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解説 カタスはモスなどとともに,関東地方の代表的な方言形です。一時は衰退したといわれていましたが,再び使用者が増加し,現在では東京都の多摩東部などを除いて南関東のほぼ全域に広がっています。 | 使用率(全国)
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解説 モスはかつては関東地方全域で使用されていた方言形ですが,現在では東京都を中心として衰退する傾向にあります。東京都の中心部ではほとんど聞かないようですが,関東周辺部では依然として多く使用されています。 | 使用率(全国)
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解説 「大丈夫か?」と気づかうときに使用しますが,共通語の「大事」と混同しやすい方言形です。栃木県を代表する若年層の方言の一つで,使用地域も拡大しつつあり,茨城県,福島県にも広がっています。隣接する埼玉県から東京都23区北東部にかけては聞いたことがあるという人が多く,使用者も点在しています。今後普及する可能性があるでしょう。 | 使用率(全国)
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解説 「青あざ」をさす表現ですが,関東地方の南部で多く使用されています。関東地方北部での使用者は少ないのですが,隣接する東北地方では使用されています。なんらかの理由で関東地方北部より先に南部から入ってきたものと思われます。 | 使用率(全国)
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解説 行列などに割り込むことをさす表現で,「横から入る」ことから使われるようになったと思われます。かつては神奈川県のみで使用されていましたが,現在では東京都の23区南西部と多摩地域にも広がり,さらに全国に拡大しています。 | 使用率(全国)
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解説 ヨコハイリと同じく,割り込むことをあらわす表現で,「ズルをして割り込む」ことから使われるようになったのだと思われます。ヨコハイリを使用しない東京都23区北東部から連続する地域で主に使用されています。使用地域がヨコハイリより狭いのは,「ズル」という俗語的な語感が関係している可能性があります。 | 使用率(全国)
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解説 「イチゴ(苺)」のアクセントで,最初の「イ」を高く発音するかどうかをたずねています。群馬県・新潟県・長野県などで使用されていますが,東京都でもみられます。関東地方では,群馬県に隣接する地域で「聞いたことがある」と答える人が多くいます。しかし同じ隣接地域であっても,無アクセント地域とされる栃木県・茨城県では「聞いたことがない」と答える人がほとんどです。 | 使用率(全国)
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解説 「ココロ(心)」のアクセントで,2拍目の「コ」を高く発音するかどうかをたずねています。使用者は多くありませんが,関東地方全体に使用者がいることがわかります。特に東京都を中心に埼玉県南部から神奈川県北部にかけて使用者がいます。また関東以西では使用者が多いこともわかります。 | 使用率(全国)
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解説 「楽しげだ」の「げ」に似た用法ですが,共通語では使わない用法です。埼玉県北部から群馬県南部にかけて使用者がいることがわかります。一定の分布の領域を持っていると思われます。 | 使用率(全国)
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解説 アルッテは,北関東を代表する方言形で,現在でもよく使用されています。北関東から東北地方の太平洋側にかけての地域では,ほとんどの人が使用しています。一方,埼玉県を移行地帯として,それより南側ではほとんど使用されていません。 | 使用率(全国)
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解説 「あまり」から,「あんまり」「あんまし」などを経て,変化した形です。関東だけでなく,全国的に使用されていることがわかります。 | 使用率(全国)
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解説 べーは東日本の代表的方言形ですが,関東地方では衰退する傾向にありました。しかし,東京都23区南西部・多摩東部ではほとんど使用されていないものの,神奈川県では使用者が多く,東京都23区北西部から埼玉県にかけての地域でも不使用者と混在しつつ使用者が見られます。近年は東京近郊地域において使用者が再度増加しつつあるようです。 | 使用率(全国)
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解説 東北地方から北関東にかけて広範囲で使用されています。トキは共通語にも存在する語形なので,気付かずに使用されているようです。埼玉県南部や東京都23区北東部まで徐々に入り込んでいますが,東京都南西部から神奈川県・千葉県ではほとんど使用されていません。 | 使用率(全国)
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解説 東京多摩地域などで使用される方言形でしたが,1980年代に都心の若年層を経て全国に急速に普及しました。すぐに省略形のウザイに置き換えられたともいわれていますが,今回の調査では,「言う」という回答が多くなっています。ウザイの元の語形がウザッタイだという意識が残っているという可能性があります。 | 使用率(全国)
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解説 「裏」と「後ろ」は意味的に連続しているため,「(教室で)紙をウラにまわす(後ろの人にまわす)」のように共通語との意味のずれに気づかずに使われる方言形です。栃木県での使用者が多く,連続する埼玉県東部でも使用がみられます。東京都でも使用者が点在しており,今後普及していく可能性があります。 | 使用率(全国)
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解説 エゲツナイの省略形です。関西の方言形が,テレビなどから関東に流入したと思われます。関東地方だけでなく,全国的に使用率が高くなっています。 | 使用率(全国)
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解説 物事を判断する範囲をいう「視野に入れる」から派生したものと思われます。地域的な分布は明確ではありませんが,東京都23区の周辺部に比較的多くみられます。 | 使用率(全国)
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解説 「知る」は,元は「自然とわかる」という意味でしたが,近年は「知識を獲得する」という意志をもった意味でとらえられているため,可能表現が使用されているようです。使用には地域差があり,埼玉県以北での使用者が多く,東京都23区南西部や多摩以南では,聞いたことがない人が目立ちます。 | 使用率(全国)
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解説 命令形に「し」をつけて強調する言い方は,東京に隣接する山梨県方言の影響が考えられています。しかし同様に,若者に多いとされる接続助詞に由来した文末の「し」や,インターネット上の流行表現なども複合して影響している可能性があります。関東地方だけでなく,全国的に使用されていますが,東京都での使用が比較的少ないように見えます。 | 使用率(全国)
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解説 「線を引く」道具であることから使われるようになったと思われます。北関東から千葉県,静岡県と,関東地方の周辺部やその隣接地域で多く使用されています。埼玉県でもやや使用がみられます。 | 使用率(全国)
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解説 「すると」の「る」が促音「っ」に変化したもので,関東地方のほぼ全域で広く使用されています。特に東側では多く使用され,隣接する新潟県や福島県などでも使用されています。東京都23区南部から多摩地域ではあまり使用されていません。 | 使用率(全国)
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解説 「すると」の「る」が撥音「ん」に変化したもので,関東地方の古い方言形ですが,現在ではソースットが多く使用されていて,あまり使用者はいません。しかし,埼玉県から神奈川県にかけて使用者が点在しています。聞いたことがある人も一定数いることがわかります。 | 使用率(全国)
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解説 関東地方のほぼ全域で使用されています。この地域のソーナンには,在来の方言形と近年の関西方言の影響の二つの来歴が考えられます。埼玉県北部から群馬県のほぼ全域で使用されているのは,この語形が在来の北関東の方言形であることを反映していると見られます。一方,関東南部においても使用者が多い背景には,関西方言の影響があるものと見られます。相互の影響も考える必要があるでしょう。 | 使用率(全国)
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解説 関西方言に由来する表現ですが,ツイッターなど,インターネット上での流行の影響が大きいようです。使用者は関東地方全域に広がっており,明確な分布はみられません。 | 使用率(全国)
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解説 勧誘の意味の「食堂イクベ」と同様に,確認要求の意味のベーも,神奈川県や東京都23区北東部などの地域では,新しい方言として,再普及している可能性があります。北関東や東北地方では現在でも広く使用されていることがわかります。 | 使用率(全国)
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解説 「違う」は動詞ですが,形容詞との意味的な共通性から,近年は若年層を中心に形容詞型の活用が普及しています。全体的に使用者が多いものの,東京都や神奈川県ではやや使用者が少なくなっています。これは,北関東から首都圏への流入過程を示すものと考えられます。 | 使用率(全国)
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解説 チガカッタと同様に,動詞「違う」を形容詞とみなして,形容詞型の活用形をとったものです。チガカッタよりも普及が早いとされています。比較すると,チガクテの方がより使用者が多く,チガカッタではやや使用者が少なかった東京都や神奈川県などでも多く使用されています。 | 使用率(全国)
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解説 関西方言由来の語形です。明確な分布はみられませんが,東京都23区南西部から多摩東部での使用者が少なく,23区北東部から埼玉県にかけてと神奈川県などの東京近郊地域に使用者が多いようにもみられます。また,例えば「つっこみ」というような限定的な場面での使用者は多いと思われます。 | 使用率(全国)
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解説 いわゆる「ら抜きことば」(一段活用動詞の可能形が「?られる」でなく「?れる」になること)です。目立った地域的分布の傾向は見られません。 | 使用率(全国)
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解説 茨城県の方言形で,使用者はほぼ茨城県のみとなっています。しかし,若者の間で話題になりやすい人の評価に関する語であるため,今後なんらかのきっかけがあれば,首都圏中央部に流入する可能性もあるでしょう。 | 使用率(全国)
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解説 この問いではヤノアサッテの意味はたずねていません。もともと関東地方では「3日後=ヤノアサッテ,4日後=シアサッテ」でしたが,東京都23区では「3日後=シアサッテ,4日後=ヤノアサッテ」であり,隣接地域で意味が逆転していました。その後「3日後=シアサッテ」が共通語として周辺地域に徐々に定着していく反面,ヤノアサッテの意味は混乱していきました。その結果,ヤノアサッテという語形とともに,4日後を表現する語形自体も衰退したと思われます。 | 使用率(全国)
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解説 関西方言のユーテモを省略した形です。東京都23区南西部から多摩地域では使用者が少ないのですが,その周辺部では多く使用されていることがわかります。 | 使用率(全国)
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解説 「わりと」を表す語で,以前はワリカタが多かったとされていますが,現在ではワリカシが関東全域で使用されています。全国的にも広く使用されており,分布の傾向はあまりないようです。 | 使用率(全国)
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解説 「ワンチャンス」から変化した語形で,「もしかしたら?あるかもしれない」という,可能性の低い事柄に対して実現を期待することをあらわす表現です。インターネットで多用されたようですが,大学のサークルなどでも普及しており,意味が男女関係の可能性に限定される場合もあるようです。東京都23区西部から川崎・横浜にかけて使用者が目立ちます。 | 使用率(全国)
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解説 「行きます」の過去否定を,「行かないでした」とする言い方の許容についてたずねています。非過去の否定「行きません」を「行かないです」とする言い方が比較的聞かれるのに対し,イカナイデシタの許容度は非常に低く,一部に「ややおかしい」とする許容の芽がみられる程度です。地理的な分布に傾向はみられません。 | 使用率(全国)
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解説 髪を切った人を見て,「髪を切ったのではないか」「髪を切っているのではないか」とたずねるときに,「髪切らない?」という言い方の許容についてたずねています。許容度は非常に低いのですが,一部で許容する人がわずかに存在します。しかし地理的な分布に傾向はみられません。動詞の種類によっては,許容度が上がる可能性があるので,動詞を変えてたずねる必要があるかもしれません。 | 使用率(全国)
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解説 「飲む」の可能動詞形は「飲める」ですが,さらに「れ」を挿入する「れ足すことば」(五段活用動詞の可能動詞形に「れ」を挿入すること)と呼ばれる現象の許容についてたずねています。関東地方では許容度は低いのですが,「ややおかしい」という人は多く,今後変化する可能性があります。東海地方では許容する人が多くなっています。 | 使用率(全国)
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