学力低下の一因として,「読む」ことの軽視や「活字離れ」を指摘する声もあります。新聞社の読書世論調査によれば,1か月に本を全く読まない人が半数いるという結果が出ています。
このような状況で,読書推進運動も活発化しており,超党派の活字文化議員連盟が基本法制定に向けた活動を計画しました。これを受けて,「文字・活字文化振興法」が2005年7月29日に公布・施行されました。その中では,学校教育において,「言語力」すなわち「読む力及び書く力並びにこれらの力を基礎とする言語に関する能力」の育成が十分に図られるよう,国や地方公共団体が積極的に施策を展開することが必要だと示されました。
新聞社でも活字推進プロジェクトを作り,フォーラムや講演会を開いたり,学校に著者が出向いて生徒に話をするなどの読書推進運動が展開されました。例えば,朝日新聞社は「オーサー・ビジット こんにちは作者です!」を,読売新聞社は「活字文化推進フォーラム」を開催しました(いずれも2003年から引き続き行われているものです)。また,毎日新聞社では青少年読書感想文全国コンクールや読書感想画中央コンクールを主催していますが,これらは2004年にそれぞれ第50回と第16回を迎えました。
また,大学図書館や公共図書館では,開館時間の延長や,蔵書のインターネット検索など,サービス向上が図られました。ただし,学校図書館の整備は,財政難などの理由でなかなか進んでいない状況のようです。