「痴呆」という呼称に関して,「蔑視的表現で,実態を正確に表しておらず,早期発見・早期診断を妨げる要因になっている」という理由から,厚生労働省が検討会を設置し見直しを行いました。「認知症」「認知障害」「もの忘れ症」「記憶症」「アルツハイマー」「記憶障害」の6案を示して一般から意見を募った結果,「認知障害」が最も多くなりましたが,精神医学用語として既に使われているため,「認知症」が選ばれました。
名前を変えても意識が変わらなければ気休めに過ぎないという意見があるものの,名称の見直しそのものについては賛成の意見が多くなっています。
改称発表から間もない12月6日付毎日新聞の「あなたに問いたいことがある 日本のスイッチ」欄では,認知症の呼び方について「ピンとこない」86%,「まあ妥当」14%という結果でしたが,その後,厚生労働省が広報を強化したり,新聞各社も「認知症」を用いるように変更するなどしており,今後の広がりが予想されます。