日本語ブックレット2005

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活字離れ?

 2005年7月に文字・活字文化振興法が施行されました。
 総合雑誌では,これがどういった法律であるのかが紹介されています。
 また,この記事では,この法律が作られた背景には国語力の低下や学力低下の一因とされる「活字離れ」が進行していることがある,と指摘しています。

 こうした指摘がある中で,毎日新聞社と全国学校図書館協議会が共同で毎年行っている「学校読書調査」や,毎日新聞が行っている「読書世論調査」の結果では,若者の活字離れは下げ止まり,中年層のほうが本を読まなくなっている,という傾向が見出されます。
 総合雑誌でも,「若者の活字離れ」を疑問視し,活字離れが進んでいるのは若者ではなく大人のほうである,という見解が示されています。また,大人の活字離れが子どもの活字離れを誘発しているという見解もあります。
 たしかに,「本をまったく読まない子どもの数が減少傾向にある」というデータ上の現れには,全国的に広まった学校での「読書推進運動」が功を奏しているとも考えられます。
 子どもたちは,学校外で,自発的に読書をしているのでしょうか。これについては不明な点もあります。

 また,総合雑誌には,本を「読む」のではなく,「書く」ことを希望する人々が増えており,大学の講義などでも「創作講座」が増えつつある,とする記事もあります。

 社団法人全国図書館協議会:http://www.j-sla.or.jp/index.html


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