小学校の英語必修化に関する本
中央教育審議会外国語専門部会における小学校での英語必修化についての議論の影響もあり,早期英語教育は近年
新聞などメディアでしばしば話題になります。図書では,現実に必修化された場合に教室で何をどう教えればよいか,という実践面の内容の図書もありますが,それは現場の教員向けということで,一覧には挙げていません。一覧に挙げたのは,必修化を推進しようとする官民双方の潮流について述べた図書です。
山田雄一郎氏は二冊の著書で
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- 小学校英語が国の重要な政策であると考える。(中略)その重要であるべき政策が,政策としての形をとっていないと思う。(『日本の英語教育』)
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- 小学校英語は,理念も計画も曖昧なまま,ここまでなし崩し的に進行してきた。子どもたちに英語を!という漠然とした焦りだけが,いつの間にか世間に蔓延している。(『英語教育はなぜ間違うのか』)
と述べています。後者は新聞の書評でも取り上げられました(3月13日付朝日「読書」面)。
また『「教えない」英語教育』の著者市川力氏は,「早いうちから英語に親しませると自然に身につけられる」という世間での「常識」を「早期英語教育幻想」と呼び,著書に加え総合雑誌(『中央公論』1月号「特集;大異変!日本の小学校」)や新聞(8月1日付毎日「新教育の森」欄)でも批判を述べています。他の著者の図書にも「早期英語教育幻想」への批判は共通して見られ,さらに「英語ができるのが国際人の条件」というもう一つの「常識」への批判や,「まず母語である日本語の力を身に付けさせるべき」という主張も展開されています。
小学校の英語必修化に関する本
文献番号 |
書名 (著者) 発行年月 ページ 発行所(発売所) 判型 本体価格 |
454 |
<ちくま新書519>英語教育はなぜ間違うのか (山田雄一郎/著) 2005-2 238p 筑摩書房 B40 720円 |
455 |
<岩波新書 新赤版943>日本の英語教育 (山田雄一郎/著) 2005-4 225p 岩波書店 B40 740円 |
456 |
<光文社新書208>英語を学べばバカになる グローバル思考という妄想 (薬師院 仁志/著) 2005-5 250p 光文社 B40 720円 |
457 |
小学校での英語教育は必要ない! (大津由紀雄/編著) 2005-5 260p 慶応義塾大学出版会 B6 1800円 |
458 |
<中公新書ラクレ176>「教えない」英語教育 (市川力/著) 2005-5 222p 中央公論新社 B40 740円 |