団塊世代の言語生活

 団塊の世代とは,1947年から1949年を中心としたベビーブームに生まれた世代のことを指します。2007年は,団塊の世代の退職者が最も多く発生するといわれた年であり,注目を集めました。総合雑誌には,この世代の読者が多いこともあり,特集の中で団塊の世代とその言語生活に関連する記事が多く掲載されていました。

 「永久保存版 「団塊の達人」養成講座」(現代41-5,2007年5月),「Enjoy!シニアライフ」(現代41-8,8月),「「本物の大人」たちへ」(現代41-12,2007年12月)などの特集が組まれ,その中で定年退職時の挨拶状の書き方の指導や,定年退職後の過ごし方として英語への再チャレンジの紹介が見られます。

 さらには,定年退職後に夫婦で過ごす時間が増加することから,夫婦間のコミュニケーションについての記事も見られました。

 立花隆氏は,新聞や本,雑誌などの活字メディアはシニア世代が支えているといいます。読み書き能力に依存して発達してきた出版業界は,日本人の読み書き能力が集団的に衰退してしまったために大不況におちいってしまったと述べ,このような状況を救う一つの道として,団塊の世代が大挙して大学に戻ることを提案するなど,団塊の世代の言語能力に期待をよせています(「団塊こそ“知の救世主” 社会人大学を占拠せよ」立花隆 文芸春秋 85-8 2007年6月)。


関連文献情報

団塊世代の言語生活

文献番号
記事標題 (著者) 誌名 巻号 発行年月 ページ 発行所
2007002
連載;連続企画 学び直す人のための教養案内 <座談会> 教養を失った現代人たちへ (丸谷才一;山崎正和@三浦雅士/司会) 中央公論 122-1 2007-1 pp.32-43 中央公論新社
2007021
特集;「本物の大人」たちへ 第1部 「団塊」って呼ぶな!特別版 <インタビュー> 「あつい時代が蘇る“ひとこと”」 (山根基世) 現代 41-12 2007-12 pp.42-43 講談社
2007405
特集;Enjoy!シニアライフ 第1部 旅に興じる 旅の達人が贈る「20000字のボン・ヴォヤージュ」 旅する男女脳 (黒川伊保子) 現代 41-8 2007-8 pp.202-204 講談社
2007428
特集;永久保存版「団塊の達人」養成講座 いまさらながらの「大人の作法」 (石沢るり子) 現代 41-5 2007-5 pp.218-224 講談社
2007462
団塊こそ“知の救世主” 社会人大学を占拠せよ (立花隆) 文芸春秋 85-8 2007-6 pp.286-299 文芸春秋
2007593
特集;「本物の大人」たちへ 第2部 大人のためのエンタテインメント入門 夫婦でエンタテインメントを楽しむ秘訣 「女性脳」と「妻ごころ」がわかれば二人の外出もケンカ知らず (黒川伊保子) 現代 41-12 2007-12 pp.158-164 講談社
2007662
特集;永久保存版「団塊の達人」養成講座 学び直しのススメ 第二の人生を拓く趣味,生き甲斐,資格・検定 (飯田守) 現代 41-5 2007-5 pp.210-217 講談社
2007696
特集;日本史を学び直すための130冊 思想していた日本人 (苅部直) 中央公論 122-1 2007-1 pp.96-99 中央公論新社



国立国語研究所 日本語ブックレット2007