取引委員会は6月,新聞の特殊指定を当面維持すると発表しました。なお,同時に見直しの対象とされた教科書については,9月1日付で特殊指定を廃止することが発表されました。

市民参加型のニュースサイト「オーマイニュース日本版」

 市民が記者として参加する韓国最大のインターネット新聞「オーマイニュース」が日本に進出し,8月,「オーマイニュース日本版」が創刊されました。鳥越俊太郎氏が編集長に就任し(2007年6月1日付退任,元木昌彦氏が新編集長に就任),編集部員16名(発足当時)が市民記者から寄せられた原稿をチェックするほか,自ら取材・執筆も行う形です。
 当初2006年内に5000人の市民記者登録を目指して始動しましたが,創刊1周年で3800人となっています。既存のマスコミや市民メディア「JANJAN」などとの差別化をどこまで図るのか,「主観的」との批判にどのように取り組むのかが注目されます。


関連文献情報

マスメディア

文献番号
記事標題 〔備考〕 (著者) 新聞名 朝夕刊 発行年月日 ページ
200604010
「NHKで外国人向け放送を」 首相が検討指示、縮小論に影響? 朝日 夕刊 2006-2-10 p.3
200604830
全国で同一価格 新聞の特殊指定「存続」84% 本社世論調査 「宅配制維持」91% 〔p.2に調査結果あり 役立っているメディアについても〕 読売 朝刊 2006-2-20 p.1
200604870
解説 ワイド時典 新聞の特殊指定 社会的使命を重視 公共性配慮 異なる定価割引を禁止 指定見直し 戸別配達網崩壊の危機 価格競争 「知る権利」損なう恐れ 「読者が待っている」雪壁越え新聞配達 記録的豪雪 新潟・津南町 災害時には避難所にも 読売 朝刊 2006-2-20 p.15
200604910
総合 新聞販売 宅配制「維持」91% 本社世論調査 「値段同じに」75% 朝日 朝刊 2006-2-21 p.2
200605240
総合 韓国ネット紙、日本進出 「市民記者」浸透するか 〔インターネット新聞「オーマイニュース」〕 朝日 朝刊 2006-2-23 p.3
200605310
社会 韓流ネット新聞上陸 「オーマイニュース」日本版 市民記者の告発が売り 読売 朝刊 2006-2-23 p.37
200605510
2006 チャンネルYou 知りたい! 韓国政権「生みの親」ネット新聞日本へ 根付くか市民記者 身近な記事売り物 「主観的」と批判も 毎日 夕刊 2006-2-25 p.1
200605920
特集 新聞の「特殊指定」見直し問題 言論文化守る基盤 新聞宅配が揺れる 「特殊指定」 新聞の定価を維持 公平な情報伝達のため再販制度を補完 86%「宅配制度存続を」 数学者・お茶の水女子大教授藤原正彦さん 活字復興に水差すな 毎日 朝刊 2006-3-2 p.10
200606110
総合 新聞販売 特殊指定見直し反対 自民懇話会 公取委に申し入れ 朝日 朝刊 2006-3-4 p.2
200606190
新聞特殊指定「国民望んでいる」 「見直し反対」相次ぐ 自民懇話会 毎日 朝刊 2006-3-4 p.1
200606270
「新聞宅配、民主主義の基礎」 特殊指定見直し 自民、異論続出 読売 朝刊 2006-3-4 p.37
200607540
新聞協会 「特殊指定」堅持を 特別決議 全会一致で採択 毎日 朝刊 2006-3-16 p.1
200607600
解説 談論 新聞の特殊指定見直し論 「読者が待つ」責任の重さ (山本一力) 読売 朝刊 2006-3-16 p.15
200607610
解説 談論 新聞の特殊指定見直し論 「安売り競争」でどうなる (上田隆穂) 読売 朝刊 2006-3-16 p.15
200607620
解説 談論 新聞の特殊指定見直し論 「知る権利」脅かす可能性 (鈴木秀美) 読売 朝刊 2006-3-16 p.15
200607640
社会 「特殊指定と再販 車の両輪」 特別決議 新聞協会会長ら会見 新聞特殊指定の堅持を求める特別決議(全文) 読売 朝刊 2006-3-16 p.37
200608060
新聞の「全国同一価格」 特殊指定なぜ必要か 明日もお宅に届けたい 新聞は実質的公共財 皆が読める環境守って 堀田力さんに聞く 各戸配達に世論の支持 本社調査 雪の坂道一歩一歩 Q&A 再販制だけでは不十分 朝日 朝刊 2006-3-20 p.33
200608150
第3社会 メディア 韓国ネット新聞上陸へ 「市民記者」根付くか 韓国 チップOK/主観的と批判も 日本 関係者「刺激になる」 オーマイニュース呉連鎬代表に聞く 両国共同取材、実現したい 朝日 朝刊 2006-3-21 p.37
200608260
総合 NHK国際放送強化論点 外務省 「海外交流審」きょう発足 読売 朝刊 2006-3-22 p.2
200608980
解説 新聞の宅配を守ろう 特殊指定問題(上 生活支える情報源 避難所に届く励ましの記事 読売 朝刊 2006-3-29 p.15
200609080
解説 新聞の宅配を守ろう 特殊指定問題(中 活字文化と教育 読解力養う好教材 身近にあってこそ 読売 朝刊 2006-3-30 p.13
200609170
解説 新聞の宅配を守ろう 特殊指定問題(下 「見直し」広がる反対 公取委の独断 与野党が疑義 読売 朝刊 2006-3-31 p.13
200609550
新聞特殊指定 「維持するべきだ」73% 本社世論調査 宅配支持も80% 毎日 朝刊 2006-4-4 p.1
200609960
新聞特殊指定 「維持」へ議員立法 毎日 朝刊 2006-4-7 p.2
200610020
新聞シンポ 宅配制の大切さ訴え 鹿島茂さん「購読二極化」を憂慮 毎日 朝刊 2006-4-7 p.27
200610040
総合 新聞の特殊指定撤廃 活字文化振興に影響 新聞協会シンポ 公取委への批判相次ぐ 自民 丹羽・古賀派も撤廃反対 読売 朝刊 2006-4-7 p.2
200610380
新聞の「特殊指定」見直し問題 宅配崩壊に危惧 公取委方針相次ぐ批判 「同一価格は社会基盤」 竹島・公取委委員長 「マインドコントロールの議論」 「特殊指定は矛盾」50年の行政否定 毎日 朝刊 2006-4-9 p.28
200610540
日本新聞協会 公開シンポジウム 活字文化があぶない!メディアの役割と責任 育て考える力 言葉の力信じ 「電車で読書」今は昔 多様な論調守る宅配 ネット、短絡思考招く 人権口実に報道規制 新聞通じた教育期待 (藤田博司;鹿島茂;鈴木秀美;山川洋一郎;山本哲朗) 朝日 朝刊 2006-4-12 p.16
200610580
シンポ「活字文化が危ない!」 多メディアの時代 新聞、大きな役割 乱暴な規制緩和論 鈴木氏 公取委に説明責任 山川氏 表現力低下を危惧 山本氏 情報格差で混乱も 鹿島氏 特殊指定の維持訴え 新聞協会 (藤田博司;鹿島茂;鈴木秀美;山川洋一郎;山本哲朗) 毎日 朝刊 2006-4-12 p.10
200610640
日本新聞協会 公開シンポジウム 「活字文化があぶない! メディアの役割と責任」 知る権利に「黄信号」 宅配制度の崩壊防げ 仏は情報二極化進む 鹿島 特殊指定に配慮必要 鈴木 保護が必要な規制も 藤田 多様な論調守るべき 山川 子供に「活字環境」を 山本 (藤田博司;山川洋一郎;鈴木秀美;鹿島茂;山本哲朗) 読売 朝刊 2006-4-12 p.14
200610890
活字議連 「特殊指定堅持」を決議 新聞の配達網崩壊を懸念 毎日 朝刊 2006-4-14 p.3
200610920
総合 「新聞特殊指定 堅持を」 超党派議連が決議採択 〔p.37に決議の全文あり〕 読売 朝刊 2006-4-14 p.2
200611680
インタビュー 新聞「特殊指定」を考える 司会者 みのもんたさん 「情報発信減ってもいいの?」 毎日 朝刊 2006-4-20 p.27
200612180
インタビュー 新聞「特殊指定」を考える 公正取引委員会委員長 竹島一彦さん 「宅配」「知る権利」ピントずれてる 独禁法に反する値引き規制 毎日 朝刊 2006-4-25 p.24
200614000
新聞特殊指定維持か廃止か 全政党が廃止反対表明 公取「個別配達に影響なし」 「知る権利損なう」議員立法へ 日本新聞協会の考え 全国同一価格多様な言論守る 竹島一彦公取委員長インタビュー 価格競争行われていない 朝日 朝刊 2006-5-15 p.31
200615600
新聞特殊指定存続へ 公取委、与党に見解伝達 〔p.37に要旨あり〕 読売 朝刊 2006-6-1 p.1
200615770
第2社会 新聞特殊指定 廃止見合わせを発表 公取委 見直し再開は未定 教科書は廃止決定 「適切な判断」新聞協会談話 「実害」指摘後押しなく 朝日 朝刊 2006-6-3 p.38
200615780
新聞特殊指定 廃止見送り正式発表 公取委 今後の見直しは未定 「国民の意見 適切に判断」 北村正任・新聞協会会長 毎日 朝刊 2006-6-3 p.2
200615800
解説 解説スペシャル 新聞特殊指定廃止見送り 論点を検証 法的根拠 新聞 公正な競争確保に必要 公取委 50年にわたる告示「誤り」 戸別配達への影響 議論は平行線 伊従寛(いよりひろし)弁護士(元公取委委員) 一方的な見直し問題 鈴木秀美・大阪大大学院高等司法研究科教授(憲法、メディア法) 新聞も必要な改革を 読売 朝刊 2006-6-3 p.14
200622920
第2社会 オーマイニュース日本版サイト始動 〔「市民記者」の書いた記事を掲載するのが特徴〕 朝日 朝刊 2006-8-29 p.34
200624620
日本版オーマイニュース 市民参加型…差別化がカギ 毎日 朝刊 2006-9-16 p.16
200630160
国際 衛星テレビ局アルジャジーラ 世界向け英語放送 目標は「文明の懸け橋」 欧米メディアへの挑戦 朝日 朝刊 2006-11-17 p.8
200632940
国際 仏版CNN誕生 放送90か国 本家やBBCに対抗 読売 朝刊 2006-12-8 p.7
200633540
解説 論点 海外への情報発信 英語のTV放送効果的 (笹川陽平) 読売 朝刊 2006-12-14 p.15
200634880
国際 英語版アル・ジャジーラ1か月 中東の視点に存在感 英BBC アラビア語で対抗 読売 朝刊 2006-12-27 p.6
200635060
総合 ニュース海外配信来年度から強化 政府、米CATVと契約へ 読売 朝刊 2006-12-29 p.2



国立国語研究所 日本語ブックレット2006