近年,医師と患者のコミュニケーションに関する記事が増えています。その中には,医師の「何気ない一言」に傷ついたという患者の投書や,病気で不安を抱いている患者やその家族に対して「会話を大切に」「心ある医療」を行うことの大切さを述べているものがしばしば見られます。このような中,医師や医療スタッフ,及びその養成段階においても,「医療はサービス業」という意識の高まりとともに,診察で「心通う対話」を実現するために大学で学生に対して「“接客”指導」を行ったり,難しい専門用語を患者に分かりやすく工夫したりといった配慮がなされるようになりました。
読売新聞朝刊の連載「日本語の現場」の「職場で」編では,近年見たり聞いたりする機会が増えた「患者様」という表現を取り上げ,患者と医師双方の意識や,その表現が使われるようになった背景や状況を探っています。
また,薬品の名前には似たものが多くありますが,後発の医薬品について名称を統一するなど,取り違えなどの医療ミスを防ぐための方策の講じられるようになりました。