異なる言語文化社会において現在生活している人として,ブラジル・米国・フランス・韓国・ベトナムの5カ国に滞在する日本語母語話者(日本人)と,それらの国から渡日して,現在日本で社会生活を営んでいる日本語非母語話者(外国人),および在外日本人との比較のために国内在住の日本人を被調査者とした。日本(語)との比較対照相手とする言語,国(以下,「対照国」と呼ぶ),およびそれに基づく在外日本人・在日外国人グループは,以下の表1のとおりである。
表1.対照相手とする言語,国,在外日本人・在日外国人グループ
言語 | 対照国 | 在外日本人 | 在日外国人 |
---|---|---|---|
ポルトガル語 | ブラジル | 在伯日本人 | 在日ブラジル人 |
フランス語 | フランス | 在仏日本人 | 在日フランス人 |
英語 | アメリカ | 在米日本人 | 在日アメリカ人 |
朝鮮・韓国語 | 韓国 | 在韓日本人 | 在日韓国人(注1) |
ベトナム語 | ベトナム | 在越日本人 | 在日ベトナム人 |
全グループ共通
- 年齢が18歳以上であること
在外日本人,在日外国人
- 当該国に3ヶ月以上在住していること
- 日常的に現住国の人々と社会的接触があること(たとえば,学生で大学の寮と教室との往来が生活の大部分を占めるような場合はできるだけ除く)
国内日本人
- 3ヶ月以上の海外居住経験がないこと
- 日常的に外国人と接する職業に従事していないこと
在外日本人,在日外国人については,各場面につき各グループ30名以上に調査を行った。国内日本人については,75名の調査者を得た。調査全体を通じた被調査者総数は,延べで990人(男性440人,女性550人)である。