問題があると思われる日本語の言い方・使い方の例を数多く紹介している本です。これまでの「日本語本」の多くは,そのような例を直ちに「間違い」と切り捨てていました。しかしこの本は,なぜそのような言い方・使い方が生まれたかという「誤用の論理」を考察し,場合によっては「間違いとはいえない」と市民権を与えている(「とんでもありません」「汚名挽回」などがその例)点に特色があります。また『問題な日本語』という書名自体が,どこかひっかかるようなものであることも注目された一つの要因です。2005年11月には続編として『続弾! 問題な日本語 何が気になる?どうして気になる?』が刊行されました。
『頭がいい人〜』と『問題な日本語』とには,千円札でおつりが来る値段であること,通勤・通学電車の中などで拾い読みができる構成であること,マンガが随所に挿入されていることなど,ふだんあまり本を読まない人でもとっつきやすいような共通点があります。