市町村合併を支援する合併特例法の期限が2005年3月末に切れるのをにらんで,2004年は「平成の大合併」の動きが加速し,それに伴い,新しい自治体名が続々と誕生しました。読売新聞では,4月,夕刊で15回に渡り「消えゆく地名」と題する記事が掲載され,また,朝刊の地域面では週1回の連載「地名探訪」があり,東京都区部の各地の地名の由来やそこに住む人々の思いなどが紹介されました。
新自治体の命名のしかたは一様ではありませんが,注目されるのは,ひらがなの自治体名が急増したことです。これに対しては,「温かい感じ」などと好意的に受け止める意見もありますが,漢字から読み解くことができた歴史や文化が捨て去られてしまうという批判の声も上がりました。
新自治体名にひらがな市町名が増える一方,「由緒ある」「歴史を伝える」旧町名の復活も要望されています。金沢市では,住居表示法が施行されてから消えた旧町名を復活させるため,全国で初めて推進条例が制定されました。