2004年には,2つの大きな学力調査の結果が発表になり,学力低下,特に読解力を中心に,低下傾向にあるとの調査結果が示されました。
1月,文部科学省は,40年ぶりに行った高校3年生を対象とした教育課程実施状況調査(学力テスト)の結果を発表しました。国語の正答率は事前の想定を約5ポイント上回る71.5%,英語はほぼ想定どおりの59.3%という結果でしたが,数学と理科は想定を大きく下回り45%〜50%程度でした。なお,国語については,想定正答率は上回りましたが「話の流れや文章の主題をつかみ,自分の考えをまとめる力が不十分」という指摘もありました。
12月には,経済協力開発機構(OECD)が,国際学習到達度調査の結果を発表しました。加盟国を中心とする41か国・地域の15歳の男女計約27万6千人を対象に実施したもので,2000年度に続く2度目の調査でしたが,「読解力」を中心に,日本の子どもたちの学力が低下傾向にあるとの調査結果が示されました。
これを受けて,文部科学省は「我が国の学力は世界トップレベルとは言えない」との初の認識を示し,2005年夏までに読解力向上のための緊急プログラムを策定することになりました。(2005年10月7日,文部科学省は読解力向上のためのプログラムをまとめました。それによれば,学校では国語だけでなく幅広い教科を通じて,文章や資料を解釈し論理的に思考できる力を養成することなどが示されました。)